慶應スポーツ新聞会

【野球】 対戦校インタビュー “Be Ready!” ③立教大学

日本一を目標に掲げる慶大野球部。そんな陸の王者の前に立ちはだかるのが、東京六大学野球連盟の5大学だ。彼らは慶大の連覇を阻むべく、その爪を研いできた。今回、慶大の敵となる他大学の監督・主将・投打の主力に新チームの手応えや、慶大への対策を伺った。

 
対戦校特集の第3回は立教大学を取り上げる。昨年の春は慶大と優勝争いを演じ、21世紀初となる優勝。その勢いのまま59年ぶりの日本一に輝いた。しかし、秋は投打に苦しみ、4位に落ち込んでしまった今年は豊富な投手陣と新戦力が台頭する野手陣がかみ合いここまで無傷の4連勝で首位に立っている。そんな立教大学の溝口智成監督と松﨑健造主将(文4・横浜)、今季ここまで防御率トップのエース田中誠也投手(コミ3・大阪桐蔭)、強打の正捕手藤野隼大選手(経営3・川越東)に迫った。
 

溝口智成監督

フレンドリーに接してくださった

――昨年を振り返って

もう振り返ることはないですね。春は日本一になりましたが、秋は4位ですし、チームも変わって別のチームがやるので。春は良かったですけど、秋は落ち込んでいるので、あえて言えば春の成果と秋に失敗したことを今年に生かさないといけないなと思うくらいです。

 

――春の成果はチーム一丸となれたことですか

そうですね。そこまでいけたのに、秋は4位になってしまったことをちゃんと受け止めてどうやって強いチームであり続けるかということを考えていかなきゃいけないと思います。

 

――新チームの印象は

練習は一番できます。地道な練習をこつこつ反復してやれる力があるチームだと思います。投手は残ってますが、野手は結構入れ替わりが激しいです。不安はありますけど、新チームの発足からいろんなことを試しながら、最後に残っている新しい選手たちがどんな活躍をするのかは楽しみと不安があります。

 

――これまでのオープン戦を振り返って

どうしても、練習と試合を分断して、試合は試合、練習は練習と思いがちです。でも、これだけやってきたのだから練習の成果を出すこと、練習で試していることを実戦の中でやってみろという風にいつも言っています。そういう意味でいうと悪くはないです。実戦に入っても悪い印象はないし、やってきたことを信じてやり遂げればなんらかの成果はちゃんと出てくるかなという手応えはあります。

 

――松﨑主将はどんな方ですか

ムードメーカーで、物事を先頭に立ってやってくれて、言いにくいことも言えるタイプです。信頼しています。僕が言わなきゃなということを先に言ってくれるところもあるので、主将としてリーダーシップを発揮していると思います。

 

――まとめ役として頑張っているということですか

彼だけではないですけどね。学生コーチもいるので、彼一人に頼るわけではないですけど、そういう役割を担ってもらえてるかなと思います。

 

――エースの田中誠也投手は

経験、オープン戦の実績や雰囲気を見ると、田中誠也には柱になってもらわないといけないと思います。

 

――抑えは中川颯投手(コミ2・桐光学園)ですか

中川はどこでも投げられるので、先発もやらせてますし、抑えもやらせています。これからの戦い方や他の投手の状況、中川自体の調子を見て決めていきたいです。

 

――攻守の要である藤野選手に期待したい役割は

バッターというよりも、キャッチャーとして投げる捕る基本技はいいんですけど、インサイドワークや守備の要であるキャッチャーとしての成長はまだまだだと思っています。上級生にもなりますし、打つ打たないは関係なく「投手陣が苦しい時に、藤野のおかげでいい方向に行ったというような存在になれ」といつも言っています。

 

――昨年1年正捕手を務めましたが

まだまだだと思います。打って投げる、盗塁を刺すというところを見ればいいキャッチャーに見えるかもしれません。でも、中身や配球、投手との関わり方、守備の要としての存在でいえばまだまだだと思います。

 

――このチームのキーマンは

こう聞かれた時は「全員」というようにしてます。それは春の財産で、1人に頼る戦い方をしなかったし、1人に頼ってたら優勝できなかったと思います。もちろんそういう投手が出てきてくれれば御の字なんですけど、それがあったとしても2ヶ月間ずっと活躍するというわけにもいかないです。だから投手も野手も1人の能力に頼らずにやっていこうと言っているので、エースの田中然り、1イニングしか投げない中継ぎも、ここぞで代打に出そうと考えている選手もキーマンです。そんなチームカラーかなと思います。

 

――”新戦力”として期待する選手は

三井(健右=コミ2・大阪桐蔭)という外野手です。4番を打たせるつもりです。新2年のショートの宮(慎太郎=コミ2・市立船橋)、サードショートを守らせようと思っている3年の江藤(勇治=経済3・東海大菅生)、オープン戦の後半から売り出し中の2年の外野手の荒井(智也=コミ2・佼成学園)というあたりが、今のオープン戦の調子もそうですが、レギュラーで出した時にどうかなと注目しています。

 

就任後2度目の優勝を目指す

――ルーキーの中で注目している選手は

まだルーキーを戦力としては計算していないです。でも、ここまで生き残っている投手の川端(健斗=コミ1・秀岳館)とファーストをやっている東(怜央=社会1・福岡大大濠)は若い力でフレッシュにやってくれればいいなとは思っています。1年を6人くらいキャンプに連れて行った中で生き残っている2人なので、1年代表として頑張って欲しいですね。

 

――「Go all out Be aggressive」というスローガンについては

昨年の「戮力同心(りくりょくどうしん)」は土台としていますが、それだけでは勝てないし、プラスアルファしていかないと他が頑張っている分、勝てなくなります。そういうことを考える中で、立教の弱さのようなものがあります。秋も4連勝したときは良かったですが、ちょっと負けたりするとそこからやれることをやれなくなる、ムードに負けるみたいなことがあります。そういう状況でもやれることを100%やろうと。劣勢でも、その場でできる限りのことをやろうというのが「Go all out」です。「Be aggressive」も一緒で、ムードに負けないというか、状況に負けずに前を向いて希望を持ってやっていこうという意味が「」に込められています。この2つは秋に勝てなかったことから、この辺だよねというのが選手の中にはあって、そこから出てきた言葉なのでこの達成度が優勝確率じゃないかなと思います。

 

――気持ちを切らさずに集中しようということですか

ずっといい状態というのはあり得ないです。2ヶ月間はもちろん1試合の中でもそうで、山や谷があります。その中で前を向き続けて、やりきるという意味です。

 

――今年の慶大の印象は

わからないですね。投手はイメージがつきますが、どんな感じのチームになっているかが、わからないです。春は印象が持ちづらく、投手がどんな感じは言えますが、誰がこんな感じかなというのはわからないです。やってみてこういうカラーなのか、こういう感じで来るのかという形です。

 

――つまり対策というものはまだないですか

ないですね。対投手はデータを見たり、秋の試合を見てというのはあります。でも、チーム全体としてというのはデータにも基づけないです。対戦は後の方なので、多少は見ていてこんな感じかなというのが出て来た時点で対策があるかもしれませんが、今時点はまだないです。そもそも慶大の前に早大戦、法大戦があるので、まずはそっちを考えますね。

 

――昨年の慶立戦では、1イニングで10失点や5点差逆転など、立大投手陣が打ち込まれた印象があります

投手もそうですが、そうなったときにチーム全体が引いてしまうから、そうなってしまうと思います。そういうことがないように今回のスローガンを毎日毎日唱えている感じです。慶應さんがどう思っているかはわかりませんが、慶應さんとはチームカラーが似ている面があるような気がします。なので、負けるとすごい悔しいですね(笑)もちろんどこも悔しいですけど、いつももつれる印象があります。3年くらい前は1試合目がサヨナラ負けして2試合目はサヨナラ勝ちして、というのがありましたし。僕が現役のころからそうで、大久保(秀昭)監督ともよく「慶應と立教の試合の試合はいつもこんなですね」と話しています。ここ3季連続で勝ち点を取られているので、なんとかしたいです。六大学は対抗戦という面もあるので、対慶應という意識もあります。早稲田には最近勝ってるとか、法政とは5分だなとか、監督はすぐに気にしてしまうので、慶應には負け続けているわけにはいかないなと思ってしまいます。

 

――秋に慶大が優勝した理由はどうお考えですか

春が2位で秋も1位ですよね。チーム一丸となっている感じがしましたし、春の悔しさを返されたという感じもします。慶應さんは4年に1回くらい優勝していて、レベルは違いますが、お互い春秋優勝しているので、いい戦いがしたいなというのと負けたくないという思いはすごくありますね。

 

――春への意気込みを

春連覇や日本選手権連覇というのはよく言われますが、少なくとも日本一になるにはリーグ戦を勝たないと日本一の挑戦権もないわけです。春連覇と言っても前のチームがやったことだから、連覇というよりはこの春に改めて優勝を単発で取りに行くというくらいの気持ちです。今の唯一の目標は春のリーグ戦の優勝なので、まずはそれに向かってやりたいです。優勝のためには前半をちゃんと乗り越えないといけないので、開幕の早稲田戦、次の法政戦で、どう勝ち点を獲得して次の節に持っていくかということのみを考えています。なので、春の優勝を目指して頑張りますし、勝負なので思いもよらないこともあり、相手が勝ることもありますけど、そうなったとしてもちゃんと六大学の一員としてあきらめない、皆さんが見ていて立教の野球っていいなと思えるような状態をずっと作っていきたいです。

 

松﨑健造主将

持ち前の明るさがインタビューからも伝わった

――昨年を振り返って

春はリーグ戦優勝して日本一になった一方、その後の秋では4位で結果を出せなかったので、成功体験と悔しい思いの両方を経験できたと思います。それを今年のチームで生かしていきたいです。

 

――日本一になった瞬間は

正直、嬉しさもありました。でも、一応野球選手なので、準決、決勝でスタメン外されて、開幕当初は3番で期待されていたにも関わらず、結果出せずに部に申し訳ないという気持ちが強かったです。

 

――秋はどうでしたか

自分が出られないのは、他にも好調な選手がいたし、「何で出られないんだよ」という不満は無くて、絶対チャンスが来るから待っていようという気持ちでした。チームが打てない中で、自分の売りはバッティングなので、チームのために突破口開けたらなと思ったんですけど、2・3試合しかスタメンで出られず、いまいち貢献できなかったなと思います。いい意味で捉えると、今年につながる課題が見えたと思います。

 

――春と秋で出場機会に大きく違いがありましたが

結果が出ないというのは技術不足もありますけど、気持ちで負けている部分があったので、そこを1年間変えられないままでした。結果として上手く切り替えることができなかったのは春秋で共通することだと思います。秋は最終戦で久しぶりにいい感触のヒットも打てて、そこは今季につながるかなと思います。

 

――新チームの印象は

監督も言うと思いますけど、めちゃくちゃ練習しています。去年もキツイことに対して前向きにやっていこうという方針だったのですが、今年はより一層その考えが浸透していると感じますね。スローガン通りのチームに近づきつつあるなという印象です。

 

――今年のスローガン「Go all out Be aggressive」の由来、意味を教えてください

秋勝てなかったのは何でかということをみんなで話し合った結果、チームの流れが悪いとそれを打破できない、チームの雰囲気から明るさとか前向きさがどんどん無くなっていました。なので、ベストパフォーマンスを発揮するためにはそういったところを乗り越えていかなくてはいけないと思い、自分を出し切るという意味で「all out」です。aggressiveは、攻撃的に積極的にという意味があるので、そういうチームにしていきたいです。

 

――今年の投手陣は

去年の主力がみんな今年も残って、ちょっとケガとかもありましたが、最近は3人とも状態が上がっているし、練習で対戦しても厳しい球が来て、やっぱり凄いな、違うなと感じます。今年は投手陣が3人の他にも、左を絶対抑える役割、ピンチのワンポイントで投げる役割、ロングリリーフも出来る中継ぎ、といったように役割がそれぞれ決まっています。みんなそれぞれが役割を全うしようとしていると思います。

 

――その3人の役割は

誠也(田中)は1戦目のエース。手塚(周=コミ3・福島)、中川は実績もあるしどこでもいける、どっち先発でもいけるという感じです。野手もそうですけど、まだ細かくは確定はしていないです。

 

――野手は新戦力が台頭してきている印象です

野手は凄いですよ。バッティングがみんな良くなっていて、慶應とかのワンランク上の投手を打てるかはここからやってみないと分からないですが、去年のこの時期のチームよりは明らかにバッティングが良いなと思います。

 

――野手が成長した要因は

やっぱり練習量だと思います。スイング量も上がったし、ウェイトトレーニングや食事を改革して、食べる量も増えて、力もつきました。

 

――今年はどのような戦いをしていきたいですか

スローガン通りに、常に全力で目の前のプレーに全力を尽くていきたいです。あとは、足を絡めたり、攻撃のバリエーションを増やして攻撃的な野球をやっていきたいです。投手は3点以内に抑えて、打者はそれぞれが打率3割を目標にやっています。

 

 ――主将になった経緯は

監督からの指名です。

 

――指名された時のお気持ちは

やるだろうなと、思ってたので驚きはしなかったです。ナルシストなので、部に入った時からAチームに入れてもらって、将来的には主将じゃなくても何かのリーダーにはなるだろうな、なんなきゃなと思って、その準備で色々心がけながらやっていました。高校時代もそうでしたが、なりたいというよりは、なるだろうなという感じです。

 

――目指す主将像は

チームはそれぞれ違うし、同じようにする必要もないので、目指している人はいません。自分は小中高強いチームでキャプテンやらしてもらった経験あるので、学んだことを元に、やっていきたいです。

 

今季も出場は少ないがベンチから声援を送っている

――今年期待の選手は

新3年の江藤と新2年の三井です。この二人が打線の新戦力として結果を出しています。

たぶん、クリーンナップとか打つと思うので、頑張って欲しいです。

 

――ルーキーはどうですか

川端と東は魅力的で、面白い選手になると思います。

 

――小さい頃の憧れの選手は

川崎宗則選手です。いつでもたのしく野球をやってる姿に憧れてました。

 

――現在は

応援しているのは松坂大輔選手(現中日ドラゴンズ)です。高校引退してから、たまたま喋る機会があった時、学生の自分なんかに対して、色々気さくに話しかけて下さって、スターでも偉そうにしてなくてカッコいいと思いました。

 

――プレー面で参考にしている選手は

この人を真似てとかはやめました。スイングは染み付いているので変えられないですが、構えは筒香さん(嘉智=現横浜DeNA)を参考にして背筋を伸ばした構えにしています。

 

――慶大の印象は

投手が良いというのが一番の印象です。打線は、毎年強力打線で、今年は結構メンバー変わると思いますが、みんなポテンシャル高いと思います。高校時代から慶應と戦っていましたが、常に鋭いスイングをしてくるから、怖いですね。ちゃんと対策しなきゃって思っていました。

 

――慶大の対策は

今は初戦の早稲田しか考えていないです。ここからビデオ観て対策を練っていきます。

 

――慶大が優勝できたポイントは何だと思いますか

勝ちたいという気持ちが強かったのだと思います。投手陣がみんな安定して良かったので、そこからリズムを作って、打線も超スラッガーがいて、しみしょーさん(清水翔太=H30総卒)とかいて、みんな怖いバッターでした。総合的に強かったですね。

 

――秋の慶大との一回戦での逆転負けが印象的です。そこから、慶大の勢いが加速したようにも思いますが、どう感じていますか

やっている側は、自分たちがこれからどうしていくかという感じだったので、あんまり意識はしていなかったです。

 

――今年の目標は

チームは、春優勝ということを新チーム当初から言ってきたので、そこに向かって全力で一戦必勝で、スローガンを神宮で体現したいです。個人としては、打撃が求められているのと思うで、勝負強いバッティングをしたいです。あとはチームとして三割という目標があるので、それを達成できるようにしたいです。

 

――今年の意気込みをお願いします

「強い立大」をこの先も印象づけるためには、去年優勝して今年がすごく大事な一年なので、まずは春優勝したいです。

 

田中誠也投手

インタビューに答える田中誠

――昨年の春を振り返って

春はリーグ戦初先発であまり自信がなくて、どうなるのかなと不安でした。自分は2戦目に投げられたらいいなという気持ちでやっていたんですが、エースの藤田さん(凌司=H30経営卒・現三菱自動車岡崎)が怪我で離脱されて、1戦目で投げることになりました。そこで、ひたむきにいい経験になったらいいなと思ってやっていた結果が、優勝という形に結びついたので本当に良かったと思っています。

 

――春のリーグ戦で印象的な試合は

やっぱり明大との3戦目です。1戦目に自分が負けて、2戦目に手塚が投げて勝って、という中での試合でした。ずっと接戦で、8回に1点を奪って「勝ったかな」と思ったところで、裏に逆転されて。その直後にまた自分たちが逆転してサヨナラ、という流れがとても印象に残っています。

 

――全日本大学野球選手権でも好投しました

リーグ戦で強打者にしっかり投げ込めたからこそ、全国の他の打者にも投げられたと思っています。一発勝負という中で、自分の持っている力がそこで発揮できたかなと思います。

 

――秋のリーグ戦を振り返って

秋は、春に優勝を経験してこれからどうなるのかなという感じでしたが、1戦目を投げるつもりで準備はできていました。しかし、相手の1戦目に出てくる投手になかなか投げ勝つことができず、チームが4位という結果に終わってしまったのは、自分が初戦を勝ち切れなかったからと思っています。

 

――秋も個人として良い成績を残しましたが

個人の防御率は3位だったので、1年間通して自分の役割はある程度果たせたのかなと思います。それでもやはり1戦目、相手のエースの投手に投げ勝つことができませんでした。やはり1点差でも負けは負けですし、1戦目に先発で投げている者として至らなかった点があるなというのが、悔しさとして残っています。

 

――ともに50イニング以上で計3完投を記録しています

自分は投げる以上は先発完投という勢いでいっていますし、監督に信頼してもらって3つも完投させてもらっているというのは嬉しいです。大学生活は残り4シーズンありますが、しっかりと1イニングを重ねていった結果が完投という形になれば、と思います。後ろには中川といういい投手が準備してくれている分、思いきってのびのび投げられていると感じます。

 

――個人的には春と秋はどちらがいいシーズンでしたか

春の方が勝ちは多くつきましたが、その後に相手にデータをとられた上でも、ある程度投げられたという点では、秋の方がいいなと思っています。

 

――特徴でもあるコントロールを磨いてきた理由は

150㌔を投げられるピッチャーではないので、自分はリズムとコントロール、打者のタイミングというものを意識して、そこで勝負できたらなと思います。

 

――コントロールの面で意識していることは

両サイドに投げ分けることもそうですが、いくらコントロールできている球でも腕を振れていなければ打者に捉えられてしまうので、しっかりと腕を振った上でのコントロールを意識しています。

 

――新チームの印象は

去年主力だった先輩方が卒業されて打線の軸はガラッと顔ぶれがかわってきていますが、とにかく野手はバッティング、ということで振り込みを多く取り組んできました。その様子を自分たちは見てきたので期待したいですし、投手陣も投げ込み、走り込み、ウェイトとしっかりやってきました。それを技術につなげていけたらなと思います。

 

――チームカラーは

とても明るく練習に取り組む人が多いです。課題をみんなで潰す、というのがチームのテーマでもあります。「Go all out Be aggressive」のスローガンのもとチーム内で意見交換であったり、試合後のミーティングの発言も多く出ていて、去年から続けてきた「全員野球」というものを継続できていますし、それに加えて向上心も見えてきていると思います。

 

――投手陣は健在です 

個人個人としてではなく投手「陣」としてやってきているので、特に1イニング、打者1人を抑えるということを積み重ねる意識で全員で取り組んでいます。

 

――手塚投手はどんな方ですか

手塚は賢いので、自分でしっかり考えて取り組んでいるように見えます。去年彼は秋に悔しい思いをしたと思うので、今年は2人で先発として、3戦目までもつれず1勝1勝を積み重ねていければと思います。

 

――クローザーに中川投手がいることは心強いのでは

中川はいま一番仕上がってきていると思うので、彼が後ろにいるからペース配分とか考えずに思い切り突っ込んでいける部分があります。ピンチに強いので、そこはしっかり任せられると思います。

 

――田中誠投手にとってエースとは

勝てるピッチャーというのがエースとしての条件だと思います。上級生になって今年から背番号も18番をつけさせてもらうことになりました。試合で抑えることももちろんですが、ベンチで声を出したりリリーフに向け準備をすることでチームの先頭を切っていろいろなことをできれば周りの信頼も得られると思いますし、そうすることで周りからエースと言ってもらえる投手になれるのではないかなと思います。

 

――期待する選手は

同級生の江藤くんです。勝負強いバッティングが持ち味で、オープン戦でもここで一本欲しいな、というところで打ってくれているので。彼の援護に期待したいです。

 

――ルーキーではいかがですか

1年のピッチャー、秀岳館高校出身の川端です。すごい勢いのあるストレートを投げていて、体格はそんなに大きくはないんですけど、1年らしく思い切って投げることができれば、他大の上級生の打者も苦労するのではないかなと思います。

 

ここまで防御率は驚異の0.39を記録している

――憧れの人は

ヤクルトの石川(雅則)投手を目標にしています。球速もそんなに速くないなか、球のキレであったり、体も小さいですがたくみに投げ分ける様子は、動画で見ていて参考にしたいなと思っています。

 

――慶大の印象は

昨年のすごいバッターの方たちは卒業されましたが、いいピッチャーがまだたくさん残っている印象です。昨年の慶大の打線には自分も苦労しましたが、今年はその選手たちが抜けた分どんなバッティングをするのかわからないバッターが多いですし、その中で投げていくのも難しい部分があります。ピッチャーに関しても、佐藤投手(宏樹=環2・大館鳳鳴)であったり津留﨑投手(大成=商3・慶應)がまだ残っていてリードのうまい郡司もいるので、なかなか簡単には点が取れないんじゃないかなと思います。慶大とは投手戦に持ち込めたらいいと思います。

 

――慶大戦では1イニング10失点もありました

1イニング10失点の時は、自分も岩見さん(雅紀=H30総卒・現東北楽天)に満塁本塁打を打たれています。どうすることもできないような感覚がありました。

 

――秋には5点差を逆転される試合もありました

秋の試合は自分が先発していい感覚で試合を運べていたのに、少し自分が打たれて代わった比屋根(雅也=経営2・興南)がつかまってしまい、結果的に優勝までいった慶大の勢い、底力を感じました。

 

――正直なところ慶大に対して苦手意識などはありますか

しっかり投げられた試合では大崩れはしていないので、自分のピッチングができればある程度いい勝負に持っていけるのではないかなという印象です。

 

――昨季慶大が優勝できたポイントをどう考えていますか

やっぱり打力ですね、しっかり振ってくる印象があります。中途半端なスイングをする打者がいないので。投手に関しても、秋に佐藤投手がすごいピッチングをしていたので、そこは他の大学にも脅威になったのではないかと思います。

 

――慶大の対策は

慶大とは後半にあたるので、リーグ戦が始まったらまず自分たちはしっかり勝っていって、その中で慶大の試合も見て、対策を立てていきたいと思っています。

 

――対戦したいバッターはいますか

中学の頃バッテリーを組んでいた植田将太(商3・慶應)です。郡司(裕也=環3・仙台育英)がいる中で難しいとは思いますが、対戦したい気持ちは強いです。福井(章吾=環1・大阪桐蔭)とも勝負したいですし、リーグ戦が楽しみです。

 

――2つ下の後輩だった福井選手ですが、印象はありますか

福井くんの第一印象は、西武の森(友哉)さんに似てるなあという印象です。とても社交的で、キャッチングもとても上手かったので、よく投球を受けてもらっていました。

 

――センバツの思い出はありますか(取材当日はセンバツ決勝で大阪桐蔭が優勝した直後におこないました)

3年の春の準決勝、同じ打者に2打席連続満塁本塁打の経験があります。今もそれを糧に頑張れているところもあります。

 

――では夏の甲子園での思い出は

夏の方は、2年で初めて甲子園に出場して全国制覇をすることができました。その時、感動というか、甲子園っていいなあと思いました。とてもパワーをもらえましたし、想像以上の力が出る場所なんだなあと思いますね。

 

――春と夏では印象が違うものですか

春と夏で甲子園の雰囲気は全然違います。春の方が静かなイメージかな。夏はやはりどこも最後の大会なので。どちらも盛り上がりますが、その中でもかける思いが違うのかなあと。

 

――ありがとうございました。では本題に戻って、チームの目標は

チームとしてはやはりリーグ優勝。そのために一戦一戦、しっかり戦っていきたいと思います。

 

――個人の目標は

去年1年間通して投げたことから相手にも知られている部分が多いので、去年ほど安定したピッチングはできないと思っています。その中でいかに粘って投げられるかというところです。とりあえず春はリーグ戦を通して投げ抜けるようになりたいです。

 

――シーズンに向けて意気込みを

秋も自分は悔しいシーズンだったので「あの一球が」ということがないように、悔いのないよう日々を積み重ねていきたいと思います。

 

藤野隼大選手

インタビューに答える藤野

――まずは春季リーグを振り返っていかがですか

春のリーグは大学に入って、初めてスタメンで出してもらうということで、手探りな部分も多かったです。慣れていくうちに気づいたらリーグ優勝して、日本一にもなっていたという感じでした。すごく内容が濃くて、自分自身にとっても糧になることが多かったですし、初めての中であれだけやらせていただけたのは、自分の野球人生の中でもいい経験だったと思います。

 

――リーグ優勝した時の心境はいかがでしたか

早慶戦をロッカーで見ていたんですけど、決まったときはロッカーの中も盛り上がっていましたし、初めて人生の中でああいう雰囲気を味わえたのでとても嬉しかったです。

 

――レギュラーを掴めた要因は

新チームに切り替わったときにすごくアピールをできた試合があって、そこから上にいた高田(涼太=H30コミ卒・現JFE西日本)さんと同じくらいチャンスをいただきました。その中で、ピッチャーの田中だったり手塚だったりと同じ学年だったこともあって、ピッチャーとのコミュニケーションが取れたことで信頼もできて、レギュラーに繋がったのかなと思います。

 

――大学選手権についてはいかがでしたか

リーグ戦と違って一発勝負という緊張感の中だったですけど、4年生の先輩方に引っ張られて、優勝できたなというイメージがあります。

 

――日本一を経験して得たものは

一戦を取りに行くという戦い方も分かりましたし、六大学以外の大学の選手たちを見れたことはとても刺激になりました。

 

――印象に残っている試合はありますか

決勝と準決勝ですね。準決勝の天理大学戦は、熊谷(敬宥=H30コミ卒・現阪神)キャプテンがしっかりと決めてキャプテンの意地を感じられた試合でしたし、決勝もあれだけお客さんが入っていた中で試合ができたのも新鮮でとても良かったです。

 

――緊張などはありましたか

あそこまでいくと緊張というよりは楽しもうという気持ちが強くて、楽しみながら試合ができたなという感じでした。

 

――秋季リーグを振り返っていかがでしょう

春勝てた要因に防御率の低さがあったんですけど、秋は春よりもだいぶ失点が多くなってしまいました。もちろんピッチャーの調子もありますけど、自分もそれを踏まえた上での配球もしなければならなかったと思います。そこで立教の強みが崩れてしまって、そこから打線にも影響を及ぼしてしまったと思います。個人としては、打撃で春を超える成績が残せてベストナインも取れたので、いい経験ができたと思います。

 

――バッテリーで崩れてしまった要因はなんだとお考えですか

春に多くの試合をして、他大学もデータを取ってきたと思うんですけど、そこに対して自分たちの引き出しが少なくてはまってしまったのがあると思います。あとは、春よりも慣れと言う部分が出てきて、少し油断があったのかなと思います。

 

――リーグ戦の間にバッテリーで工夫したことはありましたか

それぞれ特徴のあるピッチャーがいるので、相手のマークの裏をかくような配球をしたり、原点である低めへのコントロールなどに重点を置いて、バッテリー間でコミュニケーションは取っていました。

 

――秋は本塁打が4本に増えましたが

正直、練習していたのは長打を打つことではなくて、しっかりと芯に当てて強いスイングをすることでした。それが結果として強いスイングからホームランに繋がったのかなと思います。

 

――1年間を通して、バッティングで好調を維持できた要因は

自分の感覚の中でのチェックポイントがあって、そこを重点的にチェックしていました。それと、学生コーチの坂本憲吾さん(社会4・桐光学園)が親身になって、不調の時も打撃のアドバイスをくれたので、周りで指導してくれた方たちの存在が大きかったと思います。

 

――昨年リード面で意識していたことと苦労したことは

左に、右の本格派に、アンダースローにと全員が違う個性を持っていたので、ブルペンで受けて、それぞれの型を見極めていくのが大変でした。その型を踏まえて、ピッチャーがどういう風にバッターを抑えたいかとか、どういうリズムで投げたいかを意識しながら、リーグ戦は臨んでいました。

 

――バッテリーでかなりコミュニケーションは取りましたか

ブルペンで投げる時もしっかりしましたし、試合の時にもバッテリーで課題を決めて臨みました。同じ年齢のピッチャーも多いので、密にコミュニケーションは取れていると思います。

 

――昨年レギュラーとして出場し続けたことで得たものは

技術として成長できた部分もあるんですけど、周りから応援されることがすごく力になることを感じました。大学の友達とか、親などが応援してくれているのを聞いて、それがすごく自分の原動力になったなと思います。高校の時は、甲子園だったりとか自分のために野球をやっていたイメージがあるんですけど、そういった面での感覚を得ることができたことは大きかったと思います。

 

――1年次と比較して成長できた部分は

気持ちの面ではだいぶ余裕ができて、自分で一杯一杯だったところから、周りに配慮することができるようになったりして、視野も広がったと思います。それで、自分自身のプレーも向上したと思います。

 

――昨年と比べて、今年のチームの印象は

やっぱり守備から入っていくチームだなと思います。去年いた山根(佑太=H30経営卒)さん、大東(孝輔=H30社会卒・現明治安田生命)さん、勝負強い熊谷さんだったりが抜けて、打撃力の低下は否めないと思うんですけど、その中で一人一人が役割に徹することで、打線を点ではなくて線で捉えていけるのが今年のチームかなと思います。守っていく中で、ワンチャンスをものにしていくのが、今年のスタイルだと思います。

 

――チーム内で意識していることは

ワンチャンスで、というのはありますけど、やはり打撃力は上げていかなければいけないので、この冬は強いスイングを意識して取り組んできました。振れないと分かっていたので、チームで熱心に取り組めたことだと思います。

 

――打線で核だった選手が抜けましたが

もちろん勝負強い場面で打っていた先輩方だったのでいなくなった不安はありますけど、それを補うくらいの新戦力も出てきていて、それぞれがレベルアップもしているので、今後期待できると思っています。

 

――接戦をものにしていくという勝ち方を理想とする中で、自分自身の役割をどう捉えていますか

バッテリーとして、失点を最小限に抑えてゲームを作ることが自分の役割だと思っています。野球は点を取られなければ負けないスポーツなので、いかにピッチャーを引っ張っていけるかが重要だと思います。

 

――何か今年新たに取り組んでいることは

バッティングは去年三振が多かったこともあって、三振を減らすような努力をしています。守備は後逸が多かったので、そこも減らせるように取り組んできました。

 

――オープン戦での手応えはいかがですか

後逸は確実に数が減っていて、練習の成果が出てきているかなと思います。バッティングに関してはリーグ戦が始まってからどうかな、という感じで、あと残り1週間くらいでしっかり調整していきたいと思います。

 

――バッティングの調子は現時点でいかがですか

現時点では正直あまり良くないです。あと1週間でなんとかしなければいけないなと思います。どうしても波があるのでしょうがないですけど、どうしても去年よりは打たなきゃという気負いがあるのかなと思います。

 

――溝口監督からは、藤野選手は6番あたりでという話がありますが

そうですね。4番5番を打つよりは、6番7番あたりで守備に徹して、その中でチャンスが来たら、しっかりと仕事を果たしていくのが僕の役割だと思います。

 

――6番7番の方がやりやすいという感覚もありますか

そうですね。4番とかだと、「打」というイメージを自分が持ってしまうので。6番とかの方が守備を中心に考えながら、プラスアルファでバッティングという意識で野球ができて、キャッチャーとしてはやりやすいです。

 

正捕手としても心強い存在だ

――今年のスローガン「Go all out Be aggressive」について、ご自身でどう捉えていますか

メンバーも入れ替わってすごく若いチームなので、やりきるということであったり、積極的に攻撃的にいくという点は、チームに合っていると思います。スターがいない分、気持ちの部分で戦うことも多くなると思うので、とてもいいスローガンだと思います。

 

――チーム内ではどれくらい浸透していますか

冬の段階からも、打撃では1000スイングをしっかりやり切ろう、という声かけだったりもできていました。春のキャンプでもスローガンを徹底してきたので、かなり浸透してきているかなと思います。

 

――今年期待の選手やルーキーは

ピッチャーでいうと川端です。甲子園での実績もありますし、神宮でも活躍してほしいなと思います。バッターだと三井が体も大きくて、魅力的なスイングをしているので、期待しています。

 

――川端投手は実際に受けてみていかがですか

ストレートの質もすごくいいですし、マウンドさばきとかも他のルーキーに比べると慣れているので、あとは神宮でどれだけやってくれるかなという感じです。

 

――自分自身の憧れの選手は

僕は、あまりプロだったりとか、上の選手に目標を置いてやっているのではなくて、常に自分が成長していこうというイメージでやっています。なので、憧れとかとはあまりないですね(笑)。

 

――では参考にしている選手などはいますか

自分は結構身近にいる選手を参考にしています。高校の時は一個上の先輩を参考にしていましたし、大学選手権で対戦した富士大の選手(小林遼=現JX・ENEOS)などもキャッチングが上手かったので参考にしました。プロというよりも、周りにいる人の方がイメージしやすいです。

 

――今年の慶大の印象は

岩見さんとか清水さんが抜けて、打撃での厚みは去年ほどではないと思うんですけど、ピッチャーがすごく残っていて層も厚いので、そこをいかに打てるかがカギかなと思っています。打撃でもいないわけではなくて、柳町(達=商3・慶應)とか郡司といった勝負強い選手もいるので、手ごわい相手だと思いますし、接戦になるのではないかなと思います。

 

――慶大が昨季優勝できた要因はどう考えていましたか

ピッチャー陣がしっかりとゲームを作っていて、来たチャンスでしっかりと岩見さんや清水さんが打つ、という守った中でのゲームができていたので、それが優勝に繋がっていたと思います。

 

――今年の慶大に対しての対策は

ピッチャー陣をどう打つかというのをチームとしての課題として挙げています。打線も去年の対戦成績が良くない郡司、柳町といったあたりをいかに抑えるかをバッテリーで話しています。

 

――具体的に警戒したい選手を挙げるとすると

個人的なライバル意識も入ってしまいますけど、郡司は意識せざるを得ない選手かなと思います。秋はあまり調子が上がってなかったですけど、彼が打つとチームも勢いが出てくるので、いかに抑えるかがカギになるかなと思います。

 

――同じ川越東高校出身の髙橋佑樹選手(環3)についてはいかがですか

個人的に神宮で対戦したい選手なので、頑張ってほしいです。去年の春は4打数1安打で、それも内野安打だったのでリベンジしたいですね。

 

――チームと個人での今年の目標は

春のリーグ戦から去年は日本一にまでなれたんですけど、今年はまずはチームとして春のリーグ戦連覇を目標にやっているので、それを成し遂げられるようにやっていきたいです。個人としては、守備面でバッテリーを引っ張って防御率1位を目指してやって、その中で打撃、盗塁刺などでも貢献して、ベストナインを取れるといいと思います。

 

――今季への意気込みを

去年1年間の経験を糧にして、去年以上に成長した姿をチームとしても個人としても見せ、リーグ優勝できるようにしたいと思います。

 

(取材・尾崎崚登、内田貴啓、竹内大志、重川航太朗)

ご協力いただいた立教大学野球部の方々、ありがとうございました。

なお4名への取材は4月4日におこないました。

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