【ラクロス(男子)】宿敵相手に大差で力負け/第26回早慶ラクロス定期戦

太陽が強く照り付ける日吉陸上競技場で、今年も早慶ラクロス定期戦が行われた。開始早々にAT立石真也(政2・慶應)が先制点を奪うと、1Qでは一進一退の攻防が続く。2QでもAT小笠原圭允(商4・慶應)、MD山本陽亮(商4・長野)がシュートを決めるが、パスミスなども目立ち上手く攻撃が仕掛けられず、相手に攻め込まれる時間が徐々に増えていく。ハーフタイムを挟んだ3Qでは先制点を挙げた立石が2連続得点を決め、再びチームを勢いづける。しかし終わってみれば後半での得点は立石のこの2得点のみ。武器である運動量を生かした相手の攻撃を抑えられず、大差で敗れた。

 

試合後、挨拶をする浅岡主将

 

5月20日14:10F.O. 第26回早慶ラクロス定期戦
@日吉陸上競技場

 

慶大

経過

早大

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

15

 

スタメン

ポジション

背番号

名前

学部・学年

出身高

得点

G

杉本健

経4

慶應

DF

片山瑛人

経4

慶應

DF

21

脇本堅太

総3

慶應NY

DF

57

宮越陸人

理2

慶應

LMD

28

一瀬拓也

法4

慶應

FO

75

山本正太

商4

慶應NY

MD

松平悠希

経4

慶應

AT

立石真也

政2

慶應

AT

39

小笠原圭允

商4

慶應

AT

90

浅岡大地

文3

慶應

 

毎年盛り上がりを見せる早慶定期戦。今年も観客席は埋め尽くされ、多くの観客が熱い一戦を見守った。春に行われた六大戦で敗れた早大に勝利し、リーグ戦へ向けて弾みをつけたいところだ。

1Q開始早々、パスを受けた立石が先制点を挙げ、良いスタートを切る。「慶大に流れが来たと感じた」と立石が振り返るように流れに乗って得点を重ねていくかと思われたが、FOをものにできず相手ボールの時間が続く。すると相手に低めからのシュートを流し込まれてしまう。その後AT浅岡大地(文3・慶應)が相手DFの隙をついてシュートを決めるが、一進一退の攻防が続き、1点ビハインドで最初のQを終えた。

立石はハットトリックの活躍を見せた

 

1Q終盤からの悪い流れを断ち切れず2Q開始早々に失点を喫するが、駆け上がった山本から繋いだパスを、最後は小笠原がゴール裏から回りこんでしっかりと決める。さらに山本が相手DF陣をかわしてランシューを決めるが、相手も負けじと足の速さを生かした攻撃を仕掛けてくる。連続得点を簡単に許してしまい、4-8で後半に臨むこととなった。

2Qで得点を挙げた小笠原

 

3Q。先制点を挙げた立石が再び躍動。開始直後のゴールはファールがありノースコアとなったが、勢いを止めることなく2連続得点を決める。点差を順調に縮めていったが、パスミスも目立ち、慶大のポゼッション時間は徐々に短くなっていく。素早い攻撃を仕掛ける相手を抑え切ることができず、終盤で失点を許してしまう。

後半は守備の時間が多かった

 

勝利のためにはまず追い付くしかない4Q。中盤でボールを奪った小笠原が走りこむがゴールとはならず。昨年の早慶定期戦で見られたような追い上げを期待したいところであったが、慶大の攻撃になかなか火がつかない。一方の早大は強みである運動量が最後まで落ちることなく、次々と勢いのあるシュートを決めていく。終了間際には豪快なジャンピングシュートでダメ押しの15点目を決められ、得点を決められないまま5連続失点を許す結果となった。前半でのビハインドを更に広げられ、6-15で試合終了。定期戦勝利とはならなかった。

懸命な守備を見せた片山

 

 

9点という大差での敗戦となった。春に行われた六大学戦で唯一勝つことのできなかった早大に対し、しっかりと研究を重ねて臨んだ一戦だったが、後半でも落ちることのない相手の運動量に対し「走り負けて」(浅岡主将)しまう部分が多く見られた。しかし、前後半ともに最初の得点は慶大が決めている。序盤の流れを上手くつなげることができていれば、結果は変わっていたかもしれない。悔しい敗戦となったが、選手たちの視線は今後のリーグ戦、そして目標である日本一へ向いている。流れのある時間帯もない時間帯も、しっかりと力を出し切れるようにしていきたいところだ。「社会人に勝てるチーム」(杉本)を目指し、今後に向けて歩みを進めていく。

 

(記事:伊藤史織 写真:堀口綾乃、内田貴啓、左近美月、手塚まこ)

 

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以下、選手コメント

浅岡大地主将(文3・慶應)
――試合を振り返って
1Q2Qは良い流れでオフェンスができていたと思うんですが、3Q4Qがゴテゴテになって、それで早大に走り負けたかなという部分もありました。あとはオフェンスのポゼッション時間がとても短かったし、簡単にディフェンスの手に渡って、流れが悪い方に切り替わってしまったのかなと思います。

――戦ってみて、早大の印象は
やっぱり一つ一つのプレーに対してすごく執着心が強いなというのはありました。ただ僕たちも早大のことをしっかり研究して考えてきたつもりではあったので、それが生きた部分っていうのはしっかりあったと思っています。良いパフォーマンスを常にできるかというところが僕たちの今日の欠点でもあると思います。早大は、毎回僕は言わせてもらってるんですが、本当に球への執着心と運動量が本当にすごいチームだなと思いました。あと今年はすごく雰囲気がいいなというのは感じました。僕が22歳以下の日本代表の選考会に行った時に会った、FOerで今日の最優秀選手賞の嶋田育巳人選手を中心にチームの雰囲気が盛り上がっているなという感じはしました。

――六大戦でも早大相手に敗れていますが、それを受けて何か作戦などはありましたか
六大戦に関してはお互いシーズンが始まってすぐというのもあって、特に戦術とかは考えていなくてただ自分たちの力をしっかり発揮できるかというところの勝負でした。あの試合に関しては勢い、流れに負けたという試合だったので、今回は僕たちが勢い、流れを作って、それをどういう場面でも100%出せるか、成功させることができるかというところで考えてはきました。

――ご自身の得点を振り返って
早大のディフェンス的に立石真也はキーマンだなと思うので、早大のDFが立石に対して強くいったときの隙に僕が入り込んでという感じでした。ある程度イメージはしていたので、それがうまく決まったなと思います。

――攻め込まれる場面も多かったですが、守備面での課題は見つかりましたか
今日の早大は中にぐいぐい入ってきて危ないキーマンに対してどれだけ早く止めるかというのが肝になっていたかなとは思います。早大のキーマンに対して後半の部分でやられたかなという印象はあります。

――今後のリーグ戦に向けて
僕たちの最後のゴールは早慶戦ではなくて、かといって関東決勝でもなくて本当に全日本優勝なので、その中で一つの大きな通過点という見方をしたときに、負けた身でこんなことを言うのもあれですけど、今日の結果をポジティブに捉えてこれから始まるリーグ戦、しいては全学全日に向けてしっかりと良いチーム作り、しっかり勝ち切って圧勝圧倒できるようなチームをみんなで作っていこうと思います。

 

杉本健(経4・慶應)
――試合振り返って
素直に悔しいというか、悔しいという思いと申し訳ないという思いです。これが実力、実力通りの試合になったなと思いました。

――大量失点を許した要因は
前回の六大学戦も同じような展開で、そこからなんとか修正しようとしたんですけど、なかなかディフェンスをまとめきれなかったです。でもあくまでも目標はここには置いていなかったので、良い機会になったかなというのが率直な思いです。

――昨季と比べて早大の印象は
昨季はもっと個人でガツガツと攻めてきたんですが、今季はそれが少ない分、組織で点を取ってくるという印象です。今までにはない強さがあって、そこに対応することが難しかったです。

――優勝選手賞を獲得しました
嬉しくないと言ったら失礼になっちゃいますけど、そこまで嬉しい思いはないです。もちろん、個人としてもレベルアップは目指していたんですが、今年は副将としてチームを勝たせるのが使命なので、やり切れない思いです。

――今季はどのようなチームにしたいですか
例年言っているように、社会人に勝てるチームってことで、学生ならではの運動量とか熱を持ちつつ、しっかりディフェンスで守ってオフェンスにつなげるという基本的な当たり前のことを当たり前にできるようなチームを目指しています。なので、もう一回やり直しかなという感じです。

――今後のリーグ戦に向けて
今回は負けましたけど、日本一という目標を変えるつもりはなくて、学生に勝った後社会人にも勝つというチームを目指しています。もう一回自分たちのレベルを見直して、目標に向かってどうアプローチをかけるかだと思うので、ここで変われないと勝てない、変われるチャンスがあると思って、変わった慶應ラクロスを見せていきたいです。

 

立石真也(政2・慶應)
――試合を振り返って
悔しいです。ただただ、悔しいです。

――1Qで見事先制点を決めました
1Q最初の3分くらいで点を取れた時は慶大に流れが来たと感じました。その流れに乗っていれば勝てたと思いますが、そこを乗り切れなかったことが悔しいです。

――3Qにもゴールが決まりました
その時すでに3点差が付いていて結構ビハインドだったので、自分が得点するしかないという思いでシュートを打ちました。

――背番号が昨年とは変わりましたね、3番は昨年のキャプテンが付けていたと思いますが
去年のキャプテンの井上裕太さんはラクロス面でも私生活、フィールドの外でも尊敬できる先輩で、リスペクトしていたので番号を下さい、という形で貰いました。

――早慶戦の雰囲気はどうでしたか
去年も早慶戦に出ていたので2度目だったのですが、やっぱり観客の数は多くて、その前で負けてしまったのはとても悔しいです。

――相手の印象は
早大は運動神経が良くて走れるチームで体も強いのでそこは素直にすごいと思っています。そこにしっかりと、慶應らしい戦い方で勝たないといけなかったなと試合が終わってから感じました。

――今日に向けてどのような練習をしてきましたか
1ヶ月前くらいから早大のスカウティングをして、早大に有効なオフェンスやディフェンスを考えてきて、戦術面でも気持ちの面でも全員で負けないとしてきました。

――リーグ戦に向けて、これからの意気込みは
リーグ戦もすぐに迫っているのでそこに向けてしっかり修正して自分たちの強みを作っていかないと早大相手にもまた同じような結果になってしまうのでチーム150人全員でチームを作り直して行きたいなと思います。

 

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