慶應スポーツ新聞会

【野球】特別企画 早慶戦直前! 河合主将インタビュー

まずは完全優勝で昨秋を「超越」する

―早稲田に勝利した上で優勝したい―

第7週の結果で早慶戦を待たず2季連続36回目の優勝が決まった慶大。しかし、今見据えるのは早大との宿命の対決・早慶戦のみだ。早慶戦で勝ち点を取り、完全優勝を目指す慶大野球部の主将を務める河合大樹(総4・関西学院)に早慶戦直前インタビューをおこない、これまでの軌跡と早慶戦への思いを伺った。

 

――これまでのリーグ戦を振り返って

ミスは出ているものの、粘り強さが出ていることで厳しい試合でも勝つことができています。少し出来すぎかなというくらい、良い雰囲気で戦うことができていると思います。

 

――印象に残っている試合は

立大3回戦です。田中誠也投手をどのように攻略するかということで、チーム全員でセンター返しを徹底することができました。チーム全員が同じ方向を向くことができましたし、良かった試合だと思います。

 

――立大戦で勝ち点を取るために、ご自身がチームにかけた言葉は

「勝つにせよ負けるにせよ、常に挑戦者の気持ちでとにかく攻めていこう」と言いました。

 

――現在(5月25日時点)打率がリーグ2位、安打数が1位と、打撃が好調です。その要因は

好調というか、良いところに打球が飛んでくれているのだと思います。他の打者だったらアウトになるような打球が、僕の場合だと自分の脚力を生かしてセーフになっていたりもしますし…。あとは、「打つべき球ではしっかり振る、打たなくていい球では振らない」ということも意識しています。自分が打てる球をきちんと選んで打つことができているなと思います。

 

――打席に入るときに意識していることは

「簡単にアウトにならない」ということです。凡打になってしまったとしても、僕の脚力を生かすことができれば、ゴロもセーフになるかもしれないので…。簡単にフライを打たないように意識しています。

 

―普段から「攻める」ということを意識してきた―

 

インタビューに答える河合

――ご自身の調子が落ちているなと感じるとき、それを改善していくにあたってどのような取り組みをされていますか

僕は調子が悪いとき、自分が打てない球をも打ちにいってしまう癖があります。監督からのアドバイスはなく、自分で調整していくという形です。毎晩バットを振っているので、そこで「ダメだな」と感じたら、その感触が良くなるまで振るようにしています。今は自分が打ちたい球だけを選んで打つことができているので、良い感じで来ているなと思います。

 

――開幕前インタビューで、「個人の調子が上がれば、チームの成績につながる」とおっしゃっていました。今、有言実行されていますが

僕は一応上位で打たせていただいているのですが、後ろには柳町(達=商3・慶應)・郡司(裕也=環3・仙台育英)をはじめとした良い選手たちがそろっています。僕が塁に出れば彼らがつないで返してくれると思いますし、今はそれを実現できていて良い状態だなと思っています。

 

――打席に入るときのルーティン、または意識していることは

ベースを足でトントンとするのですが…あまり深い意味はないですね(笑)あまり周りを見ずに、投手だけに集中することを心がけています。

 

――今季これまでの三振数は1です。これについてはいかがですか

もともと球をバットに当てるのは苦手ではないですし、「あまり空振りしないな」とは自分でも思っています。空振りしてしまう球についても一応自分の中ではわかっているつもりですし、振らない球もあらかじめ決めてから打席に入っています。こういう取り組みが今の三振数につながっているのかなと思います。

 

――盗塁数も現在3位です。ご自身の脚力が生かされているのでは

盗塁は全然得意ではなくて…(笑)正直あまり自信がありません(笑)オープン戦でもあまりやっていなかったのですが、「やはり攻めていかないといけないな」と思い、そこからどんどん挑戦していくようになりました。一塁までの到達スピードには自信がありますが、盗塁に対しての自信はあまりないですね。ですが、今後も盗塁できるチャンスがあれば挑戦していきたいと思っています。得点圏に走者を置いて柳町・郡司を迎えるというのが一番良いと思うので、そのような場面になればどんどん攻めていきたいです。

 

――昨季を終えて、ご自身で足りないと感じた部分はありましたか

まず打席数が少なかったのですが、「けがをしてはいけないな」ということは痛感しました。昨季はけがをした状態で開幕を迎えてしまったので…。また、繰り返しになってしまいますが、リーグ戦で結果を出すためには打つべき球を打たないといけないなと感じていました。今はその部分ができているかなと思います。

 

――冬季にはどのようなトレーニングをされましたか

打撃も守備も…脚も速くしないといけないなと思いましたし、バントについても…全部やりました。レギュラーが確約されていたわけではなかったので、もっともっと成長しなければいけないなと思っていました。つなぎの打順で起用されると思っていたので、バントの練習は毎日やっていましたね。

 

――守備に関して、試合中に意識されていることはありますか

「あまり気にしない」ということです。ピンチの時でもあまり緊張せずに、リラックスして守備に臨むようにしています。これは少し極端かもしれませんが、「たとえ点を取られてしまっても大丈夫だ」くらいに大きな気持ちでいるようにしています。「ここは日吉のグラウンドと一緒だ!」くらいに思いながら守るようにしています(笑)平常心でいるように心がけていますね。

 

――練習中に意識されていることはありますか

一生懸命にやるのは当然ですし、普段の練習から「攻める」ということを意識しています。打撃にしても守備にしても、普段自分が打てない・捕れないような球に挑戦するようにしています。最近は林助監督からも指摘されていますし、もっともっとそういったところを頑張っていきたいです。

 

――守備におけるご自身の強みは

守備には全然自信がないのですが…(笑)一応、守備範囲は広い方かなとは思っています。ですがあまり得意ではないので、何とも言えないですね(笑)

 

―僕は基本的にみんなのことを尊敬しています―

 

ここまで打率.429とチームトップの結果を残している

――ご自身の性格は

静かといいますか、落ち着いている方かなとは思っています。

 

――その冷静さは野球にも表れていますか

はい。熱くなる時は僕も熱くなりますが、大久保監督も「心は熱く頭は冷静に」とおっしゃっていましたし、冷静でいることを心がけています。しっかりと状況を判断した中で打席に立ちたいですし、守備もしたいと思っています。

 

 

――ご自身のセールスポイントはまた、それをさらに磨くために取り組んでいることは

脚力です。特になにかをしているわけではないのですが…(笑)今は股関節の可動域を広げるトレーニングをしています。けがをしにくくなりますし、僕は結構筋肉が張りやすいので、いかに疲れを残さないようにするかという面でも効果的だなと感じています。

 

――「脚力」をご自身の武器だと感じ始めたのはいつごろからですか

小学生の頃からです。逆にそれ(脚力)しかないので…(笑)運動会とかでも結構速かったと思います(笑)

 

――野球を始めたきっかけは

小学3年の時に一番仲のいい友達から誘われたのがきっかけです。もしそれがサッカーだったらサッカーだったでしょうし、特に野球じゃないといけなかったというわけではないですね(笑)

 

――憧れの選手や尊敬する人はいらっしゃいますか

憧れの選手は、今は特にいないです。実際にリーグ戦を戦う中で自分に何ができるのかを考えたときに、プロ野球選手を目指すというよりも「自分がチームの中でどのような選手でいるべきか」ということを考えています。(尊敬する人は)僕は基本的にみんなのことを尊敬しています。一人一人に良いところがあるなと思っているので。ですが、やはり大久保監督ですね。野球についての見識が深いですし、チームのことを一番に考えていらっしゃるなと思います。

 

――ご自身は小中高でも主将を務められていますが、これまでの主将経験と大学での主将として仕事の違いはありますか

小中高では、どちらかというと「真面目にやっていれば主将になれる」というようなところがありました。ですが大学に入学してからは、きちんとした野球の能力と人格がないと主将は務まらないんだなと感じました。僕が主将になったのも、もちろん誠実に取り組んできたということもあると思いますが、偶然僕が試合に一番出ていたということが大きいと思います。まだまだ野球の能力が足りていないと感じているので、もっともっと成長していかなければいけないなと思っています。

 

――主将として心がけていることは

練習にしっかりと取り組むことは当たり前ですが、それに加えていかに(部員に対して)僕が思っていることを発信していくか・どう伝えていくかということに気をつけています。これは小中高での主将と違うところでもありますね。練習中であっても、試合中であっても、私生活であっても…後悔しないように、いつでも言おうと思ったことを飲み込まないようにきちんと伝えていくことも大事にしています。

 

――それは、リーグ戦を戦っていく中でなにかが変化した結果なのでしょうか

そうですね。キャンプ中やシーズン前では、あまり思ったことを伝えていませんでした。ですが大久保監督から「もっともっと発信していく方がいい」と言われ、それからは伝えていけるようになったかなと思います。

 

――目指す主将像は

一番信頼される、「こいつがいないとダメだな」と思ってもらえるような主将です。チームの柱になりたいと思います。

 

――座右の銘は「小事に不忠実なものは大事にも不忠実である」ですが、そのルーツは

なにかで見て知ったのですが…あまり覚えていません(笑)ですが見たときに「たしかにそうだな」と思いました。小さなことからきちんとやっていければ自信にもなりますし、その自信が試合での良いプレーにつながると思います。「後悔しない生き方」といいますか、どんなことに対しても挑戦するという姿勢は大事にしています。

 

――河合主将から見て、ここまでのリーグ戦は思い通りに進んでいますか

うーん…思い通りではありませんが、うまくいっているとは思います。もっとミスを減らすことができると思いますし、もっと点を取ることができたり、失点を抑えられたりすると思います。まだまだできることはたくさんありますね。

 

――チームをまとめる上で気をつけていることは

「チームをどうまとめようか」ということについてはあまり考えていないですね。そこは泉名(翔大郎=商4・慶應志木)や大久保貴裕(商4・慶應)といった(学生)スタッフたちに任せていて、そのおかげで僕はプレーに専念させてもらっています。できるだけ「自分のプレー」でチームを引っ張っていきたいと思っています。

 

―自分たちのやりたいことをやることが大事―

 

――河合主将から見て、今年の慶大はズバリどのようなチームですか

「みんなで勝とうという雰囲気がある」チームです。試合に出ている・出ていないメンバーにかかわらず、全員がグラウンドで一丸になっているなと思います。ベンチに入っていなくてもみんながグラウンドに来て盛り上げてくれています。

 

守備でもチームを幾度となく救ってきた

――今季の慶大が好調な要因は

バントだったり守備だったりに対する取り組みをみんながしっかりとやっていることだと思います。「自分たちはこれだけやってきたんだ」という自信を持って試合に臨めていることに加え、常に挑戦心を持って攻める戦い方ができているのが今の好調の要因だと思います。

 

――リーグ戦を迎えるにあたって不安はありましたか

キャンプの時からこのチームは弱いと言われ続けていたので、「これで勝てるのかな」という不安はずっとありました。

 

――その不安はどこで手応えに変わりましたか

リーグ開幕直前のオープン戦で連敗してしまっていたので、開幕後もやはりしばらくは不安でした。ですが実際に戦っていく中で少しずつ自信はついてきているなと感じています。

 

――今年の目標は

「ワセダに勝つ」「優勝」「日本一」です。

 

――その達成のためには何が必要だと思いますか

「先を見ずに」といいますか、一戦一戦大事にぶつかっていきながら自分たちのやりたいことをやるということが大事かなと思います。

 

――個人としての目標は

試合に出ている・出ていないにかかわらず「自分がチームを勝利させる」ことです。数字にはあまりこだわっていません。

 

――早慶戦に対するイメージは

他のカードとは全然違う雰囲気の中で試合が行われているなと感じています。ワセダについても、あの場に立つと今までのカードで見てきた彼らとは全然違うチームに見えます。今年は「一戦必勝」を掲げているので、そこまでブレずに早慶戦を迎えられるかなとは思います。

 

――これまで早慶戦には2度出場(いずれも途中から)。そしてどちらの試合でもタイムリーを放っています。良いイメージをお持ちなのでは

あまり意識していないですね(笑)その場その場で「何をするべきか」を考えて、チャンスの場面で走者をホームに還せるような打撃ができた結果なのかなと思います。早慶戦にも平常心で臨みたいと思います。

 

――最後に、早慶戦に向けて意気込みを

ワセダに勝って勝ち点5で優勝することが今年のスローガンである「超越」にもつながると思います。「ワセダに勝利した上で優勝したい」という思いが全員にあります。それに向けてしっかり頑張っていきたいと思います。

 

――お忙しい中、ありがとうございました!

(取材:川下侑美)

この取材は優勝が決定する前日、5月25日におこないました。

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