リーグ初戦は創部95年にして初めて日体大に勝利し、2部Aクラス入りに一歩近づいた慶大。この勢いのまま迎えた第2節の相手は平国大だった。昨年のリーグ戦では2−5で敗戦しただけに気合の入る試合だ。ライトフライ級に始まり、慶大は3階級連続で勝利すると、その後第四試合でライト級松木健太(総1・日大鶴ヶ丘)が5−0で圧倒的勝利を見せ、そのまま慶大の勝利が確定した。開幕から2連勝と慶大は今季上々の仕上がりだ。
第72回関東大学ボクシングリーグ戦 第2節 vs平国大
5月25日(土) 13:00試合開始 @後楽園ホール
階級 | 勝敗 | 慶大選手名 |
| 相手選手名 |
LF | ○ | 古山皓介(環3・新潟江南) | 5−0 (29-26,29-25,30-25,29-26,30-24) | 鈴木優志 |
F | ◯ | 桑満隆生(文3・慶應) | RSC3R0’00 | 吉田明広 |
B | ◯ | 井上慈元(総4・広陵) | 4−1(29-28,29-28,30-27,30-27,28-29) | 與座ディシャーンジュニア |
L | ◯ | 松木健太 (総1・鎌倉学園) | 5−0(29-27,28-28,28-28,29-27,28-28) | 住吉夏希 |
LW | ● | 武智琉馬(環2・新田) | 1−4 (27-30,28-29,27-30,29-28,27-30) | 千田亮 |
W | ◯ | 北岡秀石(経2・清風) | 5−0 (29-27,30-26,30-26,30-26,30-26) | 横内龍也 |
M | ● | なし |
| 西邑蓮 |
第一試合。ライトフライ級を戦うのは、古山皓介(環3・新潟江南)。1Rは互いに様子を伺いながら会心の一撃は見られなかったが、2R、古山は相手の顔面めがけ連続右ストレートを打ち込み相手がよろけるところからスタート。少しずつパンチに熱が入り相手は守りの姿勢が増えると、あとは攻撃するばかり。結果古山はポイント勝ちし慶大は無事先制した。
第二試合はフライ級の桑満隆生(文3・慶應)が出場。初戦は日体大のキャプテンに惜しくも敗れた桑満は、「前回の相手の方が絶対強いから勝てる」と強い自信を持ってこの試合に臨んだ。開始から重さのあるワンツーで相手にダメージを与えると、2Rから相手攻撃が少なくなり桑満の独壇場に。
2R2:02には強烈な左ストレートが相手ダウンを誘うと、3R開始前に相手は棄権を選択。この試合も慶大が勝利し、流れをつかんだ。
第三試合のバンタム級に出場したのは井上慈元主将(総4・広陵)。体格差がありつつも、低い姿勢での攻撃を繰り出し、素早い動きを見せる相手の隙をつく。2Rはパンチの威力で相手をリング際に追い込み、重みのある右ボディをお見舞いすると相手も応戦。その後も最後まで互いに攻撃を交わし合いながら試合終了。結果は井上のポイント勝ちとなり、慶大勝利まであと1勝というところまできた。
勝利の鍵を握るライト級は松木健太(総1・鎌倉学園)が登場。前回の試合では、試合開始わずか58秒という短さで、ABDによる勝利をつかんだ松木。今回は相手より有利な体格を生かし、距離をとって相手攻撃を避けつつ左ストレートで徹底的に攻め込む。3Rでは相手もボディなど攻撃を放ち、互いに打ち合いの時間となる。結果、松木のポイント勝ちとなり、慶大はこの試合の勝利を確定させた。
第五試合、ライトウェルター級を任されたのは武智琉馬(環2・新田)。1Rから互いに攻撃を加え合うと、2Rでは隙の少ない相手に苦しみつつ左右フックと右ボディを仕掛ける。3Rは相手の鋭いワンツーが襲いかかり、最後の1秒まで一切手を抜かない熱戦を見せると、結果武智はポイントでの敗戦を喫した。
第六試合。ウェルター級は北岡秀石(経2・清風)登場。相手の素早いパンチに驚いたのもつかの間、北岡の右ストレートが引き金となり1R残り2秒で相手ダウンを奪う。2Rからはワンツーが連続で決まり、圧倒的な攻撃力を見せつけると3Rでは残る体力を絞り出すように一層激しい打ち合いを繰り広げこの試合を終えた。結果は北岡のポイント勝ちとなり、今回もミドル級不戦敗から5−2で慶大の勝利が決まった。
前回の試合に引き続き、慶大ボクシング部の歴史を塗り変える結果を収めた。自身の勝利で、慶大の勝利が決まった松木は「本当にチームの勝利に貢献できてよかった」とコメントし、その喜びをあらわにした。次回戦うのは、現在2部リーグをトップで走る法大だ。昨年のリーグ戦で慶大が全階級での敗戦を喫した強敵であるが、勝利の波に乗っている慶大なら下克上することも可能かもしれない。まずは3連覇に向け、2週間後の仕上がりが楽しみだ。
(記事:津田侑奈/写真:結城和臣)
以下、コメント
桑満隆生(文3・慶應)
——今日のプレープランと実際の試合について教えてください
前手を使ってプレッシャーを与えて出てきたところにカウンターを合わせるというのを主体としてやっていこうと思ったんですけど、意外とパンチが当たって、焦って前に出てしまう場面もありました。でも相手が棄権してくれたということで(勝てて)良かったと思います
——前回の試合から2週間取り組んできたことは
(前回戦った相手と)似たような(プレー)スタイルと聞いていたので、同じような練習をしていたんですけど、前回の相手の方が絶対強いから勝てると思っていたので、自信を持って試合に臨みました。
——相手選手の戦いづらかった部分はありますか
結構得意なスタイルだったので苦労はしなかったですが、くっついた時は面倒くさかったかなと思います。
——慶大の2連勝についてどんな思いがありますか
今年の慶大はやばいです!波に乗っています。
――2部Aクラス入りへの感触は
いけるかもしれないです。頑張って欲しいと思います。
——次戦に向けて
次の試合もこの波に乗ってぶち破っていきたいと思います。
松木健太(総1・日大鶴ヶ丘)
――ご自身の試合を振り返ってみてどうですか
相手がパンチの強い選手だったので、しっかりと距離を保って戦おうと考えていましたが、防げないほどではないとわかったので後半は距離を詰めました。ただ、相手との距離を詰めすぎたかなと思う点があったので、次に向けてそこは直していきたいです。
――相手の戦いづらいところはどこでしたか
相手は自分の距離に持ち込もうとしてくっついてくる選手で、相手との距離が近い時に僕がポイントを取られがちだったので、そういう点かなと思います。
――慶大の試合全体を振り返ってみてどうですか
ボクシング部史上初めての平成国際大学への勝利に向けてひたすら練習してきました。そして先輩方3人が全勝で回してくれて、自分が一番戦いやすい空気を作ってくれたので、私自身、本当にチームの勝利に貢献できてよかったです
――ご自身の勝利で慶應の勝利が決まりましたが、その瞬間はどうでしたか
本当に、自分でこの試合の勝利が決められてよかったなぁと感じました。
――最後に今後に向けて意気込みをお願いします
まだあと3戦残っているので、ここで満足せずにしっかりと練習に励んでいきたいと思います!