【バレーボール】真夏の戦いに初挑戦も、グループ戦敗退/全日本ビーチバレーボール大学選手権

バレー戦評

太陽が強く照りつけていた

 

鵠沼海岸での関東ビーチバレーボール大学選手権から1カ月。慶大の小出捺暉(環2・駿台学園)・安達龍一(環1・洲本)ペアが、次のステージ、全日本大学選手権に挑戦した。8月の青空の下、太陽や風に悪戦苦闘した慶大ペア。徐々に持ち味を発揮していくも、全国の壁は高く、グループ戦敗退となった。

 

 

2019年8月6日(火)

全日本ビーチバレーボール大学選手権

グループ戦(全2試合)

@川崎マリエン ビーチバレーボールコート

 

 

※ グループ戦は28点先取の1セットマッチ。

 

出場選手

番号

名前(学部学年・出身校)

小出捺暉(環2・駿台学園)

安達龍一(環1・洲本)

 

 

第1戦 vs門原・佐野(大阪大谷大)ペア

 

得点(1セットマッチ)

慶大

セット

大阪大谷大

18

28

 

第1戦は、大阪大谷大ペアとの対戦。開始は正午を少し過ぎたころで、太陽がコート真上からぎらぎらと照り付ける中での戦いとなった。

 

安達のアンダートス

立ち上がり、慶大のスパイクが2本連続でアウトに。「トス上げるのも(ボールと太陽が)被ったりして、多分それで(トスが)ぶれて、打つのが全然できなかったり」。試合後に小出が分析したように、今試合はスパイクのミスが相次いだ。自陣ミスと相手サービスエースが続き、慶大は3-9の場面でタイムアウトを要求。その後、小出の硬軟織り交ぜたスパイクや、安達のブロックなどでなんとか食らいつく慶大ペアだったが、コート縦方向の風に流されてサーブがアウトになるなど、不慣れな屋外試合に対処しきれなかった。最後も相手スパイクで突き放され、10点差で敗戦となった。

 

 

 

第2戦 vs鈴木・時庭(仙台大)ペア

 

得点(1セットマッチ)

慶大

セット

仙台大

23

28

 

第1戦が終わってから4時間あまり。西日が強く差し込み、風もコート横方向に強く吹き抜ける。先ほどとは打って変わったコート状況で、慶大ペアが2戦目に臨んだ。

 

サーブレシーブする小出

序盤、慶大ペアが好スタートを切った。安達が198センチの長身を生かしてネット際の攻防を制すと、相手ミスが重なり、3-0。「ちゃんと1本目が上がればスパイクは結構打てるようになった」と安達が振り返るように、インドアではリベロとして活躍する小出がサーブレシーブで持ち味を発揮し、スパイクを決めていく。

 

だが、中盤から流れが変わった。13-9と4点リードの場面から、前後に揺さぶる相手スパイクに翻弄され、一挙5連続失点で逆転を許す。その後も、3本目のスパイクが思うように打てない状況が続き、なかなか得点を奪えない。それでも安達の強烈なスパイクなどで23-25とあと一歩のところまで迫った慶大だったが、終盤にネット際でミスが重なり、3連続失点で23-28。逆転でこの試合に敗れた慶大は、グループ戦2戦2敗。初めての全日本ビーチは、グループ戦敗退となった。

 

 

力強いスパイクを放つ安達

1カ月前の試合とは砂の質も天候も異なる環境での試合。なかなか自分たちのペースをつかむことができず、出場2大会目の慶大ペアは、ビーチならではの難しさに直面した。それでも2戦目には、「だんだんちょっとずつ取り戻してきた」(小出)。慣れない砂上でのジャンプや8メートル四方のコートを守る2人の連携など、2人のレベルアップを感じる場面も多くあった。今年のビーチの大会はこれで終了となるが、この2大会での経験は、今後のビーチ、そしてインドアでも生きてくるだろう。

 

 

いよいよ秋季リーグ戦が1か月後に迫ってきた。2部降格に終わった屈辱の春季リーグ戦を受け、今夏はチームにとっても重要な立て直しの期間となる。「秋リーグでしっかり勝つために」(小出)。勝負の夏は、まだ始まったばかり。秋に一回り成長した慶大バレー部の姿が見られることを心待ちにしたい。

 

 

(記事・写真:藤澤薫)

 

 

以下、コメント

 

 

小出捺暉(環2・駿台学園)

 

――第1戦から振り返ってください

1試合目は自分たちが練習してきたことができなくて、ミスも多く、良いとはいえないプレーだらけだったんですけど、2試合目になって、だんだんちょっとずつ取り戻してきたというか。悔しい結果になったんですけど、しっかり自分たちが練習してきたことが少しできたので、良かったです。

 

――7月の関東大学選手権と比べて

砂浜での動きはちょっと良くなったと思うんですけど、やっぱり鵠沼海岸と比べて跳びやすさとか、ちょっと質が違くて。結構、最初はこっち(川崎マリエン)はやりにくかったですね。

 

――日光や風に苦労しましたか

それがインドアとはすごく違うところだなって思っていて。とくに最初の試合は、日光がすごくて。トス上げるのも(ボールと太陽が)被ったりして、多分それで(トスが)ぶれて、打つのが全然できなかったりとかだったんで。あと風も。とくにサーブなんですけど、インドアだと、サーブは普通に入れることはできるじゃないですか。でも、(ビーチは)入れようとしても、風に流されてアウトにいっちゃう、みたいな。結構そこが悩みどころでした。

 

――初挑戦のビーチ2大会で得た収穫は

ビーチに関して言うと、まあ多分インドアには使えないんですけど、ジャンプの仕方とかは結構わかってきたので、またもし次の機会があったら。あとはインドアでも使えるのは、戦略的な部分で。ビーチはコートに2人しかいない。だから、どうやって取るとか、どこをどう上げるか、声かけて。ラリー中の声かけとか、その連携といった部分は、これからも生かしていけるんじゃないかなって思います。

 

――安達選手との2回目のペアでした

彼はすごくスパイク強いです。まあ良いときは良いんですけど、悪いときは悪いので、そこを頑張ってほしいですね。2人で練習行ったりもして、性格的な部分とかも、あとはどういうプレーが得意とかもわかったので、これからはそこを上手く伸ばしてあげたいって気持ちもあります。そこを生かせるように、インドアでも活躍してもらいたいなって思います。

 

――ビーチバレーのほかに、インドアではリベロに転向するなど、様々なことに挑戦されていますね

正直、すごく大変ですね(苦笑)。今後サイドで復帰することを見据えると、やっぱりしっかりスパイカーの練習もしないといけないですし。だから、これからもしっかり、何でも臨機応変に対応できるように、頑張って練習します。

 

――まもなく合宿が始まりますが、この夏頑張りたいことは

秋リーグでしっかり勝つために、体力作りとか、やっぱりチームが疲れとかでバラバラにならないように、チームの中で声をかけていくことができるような存在になれればいいなって思います。

 

 

 

安達龍一(環1・洲本)

 

――1戦目を振り返って

1戦目は準備不足というか、自分たち、脚も動いてないですし、ミスも多くて。相手のペースで試合が進んで、自分たちのゲームができていませんでした。

 

――小出選手がとくに1戦目は日光が厳しかったとおっしゃっていました

慣れていない分、太陽も高かって、感覚わからなかったり。風の中での練習とかもしてないので、そういうところがちょっと、もっとできたらいいなって思っています。

 

――2戦目を振り返って

1本目のちょっとしたミスが多くて、それで負けた感じだったかなと思います。

 

――7月の関東大学選手権から比べて、パワーアップしたところは

鵠沼と比べて(川崎マリエンは)砂が深くて、1試合目、ちょっとそれで力が出せなかったっていうのもあるんですけど、それに対応して、2試合目は結構スパイクもよくできていました。ちゃんと1本目が上がればスパイクは結構打てるようになったかな、と思います。

 

――小出選手と2回目のペアでした

今年(のビーチ)はもう終わってしまったんですけど、また来年も組めるなら、一緒に出ていただきたいと思いました。

 

――今夏ビーチ2大会を終えて

やっぱりスパイクとかブロックとかの高さは通用すると思うので、まずトスの精度を上げていって、高さを生かせる選手になりたいです。

 

――まもなく合宿が始まりますが、この夏頑張りたいことは

今度はインドアで、技術力を。基本の判断、アンダーパス、オーバーパスも全部基本は(ビーチもインドアも)一緒なので、ビーチにもインドアにも繋げられるよう、基礎の力をもっとつけていきたいなと思いました。

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