【ラグビー】好機連発も悔しい初陣/関東大学対抗戦①VS筑波大

ラグビー

 

関東大学対抗戦Aグループ vs筑波大

慶大19-30筑波大

10月4日(日)11:30K.O.

@秩父宮ラグビー場

 

 

聖地・秩父宮ラグビー場に黒黄ジャージが帰ってきた。22年ぶりに大学選手権出場を逃した昨シーズンからのリベンジに燃える慶大は、対抗戦初戦で筑波大と対戦。先制するも追加点が遠い展開の中で逆転を許すと、再三の好機を活かしきれないままノーサイド。オープニングゲームを勝利で飾ることはできなかった。

 

 

T=山本、アイザイア、佐々木 G=中楠、山田

 

入場制限や観客席でのソーシャルディスタンスの徹底、拍手のみを用いた応援など例年とは様相の異なる久々の公式戦。それでも詰めかけた約5000名の観衆の前で、開幕ダッシュを目指す両者のプレーは熱を帯びていた。

まず試合を動かしたのは慶大。前半6分に敵陣内でのラインアウトからボールを繋ぐと、ゴール前の密集からF L山本凱(経3・慶應)が抜け出しトライ。5−0と幸先よく先制点を挙げる。その後も相次いで敵陣に攻め込んだが得点には結び付かず、ミスからボールを奪われ逆転を許した。

さらにP Gで引き離された慶大は、前半終了間際にセットプレーでチャンスの場面を作るも決め手を欠き、5−10で試合を折り返す。

前半終了間際、ゴール前5メートルスクラムで痛恨のコラプシング

 

 

後半早々失点した慶大は、2選手を入れ替え勝負に出る。ラインアウトを確実に決め何度もインゴールに迫ると、18分に敵陣5mラインからボールを繋ぎ、最後はFLアイザイア・マプスア(総2・King’s College)のトライで粘りの攻撃を得点に結びつけた。

トライを決めたFLアイザイアを称える選手たち

点差を詰めて流れを呼び込んだかに思えたが、リスタート直後に相手F Bに独走トライを許し再び突き放される。その後は自陣でのペナルティなどからリードを広げられ万事休す。少ないチャンスを確実に得点につなげる筑波大の集中力を前に苦戦を強いられ、ラストプレーでW T B佐々木隼(総2・桐蔭学園)がインゴールに飛び込み一矢報いるもこれが精いっぱいだった。19―30で初戦を落とし、悔しい対抗戦の幕開けとなった。

WTB佐々木が独走トライを決めた

 

 

昨年の雪辱を果たすべく臨んだものの、2年連続で筑波大を相手に苦杯をなめた慶大。厳しいゲーム展開の中でモメンタムを掴み取るチャンスは何度もあった。FW陣はウェイトで勝る相手と互角のスクラムを展開し、ラインアウトも全て成功させてセットプレーの完成度の高さを証明した。

ラインアウトは安定感を見せた

この試合が初出場となったF B山田響(総1・報徳学園)は最後尾から果敢に攻撃参加しチャンスメイク。その他の選手も攻守に渡って全員が粘りのプレーを見せ、幾度となく筑波大フィフティーンを脅かした。それだけにゴール前での反則やキックのコントロールミス、ハンドリングエラーの多さが悔やまれる。副将・三木亮弥(環3・京都成章)が「自分たちが準備してきたことを出しきれなかった」と語ったように、流れを自ら手放してしまったことがこの試合の敗因だろう。

公式戦デビューを果たしたFB山田

個々の能力の高さは既に遺憾なく発揮されており、栗原監督も「チャンスの際の丁寧さや他の選手のフォローなどに課題がある」と振り返った上で「チャンスを作ることができたということをポジティブに捉えたい」と前向きだ。

 

例年以上にタイトなスケジュールの中で、初戦を落とした慶大に残された時間は多くない。嫌な流れを断ち切り上昇気流に乗っていけるか、それとも昨年同様辛酸を舐めるのか。栗原体制2年目の逆襲に期待したい。

(記事:栗栖翔竜 写真:堀内大生、松嶋菜々美)

 

 

次戦 vs日体大

10月11日(日)13:00K.O.

@慶大日吉グラウンド(無観客)

 

 

◇共同記者会見より抜粋

 

――今日の試合について一言

栗原監督:コロナ禍だったにも関わらず試合が開催できるようご尽力いただき誠にありがとうございます。試合ができることを幸せに感じて、精いっぱい戦いました。試合に関しては筑波大学の素晴らしいタックルをうけてしまいました。結果は残念でしたが選手は一生懸命やってくれたと思います。連戦が続きますので次回、またいい試合ができるようしっかりと準備をしていきたいと思います。

CTB三木:筑波大学の激しいプレッシャーを受けて自分たちが準備してきたことが出しきれなかったこと、また気持ちの部分で筑波大学のひたむきなところに負けてしまったことが今日の試合結果を招いた要因かと思います。次週は日本体育大学戦、それ以降も試合が続いていくので、しっかりと切り替えて課題を修正して臨んでいきたいと思います。

SH安藤:去年のリベンジをしたいと挑んだ試合でしたが、筑波大のプレッシャーに負けてしまいました。チームとしての課題をこれから1週間で改善していければと思います。

 

――チャンスでのミスや反則が続いたのをどう見たか

栗原監督:最後の詰めの部分で、丁寧さや他の選手へのフォローが欠けていました。どこか他人任せになってしまった部分がありました。チャンスが作れたことはポジティブに受け止めて、来週はそのチャンスを得点につなげていけるよう準備をしたいと思います。

 

――ディフェンスへの評価

栗原監督:タックルは良かったと思います。しかし立ち位置やスペーシングで、筑波大の速いランナーを抑えきれずスペースを与えてしまいました。今後の課題として取り組んでいきたいと思います。

 

――SH安藤快(経4・慶應志木)選手について

栗原監督:4年生で今日公式戦初出場となりました。出場時間を沢山与えられなかったことが申し訳なかったですが、限られた時間の中で十分にラグビーを表現してくれました。安藤のように4年生で初めて出場する選手が慶應にもいます。地道な努力を続けてくれる選手がチームにいて、後輩たちにいいメッセージになったのではないかと思います。これからもメンバーに入るために努力してくれるかと思いますのでぜひ応援をよろしくお願いします。

 

 

以下出場メンバー、星取表

◇出場メンバー

Starter

1.PR(プロップ) 松岡勇樹(法2・慶應)

2.HO(フッカー) 原田衛(総3・桐蔭学園)

3.PR(プロップ) 大山祥平(経4・慶應)

4.LO(ロック) 相部開哉(政4・慶應)

5.LO(ロック) 北村裕輝(経4・慶應)

6.FL(フランカー) 関本圭佑(商4・慶應志木)

7.FL(フランカー) 山本凱(経3・慶應)

8.No.8(ナンバーエイト) 濱野剛己(総4・桐蔭学園)

9.SH(スクラムハーフ) 上村龍舞(環4・國學院栃木)

10.SO(スタンドオフ) 中楠一期(総2・國學院久我山)

11.WTB(ウィング) 佐々木隼(総2・桐蔭学園)

12.CTB(センター) 鎌形正汰(商4・慶應)

13.CTB(センター) 三木亮弥(環4・京都成章)

14.WTB(ウィング) 辻田拓史(法2・慶應)

15.FB(フルバック) 山田響(総1・報徳学園)

Booster

16. 田中慶伸(総3・桐蔭学園)

17. 竹内寛(政4・慶應)

18. 岡広将(総1・桐蔭学園)

19. 今野勇久(総2・桐蔭学園)

20. アイザイア・マプスア(総2・King’s College)

21. 安藤快(経4・慶應志木)

22. イサコ・エノサ(環2・King’s College)

23. 鬼木崇(法2・修猷館)

選手変更
後半 3分 関本圭佑→20アイザイア・マプスア

後半 3分 辻田拓史→22イサコ・エノサ

後半22分 松岡勇樹→17竹内寛

後半26分 相部開哉→19今野勇久

後半35分 原田 衛→16田中慶伸

後半35分 大山祥平→18岡広将

後半35分 中楠一期→23鬼木崇

後半39分 上村龍舞→21安藤快

後半44分 アイザイア・マプスア→負傷退場により14人で試合再開

 

◇星取表

 明治大早稲田大帝京大筑波大日本体育大慶應義塾大青山学院大立教大勝点順位
明治大 12/6 14:00
秩父宮
11/22 13:00
秩父宮
10/18 14:00
熊谷
11/7 14:00
秩父宮
11/1 14:00
秩父宮
10/11 13:00
明治大G
73-15
11T9T
4 
早稲田大12/6 14:00
秩父宮
 11/1 11:30
秩父宮
11/7 11:30
秩父宮
10/18 11:30
熊谷
11/23 14:00
秩父宮
47-21
7T6G
10/11 13:00
早稲田大G
4 
帝京大11/22 13:00
秩父宮
11/1 11:30
秩父宮
 10/11 13:00
帝京大G
98-10
14T14G
12/6 14:00
熊谷
10/18 13:00
帝京大G
11/8 14:00
上柚木陸上
4 
筑波大10/18 14:00
熊谷
11/7 11:30
秩父宮
10/11 13:00
帝京大G
 12/6 11:30
熊谷
30-19
3T3G3PG
11/23 14:00
AGFフィールド
11/1 13:00
熊谷B
4 
日本体育大11/7 14:00
秩父宮
10/18 11:30
熊谷
10-98
1T1G1PG
12/6 11:30
熊谷
 10/11 13:00
慶應義塾大G
11/1 13:00
青山学院大G
11/23 11:30
AGFフィールド
0 
慶應義塾大11/1 14:00
秩父宮
11/23 14:00
秩父宮
12/6 14:00
熊谷
19-30
3T2G
10/11 13:00
慶應義塾大G
 11/8 11:30
上柚木陸上
10/18 13:00
慶應義塾大G
0 
青山学院大10/11 13:00
明治大G
21-47
2T1G3PG
10/18 13:00
帝京大G
11/23 14:00
AGFフィールド
11/1 13:00
青山学院大G
11/8 11:30
上柚木陸上
 12/5 13:00
大和スポーツセンター
0 
立教大15-73
2T1G1PG
10/11 13:00
早稲田大G
11/8 14:00
上柚木陸上
11/1 13:00
熊谷B
11/23 11:30
AGFフィールド
10/18 13:00
慶應義塾大G
12/5 13:00
大和スポーツセンター
 0 

勝ち:勝ち点4、引き分け:勝ち点2、負け・不戦敗:勝ち点0、不戦勝:勝ち点4

各グループ、全試合(28試合)が実施された場合のみ下記ボーナス点を加算

1、勝敗に関係なく4トライ以上獲得:勝ち点1 
2、7点差以内の敗北:勝ち点1

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