今日11月23日(月)に第97回(女子は第28回)早慶ホッケー定期戦が開催される。宿敵・早大は関東リーグ上位の常連校という手強い相手だが、今季慶大はリーグ戦で早稲田を相手に勝利しており、どのような試合が繰り広げられるかが注目だ。リーグ戦の勢いそのままに、チームの集大成を見せられるか。今回は、この一年間チームをけん引し、早慶戦のカギとなる4年の3人(上口×野村×中村×吉江)に、早慶戦への意気込みを語ってもらった。
――まずは他己紹介からお願いします (野村→上口):華とは実は大学のクラスも一緒なのですが、誰に対してもとてもフレンドリーで、同期先輩後輩友達、みんなに慕われています。部活では私がうまく行かずに落ち込んでいる時も、いいプレーを見つけて褒めてくれるので、頑張ろうって思うことができていました。プレー面ではスピードのあるスワーブを武器とした頼もしいMFとして、チームの攻撃の起点となっています。
(上口→中村):静かそうな見た目からは全く想像つかない、本当に面白い子です。愛咲は何に関しても努力を惜しまずにできます。その成果もあり、慶應は愛咲のいる左サイドからも攻めることが出来ることが強みとなりました。勝つためになら何でもしてくれる頼もしいDFです。
(吉江→野村):普段は赤ちゃんみたいな言動で、みんなに甘えることも多く頼りないまいやんですが、フィールドでは一転してパワフルに駆け回り、チームが辛い時にも誰より走って何度も窮地を救ってくれました。どんなにパスがずれても俊足でカバーしてくれたり、どんな浮き球も見事にトラップしてシュートを決めてくれます!
(中村→吉江):私たちの学年のお姉さん的存在として、いつもみんなをまとめてくれます。
ホッケーに関しては、りりこのおかげで慶應は左攻めもできるようになりました。緩急のあるドリブルと強烈なレバシューを武器に、ボールを繋いだら必ず結果を残してくれる頼もしいFWです。
――ポジションごとにどういう部分を強化してきましたか
上口:MFは一対一の守備を強化しました。練習に入ってくださるOBの方に積極的にドリブルで仕掛けていただくことで、スピード感のあるドリブルに対する守備が強くなりました。守備に自信がつくことで、攻撃も積極的に出来るようになり、いい循環ができたなと思います。
野村:FWは、主にFW内3人の連携と他ポジションとの連携を強化してきました。FW3人が連携しながら、かつ他ポジションの状況も考え判断しながら動くということでかなり試行錯誤しましたが、最終的に現在の形まで持ってくることができました。今では3人それぞれが試合の局面に合わせて自分の役割を考え、FW同士で連携しながら動くことができるようになりました。
中村:DFは、1対1、1対2の守備と、ビルドアップに力を入れてきました。守備では、とにかく相手よりもスティックを下げて取り切ることを意識してきて、これは先日の早稲田戦でも確実に成果として現れていたと思います。ビルドアップに関しては、ひより(加藤ひより=環2・学芸大附属)を中心に、ロングボールとショートパスを使い分けて、意図的に組み立てることを目指してきました。
――自粛期間はどのように過ごしていましたか
野村:自粛期間のトレーニングは、ホッケーというのがほぼない中でのラントレばっかりとかしかできなかったので、めちゃめちゃきつかったんですけど、ホッケーが再開した後に、どんなにつらくても、自粛期間中に一人でやっていたトレーニングよりはまだましというか、みんながいるし頑張れるなというのがあったので、そこでついた体力もそうだし、メンタル面でも成長したというか大切な時間を過ごせたのかなと思います。
――この4年間を振り返って
野村:4年間は、あっという間だったという人も結構いると思うんですけど、個人的にはすごく長かったなと思っていて、大半がつらかったなと思うんですけど、こないだの早稲田とかに勝てたときの喜びというのが、今まで個人競技をしていたこともあって、チームで喜ぶとかそういう自分のプレーじゃないところでの喜びも知れたので、すごく濃い4年間だったなと思います。
上口:これまでの先輩方からはOBや監督コーチ陣に感謝しなさいとずっと言われてきて、分かっていたつもりではあったんですけど、4年生になって今のチームはすごくいいチームだと思うんですけど、こうなったのは奇跡なのかなと思っていて、今までたくさん試合に出させていただいたりだとか、後輩も沢山経験の子が入ってくれたりだとか、グラウンドが新しくなったりだとか、今まで頭の中ではあまり理解できていなかった感謝の部分が4年目になってやっと理解できたので、そういう部分で少しは人間的にも成長できたのかなと思います。
中村:被っちゃうんですけど、私も下級生の頃は周りの人からのサポートだったりは気づけなかったんですけど、4年生になってからは気づくところが多くあって、コーチ陣や同期、あとは先輩方とか、あとはついてきてくれる後輩たち皆の支えがあって1回の勝利を掴むことができるっていうのを4年生になって知ることができて、そういった点でやっぱり周りのみんなや環境に対しての感謝の気持ちが強くなったと思います。あとはやっぱりやってきたことって形に出るんだなと感じた4年間で、ほかの3人は下級生の頃から試合に出ていたメンバーなんですけど、私はそうではなくて、今年の秋から出させてもらっているんですけど、そういった点でも感謝というのと、今まで3年間頑張ってきてよかったなと思います。でも頑張れたのも、周りのサポートのおかげだなと思うので、そこも感謝しています。
吉江:結構言われちゃったんですけど、4年間を通じてこの代にいられてよかったなとすごく思っていて、私は高校の時に学年を一つ落としているので本当は一個上なんですけど、みんな個性豊かで癖の強い人たちなんですけど、みんなホッケーに本気で向き合っていてこんなに切磋琢磨しあえる環境っていうのは当たり前じゃないんだなっていうことに気づかされて、練習後の自主練とかに付き合ってくれる人たちがいたり、後輩たちにもすごく助けられて、今年は後輩たちがすごく精神面とかいろんなところで支えてくれて、自分も頑張らなきゃとすごく思わされて、みんなでお互いを高め合っていける環境に身を置けてすごく幸せだなと思いました。
――今の4年の代の雰囲気は
中村:よく言われるのは個性的?(笑)
上口:悪い意味だよね?(笑)
野村:ガツガツとか?負けず嫌いとか強気とかかな?
吉江:間違いない(笑)
全員:じゃあ「強気」で行きましょう
上口:一人一人が負けず嫌いで強気な部分があって、学年でまとまるときも強気な部分が出てきますね。
野村:いい意味でも悪い意味でもね(笑)
――最後の早慶戦でそれぞれが果たすべき役割は
中村:役割としてはDFなので、最後絶対にゴールを守るっていうのは自分の役割だと考えていて、早稲田より低く守ることだとか、相手にサークルに入れさせないことだとか、ボールを受けさせないということが大切になってくると思うのでそれはこれから残り少ない練習の中で常に意識していきたいです。あとは、私は左サイドバックなんですけど、左にボールが回ってきたときにも前にボールを流したり中盤にあてるという判断をしっかりしていきたいです。
上口:私はMFの右サイドなので、やっぱり攻撃の起点になれるようにスピードを持ってドリブルするのかパスでさばくのかという判断を責任を持ってやることが一番の役割かなと思います。
野村:FW3人がそれぞれ役割が違うんですけど、私は技術面というよりかは走って走力の所だと思うので、MFとかがボールを持ったらとにかく信じてサークルの方まで走っていくっていうのと、ボールを取られたらとにかく中盤まで下りてディフェンスに加わるというのを徹底しようと思います。あとはゴール前のプレーが得意なのかなと自分では思っているので、こぼれ玉とかは頑張って決め切りたいと思います。
吉江:私はまいやん(野村)ほど走る力で貢献することはできないので、ドリブルだったり、ボールが来た時のプレーでチームに貢献できたらと思っていて、愛咲から縦でボールを受け取ってそこからサークルに入るとか、ゴール前までボールを運ぶことと、あとはキーパーの脅威になるFWになりたいというのがあって、積極的にシュートを狙ってキーパーに心理的なプレッシャーを与えていきたいなと思います。
――最後に早慶戦への意気込みをお願いします。
上口:とにかく絶対勝ちたいので、リーグ戦では久しぶりに勝てたんですけど、ホッケー部の早慶戦は歴史的なものだと思うので、この代は強かったんだぞっていうところを見せつけたいですし、とりあえず圧倒的に勝ちたいと思っています。
中村:私自身は早慶戦に出るのは初めてで緊張しているんですけど、どんな形でも勝てたらいいのかなと思っていて、もちろんDFとしては無失点で守り切りたいんですけど、とにかく何点差でも勝ちたいなという思いがあります。
吉江:とにかく圧勝したいので、そのためにはFWが点を決めないとその目標は達成できないので、結果を残すことにこだわっていきたいです。
野村:前回の農大戦ですごく悔しい思いをして、このままでは引退できないので、気持ちを高めていって、勝つこともそうだし、全員がやってきてよかったと思えるくらい全力を尽くして勝つ試合にしたいです。最後に監督・コーチ陣を胴上げするために、全力で戦います!
(取材:澤田夏美)
(この試合は11月14日(土)にオンラインで実施しました。)
《早慶ホッケー定期戦》
11月23日(月) 現役女子戦 12時20分試合開始
現役男子戦 14時10分試合開始
@駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場
ライブ配信はこちらから!
◆プロフィール
野村茉以(のむら・まい)
FW。経済学部4年。東京・慶應義塾女子高校出身。
上口華(かみぐち・はな)
MF。経済学部4年。神奈川・慶應湘南藤沢高校出身。
中村愛咲(なかむら・あさ)
DF。経済学部4年。神奈川・晃華学園高校出身。
吉江莉理子(よしえ・りりこ)
FW。経済学部4年。東京・慶應義塾女子高校出身。