【端艇(ボート)】集大成も入賞はわずか「2」と表彰台届かず 悔し涙の終幕 女子舵手付きフォアは6位に輝く/第51回全日本大学ローイング選手権大会

端艇

毎年9月に行われる全日本大学選手権。今年も全国72大学・914名の選手たちが「大学日本一」の称号を手にするべく熱戦を繰り広げる。ボートの花形種目である男子エイトは、上級生の経験と下級生の勢いの融合により勝負に挑み、5大会連続入賞を記録。準決勝での3位争いを制した女子舵手付きフォアは、慶大で唯一FinalAに進出すると6位で入賞しチーム内の最高成績を収めた。昨年度は9種目に出場し5種目で入賞を果たした慶大は、今大会も各選手が上位進出を目指すも、出場した8種目の中2種目で入賞という悔しい結果となった。

 

2024年9月4日(水)〜9月8日(日)

第51回全日本大学ローイング選手権大会 @戸田ボートコース

◆試合結果

 

名前

結果

タイム

男子シングルスカル

佐野怜(商4・慶應)

敗者復活 4着

8分15秒79

男子ペア

S:峯岸玲雄(経3・慶應志木)

B:細谷蓮太郎(経3・慶應)

FinalC 1着(全体11位)

7分26秒26

男子ダブルスカル

S:中村大河(法3・慶應)

B:岩本流空(商2・慶應)

FinalC 5着(全体15位)

7分20秒55

男子フォア

S:鈴木颯真(経3・慶應)

3:山村瑛(法4・慶應)

2:田中理貴(商4・Parkway Central High School)

B:藤枝憲昭(政4・慶應志木)

FinalB 3着(全体9位)

6分46秒62

男子舵手付きフォア

S:中川遼祐(経2・慶應)

3:岸本共平(商4・慶應志木)

2:三野剛生(経2・慶進)

B:古館弘光(経2・慶應)

C:井染竜之介(経4・慶應)

準々決勝 4着

7分06秒03

男子クォドルプル

S:三浦健太郎(経4・水戸第一)

3:徳永恒晴(法2・慶應)

2:馬場大誠(政3・杉並学院)

B:谷水祐仁(環1・慶應)

FinalC 2着(全体12位)

6分29秒34

男子エイト

S:朝倉慶明(経4・慶應)

7:竹峰颯健(経4・慶應志木)

6:阿部優貴(商3・慶應)

5:白石健人(総1・今治西)

4:中村遼太(経3・慶應)

3:扇原優(医1・慶應)

2:伊藤遼太(法3・慶應志木)

B:深川大地(政4・慶應)

C:中島祥貴(経4・慶應)

FinalB 2着(全体8位入賞)

6分09秒75

女子クォドルプル

S:荻内杏奈(政3・慶應湘南藤沢)

3:市村蒔穂乃(政3・平塚江南)

2:佐藤亜美(文1・渋谷教育学園幕張) 

B:石川恵奈(商2・東洋英和女学院)

敗者復活 5着

8分15秒22

女子舵手付きフォア

S:久松真麻(経4・慶應湘南藤沢)

3:申裕美(法3・都立富士)

2:笠原愛美(経2・慶應湘南藤沢)

B:笠原万維(商4・慶應湘南藤沢)

C:坂田健太郎(法2・慶應)

FinalA 6位(全体6位入賞)

7分40秒67

 

先日行われた準決勝では5着となり、FinalBに進出の男子フォア。500m地点で1:39と3位につけその後も迫真の漕ぎで2位に追る。しかし1925mあたりで大阪公立大が抜き出るとそのまま差をつけられ6分46秒でゴール。FinalAの6チームと合わせて全体で9位という結果やここまで部活を続けてきたことへの達成感からか、ゴール後選手は揃ってうなだれる姿を見せた。

準決勝では5着とFinalB進出を決めた

ゴール直後の選手たち

 

予選を1位で勝ち進んだ男子エイトは、準決勝では1500m地点で2位と4秒差につけ粘りを見せたものの、終盤、突き放されてしまい4位でレースを終えた。FinalBに進出すると、500m地点から2位につけ1位の東北大とは1000m地点では約2秒差、1500m地点では約1.5秒差と徐々に差を詰める。その後も見事な追い上げを見せるも僅かに及ばず6分9秒でゴール。悔しい結果とはなったものの、気迫の漕ぎを見せ接戦を演じた。

予選1位通過もFinalB進出となった

終盤の追い上げも悔しい結果となった

 

昨年度はシングルスカルに出場し全体4位という成績を収めた女子は、クォドルプルと舵手付きフォアの2種目に出場。準決勝で法大との3位争いを0.6秒差で制し3着となった舵手付きフォアはFinalAに進出するも、序盤から他チームに差をつけられる展開となった。中盤1000m地点では3分48秒と先を行く明大とは4秒差とし、序盤の遅れが尾を引いた形となり7分40秒でゴールした。とはいえ今大会においてチームで唯一FinalAに進出・6位入賞という結果を残し、今後の活躍にも大きな期待が懸かる。

準決勝では3位争いを制しFinalAに進出した

慶大の最高成績を収めた舵手付きフォア

 

(取材:大泉洋渡、五関優太、竹腰環、ウジョンハ)

 

▼以下、選手インタビュー

主将・竹峰颯健選手(経4・慶應志木)

主将・竹峰颯健

ーー今日のレースを振り返って

今日のレースはやっぱりスタートで行かれちゃったかなというのがまずあって。ボートって2000メートルで、1Qから4Qまで500メートルラップであるのですが、その2Qでグダグダしてしまったというか。1Qで少し遅れた分、取り戻そうとした結果、逆に硬くなってガチガチに漕いでしまった。そのまま3Qに突入して、4Q手前ぐらいからスパートかけて頑張ってはいたのですが、なかなか差を縮めることができず、今回8位という形で終わったかなというのがレース展開でした。

 

――4年間のボート生活を振り返って

良い経験、良い思いをさえてもらったなと思っています。入部当初から、ボートってエルゴというマシーンがあるんですけど、ボートを陸上に模したような機械があって、それで体力強化を図るのですが、常にそれを誰よりもやり続けた自信はありました。結果として早めに対抗エイトにも乗って、悔しい思いもしましたし、早慶戦優勝だとかメダル獲ったりとかすごく良い経験をさせてもらいました。その中で最後自分の代になって、1年生の荻原、白石という高校時代にJAPANでやってた人たちも来て、これは絶対いけるなと。自分も常に成長を最後の最後までし続けていましたし、そういう点で今年の最後はすごく良いものがみれるだろうと思ってはいたのですが、8位という形で慶應ボート部としてはあんまり振るわなかったなと思いつつ、最後のレースはやり切ったなという思いが強いです。本当に4年間良い経験ができたなと思います。

 

――後輩に向けて

成長を止めないでほしいなとはすごく感じますね。僕も3年ぐらい対抗エイトに乗りつづけて思うのは、クルーとしての技術に走りがちなのですが、それ以上に自分自身を成長させる。心もそうですけど、ちゃんとフィジカルだとか、そういうところの強さを4年間通じて最後の最後まで諦めずに。技術はあっても、最終的に勝敗を分けるのはフィジカル面が強いので、後輩には常に自分の自己ベストを更新してタイム狙い続けて、技術は磨くのですがちゃんと体力をつけてほしいですね。

 

副将・深川大地選手(政4・慶應)

副将・深川大地

ーー今日のレースを振り返って
正直、自力の差で負けてしまったかなとは思っていて。これまでの練習、やってきたことを全部出した結果なので受け止めるしかないかなと思います。

 

ーー4年間のボート生活を振り返って
本当に悔しい思いをたくさんしてきて、上手くいかないことも多かったような感じですけど。きつい練習の中で、たまにやっぱり嬉しい瞬間だったりとかあるので、そのためにやってきたことは良かったかなと思っていますし、やっぱりそれで自分も成長できたと思っているので、そこは良かったかなと思います。あとは本当に素晴らしいチームメイトに出会うことができたので44年間ボート部でやってきて改めて良かったなと思います。

ーー1番嬉しかったことは
今年は正直、早慶戦、インカレと全然結果を残すことができなかったので、本当に悔しい4年生であったのですが。やっぱり2年、3年と新人戦だとか、早慶戦、インカレとかで予想以上に結果を残すこともあったので。そういう思い出もありつつ、悔しい4年生だったなという風に思います。

 

ーー後輩に向けて
やり抜くということが大切かなと思っていて。勝負は正直、負けることもあるし勝つこともあると思うので、そういう不安の中でも今できることをやるしかないと思うので。自分もそうやってきたと自負していますし、後輩もそこを諦めずにやり切るというところが、必ず掴めるかはわからないですけど、最終的にいい結果を掴むためには絶対に必要だと思うので頑張ってほしいし、自分も応援してるというところです。

 

副将・朝倉慶明選手(経4・慶應)

副将・朝倉慶明

ーー今日のレースを振り返って

プランとしては最初のスタートで出て、そのまま突き放していくという方向でやっていたのですが、結局蓋を開けてみたら他大が結構早くて自分たちも焦ってしまったというのが前半でありました。後半のスパートのところで、スピードを上げに行ったのですが、そこで東北大を差すことができずに負けてしまったというところですね。

 

――4年間のボート生活を振り返って

自分は高校時代にボートをやっていたのですが、その時は全然活躍できなくて。すごく悔しい思いがあって、大学のボート部って300日以上合宿生活で、練習も多くて。でもそこで大学生活頑張って、日本一目指したいなと思って入部して。最初は本当にきついことが多かったし、うまく行かないことばっかりだったのですが、すごく良い仲間、同期とか先輩とかに囲まれて、切磋琢磨してなんとか対抗エイトに乗ることができて。その後、下級生が入ってきて後輩に囲まれながら、ボートというのはすごいしんどいスポーツですけど、最後の最後まで日本一に向かって頑張れる環境を過ごせたし、そういう仲間に囲まれて本当に幸せだったなと思います。最後のレースに関しては、個人的にはあんまり上手くいかなったのですが、下級生が5人くらい乗っているエイトで、練習中とかすごく良いタイムも出ていたりして、可能性も感じたので、この可能性を次の代で繋げてくれたら、来年以降また強い端艇部を彼らが作っていってくれるのではないかという風に思います。

 

――後輩に向けて

対抗エイトにこだわってほしいなと。今すごく部員が増えてきて合計80人ぐらいいると思うのですが、1年生とかは先が見えないボート生活で、練習も多くてどうやったら対抗エイトに乗れるのか分からないと悩んでいる人も多いと思います。けどやっぱり部の代表として対抗エイトで漕げることはすごく光栄なことでたくさんの方が応援してくださります。先が見えないとは思うのですが、頼れる先輩とか同期とか後輩とか家族とか友人という仲間がいっぱいいると思うので、そういう人たちを頼りながら頑張ってくれたら、その先に対抗エイトが見えてきて、さらにその先に早慶戦で勝つとかメダルを獲るとかそういったところが現実的に見えてくると思うので、先が見えなくても一歩一歩、対抗エイトへ向かって漕ぎ進めていってほしいなという風に思います。

 

ラストイヤーの深川、竹峰、朝倉(左から)


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