【ラグビー】帝京に完敗も、慶應に見えた希望の光—今後の戦いが正念場/関東大学対抗戦 第3節 

ラグビー

関東大学対抗戦、慶應義塾大学ラグビー部の第3戦の相手は、強豪帝京大学。昨年の対戦では大差で敗れたものの、選手たちはその悔しさを胸に、今年は勝利を目指して再び挑んだ。試合は序盤から帝京が主導権を握る厳しい展開となったが、慶應も奮闘し、後半には粘り強い攻防でトライを奪取。帝京の壁は厚かったが、慶應の成長が見えた試合となり、今後の重要な戦いに向けてさらなる期待が高まる内容となった。

2024年10月20日(日)関東大学対抗戦Aグループ 対帝京大戦

@太田市運動公園陸上競技場 

関東大学対抗戦Aグループ 第3節

慶應義塾大学

2024/10/20(日)14:00 K.O.

@太田市運動公園 陸上競技場

帝京大学

前半

後半

 

前半

後半

1

2

トライ(T)

5

2

コンバージョン(G)

4

2

ペナルティゴール(PG)

ドロップゴール(DG)

5

14

33

24

19

合計

57

前半23分 小野澤謙真 (T)

後半19分 中山大暉 (T)

後半20分 小野澤謙真 (G)

後半34分 小野澤謙真 (T)

後半35分 小野澤謙真 (G)

得点者

前半9分 青木恵斗 (T)

前半10分 大町佳生 (G)

前半18分 大町佳生 (T)

前半29分 青木恵斗 (T)

前半30分 大町佳生 (G) 

前半34分 李錦寿 (T)

前半35分 大町佳生 (G)

前半40分 當眞蓮 (T)

前半42分 大町佳生 (G)

後半5分 生田弦己 (T)

後半28分 青木恵斗 (T)

後半30分 高本とわ (G)

後半39分 平井半次郎 (T)

後半40分 高本とわ (G)

後半42分 上村樹輝 (T)

 

慶應義塾大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学年学部

出身校

1

成田 薫

181/104

経4

慶應

2

中山 大暉

176/103

環4

桐蔭学園

3

吉村 隆志

177/108

環4

本郷

4

矢﨑 隼太

184/94

政3

県立千葉

5

浅井 勇暉

188/107

総4

仙台

6

中野 誠章

178/101

文1

桐蔭学園

7

田沼 英哲

176/95

総4

國學院久我山

8

冨永 万作

188/105

商4

仙台第三

9

橋本 弾介

169/77

法3

慶應

10

      和田 健太郎

168/70

理1

清真学園

11

廣瀬 暸

178/79

環4

慶應

12

今野 椋平

183/88

環3

桐蔭学園

13

山本 大悟

174/84

環3

常翔学園

14

小野澤 謙真

180/85

環1

静岡聖光学院

15

伊吹 央

176/81

経3

慶應

16

山田 空太

168/96

経4

慶應志木

17

井吹 勇吾

175/98

環1

桐蔭学園

18

浦城 尚生

176/105

商1

慶應

19

長瀬 穣一郎

187/104

政4

山形南

20

キーヴァー ブラッドリー京

182/87

総1

常翔学園

21

小城 大和

168/72

商4

北嶺

22

村田 紘輔

174/85

経4

慶應

23

 石垣 慎之介

175/80

政3

慶應志木

 

 

 

帝京大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学年学部

出身校

1

平井 半次郎

180/108

医療4

御所実業

2

當眞 蓮

176/92

医療4

流通経済柏

3

森山 飛翔

180/109

医療2

京都成章

4

坪根 章晃

184/102

医療1

東福岡

5

本橋 拓馬

192/113

医療4

京都成章

6

青木 恵斗

187/110

医療4

桐蔭学園

7

グアイ二 優人

176/86

医療4

石見智翠館

8

ダウナカマカマ カイサ

182/120

医療2

大分東明

9

李 錦寿

174/78

医療4

大阪朝鮮

10

大町 佳生

173/84

教育3

長崎北陽台

11

森 寛大

176/91

医療4

光泉カトリック

12

久木野 太一

178/90

経済4

小倉

13

上田 倭士

180/84

医療2

大阪桐蔭

14

生田 弦己

170/83

医療3

御所実業

15

石原 幹士

174/76

医療2

東福岡

16

知念 優来

171/100

医療4

常翔学園

17

梅田 海星

176/108

医療4

秋田工業

18

松原 結生

176/125

医療3

國學院久我山

19

蔵森 晟

181/104

医療3

東福岡

20

森元 一気

169/81

教育4

尾道

21

上村 樹輝

168/73

教育4

京都工学院

22

高本 とわ

175/80

医療2

東福岡

23

青柳 龍之介

176/83

医療4

國學院栃木

 

10月20日、慶應は関東大学対抗戦で強豪帝京大学と対戦し、19-57で敗北を喫した。スコア自体は大差がついたものの、各所で粘り強いプレーを見せ、今後の試合に向けて重要な成長を遂げた。

 

試合序盤から帝京の攻撃力は圧倒的で、前半9分、帝京はラインアウトからリスタートし、素早く右に展開して最初のトライを奪う。続いて18分にも大町佳生(教育3・長崎北陽台)のトライで12-0とリードを広げられたが、慶應もすぐに反撃の姿勢を見せる。21分、主将・中山大暉(環4・桐蔭学園)が果敢に突破し、1年生和田健太郎(理1・清真学園)の動きから小野澤謙真(環1・静岡聖光学院)が右サイドでトライを決めた。惜しくもコンバージョンは外れたものの、12-5と反撃の一歩を踏み出した。

 

今日初スタメンで活躍を見せた和田

小野澤のトライの瞬間

前半はその後、帝京の猛攻が続き、5トライを許す形で33-5で折り返す苦しい展開。課題の残る前半となった。

 

後半も序盤でトライを許した慶應だったが、16分に慶應らしい粘りを見せた。小野澤がタックルでボールを奪い、そこから蹴り出して自ら前に進むと、慶應は流れを作り、ラインアウトから中山がモールを押し込んでトライ。さらにコンバージョンも成功し、12-38とした。

主将・中山を中心にコミュニケーションをとる

試合終盤にも慶應は積極的に攻め込み、33分には小野澤が後半2度目のトライを決めた。試合は19-57で終了したものの、後半での粘り強いプレーは慶應のチームとしての成長を感じさせた。

 

この敗戦で慶應は3連敗となり、上位5チームに残り大学選手権へ進出するためには、残り試合でほぼ負けが許されない状況となった。帝京、明治、早稲田がすでに出場をほぼ確実にしている中、慶應は残り2枠を賭けて筑波、立教、青山学院と熾烈な争いを繰り広げることになる。昨年はギリギリで5位に滑り込み大学選手権への切符を手にしたが、今年は立教や青学も力をつけており、一つも負けられない状況だ。特に次戦の青学戦、立教戦、日体大戦は、慶應にとって非常に重要な試合となる。

 

この帝京戦では、U20日本代表に選ばれた経験のある今野椋平(環3・桐蔭学園)が復帰し、強力なディフェンスでチームに大きく貢献した。また、司令塔として1年生の和田が大川竜輝(理3・慶應)に代わって帝京戦からスタメンに起用され、若い力でチームの流れを変えるきっかけを作った。慶應はシーズン序盤からバックス陣の怪我に悩まされてきたが、ようやく主力選手が復帰し、今後に向けた期待が膨らむ。

この試合で慶應は多くの課題を残したものの、後半に見せた粘り強いプレーや、若手選手の台頭が今後の試合に大きな希望を与えている。残りの試合では、全力を尽くし、大学選手権への切符を掴むための重要な戦いが待っている。

 

(取材:野田誉志樹、島森沙奈美、宇田川志乃)

 

 

 今回、蹴球部のOBの皆さまのご厚意でバスツアーに参加させていただいた。バスツアーではFW代表として岩垂樹希(政3・慶應)選手、BK代表として内荘一郎(総3・東京農業大第一)選手の2人が同席し、今試合の注目ポイントを紹介してくれた。今回はその一部を紹介する。

___今日までどのようなチーム作りをしてきたか

岩垂:春に連勝してBリーグ優勝できた要因として、セットプレーの安定性、特にスクラムでの強みが活かせたことだと思っていて、秋2試合はそこまでスクラムの強みであったり、モールの強みが発揮できなかったのでこの3週間では、スクラムの安定性とモールの攻撃力を非常に特化するよう練習してきた。具体的に言うと、やはり慶應はフィジカルや身長の高さではどうしても相手校に劣ってしまう部分があるので、スクラムでは低さとヒットスピードの速さで相手校に上回ってトライそしてセットプレーの安定性、勝利に貢献できればなというふうに思っている。

内:明治で敗戦して以降、春の自分たちの強みとして磨いてきた全体として攻める慶應というところで、アタックではボールを回して、ディフェンスではラインスピードを上げるというところに立ち返ってきた。早稲田Jrと明治Jr、C・D戦でいうと明治学院大との試合があったが、そこではディフェンスでラインスピードを上げて、ブレイクダウンしてターンオーバーするというところまで繋げられた。結果としてターンオーバーは多かったが、課題としてまだ3フェーズ以内であっさり取られてしまうのがあるのでそこのストラクチャーのディフェンスが挙げられる。

___注目するべき選手は誰か

岩垂:1人目は吉村隆志。彼はやはり慶應のスクラムの要であり、彼が強いからこそ慶應のスクラムが強いので、3番の低い姿勢と強靭なフィジカルでスクラムを圧倒する彼の姿に注目してほしい。2人目は矢﨑隼太。今回の試合はラインアウトの要である中矢健太選手が出場しないということで、今回のラインアウトリーダーは矢﨑選手が任されている。元々慶應のラインアウトコーチである木曽さんと、中矢選手・矢﨑選手は綿密にコミュニケーションを取っており、ラインアウトに関する知見も相当溜まっているので、今回の試合で中矢選手以上にラインアウトでのサインプレーであったり、そういった采配をうまくできるかどうか見てほしい。3人目は井吹勇吾。彼は最近体調不良で1・2週間練習に出られていなかったが、それでもメンバーに選ばれるほどやっぱりスクラムが凄くて、1番で1年生でそこまで体重も重くない中、吉村選手とも相対するようなスクラムの強さを持っている。

内:和田健太郎。同じ10番として入ってきて1ヶ月くらいで押されちゃって、悔しいところはあったが、確かに上手なところがあって、体は小さいが、相手を最後まで見続けて相手の逆をつけるような配球ができるというところが彼の強みだと思う。目がいいので、自分の前の相手を見れるというところで、自分の前が開いたら仕掛けることもできる。いい選手だと思う。

___FWは肝心なスクラムのところで反則を取られるのが残念だが、レフリーコミュニケーションとかそれを防止するために何を努力しているのか。

岩垂:レフリーとのコミュニケーションというところに関しては、FWのゲームキャプテンである中山選手が重要になってくると思うが、今回の試合に限っていうと、試合前からレフリーの分析を行っており、岸田力といううちのトレーナーかつレフリーをやっている部員がスクラムに限った話ではないが、「こういう傾向がある」などの分析をして、そこの中でいかに自分たちの強みが出せるかというところをミーティングで話していた。

___BKはこの間の秋の明治戦は春と比べて、思い切って出るというよりはやっぱり少し見てしまって相手に走り込まれていた印象があるが、前に出るディフェンスという点でどういう修正をしたか。

内:主にディフェンスで、春はやっぱりチームを作っていく段階であり、ラインスピードだけにこだわっていた。だからプレッシャーがあって相手もミスしていた。夏休みの合宿であったり、チーム全体として練習を積む中で、他のことにフォーカスしなければならないことが増えてしまって、明治戦はあまりラインスピードをあげられず、全部中途半端という形になってしまったというところだ。だから、明治戦以降立ち返るところとして、ラインスピードからのブレイクダウンファイトというところになったので、今はその点が改善されてると思う。チームとしてラインスピードをあげることになっているので、抜かれるなら内ではなく外で、どんどんあげていってプレッシャーかけていくというふうになっている。

___今回の試合からしばらく出場していなかった今野選手が出場すると思うんですけど、今日の調子は?

内:夏合宿でハムを怪我して、肉離れだったが、それから試合に出てなくて久しぶりていうことで、やっぱりセンターでありながらゲームメイクがチームで1番できるというところで、(今野)椋平がいるとチームがまとまるし、調子は十二分だと思う。

 

この日は井吹勇吾選手のご両親も同ツアーにいらっしゃっていたこともあり、夏合宿中の井吹選手についての話題で盛り上がった。車中は往路も復路も「慶應」「ラグビー」この2つの話題だけでもずっと話に花が咲いていた。弊会取材陣にも当時の貴重なお話をしてくださり、大変お気遣いいただきながら、楽しんでツアーに参加させていただいた。

日頃よりお世話になっております慶應蹴球部OBの皆様には、この場を通して改めて感謝の意をお伝えさせていただきます。本当にありがとうございます。

現在、早慶戦に向けて蹴球部、蹴球部OBの方、そして弊会が協働して動いている。また、今年蹴球部は創部125周年を迎え、その記念としてプロジェクトも動いていて、その様子もいずれ本webサイトにて紹介する予定なので、ぜひ楽しみにしてもらいたい。

後半出場の副将・小城

主将・中山はプレーでも魅せた

本試合のMIPに選ばれた小野澤

遠方にも関わらず多くの応援が駆けつけた

帝京の壁は高かった

果敢に飛び込む黒黄ジャージ

 

帝京大 

明大

早大

筑波大

慶大

立大青学大

日体大 

勝点

 

帝京大

 

 

———

 

11/17 

14:00 

秩父宮

11/3

14:00

秩父宮

11/30

14:00

秩父宮

⚪︎

57-19

9T6G

⚪︎

85-7

13T10G

⚪︎

40-5

5T4G1PT

⚪︎

67-6

11T 6G

 

4

 

0

 

0

 

24

 

明大

 

11/17 

14:00 

秩父宮

 

———

12/1

14:00

国立

11/3

11:30

秩父宮

⚪︎

52-7

8T6G

⚪︎

57-15

9T6G

⚪︎

73-17

11T9G

⚪︎

101-0

15T13G

 

4

 

0

 

0

 

24

 

早大

 

11/3

14:00

秩父宮

12/1

14:00

国立

 

———

11/10

14:00

熊谷

11/23

14:00

秩父宮

⚪︎

57-6

9T6G

⚪︎

67-0

10T7G1PG

⚪︎

83-0

13T9G

 

3

 

0

 

0

 

18

 

筑波大

 

11/30

14:00

秩父宮

11/3

11:30

秩父宮

11/10

14:00

熊谷

 

———

 

⚪︎

34-12

4T4G2PG

⚪︎

29-23

4T3G1PG

×

22-30

3T2G1PG

⚪︎

62-7

9T7G1PG

 

3

 

0

 

1

 

17

 

慶大

 

×

19-57

3T2G

×

7-52

1T1G

11/23

14:00

秩父宮

×

12-34

2T1G

 

———

 

11/10

14:00

スピアーズえどりくフィールド

10/27

14:00

栃木第2

12/1

14:00

熊谷

 

0

 

0

 

3

 

3

 

立大

 

×

7-85

1T1G

×

15-57

2T1G1PG

×

6-57

2PG

×

23-29

2T2G3PG

11/10

14:00

スピアーズえどりくフィールド

 

———

 

12/1

11:30

熊谷

10/27

11:30

栃木第2

 

0

 

0

 

4

 

5

 

青学大

×

5-40

1T

×

17-73

3T1G

    ×

0-67

⚪︎

30-22

3T3G3PG

10/27

14:00

栃木第2

12/1

11:30

熊谷

 

———

11/17

14:00

AGF

 

1

 

0

 

3

 

8

 

日体大

 

×

6-67

1PG 1DG

×

0-101

×

0-83

×

7-62

1T1G

12/1

14:00

熊谷

10/27

11:30

栃木第2

11/17

14:00

AGF

 

———

 

0

 

0

 

4

 

4

◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。(並んだ場合は勝利数で決定)

・勝ち:5、引分:3、負け:1、不戦勝:6点、不戦敗:0点、不成立:3点

・負けても 7 点差以内ならば、勝ち点 1を追加。

・3トライ差以上での勝ちならば、勝ち点1を追加。

 

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