慶大の体育会を深掘りしていく新企画、「What is ○○部?」。今回ケイスポは器械体操部を代表して立花陽空主将(法3・慶應)にインタビューを行い、その競技人生や器械体操という競技の魅力、そして慶大器械体操部の来年への抱負などを伺いました。
Q:器械体操という競技を始めたきっかけは?
立花:きっかけは、僕が小さい頃に住んでいた地域にいろんなスポーツをやる施設があり、好奇心でトランポリンを始めたことでした。トランポリンを半年くらいやって、その中である体操クラブの先生に機械体操を勧められ、トランポリンから機械体操に移行するという形で競技を始めました。
Q:競技の魅力や難しさは何ですか?
立花:終始1人で演技するので、普段の練習で自分の練習動画を見て自分で考えながら試行錯誤した結果がそのまま試合で出るんです。だからこそ、試合本番で視線を一身に浴びる中で着地が決まった時や技が成功した時の達成感というのは、他の競技に比べて人一倍あると思います。
逆にそれが競技の難しさにも繋がっていると思います。他の人の参考にするものがない難しい技に挑戦する時などは、すごく頭を使うので1人で抱え込んだりしてしまいがちなんです。慶大器械体操部では、そんな時は部員やコーチ陣を頼りみんなで意見を出し合うことで解決しています。
Q:競技人生で最も嬉しかった瞬間/辛かった瞬間はいつでしたか?
立花:試合で優勝した時とかが記憶に残る人も多いと思うんですけど、僕は逆に練習で目指していた技が成功した時にその喜びをかみしめたり、他の部員が一緒に喜んでくれる瞬間こそ、実は1番嬉しいですね。最近では、新たに鉄棒の離れ技を成功した時に、他の部員が自分のことの様に喜んでくれた時に「器械体操部に入ってよかったな」と思いました。人生で記憶に残る瞬間が何度も訪れることも体操の魅力だと思います。
辛い瞬間としては、やはり体操はすごく危ない競技でもあり、怪我をした時はすごく辛い瞬間ですね。それこそ僕もアキレス腱断裂したり、かかとを骨折したり、大学に入ってからもいろんな怪我を経験していて、毎回精神的にキツくなっていました。器械体操部の仲間の存在がなければ競技を続けられてなかったかもしれません。
Q:個人としての目標は?
立花: まず、主将として“慶大器械体操部の歴史に革命を起こす”ことです。細かく言うとすごく多いのでここでは省略させていただきますが、この部の歴史に名を刻めるように様々なことにチャレンジします。個人としては、床と跳馬で慶應器械体操・男子団体の点数に貢献すること。もう1つは、跳馬で全日本選手権・種目別の出場権を掴み取ることが来年度の目標です。
Q:目標とする人や大切にしている言葉などはありますか?
立花:僕はいつも過去の自分に勝つことを活力にしています。もちろん他の人に対してもそれぞれ「すごいな」って思うことはあるんですけど、価値観や経歴、環境は人によって違いますし、1番意識している選手はやはり自分なので、過去の自分に勝てるように努力しています。
そのうえで僕は“試練は忍耐を生み出し、忍耐は伝達を生み出し、伝達は希望を生み出す”という言葉を大切にしています。希望を叶えるためには、幾つもの道のりを時間をかけてクリアしていかねばならない、この考え方に僕はすごく惹かれました。この言葉の裏には“努力は報われる”っていうニュアンスも含まれていて、地道に努力を重ねて、それを耐え抜いた者こそ真に成功することも意味します。だからこそ言葉をすごく大切にしています。
Q:最後に、未来の後輩たちに向けてメッセージをお願いします。
立花:「体操って冷静に考えると滅茶苦茶難しそう」とか、「テレビで見てるぐらいがいいな」って思う方もたくさんいると思いますが、実はそんなことはなくて、初心者の子でも数週間経って気づいたら2回宙返り回ってたり、テレビで見るようなひねり技を成功したりと、誰にでも高いレベルで勝負できる可能性がある競技だと思います。なので、未経験でも心配しなくて大丈夫です。
慶大器械体操部には、どんな経歴の人でも意欲的に取り組める環境が整っています。学年関係なくコーチや先輩が教えてくださったり、逆に高校生が教えてくれたりと、初めて体操始める人にも温かく寄り添ってくれる部だと思うので、器械体操に興味を持ってくださった方や新入生、部活/サークル選びに悩んでいる方などがいましたら、1度慶大器械体操部の練習場に遊びに来てくれたら嬉しいです。SNSでも普段の活動を投稿していますので、そこから連絡していただければ対応します。
皆さんとお会いすることを楽しみにしています。
最後までご覧いただきありがとうございました。こちらの器械体操部紹介記事も併せてご覧ください!
【What is ○○部?】宙を舞う”Crew”たちの挑戦/File.1 器械体操部(前編) | KEIO SPORTS PRESS
(取材:竹腰環)