ここまで2カード連続で勝ち点を獲得している慶大は、さらなる勝ち点獲得に向け東大戦に臨む。毎季、東大相手に大量得点している慶大だが、この日は7回まで1-1と拮抗した試合展開となり、応援にも熱が入る。8回、ファンファーレ『翠』の演奏後に慶大は2点を追加し、1回戦を勝利に収めた。
5月2日(土)慶應義塾大学○3-1●東京大学
~試合概要~
慶大は4回、4番・中塚遥翔(環3・智辯和歌山)の本塁打で先制するも、直後に追いつかれ試合は膠着する。終盤まで東大投手陣に苦しんだが、8回2死一、二塁の好機で林純司(環3・報徳学園)が中堅越えの2点適時三塁打を放ち勝ち越しに成功。投げては中4日で先発した渡辺和大(商4・高松商業)が7回1失点の好投を見せ、救援陣も無失点でつなぎ試合を締めた。接戦を制した慶大が初戦をものにし、優勝争いへ大きな一勝を挙げた。
GW初日のこの日、応援席には多くの観客が詰めかけた。初回、応援企画責任者・G.Hは「“G” 元気よく“W” 歌ってほしい」と壇上で呼びかけ、雲一つない晴天に『若き血』がこだまする。

この日の試合はこれまでの東大戦とは一線を画す試合展開になる。両投手の好投が続き、スコアボードには0が並ぶ。スタンドにはどこか緊張感も漂っていた。
4回、中塚の本塁打で均衡を破ると、待望の先制点に応援席は沸き上がる。再び『若き血』が流れ、勝利への期待も高まった。

しかし、喜びもつかの間、直後の4回裏には渡辺和が本塁打を浴び、試合は振り出しへ。先ほどまでの歓声からは一転、応援席にはわずかに動揺と落胆の空気が流れる。
それでも、部員たちの姿勢は揺るがない。攻撃時だけが應援指導部の応援ではないのだ。同点に追いつかれ、慶大応援席からはネガティブな声も聞こえてくるが、部員たちは明るい声援を送る。「まだまだここから!」「渡辺頑張れ!」と、いつもは楽器に思いを込める吹奏楽団も、自らの声で気持ちを届ける。

そのまま得点は変わらず、試合は8回に。この回に演奏されるのは、ファンファーレ『翠』。これは2023年、慶大がリーグ優勝、そして日本一を果たした年に作られた曲だ。優勝の景色を知る4年生にとっては思い出深い一曲でもある。壇上に立った久保讃良々副代表は、「(優勝した年は)東大相手に10点差をつけていた」と叫ぶと、「足りない。8、9回に10点、20点、30点取るぞ」と続け、さらなる追加点を目指して応援席を鼓舞する。応援席全体が、「ここで決める」という雰囲気に。

その直後だった。8回表、林純が適時三塁打を放つ。打球が外野手の頭を超えた瞬間、歓声が爆発し、スタンドは歓喜に包まれる。慶大はこれで2点を追加。その後も後続投手が東大打線を0点に抑え、3-1でカード初戦を白星に飾った。

大量得点とはならなかったものの、この一勝には大きな意味があるだろう。思い通りに得点できない中でも、應援指導部たちと応援席の観客たちは、声を切らさず野球部に声援を送り続けた。応援は確かにグラウンドに届き、勝利へと繋がった。
ーー今日の感想
東大の松本投手が素晴らしいピッチャーだと聞いていたので、これまでの勝率では慶東戦は慶應の勝率が高いものの、油断せず気を引き締めて応援を作り上げたいという気持ちで臨みました。試合展開がテンポよく進んでいく中で、その少し張り詰めた空気を打破したいと感じ、終盤に4年生を中心に声を上げて、良いムードを作ることができて良かったなと思っています。
ーー拮抗した展開での塾生注目。どのような気持ちで壇上に
一塁ランナーが飛び出した場面で、渡辺投手が非常に落ち着いて処理していたのを見て、選手たちの方が応援席よりもずっと冷静で、自分たちを信じているのだと強く感じました。それにより、応援席こそが選手を一番信じなければならないという使命感のもと、盛り上がりを作って選手を支えたいという気持ちで壇上に上がりました。
ーー明日の意気込み
最後の猛攻でしっかりと明日への勢いを作り、優勝への切符をつないでくれたので、明日は最初から大量得点を狙って、応援も全力で盛り上げていきたいと思います。

(取材、記事:梅木陽咲 取材:小野寺叶翔、野田誉志樹、岩切太志)


