【競走】チームの窮地を救った林・涙の200mV!総力戦で1部残留を果たす/第105回関東学生陸上競技対校選手権大会

競走

5月21日〜24日の4日間、カンセキスタジアムとちぎにて開催された第105回関東学生陸上競技対校選手権大会。

男子1部残留を懸けた大会だったが、2日目まで4点しか獲得できず、一時は2部降格の危機に瀕した。しかし3日目に細萱颯生(政3・桐朋)が走幅跳で5位入賞。4日目に須﨑遥也(商4・丸亀)が走高跳で7位入賞、市村瞭太郎(経3・慶應志木)が800mで7位入賞、安田陸人(商4・開成)が3000mscで4位入賞。そして林明良(政4・攻玉社)の200m優勝によって、残留争いから抜け出し、総合12位で1部残留を決めた。

女子は、やり投げで倉田紗優加(環4・伊那北)が3位入賞。佐田那奈(看3・福岡雙葉)が三段跳で5位入賞。浅見姫菜(商3・都立駒場)は七種競技でPBを更新し8位入賞。女子は全体16位となった。

男子25点、女子11点と、大会前に目標としていた「男子37点女子32点」には届かなかったが、1部の座を死守し4日間の激戦を終えた。

 

結果
順位得点
男子12位25点
女子16位11点

 

〈男子得点者〉

種目選手名記録順位/得点
200m林明良(政4・攻玉社)20秒66〈PB〉1位/8点
1500m市村瞭太郎(経3・慶應志木)1分50秒417位/2点
3000msc安田陸人(商4・開成)8分45秒28〈PB〉4位/5点
4×100mR中島叶雅(商4・慶應)、三宅陽立(環2・県立長田)、岩舩遙信(環3・新潟明訓)、林明良39秒625位/4点
走幅跳細萱颯生(政3・桐朋)7m51(+1.3)5位/4点
走高跳須﨑遥也(商4・丸亀)2m077位/2点

 

〈女子得点者〉

種目選手記録順位/得点
三段跳佐田那奈(看3・福岡雙葉)12m41(+0.8)5位/4点
やり投げ倉田紗優加(環4・伊那北)54m513位/6点
七種競技浅見姫菜(商3・都立駒場)4859点〈PB〉8位/1点

 

〈1日目〉

成沢翔英(環4・山梨学院)

 迎えた1日目、トラック競技では副将・成沢翔英(環4・山梨学院)が1500m予選2組に出場。積極的なレース運びで組3着に入り、2日目に行われる決勝への進出を決めた。男子4×100mリレーでは慶大チームが予選2組で3位に入り、こちらも決勝進出。また、男子十種競技で本大会を2連覇している高橋諒(商3・桐朋)は5種目を終え、暫定2位につける好発進をみせた。

 

〈2日目〉

成沢翔英(環4・山梨学院)

2日目、成沢は1500mの決勝に出場。8位までが得点できる状況で、慶大の初得点が期待された。だが、成沢はスタート直後こそ好位につけたものの、400m地点からのペースアップに対応できず後退。結果的に11位でのフィニッシュとなり、得点獲得とはならなかった。

 

高橋諒(商3・桐朋)

男子十種競技の高橋は、第7種目の円盤投げでスコアを稼ぎ、全体1位に。3連覇にむけて順風満帆かに思われたが、第8種目の棒高跳びでまさかのアクシデントに襲われる。3m60の試技を1度失敗し、迎えた2度目。この試技も失敗した高橋は、マットの上で脚を押さえて立ち上がれず。高橋は棒高跳びの試技を中断すると、残り2種目を棄権することに。またしても慶大は得点を獲得できなかった。

 

男子4×100m決勝では、1走の中島叶雅(商4・慶應)が鋭いスタートで飛び出し、勢いそのままに2走の三宅陽立(環2・県立長田)へ完璧なバトンパス。トップスピードに乗った三宅の快走から、3走の岩舩遙信(環3・新潟明訓)が巧みなコーナリングでアンカーへ繋ぐ。しかし、勝負を託された4走・林明良(政4・攻玉社)が直線に差し掛かる頃には最下位という苦しい展開に。だが、ここから林が直線で一気にトップギアに入れると、大外から怒涛の勢いで3人をごぼう抜き。絶望的な位置からの驚異的な猛追で順位を押し上げた。執念で5位フィニッシュし、2日目にして初めての得点となる、4点を獲得した。

 

〈3日目〉

大会3日目を迎え、一層激しさを増す1部残留争いへ向け、何としても得点獲得を目指したい慶大競走部。

 

男子走幅跳決勝には今年度成長著しい細萱颯生(政3・桐朋)が出場。

各大学の選手が7mを大きく越える跳躍を1回目から記録する一方、細萱は1回目2回目ともに7mに届かず。迎えた3回目、後がない細萱を後押しする競走部の手拍子がスタジアムにこだまする中、自己ベストに僅か1センチと迫る7m51(+1.3)のビッグジャンプを披露。風も味方につけた細萱は4回目以降の試技権を獲得するとともに暫定4位に躍り出る。最初の3回目を終えた時点で上位8人にのみ与えられる4回目以降の試技。自らの記録を伸ばし更に順位を上げたい細萱だったが、3回目の記録を上回ることはできず。5位で競技を終えたものの見事入賞を果たし、一部残留へ向けた貴重な4点を競走部にもたらした。


細萱颯生(政3・桐朋)

 

女子やり投決勝では、前回大会の女子やり投で日本歴代10位の大投擲を披露し見事2連覇を果たした倉田紗優加(環4・伊那北)が出場。関東インカレ三連覇を目指す絶対女王が満を持して登場した。

1回目の投擲から50mを超える投擲を見せ幸先の良いスタートを切ると、2回目の投擲でも記録を伸ばし暫定首位に浮上する。しかし3回目の投擲で国士舘大の曽野雅(体育3・松坂商)が倉田の記録を上回る55m08を記録し、倉田は2位に後退する。何とか首位奪還したい倉田は4回目の投擲で自身の記録を更に伸ばす54m51を記録するものの、首位の座には僅かに及ばず。続く5回目・6回目の投擲は記録なしに終わったことで、最終的に3位となり競技を終えた。

倉田紗優加(環4・伊那北)

 

女子七種競技の浅見姫菜(商3・都立駒場)は3日目(七種競技1日目)、100mHを14秒84のPBで暫定11位につけると、砲丸投で10m34とさらにPBの好記録で順位を上げた。

浅見姫菜(商3・都立駒場)

 

〈4日目〉

大会最終日を迎え、3日目終了時点で男子の得点は8点。各校の残留争いは最終盤に。

 

男子800mでは市村瞭太郎(経3・慶應志木)が悲願の決勝進出。昨年の関東インカレの同種目では、予選は通過したものの準決勝は敗退。トップ層との実力差、経験値の差を痛感したという。「絶対に決勝で得点する」という強い覚悟の下で、今大会に臨んだ。

3日目の予選はトップ通過、準決勝は5着でタイム上位2人に入り準決勝突破。迎えた初めての決勝の舞台、前半の400mでは上位をキープし、レースは後半へ。勝負を分けるラスト200mで、全体が一気にペースアップ。他選手のペースアップについていけず順位を落とすが、意地の走りで何とか食らいつき、7着でゴール。有言実行の走りで、チームに貴重な2点をもたらした。

市村瞭太郎(経3・慶應志木)

 

主将・須﨑遥也(商4・丸亀)は男子走高跳に出場。高校時代、この会場で開催された栃木国体(少年男子走高跳)で惜しくも2位に。今大会の表彰台へ懸ける思いは強い。チームのためにも自身のためにも、あの時の雪辱を果たせるか。

1m95、2m00をそれぞれ1回でクリアし、順調かと思われたが、続く2m04で2回続けて失敗。このままでは終われない3回目の試技。スタンドにいる部員たちが送る声援を背に、バーへと踏み切る。一瞬の静寂の中、バーを軽々と飛び越え、3回目にして成功。喜びで感情を露わにし、スタンドからは大きな歓声が上がった。次の2m07で2回失敗したことで、またもや窮地に追い込まれるが、ここも3回目に成功させ次へと繋いだ。しかし、続く2m10で3回続けて失敗したことで記録は2m07となり、7位で競技を終えた。

須﨑遥也(商4・丸亀)

 

男子4×100mRで力走を見せた林明良(政4・攻玉社)は、男子200mにも出場。4月の六大学対校陸上では100mで優勝したマルチスプリンターは、100m、200m、400mいずれも関東インカレA標準を切っており、どの種目で走るのか注目されていた。

予選・準決勝は共にトップ通過。決勝では200m優勝候補として期待が集まる中、慶應の声援を背にスタートを切る。持ち味である「後半の伸び」を武器に、コーナーを抜けたラストの直線で後続との差を広げ、堂々の1位でゴール。レース後には顔を覆い、涙をにじませる姿も。20秒66とPBを更新し、「陸の王者」を体現するような走りで男子200mを制した。降格の危機にあったチームに大きな8点が加わり、慶大は残留争いから抜け出し、1部残留を確実なものにした。

林明良(政4・攻玉社)

 

副将・成沢は、男子5000mにも出場。2日前に出場した1500mの疲労もあったか、ハイペースで進んだレースに対応しきれず。全体27位に終わった。

 

男子3000mscでは、安田陸人(商4・開成)が自己ベストを更新する8分45秒28をマークし、4位入賞。塾記録を更新する快走で5点を獲得した。

予選では序盤、最後尾からレースを進めた安田は冷静に集団の後方で機をうかがう。残り5周を前に安田は一気にポジションを押し上げ、2番手まで浮上する。ラストは、後方からの猛追を振り切り3着で決勝進出を決めた。迎えた決勝。序盤は予選同様、後方で落ち着いてレースを進める。ハイペースでレースが進む中、安田は集団の中でリズムを保ちながら虎視眈々と前を追う。ラスト1周では10番手付近に位置していたが、そこから圧巻のスパートを披露。次々と前の選手をかわし、最後は4位でフィニッシュ。終盤の追い上げで存在感を示し、チームに5点をもたらした。

安田陸人(商4・開成)

 

女子三段跳には佐田那奈(看3・福岡雙葉)が出場。関東インカレ前、5月6日の第24回慶大競技会では、女子三段跳で塾記録を大幅に更新する12m56を記録。高校までは、全国大会に数多く出場していたが、大学では思うように結果が出せない時期もあったという。それでも変化を恐れず挑み続け、辿り着いた大舞台。

1回目の試技から12m21を記録すると、2回目の試技では、追い風(+0.8m)を味方につけ12m41のビッグジャンプを披露し、4位に浮上。スタンドで見守る部員たちに向けて、笑顔を見せる場面も。全6回の試技を終え、記録は2回目の12m41。見事、5位入賞を果たした。

佐田那奈(看3・福岡雙葉)

 

女子七種競技の浅見姫菜(商3・都立駒場)は、4日目(七種競技2日目)、走幅跳で5m40のPBを記録すると、得意とするやり投げで、PBには及ばないものの全体3位となる42m99をたたき出し、6種目にして再び暫定9位に浮上。最後は苦手とする800mであったが、最後まで笑顔を絶やさずうまくまとめあげる。初挑戦となった関東インカレでPBとなる4859点、塾歴代2位の記録で8位入賞となった。

浅見姫菜(商3・都立駒場)

 

 

取材:片山春佳、神戸佑貴、鈴木拓己、中原亜季帆、野村康介、森田紗羽、山口和紀

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