【野球】高校時代からライバルである二人が春の悔しさを胸に最後の秋に懸ける思い~広池浩成×沖村要~/2026秋季リーグ開幕前企画第2弾

野球対談

いよいよ東京六大学野球秋季リーグ戦が9月12日に開幕する。“強い慶應”を取り戻すべく挑んだ春季リーグ戦では、5季ぶり41度目の優勝を果たした。その後の全日本大学野球選手権大会でも、エース・渡辺和大(商4・高松商業)をはじめとする投手陣が粘り強く守り抜き、強力打線が得点を重ねて決勝まで駒を進めた。決勝では関西大の3枚看板に阻まれ、惜しくも準優勝。あと一歩届かなかった日本一への悔しさを胸に、チームは再び戦いの舞台へ挑む。新たな「秋の慶應」を示すべく、春秋連覇、そして今度こそ日本一へ。今回ケイスポでは秋季リーグ戦前企画として、選手たちの意気込みや4年生のラストシーズンにかける想いに迫る。

第2弾は、広池浩成(経4・慶應)投手と沖村要(商4・慶應)投手による4年生右腕対談!(このインタビューは9月4日に対面で実施しました。)


――まず、はじめに他己紹介をお願いします

広池→沖村:沖村は高校からずっと一緒なんですけど、高校の時からお馴染みピッチャーというのもあって、ずっとライバルのような存在です。2年生の秋、僕たちの代が始まったときに最初は沖村がエースナンバーをつけていて、その後沖村の怪我もあり、僕がエースナンバーをつける時もありました。大学に入ってからもずっとそんな感じです。僕が投げるときもあったり、沖村が投げるときもあったりという感じ。自分の中では7年間ずっとライバルだと思っています。めちゃくちゃライバルだけど、一緒に野球を練習した時期も沢山あります。すごく真面目に野球に取り組むし、そういう意味では僕もずっと危機感を感じます。でもチームのピッチャー陣の中で一番まともぶっている(笑)。他の奴をやばいって言って、俺結構正常な側だからみたいな感じを出しているけれど、超マイペースだと思います。

 

沖村→広池:ライバルというのはもちろんありますけど、高校の時から野球に対して真面目に向き合っているなというのが一番印象的です。僕はどちらかというとモチベーションが上下しちゃうタイプだったんですけど、広池は端から見たらずっと野球のことを考えていて、仮説を立ててちゃんと検証するというのをずっとやっているイメージがあります。その姿勢に影響されて、自分も頑張ろうと思えることもあったし、そういう意味では一緒にやってきた仲間という感じです。私生活は結構めちゃくちゃです(笑)。自分の世界を持っていると思うときもあります。野球の結果でその日の機嫌が変わる感じもあるし、それぐらい野球に捧げているのはすごく感じます。

 

――お互いの第一印象は

広池:沖村は入部したとき、ものすごく背が高くて。あとキャッチボールの球がすごく強かったです。僕は中等部野球部から上がって、中等部にはいいピッチャーが他にあまりいなくて、すごいピッチャーとキャッチボールをしたことがなかったんですよ。だから少しびっくりしたのを覚えています。

沖村:中学校の部活上がりだなっていう(笑)。強いチームでやってきていないんだろうなというのは感じました。投げるセンスはもちろんあったし、そこからものすごく成長したと思います。

 

――お互いの尊敬できるところは
広池:沖村は自分の課題を高校からちゃんと認知していると思います。自分に必要なことをしっかりとやるのはすごいと思っていて、高校のときに体作りって言われたあともずっとご飯食べていました。僕は結構自分に入り込んでしまって、あまり客観的に自分を見ることができていないと思うことがあるけど、沖村は自分を客観的に見て必要なことをするところがすごく優れていると思います。

沖村:目指すべきところをちゃんと見ていて、そこがぶれないところだと思います。特に大学3、4年は将来のことも考え始めて、どういうピッチャーになりたいのかが、練習している姿からも伝わってきます。将来を見据えて、自分のなりたい姿に向かって真っ直ぐ進んでいるところです。

 

――逆に直してほしいところは
広池:要(沖村)は絶対僕にあるはず(笑)。

沖村:別に悪いことじゃないけど、集中モードになったら全然喋らなくなって一人で黙々と練習していて、少し関わりづらくなる時もある(笑)。何考えているんだろうなというときはあります。

広池:僕はその逆で正気を失ったピッチングを見てみたいと思います。沖村はすごく冷静で客観的だけど、ピンチになると急に出力がドーンと出るので、最初からその正気を失った凄まじいピッチングを見てみたいなとは結構思います。明らかにランナーが出てから目の色を変えて投げるので、「最初から正気を失っちゃいなよ」と試合を見ていて思う時はたまにあります。お互いに逆みたいな感じですね。

 

――初めてプロ野球を観戦した球場と子供の頃の憧れの選手は
 広池:僕は小さい時広島に住んでいて広島市民球場が初めてでした。ライオンズファンで、それこそ涌井選手(涌井秀章・中日)や高橋光成選手(西武)はめちゃくちゃ憧れていましたね。今も憧れています。

沖村:僕は富山出身で、富山市民球場で何試合かプロ野球を見たので、多分それが初めてです。憧れていた選手は坂本勇人選手(巨人)です。小さい頃は巨人戦がよく流れていたので王道の選手ですね。

 

――春のリーグ戦、全日本大会を振り返ってみて
広池:全日本も最後、僕が打たれたせいで負けてしまいましたし、いい場面で任せてもらった割に全然仕事できなかったなというのが印象です。全体を通して本当に渡辺和(=渡辺和大、商4・高松商業)様様だなというのが全部通しての印象ですね。

沖村:僕も似たような感じで、リーグ戦前は結構大事な場面に投げる役を首脳陣も想定していたと思うんですけど、その信頼に応えることはできずにそのまま終わってしまったなという感じです。

 

――印象に残っている試合は
広池:天覧試合の早慶戦で、人生で感じたことがないぐらいのプレッシャーを感じてマウンドに行ったのを覚えています。いい経験だったし、結構身震いがしたなという覚えがありますね。

沖村:一番初めのカードの立教戦ですかね。冬からやってきた練習が成果として出て、結構戦えるなというのは実感したので、そこが印象的です。

 

――沖村選手は冬どのような練習を?
沖村:一番はストレートの球威を上げることで、球速と球質どちらも追い求めて、まずストレートでちゃんとバッターを差し込めるように意識しました。そうしないと戦っていけないなと思っていたので、そこを重点的にやっていました。

 

――夏季キャンプを通しての手応えは
広池
:僕は春先怪我もあって、なかなか思うようにブルペン投げの練習量を確保できていなかったんですけど、7月ぐらいからだいぶ投球数を放れるようになりました。肩肘の状態が良くなり練習できるようになったので、練習ができる分着々と課題を潰せているかなと思います。春よりも沢山投げることができている分、早いペースで成長できていると思います。

沖村:僕はコントロール面ですごく成長したと思います。僕も結構投げ込みをして、こういう風に狙ったらいいんだなというのが分かってきました。それが試合でも現れてきて、そういう意味では、試合ですごい余裕を持って投げられるようになってきたと思います。

 

――例年までのキャンプと取り組み方や考え方で変えた部分は
広池:僕は体作りですね。キャンプは毎回痩せていたので、とにかくウエイトの量、食事の量、睡眠を落とさないようにしました。シーズンとキャンプにかけて痩せやすかったので、そこをこの夏は普段の夏に比べてやったと思います。

沖村:練習量をとにかく取ったキャンプでしたね。投げる量も走る量もトレーニングもいつもより多めにできたと思います。

 

――秋季リーグで対戦したい選手は
沖村
:僕は榊原選手(=明大・榊原七斗、情コミ4・報徳学園)です。 1回去年ホームランを打たれていて、そういう意味では因縁の相手というか。この間、六大のオールスターで一緒に戦って、そこでもすごいバッターだなと思ったのでそういう意味でライバル視しています。

広池:なるべく打率が低いバッターと対戦したいです(笑)。でも、春ホームラン打たれたので德丸選手(=早大・德丸快晴、スポ科2・大阪桐蔭)とはもう一回対戦したいです。

 

――ピッチャーの役回りの希望
沖村
:先発したいです。試合の結果に直結するポジションなので。一番多く試合に関われますし、自分のパフォーマンスで試合が決まってしまう責任感を味わって、チームに貢献したいという思いがあります。

広池:僕はどれもやったことがあって、それぞれ良さがあるので首脳陣が求めてくれたところでやりたいです。

 

――秋季リーグでの数字目標は
沖村
:防御率1点台です。

広池:春、K/BB(奪三振と与四死球の比率)をすごい自分の中で頭に入れてやっていて、それは結構上手くいったんですけど、結果があまり出ませんでした。その理由として、打球管理ができなかったというのがあるので、ゴロ率を増やすのと、ハードヒット率を減らすというその2つを頑張りたいです。他の指標は春改善しましたが、その2つが弱点と出てあまりいい結果につながらなかったので、その2つができればかなり結果が伴ってくると思います。

 

――「自分のここをみてくれ」というポイントは?
広池
:ツーシームです。新しい球種なので。

沖村:冷静なピッチングです。

 

――ラストシーズンの思い
広池:春最後勝てなかったのも、間違いなく自分のせいで。どうにかして、チームの勝利に貢献したいと強く思います。

沖村:信頼されるようになりたいという思いが一番あります。厳しい場面が来たら「沖村行け」とチームメイトにも首脳陣にも、スタンドにいるみんなにもそう思ってもらえるようなピッチングを続けられるように頑張りたいです。

 

――意気込みをお願いします!
広池:絶対優勝します。

沖村:僕も同じです。

(取材、記事:飯田佑希子)