【テニス】新体制始動企画『奪還』/♯5上杉海斗

上杉 写真

DSC_5504誰もがその実力を認める慶大男子の絶対的エース・上杉海斗(環2・清風高)。入学時から「違い」を見せると2年目の昨季、秋のリーグ戦から慶大の「S1」を務める。回り込んでのボールを叩くような強烈なフォア。積極的かつ迫力のあるネットプレー。現在、間違いなくインカレ2冠に最も近い男である。昨夏のユニバーシアード、テニスでは今大会男女通じて最年少で大学日本代表に選出され、「世界を知った」上杉が見つめる先とは――。

 「昨季は3冠を狙っていた。全く満足はしていない」

――昨季を振り返っていかがですか

1年目に比べると成績もそうですし、まぁ成長できた1年ではあったんですけど、目指していたのは、シングルス、ダブルス、団体で日本一3冠取ることだったので、ダブルスはよかったんですけど、シングルスも団体も全然優勝できると思っていたので、全く満足はしていないですね。

――春関で勝って以来、今井選手にはインカレ、リーグ、王座と3連敗でした

全然勝てると思っていたんですけど、相手の気迫であったり、結構最後までくらいつかれたりして、僕自身がそこで引き出しを失ってしまった結果だと思っていて、同じプレーしていても相手にちょっとでもペースを変えられたときに、しっかりと頭をつかって対応できなかった、まだまだそこの部分が足りていないと感じています。インカレも王座ともう1セット取れなかった、そこで勝てなかったことは本当に悔しい気持ちが大きいですね。

――大学に入ってから一番印象に残っている試合を教えてください

春関の決勝ですかね。ダブルスは高校のときにも取ったことはあったんですけど、シングルスでタイトルを取ったのがほぼ初めてで、関東学生ですけど、結構自分の中でうれしかったですね。

DSC_5503「ユニバーシアードは非常に良い経験になった」

――テニスの中で男女通して最年少でユニバーシアードに出場されましたが、そこでどんな経験ができましたか

海外に行くことが初めてで、そんなに同年代の海外の選手と試合ができることはなかったので刺激が大きくて、今まで国内で日本人選手との試合しかなかったんですけど、世界に一回行ってみることで、考え方も変わってきました。ダブルスに関しては絶対にメダルを取るぞと今井さんと話していて、メダルを懸けて対戦した選手が、結構チャレンジャー大会で優勝とかしているペアで、そこに勝ったのは自信になりましたし、そのあと準決勝で当たった結局優勝したペアにあと2点で勝てたところを押し切られて、その相手はグランドスラムに出場とかしているペアで、やっぱりグランドスラムというとすごく上で一生経験しないんじゃないかなと思っていたんですけど、そういう相手と試合をして互角の戦いができたことは、かなり自信になって、そこから上というものを意識するようになったし、どうすれば通用するのかがかなり明確になった大会でした。ダブルスに関しては自信が持てるようになって、シングルスでも上を目指していきたいですね。

DSC_7307――では、やはり将来的にはそういう選手のいる舞台を目指していきたいですか

やっぱり慶應チャレンジャーも開催していて、自分も出場させてもらっていて、その中で上のレベルで、そのような選手と対等に戦って勝てるようになりたいとは思っています。やっぱりそれが一番のモチベーションになりますし、自分自身の可能性というのを信じてこれからもやっていきたいです。

――卒業後も含めて、どこを目指してプレーしていますか

学生は全部日本一になることはもちろん目指していて、そこからプロになるかということを考えたときに、まだ迷いがあるというか不安が大きくて、自分自身がどういう風になりたいかというところが……。監督とかに「欲が足りない」と言われたりするんですけど、自分でもそれは思っていて、最初からプロとか目指してテニスをやってきたわけではないので、まだ覚悟が決まっていないというか、まだはっきりと言えないというか、そこが決まりさえすればもっと上に行けるとは思うんですけど、自分の中でまだ不安な気持ちが強いですね。はっきりしないといけないんですけどね……。そこにすごく悩んでいますね。

――慶大に進学してきた理由を教えてください

正直、そもそも関東の大学来ようとは全く思っていなかったんですけど、高校のコーチからの東京でやったほうがいいと言われたこともあって、そのようなきっかけでここに練習に来たときに、第一印象で「熱いチーム」と感じて、自分は団体戦が好きなので、すごくそこにあこがれて、正直他の大学を一切見に行ってないんですけど、ここ2~3回来て、「他を見るまでもなくここでテニスをしよう」と思って、入学を希望しました。

「慶應のNO.1として、絶対的なエースに――」

DSC_6848――得意なプレーと課題と感じている部分を教えてください

自分の武器はフォアハンドからのネットプレーで、後ろでも前でもしっかり自分から攻められるテニスが自分のプレースタイルです。課題としては、自分に自信が持てないというか、メンタルの部分でまだまだ成長できると感じています。

――今季、チームの中でどんな選手を目指していきたいですか

やっぱり、慶應のNO.1として、絶対的なエースになれるように、結果でもそうですし、自分がチームを引っ張って日本一に導ければなと思います。

――最後に今季の意気込みと日本一への思いを聞かせてください

今季は、自分がやってやるという気持ちを強く持って、日本一だけを見据えてやっていきたいです。高校のときはシングルスは決勝で逆転負けをして、そこから全国のタイトルはほしいと思っていますし、特に団体戦で日本一になって全員で喜びたいです。

(企画・取材:太田悠貴)

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