12月5日に行われる第71回早慶サッカー定期戦。今季はリーグ戦を兼ねる形での開催となり、両校とも宿敵には負けられないというプライドに加え勝ち点というものも懸った一戦となる。それだけに何としても勝ちたい一戦で、熱い思いがぶつかる一戦となる。中盤の紹介に引き続き、今回は得点のカギを握る慶大の攻撃陣を紹介していく。
今季、慶大は19試合で20得点と総得点数はリーグ最下位。 それでも、現在7位につけているのは、 攻撃陣が得点を決めるべきところで決めているからであろう。 慶大の強みはチャンスでの勝負強さ。ここまで、 リーグ戦6勝をもぎ取ってきた攻撃陣について見ていきたいと思う 。
今季の慶大の攻撃の特徴は、 パスカットからの前に早いショートカウンター。 そんな攻撃の中心であるトップのポジションを担っているのが、 宮本稜大(商2・國學院久我山)だ。宮本は2年生ながら、 今季ここまで15試合に出場し、 第16節の立正大戦では関東リーグ初得点を挙げた。 彼はスピードを活かした速攻と前線からのプレスで相手ゴールに迫 る。まさに慶大のスピードスターである。 宮本は昨年の定期戦はベンチ外。 その悔しさを晴らすためにも早慶戦での得点を期待したい。
彼以外にも、 同じトップのポジションには今季既に4ゴールを挙げている古川紘 平(政2・学習院) や第4節順大戦で初出場でいきなりゴールを奪い、 監督の期待に応えた齊藤滉(商2・FC町田ユース)がいる。
そのトップをサポートし、 攻撃の司令塔の役割を担うトップ下のポジションを務めるのが、 松岡瑠夢(総4・FC東京ユース)と杉本崇太朗(政4・ 名古屋グランパスユース)だ。チームの主将を担う松岡は、 今季3ゴールを挙げているが、 彼の持ち味は得点力だけではなく守備能力の高さ。 前線から相手にハイプレスをかけ、 相手の攻撃を遅らせるシーンを幾度となく見てきた。 これは松岡の高い運動量に裏打ちされている。 慶大のボール奪取からの素早い攻撃は松岡が支えているといっても 過言ではない。文字通り、攻撃の中心、 そしてチームの中心である。
副将杉本は、今季得点は奪っていないものの、 その左足で相手のゴールを脅かしてきた。特に印象的だったのが、 残留圏争いをする中で絶対に負けられなかった第18節の筑波大戦 での後半に立て続けに放った2本のシュート。存在感を示した。 大学ラストイヤーとなり磨きがかかった彼の左足から放たれるシュ ートは相手の大きな脅威となっている。今季、 リーグ初ゴールを早慶戦でもぎ取れるか。
彼ら以外にも、同じポジションには、 今季は出場機会に恵まれていないものの、 下級生ながら経験豊富な田村裕二朗(環2・藤枝東)がおり、 彼の活躍も待たれる。
前期は勝利を収めたものの、 現在首位に立つ早大を相手に厳しい展開が予想される。 攻撃陣に求められるのは、 ディフェンス陣や中盤でのボールカットから生じたカウンターのチ ャンスを確実にゴールに結びつけること。 松岡を中心にワセダゴールを脅かす慶大攻撃陣に注目してほしい。
(記事:榎本大輝)