【野球】春季リーグ戦開幕前取材② 増居翔太選手 × 生井惇己選手 〜高め合う同期左腕コンビ〜

野球対談

4日後に開幕を控える東京六大学春季リーグ戦。慶應スポーツ新聞会では、王座奪還に燃える選手たちに開幕前インタビューを行いました。

第2回は同学年、同学部そして左腕と共通点の多い2人。増居翔太(総3・彦根東)選手と生井惇己(総3・慶應)選手です。

優勝には両左腕の活躍が欠かせない

 

ーーまずは他己紹介をお願いします

増居:生井は捻くれているんですけど、意外と真面目で、トータルで見ると好青年だと思います(笑)

生井:僕が見た増居の印象は、基本的に秘密主義の人間で、あまり人に興味が無さそうなんですが、それでも後輩やチームのことをよく考えていて責任感のある人間だなと思います。

 

 

ーー左投手のあるあるはありますか

増居:僕の統計上なんですけど、変な人が多いです。

生井:そうですね、変わっている人が多いと思います。

 

 

ーーお互いにここは勝てないなと思う点

増居:フォームの豪快さと球速はちょっと勝てないなと思います。

生井:フォームの緻密さとコントロールは群を抜いてすごいと思うので、そこは絶対に勝てないなと思います。

 

 

ーー逆にここは勝っているという点は

増居:裏返しにはなりますけど、球速がない分コントロールでなんとかバッターを抑えていくというひたむきさは勝っているかなと思います(笑)

生井:球速しか増居に勝てないからこそ、いかに大胆さを出せるかが大事になってくると思うので、そこは勝っていると思います。

 

 

ーー高校時代、甲子園で投げ合ったことがありますが、その時の印象と今の印象は違いますか

増居:甲子園のときはすごい性格の悪そうな野郎だなと思っていたんですけど(笑)大学に入ってみたら意外と好青年で良かったなとは思っています。

生井:頭の回転が早そうだなと思っていて、大学に入って話すと本当に早かったです。僕に対して毒舌とかも出るんですけど、思いやりもあるのでそこは良いかなと思います。

 

 

ーー昨季を振り返って

増居:昨季はコロナもあって思うようにいかない状況が続いたんですけど、なんとか試合をさせてもらって良くも悪くも貴重な経験ができたので、僕の中では充実したシーズンだったかなと思います。

生井:僕は昨季あたりから登板機会を頂けることが増えて、僅差の場面で投げることができて貴重な経験ができたと同時に、最後は早稲田に負けてしまったんですけど、それも経験になったなと思います。

 

 

ーー生井投手は早慶2回戦、優勝のかかった場面での登板でしたが、その時の心境は

生井:あと一つで優勝だというのは分かって登板しましたし、そのプレッシャーがかかる場面で自分ができることを最大にしようと思って登板したんですけど、それでも蛭間(拓哉=スポ3・浦和学院)選手に打たれてしまって悔しい思いはあります。

あの悔しさをバネに飛躍を誓う

 

ーー昨年は春も秋も2位という結果でした

増居:全体としてはまあまあ戦えていたんですけど最後のところで負けてしまって、リーグ戦は積み重ねだと思うので、もう一つ積みきることができなかったなとは思います。

生井:春秋ともに最後あと1勝というところで勝ちきれない、最後のアウトが取れないという試合が続いてしまったので、そこは何か変えなきゃなと思いましたし、そこを見つめ直してやっていっています。

 

 

ーー今年取り組んでいることは

増居:去年のことを踏まえて、僕は一球の精度を。野球は一球で決まるスポーツというのを改めて認識したので、初球や最後の一球を決めるというのを意識して今シーズンやっています。

生井:僕も増居と被る部分はあるのですが、木澤尚文(R3卒=現・東京ヤクルト)さんから初球に命をかけているという言葉をかけてもらっていて、その形が最後早慶戦でのホームランにつながったと思うので、初球について意識して取り組んています。

 

 

ーー昨年から福井章吾(環4・大阪桐蔭)主将とバッテリーを組む機会が増えました

増居:試合の時だけではなく、練習や寮の中でも積極的にコミュニケーションを取ってくれていて、ピッチャーとしては色々な意見が言えるのですごい良いなと思っています。

生井:福井さんはとにかく引っ張っていってくれる存在で、僕が悩んでいる部分や詰めていきたいときにどうしていけば良いかというのをアドバイスしてくださるので、福井さんの存在はとても大きいです。

 

 

ーー福井主将からかけられた印象的な言葉は

増居:直接いただいたわけではないんですけど、福井さんは念ずれば花開くという言葉を大事にされていて、成長するビジョンを持ちながらやっていくことが大事だなと感じることができたので、それが印象的だったかなと思います。

生井:早慶戦の後、とても悔しくて引きずっていたんですけど、福井さんから来シーズン見返そうという言葉を貰えて、僕だけが悔しい訳じゃないんだなというのを感じましたし、一緒に頑張りたいなと思いました。

 

 

ーー理想の投手像は

増居:先発においても中継ぎにおいても、最終的に試合の中で勝利に貢献するピッチングができる。抽象的ですけど勝ちにつながれば速い球を投げる必要もなければ、すごい変化球を投げる必要もないので、それが理想の投手像かなと思います。

生井:今シーズンもリリーフで投げることが予想されるので、ピンチに強い投手になりたいなと思います。リリーフは難しい場面で登板することもあると思うので、その中でチームに流れを引き寄せるためにもピンチに強いというのは常に意識しています。

 

 

ーーオープン戦の中でつかんだ手応えは

増居:ある程度自分が思ったように投げられて、打たれることもありますけど抑えられているので、そこは良いかなと思います。

生井:3年生になって、下級生の頃に比べて行き当たりばったりの投球が無くなってきたなと考えていて、キャッチャーだけに配球を任せるのではなく自分自身で考えてピッチングできているかなと思います。

 

 

ーーチーム内で注目の投手は

増居:同期に橋本(達弥=環3・長田)というピッチャーがいるんですけど、彼がすごい球を投げているのですごいピッチングをするだろうなと僕は勝手に思っています。

生井:今シーズンは僕も増居と一緒で橋本達弥かなと。オープン戦でも結果を残していますし、すごい球を投げているので今シーズンは彼が活躍してくれるのではないかと思っています。

 

 

ーー今シーズンチーム内でどんな役割を果たしていきたいですか

増居:先発するとしたら、できるだけ長いイニングを投げて勝利の可能性が高い状態リリーフ陣につなぐ、最初から自分が出せる全力を出して後ろにつないでいきたいです。

生井:今シーズン僕が先発することはないのでリリーフとして考えたら、去年の雪辱もあるので抑えという形で投げられたらベストですが、そうでなかったとしてもチームに貢献できたら嬉しいなと思います。

 

 

ーー警戒するチーム、選手は

生井:僕は蛭間選手です。悔しい思いをさせられたので、蛭間選手には対抗意識を持ってやっていきたいです。

増居:蛭間選手もそうなんですが、僕は同じ早稲田の熊田(任洋=スポ2・東邦)選手です。彼に去年の春にホームランを打たれて、秋の早慶戦でも9回2アウトからヒットを打ってつないでいて、当時1年生なのに度胸があるバッターだなと思ったので彼を警戒しています。

通算防御率0点台を誇る増居

 

ーー今シーズンの個人的な目標は

増居:どのような形で投げるか分かりませんけど、防御率0点代を目指していきたいと思います。

生井:全試合登板かつ防御率0点台目指して頑張っていけたらなと思います。

 

 

ーー最後にファンの方々にメッセージをお願いします

増居:昨年悔しい形で優勝を逃して、僕たちもとても不本意な形で終わったので、今年は悔しい思いを晴らせるように頑張っていきたいなと思います。

生井:昨シーズンは最後ああいう形で、僕で優勝を逃してしまったので、今年は僕が最後のマウンドに立って優勝できるように頑張っていくので応援よろしくお願いします。

 

ーーお忙しい中、ありがとうございました!

 

◆増居 翔太(ますい しょうた

2000年5月25日生まれ。彦根東高を経て、総合政策学部新3年。ポジションは投手。彦根東高のエースとして2017年夏、2018年春とチームを2季連続甲子園出場に導いた。慶大進学後は1年春から複数試合に登板。ゲームメイク能力が高く、通算防御率0点台と抜群の安定感を誇る。171センチ、68キロ。左投げ左打ち。

 

◆生井 惇己(なまい じゅんき)

2000年7月25日生まれ。慶應義塾高を経て、総合政策学部新3年。ポジションは投手。2018年、慶應義塾高甲子園春夏連続出場の原動力となったエース左腕。ダイナミックなフォームから140キロ台後半の力強い直球を投げ込む力投派。昨年は守護神に定着するなど、急成長を見せている。176センチ、80キロ。左投げ左打ち。

 

※当取材は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、3月26日にオンライン上で実施しました。

(取材:國本 葉月)

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