第1クオーターは両者ともに点を取り合う展開になったが、その後は膠着状態が続き第4クオーター終了で4-4と決着がつかずサドンビクトリー(延長戦)へ。一進一退の攻防続く中残り30秒、主将・貝柄海大(政4・大宮)がシュートを決め慶大が劇的な勝利を収めた。MVPにはLMF・塩原健司(政3・慶應)が選出。慶大は男女ともに勝利し、早慶戦完全優勝を果たした。
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第30回早慶ラクロス定期戦 7月2日(土)@富士通川崎スタジアム
♢スタメン♢
AT #7小川 司(商4・慶應NY)
AT #77鳥屋竜典(経4・慶應)
AT #30齋藤 侑輝(法4・慶應)
MF #8 神津 悠生(商4・慶應)
FO #33石井 ヴィクトール慶治(商4・慶應NY)
LMF #17塩原健司(政3・慶應)
DF #22小川健(政2・慶應)
DF #6吉田結貴(経4・慶應)
DF #5中根 之斗(法4・慶應)
G #2岸晋太郎(法4・慶應)
♢得点♢
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | サドンビクトリー |
慶大 | 2 | 1 | 1 | 0 | 4 | 1 |
早大 | 3 | 0 | 0 | 1 | 4 | × |
※サドンビクトリー:FOから始まり、点が入った時点で終了。
♢慶大得点者♢
齋藤(1Q)
入谷(1Q)
塩原(2Q)
鳥屋(3Q)
貝柄(サドンビクトリー)
女子戦の熱気が収まらない中迎えた男子戦。女子戦同様に多くの人々が見守る中、全日本王者慶大が早大との一戦に臨んだ。
第1クオーター、開始早々ポゼッションが早大になると遠目からのショットを打たれ早大に先制される。その後追いつきたい慶大は齋藤侑輝(法4・慶應)の得意のクリース前のショットで早大に追いつく。だが直後に早大に追いつかれ、点数が激しく動く展開の試合となっている中で、入谷公基(医4・慶應)がパスをつないで距離のあるショットを決め同点とする。しかし第1クオーター後半に早大がまたも得点し2-3となった。
第2クオーター、序盤には慶大は何度かショットは狙うが早大のゴーリーに阻まれる。試合が膠着している中盤、小川司(商4・慶應NY)からの長いパスをゴール前で受け取った塩原がシュートを決め慶大が再び同点に追いつく。終盤は早大がシュートをしてくるがポストにあたり得点には至らず3-3で前半を終えた。
同点で迎えた第3クオーター。序盤から早大ポゼッションが続き、慶大にとっては苦しい試合展開となるが、ゴーリー・中西宙(経4・海城)の連続セーブにより得点を許さない。なかなか突破口を見いだせない慶大であったが、貝柄を中心に攻撃に転じ、鳥屋竜典(経4・慶應)のシュートで1点リードとする。スターティングメンバー発表でポージングをし、会場を沸かせた熱い男の一撃だった。その後も小川豪(商2・都立青山)の好守など、ディフェンス陣の鉄壁の守りが光り、4-3のまま最終クオーターへ。
勝負の最終クオーター。慶大は小川司や中名生幸四郎(経4・慶應)などオフェンス陣が果敢にゴールを狙うも相手ゴーリーのセーブにより得点を奪えない。その後、慶大のファールによって相手ポゼッションとなると、そのまま相手ミッドフィルダーにシュートを決められ同点とされる。慶大はツーマンダウンにより、失点後も苦しい戦いを強いられるが、ディフェンス陣の厳しいチェックでピンチを凌ぐ。慶大ポゼッションで迎えた残り1分、貝柄が会心のシュートを放つが、惜しくもゴールとはならず4-4のままサドンビクトリーへ突入する。
スタジアムのボルテージは最高潮。両校応援団の大歓声に包まれたサドンビクトリーは、フェイスオフで勝った早大のポゼッションでスタートした。一時は慶大もボールを奪うが、ファールによるマンダウンにより最終クオーターと同様に苦しい展開となる。しかし、今日何度もチームを救ってきた中西が再びファインセーブを見せる。終盤になっても相手選手のスピードあるシュートに対する中西の瞬発力は健在だった。慶大ポゼッションで迎えた残り1分。オフェンス陣の積極的な攻撃は、プレッシャーのある相手ディフェンスに阻まれる。このまま得点の機会がないように思えた残り30秒、貝柄がサヨナラゴールを決め、5-4で試合終了。華の早慶戦を5大会ぶりの白星で飾った。
♢選手コメント♢
主将・貝柄海大
――早慶戦に向けてどのような思いで臨んだか。
長い間勝てていなかったんので、絶対勝ちたいという思いが一番強かったです。夏までの約半年間、積み上げてきたものがあったのでそれを試そうと思って臨みました。
――今日の試合を振り返って。
毎回早大はやりにくい相手ではあるのですが、その中でも最初から通して冷静に試合運びができたと思います。
――サドンビクトリーで点を決めた時に気持ちは。
最後は「決めてやろう」という思いでフィールドに出ていたので、最後は運よく自分の出番が回ってきて、そこで決め切れたことはすごくうれしかったです。
――半年での成長は。
みんな一人ひとりが尖っている中でも、まとまりができたのだと思います。そのまとまりを全日(全日本選手権)に挑むまでに強くしていきたいです。
――秋季リーグ戦に向けた意気込み。
今日勝てたのは一つの節目だと思うのですが、慢心することなくもう一度仕切り直して走り続けていきたいと思います。
MVP・塩原健司
――早慶戦に向けてどのような思いで臨んだか。
自分が慶應大学に入学してからは慶應が早慶戦で勝ったことがなかったし、また去年の早慶戦では自分には出場機会がなかったということもあり、2つの悔しい思いがあったので、絶対勝ちたいとずっと思っていました。
――今日の試合を振り返って。
慶應が1クオーターで3点失点したという試合展開でまずいなと思ったのですが、序盤のディフェンスが慶應の課題でもあるので、序盤で失点したからこそそれ以降は失点しないように切り替えていこうと思いました。
――ディフェンスでありながらも得点したときの思いは。
とにかくうれしかったですね。自分は公式戦でまだ決めたことがなかったので、ずっと決めたいなと思って、得点狙っていました。
――MVPに選ばれた気持ちは。
個人的には、13番の宙さん(=中西)か、最後に得点した主将の海大さん(=貝柄)かなと思ったのですが、こういう光栄な賞をいただけることは初めてなのですごくうれしいですね。今後のリーグ戦にいかしていきたいですね。
――次戦に向けて。
慶應は昨年全日本選手権優勝して、早慶戦にも勝って、負けなしでいい状態で行けているので今年リーグ戦全部勝って、全日本選手権連覇したいです。
(記事:吉岡洲、須藤大喜 取材:慶應スポーツ新聞会)