【野球】斎藤快が豪快弾含む5打点の活躍! 3位に浮上! 立大③

野球戦評

5月16日(火)東京六大学野球春季リーグ戦 立大3回戦 @明治神宮野球場

雨天中止の昨日から一夜明け、神宮は絶好の野球日和に恵まれた。序盤から慶大先発・外丸東眞(環2・前橋育英)が相手打線を完璧に封じ、5回まで完全試合を継続した。早めに援護してあげたい打線であったが、立大先発・池田陽佑(コミュ4・智弁和歌山)も、先に先制点をやるまいと気迫の投球を見せ、互いに5回までを無失点に抑える。試合が動いたのは6回表、栗林泰三 (環4・桐蔭学園)の左前安打と盗塁で2死二塁とすると、続く宮崎恭輔 (環4・國學院久我山)の適時二塁打で先制する。なおも2死一、二塁として、斎藤快太 (商3・前橋)が左越3点本塁打を放ち、4点をあげる。外丸は7回、この試合初の安打を浴び、1死二、三塁とピンチを招くと、代打・三沢大成(コミュ4・山形中央)に犠飛を打たれ1点を返される。しかし後続を抑え反撃を1点にとどめると、慶大は8回、9回にも追加点をあげ、終わってみれば13安打7得点と打ち勝ち、勝ち点を2に伸ばした。この試合の結果、慶大は勝率の差で3位に浮上した。

 

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慶大0000040217
立大0000001102

◆慶大出場選手

打順守備位置  
1[3]吉川海斗(法4・慶應)
2[5]本間颯太朗(総3・慶應)
5上田太陽(商1・慶應)
3[4]廣瀬隆太(商4・慶應)
4[9]栗林泰三(環4・桐蔭学園)
5[7]斎藤來音(環4・静岡)
6[2]宮崎恭輔(環4・國學院久我山)
7[8]横地広太(政1・慶應)
8[6]斎藤快太(商3・前橋)
9[1]外丸東眞(環2・前橋育英)
1森下祐樹(総4・米子東)

慶大バッテリー:○外丸、森下ー宮崎

立大バッテリー:●池田小畠、吉野、野口、渡部ー戸丸、落合

慶大本塁打:斎藤快1号3ラン(6回)、栗林泰1号ソロ(9回)

立大本塁打:なし

明大が3季連続の優勝を決めた東京六大学春季リーグ戦。しかし慶大の戦いは決して終わったわけではない。目の前の試合を全力で戦い、早慶戦と秋季リーグ戦につなげたいところ。1勝1分と勝ち点獲得に王手をかけていた慶大は、一昨日の勝利から雨天中止で一日空いたものの、試合前から活気に満ち溢れた雰囲気で打撃練習、守備練習を行なっていた。

その雰囲気を体現するかのように、1回表、先頭打者の吉川海斗 (法4・慶應)が、池田の試合開始直後の初球を叩き安打を放つ。続く本間颯太朗 (総3・慶應)が犠打で送り、また敵失もあり1死一、三塁とチャンスを拡大させる。栗林と齋藤來音 (環4・静岡)が凡打に倒れ、得点とはならないも、慶大打線の爆発を感じさせる初回の攻撃だった。先発のマウンドには誰もが認めるエース・外丸があがると、1回裏をわずか8球で三者凡退に打ち取り、こちらも幸先の良い滑り出しを見せた。

立大のスクールカラーである紫。「紫をつくるためには、慶大の三色旗に含まれる赤と青が原色として必要なので、立大が慶大を倒せるはずがない」という応援団の声が響きわたる中、3回表、吉川が1死から安打で出塁する。2死一、二塁とし、打席には4番・栗林。ここ2戦で8打数5安打、二塁打4本と、調子を上げてきている栗林の4番としての一打に期待がかかるも、ここは池田の意地を前に、三飛に倒れる。

5回を終え、慶大は結局先制点を上げられないでいたが、一方の外丸はなんと5回まで完全試合を続けていた。外丸は145キロの直球と落ちる球を駆使し、相手打線を手球に取っていた。なんとしても外丸を援護したい慶大打線。6回表、栗林が左前安打、のちに二盗し、2死二塁と一打先制のチャンスをつくる。ここまで再三の好リードが光る捕手、6番・宮崎を打席に迎えると、149キロの直球を左線に引っ張り、適時二塁打となり均衡を破る。好投を続ける外丸を援護したのは、それを引っ張ってきた宮崎の一打から生まれた。続く横地広太 (政1・慶應)が四球で2死一、二塁となると、8番・斎藤快に打席が回る。池田の150キロを超える直球をコンパクトに弾き返したいところだが、むしろ強気に強振していく。147キロの直球を空振りした後、続く速球を真後ろにファールする。だんだん池田の球に合ってきた斎藤快、本人もそれがわかっていたのか、141キロの半速球に見事反応し、思いっきり引っ張った打球は良い角度で上がっていった。打球は左翼スタンドまで伸びていき、大きな3点本塁打となった。慶大は6回に4得点をあげ、試合を一気に動かした。

宮崎の一打がチームに勢いをもたらした

リーグ戦初本塁打が値千金の3ランとなった

このまま流れを相手に渡さないためにも、点を取った後の守りが大事である。しかし直後の6回裏、本塁打を放った斎藤快に敵失が生まれ、外丸の完全試合は潰えた。また本間の敵失でピンチが広がり、2死一、二塁となる。相手打者は2番・菅谷真之介(コミュ3・市船橋)。ここまで今季通算、打率3割1分、本塁打2本を放っている強打者である。しかし、ここはエース外丸の快刀乱麻。三振に切って取り、内野陣の2つの敵失を帳消しにする投球、また4点を取って援護してくれた野手陣への恩返しとなる投球を見せる。

8回を投げ2失点の外丸

7回裏、立大先頭打者・西川晋太郎(コミュ4・智弁和歌山)が、高校時代からチームメートの池田を助けたいと内野安打で出塁する。ノーヒットノーランの夢は絶たれ、なおも続く西川侑志(社2・神戸国際大附)に連打を浴び、犠打で1死二、三塁とされる。代打・三沢に初球を外野まで運ばれ、中犠飛となり1点を返されるも、次打者を中飛に抑え、1点の反撃に食い止める。

慶大は相手の反撃をかき消すかのような攻撃を終盤に見せる。8回表には池田に代わった吉野蓮(コミュ2・仙台育英)から連打で1死満塁とチャンスをつくると、6回に3点本塁打を放った斎藤快に打席が回る。追い込まれてから速球をファールで粘ると、129キロの変化球に体を泳がされながらも上手く合わせ、打球は全身守備の二遊間を超えていき、2点を追加する適時打となった。8回裏に失策で1点を返されるも、9回表には栗林のバットからソロ本塁打が生まれ、1点を追加した。

栗林からも今季初の本塁打が飛び出した

5点リードで迎えた最後のマウンドには、森下祐樹(総4・米子東)があがる。森下は140キロ台の直球を9球投げ込み、打者2人を抑えるが、あと1人というところで四球を許してしまう。制球が乱れ始め、続く落合智哉(スポ1・東邦)にも全球直球勝負の末に左前安打、齋藤大智(コミュ3・東北)には緩いカーブを交えて凡打を誘うも四球を許し、満塁としてしまう。ここで打席には菅谷。しかし森下は動じなかった。3ボールとしてしまうも森下は、自分の直球と宮崎のリードを最後まで信じ、この日最速の145キロの直球でストライクを取る。そして、3ー2からの6球目、またもや直球を投じた結果は、完全に球威が相手のスイングに勝り、左飛。結局無失点に抑え、7ー2で勝利を収めた。

日曜日、明大に優勝を決められ、王座奪還を果たすことができなかった慶大。それ自体は非常に悔しい結果かもしれないが、それを感じさせないプレーをチームで見せた。この試合ではエースの外丸の意地が見られ、森下も苦しんだものの、自慢の全球直球でねじ伏せようとするくらいの気合が入っている。野手では斎藤快の活躍が目立ったが、4番の栗林にも今季初本塁打が生まれ、打率も3割6分6厘まで上昇し、吉川は4安打1四球で打率も3割1分1厘と1番打者としての役割を十二分に果たしている。課題を強いてあげるならば、6回表にビッグイニングを作った直後の守りで、失策が2つ出てしまったことだろう。慶大はもう、先を見ている。法大、明大と対戦した今季序盤では、勝ち方や、勝利の方程式がまだ確立されていなかった。しかし、東大戦、立大戦と経験を重ねるにつれて、チームは確実に坂を登っている。このまま坂を駆け上がり、宿敵ワセダを倒して「丘の上」で歓喜に沸く神宮を、期待したい。

◆選手コメント

斎藤快太(商3・前橋)

これまで攻撃でチームに貢献できていなかったので、なんとか追加点をとりたいという気持ちでした。最高の結果になってよかったです。早慶戦ではチーム全員で勝ち点をとります。

吉川海斗(法4・慶應)

優勝はなくなってしまいましたが、全員が勝利に向かって戦った結果、勝つことができました。チームとしてレベルアップして、早稲田戦に臨みたいと思います。今後とも応援よろしくお願いします!

4打数4安打の活躍を見せた

 

 

(記事:野上賢太郎、写真:北村可奈

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