11月17日(日)第7回大学野球オータムフレッシュリーグin静岡 日大国際関係学部戦 @草薙総合運動場硬式野球場
初回、先発・宮腰悠生(環2・慶應)は1死一、三塁のピンチを迎え、日大国際関係学部4番・土橋広夢(国総2・日本航空)の犠飛で先制されてしまう。その後慶大は6度もチャンスを作るが、相手投手の力投であと一本が出ず、2者残塁の場面が続く。投手陣は宮腰に続き、堤遼太郎(総1・済々黌)、奥本翼(政1・大分舞鶴)が継投。2人とも3者凡退で相手を打ち取るなど完璧な投球を披露した。1点差で迎え、後がなくなった9回表。先頭・渡邊功喜(総2・湘南学院)が出塁すると、代打・宮原慶太郎(商2・慶應)の左前安打、3番・筒井俊介(商2・県立船橋)の犠打で1死二、三塁と本日7度目のチャンスが訪れる。ここで途中出場の市橋慶祐(商1・小野)が中堅手への二塁打を放ち逆転すると、木戸脇光(商1・時習館)もそれに続いて右翼手の頭上を越える三塁打を放ち、リードを2点に広げた。9回裏も奥本がしっかり3人で抑え、3-1とオータムフレッシュリーグ最後の試合を勝利で終えた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 |
日大国際関係学部 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
◆慶大出場選手
打順 | 守備位置 | 選手名 |
---|---|---|
1 | [9] | 渡邊功喜(総2・湘南学院) |
2 | [指] | 貞包健勝(環1・城北) |
H指 | 宮原慶太郎(商2・慶應) | |
3 | [5]4 | 筒井俊介(商2・県立船橋) |
4 | [2] | 玉津優志(商2・慶應湘南藤沢) |
2 | 市橋慶祐(商1・小野) | |
5 | [3] | 安達英輝(商1・慶應) |
R | 石崎世龍(商2・慶應) | |
4 | 大村昊澄(法1・慶應) | |
H5 | 山口瑛士(商2・郡山) | |
6 | [7] | 福井怜侑(商2・三重) |
H7 | 木戸脇光(商1・時習館) | |
8 | 森本亜裕夢(商2・慶應) | |
7 | [6] | 藪本鉄平(環2・米子東) |
H3 | 谷口航大(経2・慶應) | |
8 | [8]7 | 山本海(経1・慶應) |
9 | [4]6 | 服部翔(政1・星稜) |
慶大バッテリー:宮腰、堤、奥本ー玉津、市橋
日大国際関係学部バッテリー:野村、石黒ー土橋
慶大本塁打・日大国際関係学部本塁打:なし
前日の東海大戦での大敗、3-2で勝ち切った早大戦を終え、オータムフレッシュリーグ最後の試合である日大国際関係学部戦に臨む慶大。早大戦の勝利の流れのまま、最後の試合を笑顔で終わらせたい。
初回、1番・渡邊功が2球目の直球を弾き返し左安で出塁するも、続く貞包健勝(環1・城北)、筒井は凡退。2死から4番・玉津優志(商2・慶應湘南藤沢)は2球で追い込まれながらも右前安打を放って2死一、三塁とチャンスを広げたが、5番・安達英輝(商1・慶應)は遊飛に打ち取られ、攻撃が終わった。
その裏、この日先発マウンドに立ったのは秋季フレッシュトーナメントでも登板した宮腰。日大国際関係学部の1番打者・原悠悟(国総2・東海大菅生)を139キロの直球で見逃し三振に打ち取り、良いスタートを切るが、続く宮崎泰佑(国総2・土浦日大)には四球を与え出塁を許す。3番主将・大豆生田優輝(国総2・青藍泰斗)の打席では、宮腰の暴投で走者が二塁へ進塁すると、大豆生田は中前安打で繋ぎ、1死一、三塁に。初回からピンチの場面で、対するは4番・土橋。カウント1-2から打った当たりは中堅手が体勢を崩しながら捕ったものの犠飛となり、先制を許してしまう。
その後慶大はチャンスを作るも、それを生かせない場面が何度も続く。2回、薮本鉄平(環2・米子東)が1死からストレートの四球を選ぶと、続く山本海(経1・慶應)の打った当たりは進塁打となり、2死二塁に。服部翔(政1・星稜)は2球で追い込まれるも、フルカウントまで粘って四球を選び、2死一、二塁のチャンスを再び作る。しかし、最初の打席で安打を放っている渡邊功が二ゴロに終わり、2者残塁となった。3回も、2死から4番・玉津が右翼線に落ちる二塁打を放つと、5番・安達は初球を捉え、左前安打で繋いだが、この回も次の打者が二ゴロで打ち取られ、3度目の2者残塁となった。
守りでは先発・宮腰のテンポの良いピッチングと野手のいいプレーが目立ち、初回以降点を与えない。5回も、相手の失策や、筒井の二塁打で1死二、三塁となるが、4度目のチャンスも生かせず。両校ともにこう着状態でスコアボードに0が並ぶ。
6回からは宮腰に変わって堤がこのリーグ初めてマウンドに立つ。堤は6回、7回を3者凡退で終わらせ、完璧に2番手投手としての役割を果たす。
その堤の好投を糧になんとかして同点、逆転したい慶大。7回、服部が相手の遊撃手の失策で出塁、渡邊功が左前安打を放って繋ぎ、貞包の犠打で1死二、三塁となるも、その後がつながらず5度目の2者残塁。また8回にも、先頭打者・安達がカウント1-2から中前安打で出塁すると、代走に石崎世龍(商2・慶應)を起用。なんとかしてこの石崎をホームに返したい慶大ベンチが動き、6番・福井怜侑(商2・三重)の打席のところで、前日スタメン出場した木戸脇が打席に立った。しかし日大国際関係学部2番手・石黒太一(国総2・平塚学園)の直球にバットは空を切り、1死一塁となる。7番・薮本のところで再び代打を起用。代打・谷口航大(経2・慶應)はその期待に応え、左前安打を放ち1死一、二塁とした。続く山本は三邪飛に倒れると、9番・服部の打った当たりは左翼手の頭上を越えると思われたが、結果的に左飛に打ち取られる。6度目の2者残塁。1点が遠く、好機をものにできない歯がゆい攻撃がこの試合では目立った。
その裏、好投の堤に変わって奥本が3番手としてマウンドに上がった。2死をテンポ良く取ったあと、四球を出しながらも、2番・宮崎には見逃し三振。最後の攻撃に繋がる素晴らしい投球を披露し、あとは3人の投手陣の力投に打線が応えるだけだ。
最終回、先頭打者・渡邊功がしぶとく右前安打を放ち、同点の走者を出す。ここでなんとしてもこの走者を返したい慶大は、早大戦で安打を放っている代打・宮原を起用。それに応えるかのように、カウント1-1から左前安打を放ち、この日“7”度目のチャンスが訪れた。その後、3番・筒井が確実に犠打を決め、1死二、三塁。オータムフレッシュリーグの大会規定により延長戦がないため、この回で2点をいれない限り勝利できない。そんな中、途中出場の市橋はカウント2-1から中適時二塁打を放ち、一気に逆転に成功した。1死二塁とチャンスが続くと、早大戦で安打を放っている代打・山口瑛士(商2・郡山)は二ゴロで走者を三塁へと進め、迎えたのは、8回のチャンスの場面では一本が出なかった木戸脇。ここでリベンジとなる右翼手の頭上を越える三塁打を放ち、3点目をもぎ取った。”7“度目の正直で、慶大はついに逆転に成功。その裏、3番手・奥本は危なげなく3人で攻撃を終わらせ、結果的に3-1で逆転勝利を果たした。
選手育成と地域貢献を目的に行われた「大学野球オータムフレッシュリーグin静岡」。慶大は11月16日から17日にかけて3試合が行われた。15-6の大敗を喫した東海大戦、3-2の接戦を制した早大戦。そして、3-1で勝利したものの、残塁の多さが目立った日大国際関係学部戦。本試合では9回に逆転に成功し、勝利を収めたが、打線を繋げ、点に結びつける打撃を目指すことがこれからの課題だろう。今大会では秋季フレッシュトーナメントで出場が少なかった選手が出場、活躍した。それに伴い、野手陣だけでなく、投手陣にもそれぞれ課題が生まれたことだろう。今大会を冬の練習に生かして、これからの慶大野球部の原動力となってほしい。
◆活躍選手コメント
市橋慶祐(商1・小野)
良いあたりではなかったですが、先輩方が繋いでくれたチャンスだったので、打つことができてよかったです。今年最後の公式戦勝つことができて、よかったです。
木戸脇光(商1・時習館)
1試合目に守備でエラーをしてしまったので、なんとか打撃で貢献したいと思っていました。市橋が執念のヒットを打ってくれたので、流れに乗って追加点打を打つことができて良かったです!
(記事:河合亜采子、写真:林佑真、加藤由衣)