【体育研究所】所員と研究内容 スポーツ振興の活動を紹介/体育研究所特集 #3研究・スポーツ振興編

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 慶應義塾大学体育研究所を特集した3本立てのシリーズ。今回は最終回となる第3弾。体育研究所が掲げる3つの理念のうち、研究とスポーツ振興の2つについて深掘りする。

 

第1弾はこちらからお読みください!:【体育研究所】「体育・スポーツを通じた塾風の涵養」 体育研究のプロたちが目指すもの/体育研究所特集 #1体育研究所とは | KEIO SPORTS PRESS

第2弾はこちらからお読みください!:【体育研究所】この春履修すべき塾生におすすめの体育授業を紹介/体育研究所特集 #2教育編 | KEIO SPORTS PRESS

 

【研究】

ここでは、3名の所員について、経歴とその研究分野について紹介する。

①坂井利彰教授(体育研究所副所長)

〈経歴〉

1996年全日本学生単優勝

1997年日本興業銀行(現みずほ)入行

2000年ソニー入社(実業団テニス選手)

2002年プロテニス選手(全豪オープン出場)

2006年〜23年慶應義塾体育会庭球部監督

(2021年女子全国王座55年振り優勝)

(2023年男子全国王座46年振り優勝)

2012年慶應義塾大学体育研究所専任講師

2018年慶應義塾大学体育研究所准教授

2023年慶應義塾大学体育研究所教授

2024年慶應義塾体育会庭球部部長

 

〈専門分野〉

スポーツコーチング

トップスポーツマネジメント

 

〈研究紹介〉

アスリートの育成パスウェイ

主にプロテニス選手の育成パスウェイについて研究活動を行っている。研究の原点は、自らのテニス選手としてのキャリアにある。10代で世界ランキング100位入りしてウィンブルドンを始めとしたグランドスラム大会で活躍するフェデラー、ナダル、ジョコビッチ、錦織のような早熟エリート選手だけでなく、20代で頭角を表す米大学などを経由する大器晩成選手の育成パスウェイを明らかにすることにより、様々な年代やカテゴリーからもグランドスラム大会を目指せることを、データ分析を活用して明らかにしている。育成パスウェイを明確にすることと並行して、2007年に早熟型、大器晩成型どちらの選手の登竜門である横浜慶應チャレンジャー国際テニストーナメントを創設し、日本テニス選手の強化育成にも貢献している。加えて、大学アスリートも含めたプロアスリートが応援されて愛される勝者となるためのキャリア育成支援にも取り組んでおり、研究室ではデータを活用したハイパフォーマンス支援と共に、スポーツを通した社会課題解決の社会実装にも取り組んでいる。

 

 

 

②林卓史教授

〈経歴〉

慶大野球部時代、元読売巨人軍の高橋由伸(平10政卒)氏と同期で、東京六大学野球通算21勝を挙げた好投手。総合政策学部卒業後、日本生命で投手として5年間プレーし、日本選手権優勝を経験。引退後に慶大大学院健康マネジメント研究科を修了。朝日大学で教員・野球部監督。2016年から2018年に慶大体育会野球部助監督。Rapsodoなどデータを活用した指導を実践。投手コーチング研究で博士号取得(政策・メディア研究科)。現在は体育研究所教授。

 

〈研究分野〉(以下、インタビュー形式でお届けします)

スポーツ科学・コーチングの分野で、選手や監督の成長を研究しています。トラッキングシステムを用いたコーチング、選手がつかむコツとそのプロセス、監督がどのように熟達していくのかといったことに興味があります。

 

〈研究紹介〉

野球における卓越した指導者の指導に関する事例研究:メジャーリーグにおいて活躍する2人の選手を育成した高校野球監督の語りを手がかりに

コーチとして「どうやったら大谷翔平選手のような選手が育てられるのか」ということがどうしても知りたいと思いました。そこで、花巻東高校の佐々木洋監督へのインタビューをもとに、その育成プロセスを整理しました。MLBで活躍する菊池雄星投手(ロサンゼルス・エンジェルス)への指導経験が活かされたことを、監督は語っていました。また、「アスリートファースト」:選手自身が目標を設定し、将来のビジョンを描くことが重視されていました。佐々木監督の将来と現在の「際」を見極める指導が、大谷選手の成長に影響を与えたと考えています。

 

〈書籍紹介〉

スピンレート革命(ベースボールマガジン社、2019)

『スピンレート革命』では、Rapsodoを用いたコーチングを通じて、投手がどのように成長していくのかをまとめています。慶大の投手を対象とした内容です。高校時代に大きな実績のあった投手はいませんが、リーグ優勝や日本一を達成してくれました。現場での試行錯誤をまとめた一冊です。

 

 

 

③稲見崇孝准教授

〈経歴〉

2011年中京大学大学院体育学研究科(現スポーツ科学研究科)博士後期課程(健康科学系)修了。研究科初の早期修了者。博士(体育学)。愛知医科大学医学部附属運動療育センター、Edith Cowan University (Australia)、早稲田大学スポーツ科学学術院を経て2017年から現職。健康マネジメント研究科研究科委員、KGRI-KEIO Sports SDGsセンター副センター長、関係学会国際研究委員などを務める。 

〈研究分野〉

専門はスポーツサイエンス。特に運動生理学を基盤としたトレーニング科学を研究テーマとし、多数の英文学術論文の執筆実績も豊富。著書に『コンカレントトレーニング -最高のパフォーマンスを引き出す「トレーニング順序」の最適解(2021)』や『60歳からはじめるエキセントリック体操(2022)』、『ケガをしないカラダづくり(2023)』(共に東洋館出版)などがある。また陸上短距離日本記録保持者の山縣亮太選手や慶應義塾高校野球部、プロゴルフ選手、スカッシュ選手など競技スポーツの現場でアスリートをサポートする実践的な活動も数多く展開している。学部生向けのスポーツサイエンスゼミもあり、近年では在学中の学会発表も多い。<研究室HP:https://inami-lab.ipe.hc.keio.ac.jp/>

(写真はすべて、文は一部を除き体育研究所提供)

 

 最後に、体育研究所が掲げる3つの理念のうちの一つ、スポーツ振興について、活動を深掘りする。

 

【スポーツ振興】

 体育研究所ではスポーツの振興のため、『塾長杯』という塾生向けのスポーツ大会を運営していて、多くの塾生から人気を博している。バレーボールやフットサル、バスケットボールなどの大会に、仲の良いグループでチームを組んで参加する塾生も多い。大会によっては経験者と未経験者によっていくつかのレベルに分けて実施される。

 また、塾内の体育施設の開放も行っている。日吉協生館のトレーニングルームは、水曜日と金曜日の4限に開放している。第3校舎の脇を抜けたところにあるフットサルコートとバレーボールコートは月曜日と火曜日と金曜日の15:00〜17:00に、日吉協生館のプールは月曜日と火曜日と木曜日の昼休みに開放している。各施設の詳細は体育研究所のホームページから。塾生なら誰でも無料で利用することができる。(開放日時の情報は全て25年秋のもの、一部要予約)

 水泳や体操の『公開講座』も行っており、塾生以外の方も参加可能。塾内にとどまらず地域との共生やスポーツの発展を目標としている。

 

 以上で体育研究所特集は終了となります。お読みいただきありがとうございました!

 

体育研究所リンク:慶應義塾大学体育研究所 – Keio University Institute of Physical Education

 

※写真はすべて体育研究所提供

 

(取材:柄澤晃希、蕭敏星)

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