♢スタメン♢
AT
#31 佐藤仁一郎(政4・慶應)
#4 福田天真(法4・國學院久我山)
#3 鈴木孝人(法3・学習院高等科)
MF
#51 福田崇斗(商3・本郷)
DF
#16 中本孝太郎(政4・慶應)
#5 峰岸諒(環4・慶應湘南藤沢)
#22 伊藤優希(政4・慶應)
#19 築地泰志(経3・本郷)
G
#2岩城敦大(法4・慶應)
FO
#99 溝部航貴(総3・國學院久我山)
♢得点♢
2022年の第30回大会から早慶戦4連覇を達成している慶大。通算成績でも19勝9敗4分と早大を圧倒してきた。しかし、2024年にリーグ優勝・全日本大学選手権優勝を果たした慶大に対し、早大は昨年度(2025年)その座を奪取。昨年の学生王者として勢いに乗る早大を相手に、慶大が“KING”の奪還へ向けて挑む、意地とプライドがぶつかり合う一戦となった。
7月の関東リーグ戦開幕を前に行われる一戦。両校がどのような戦いを見せるのか、注目が集まった。灼熱の太陽が照りつける中、会場には昨年を大きく上回る4605人の観客が詰めかけた。それぞれのスタンドからは応援団の声援やハリセン、太鼓の音が響き渡り、伝統の一戦にふさわしい熱気に包まれた。”KING”の奪還か、昨年学生ラクロス王者の意地か。第34回早慶ラクロス定期戦の戦いの火蓋が切って落とされた。

DF・築地泰志とM F・福田崇斗
最初のFOこそ早大に制された慶大だったが、DF陣がすぐさま冷静な対応を見せる。DMF・福田崇斗(商3・本郷)を中心とした粘り強い守備、DMF・小出晋也(商4・浅野)の的確なチェックで簡単には攻め込ませない。さらに福田崇の素早いパス回しから流れを引き寄せると、主将/DF・峰岸諒(環4・慶應湘南藤沢)が巧みなクロスワークで相手のチェックをかいくぐるプレーを披露。守備面では G・岩城敦大(法4・慶應)がゴール前で立ちはだかり、早大のシュートを冷静にセーブ。序盤のピンチをしのぎ切った。すると試合開始から9分、均衡を破ったのは OMF・橋山隼人(商3・慶應)だった。相手陣左サイドから勢いよく駆け上がると、サークル外の離れた位置から豪快なミドルシュート。慶大が先制点を奪い、スコアは1―0となった。フィールドの選手が一気に橋山を囲ってゴールパフォーマンスを披露し、会場を沸かせた。攻めの流れを掴みたい慶大は、AT・福田天真(法4・國學院久我山)を中心に果敢にゴールを狙う。そして試合開始から12 分、再び福田天がチャンスをものにし追加点を奪取。慶大が2―0とリードを広げた。その後は慶大が長い時間ボールを保持し、主導権を握る展開に。再び早大のシュートがゴールへ向かった場面でも、DMF・福田崇が体を張った堅い守備を見せ、得点を許さない。攻撃ではAT・福田天が積極的に得点を狙うも、惜しくもシュートはクロスバーの上へ。守備陣では DMF・中村太一(文3・学習院)と DMF・福田崇が連携したディフェンスで早大の攻撃を封じ込めた。さらに終盤にもDMF・福田崇が好守を見せ、早大のシュートを阻止。攻守両面で慶大が存在感を発揮し、早慶戦らしい緊張感あふれる第1Qとなった。
第2Q開始直後は早大に攻め込まれる展開となった。だが、DF・峰岸が好守でピンチを切り抜け、一気に流れを引き寄せる。すると、堅守からつかんだ流れそのままに、2分、巧みなパス回しで相手の守備を崩し、AT・福田天がゴールを奪う。さらに4分、OMF・橋山がこの試合自身2点目となるシュートを突き刺し、4ー0と早大を大きく突き放す。その後は両チームともに堅い守備を見せ、攻守がめまぐるしく入れ替わる、緊迫した展開が続いた。9分、パスの乱れからピンチを招くが、DF・中本孝太郎(法4・慶應)の堅守がチームを救う。しかし11分、ついに失点を許し3点差に詰め寄られる。それでもその後は、守護神G・岩城が再三の好セーブで追加点は許さず、4ー1のまま、3点のリードを保って前半を終えた。

AT・福田天真
ハーフタイムが明け後半戦に突入すると、第3Qは守備の時間が長くなる。慶大はDF・峰岸諒を中心にタイトなディフェンスを続けるが、4分に左斜め45度からのロングレンジのシュートを沈められてこのクオーター最初のゴールを許す。直後にFOからの速攻を受けるが、ここはG・門井恒太朗(経3・本郷)のセーブでしのぐ。しかし、8分に再び失点し1点差まで詰め寄られる。このまま押し切られるわけにはいかない慶大は反転攻勢に出た。12分にAT・鈴木孝人(法3・学習院高等科)が惜しいシュートを放つと、終了間際の14分、OMF・児玉類(環4・慶應湘南藤沢)が敵陣中央を切り裂いてミドルシュートを沈め、点差を広げる。スコア5-3とし、最後の15分へ突入する。

DF・中本孝太郎
第4Q、まずDF・中本がFOを制すると、エンジン全開のオフェンスで早大ゴールに襲い掛かる。1分、福田天からパスを受けたAT・佐藤仁一郎(法4・慶應)が、ジャンプしながら豪快にクロスを振り下ろし、点差を3点に広げる。6分に失点を喫し再び2点差となるが、G・岩城が落ち着いたセーブを見せるなど、堅牢なディフェンスで時計の針を進める。
しかし12分、このまま逃げ切りたい慶大にアクシデントが発生する。副将にしてチームの得点源である福田天が足を抑えてピッチに倒れ込み、無念の負傷交代。一抹の不安を抱えて残り時間をプレーすることとなる。それでも集中力を切らさなかった慶大は、試合終了間際の15分、峰岸が自陣でボールを奪い返すと、そのまま一気に敵陣に迫り、鋭いシュートを放つ。主将の魂が乗り移ったシュートがゴールネットを突き刺し、ダメ押しの7点目となった。まさに「KING」と化した峰岸のプレーにスタンドは大きく沸き上がり、タイムアップと共に歓喜の 『若き血』が日吉陸上競技場に轟いた。

主将/DF・峰岸諒
立ち上がりからリードを奪い、中盤に追い上げられても慌てず、終盤に得点を重ねて突き放すという横綱相撲で早大を下した慶大は、これで早慶ラクロス定期戦5連覇となった。それでもスローガン「KING」を掲げるチームは、更なる高みを目指している。試合後の挨拶で峰岸主将は「この勝利は目標ではなく1つの通過点」と力強く宣言した。日本一という正真正銘の「KING」を目指す男子ラクロス部の旅路は、まだ始まったばかりだ。
(取材・記事:野口ことみ、岡里佳、長掛真依、神谷直樹、河村怜、岸田紗耶子、北畠海光、桜井美緒、島森沙奈美、髙木謙、根本佳奈、御供風月)
▽以下、選手インタビュー:峰岸諒/福田天真/中本孝太郎/岩城敦大
ーー早慶戦4連覇で4年間負けなし、最後の早慶戦を見事勝利で飾りましたが、率直なお気持ちを教えてください
最高です。自分は試合で緊張とかを普段しないタイプなんですけど、5連覇がかかってるってゆう重圧はどこかであったので、まず勝てて安心してます。
また、ここまできつい練習をみんなでやってきたので、前半戦の結果として報われて、みんなで最高の景色を見れて、本当に嬉しいです。
ーー試合内容を振り返って
オフェンスがいい流れで前半点を取ってくれて、もしかしたら点差開くかもなと思ったんですけど、流石の早稲田、という感じで、本当に油断が一切できない展開が続いたのという印象です。ただ、試合前に準備していたこと、想定していた展開、シチュエーションだったので一切焦りはなかったです。
ーー最後ご自身で得点を決められました、その時のお気持ちは?
最高です。アドレナリンで記憶半分くらい消えてるんですけど、決めた瞬間のスタンドの景色、一生忘れないと思います。周りの音が一瞬完全に消えて、すごい身体中が興奮してたあの感覚は、本当に言葉に表せないです。
ーー今後のリーグ戦に向けての意気込みをお願いします!
ここからが本番なので、気を引き締めないとなと思ってます。個人としてもですけど、チーム全体をここからリーグ戦に向けてどう気持ちと体力、技術をつけていくか。自分が常に一歩前に立って考え続けたいと思います。
ーー今日の試合を振り返って
五連覇がかかっていた試合だったので、まず勝ち切れたことが素直に嬉しいです。前半からOFがしっかり得点して、試合を有利に進められたのは良かったと思います。ただ、チームとして目標にしていた二桁得点には届かなかったので、そこは悔しさも残っています。DF陣も本当に粘り強く守ってくれて、感謝しています。
ーー最後の早慶戦にはどのような気持ちで挑みましたか?
とにかく楽しむこと、そして自分のプレーや得点でチームを勝利に導きたいという気持ちで挑みました。
ーー得点に多く絡んで、佐藤選手との息もピッタリだったと思うんですけど、手応えはどうでしたか?
仁とはOFリーダーとして、今年に入ってからたくさんコミュニケーションを取ってきました。その積み重ねが、今日の連携や得点につながったと思っています。プレー面はもちろん人間としても仁のことを尊敬しています。
ーーラストイヤーで、次のリーグ戦では集大成を見せることになると思いますが、意気込みをお願いします
自分たちは「社会人を倒して全日優勝する」という目標をずっと掲げています。そこをぶらさずに、まずは学生相手に圧倒できるチームになりたいです。ラストイヤー、悔いのないように全力で戦うので、引き続き応援よろしくお願いします。

AT・福田天真
ーー今日の試合を振り返って
全体を通して、非常に良い試合運びができていたと思います。1Qにオフェンスが先制点を挙げてくれたことで、気持ちに余裕を持ちながら、全員でディフェンスに臨むことができました。ただ、3Qで2失点してしまい、少し流れを早稲田に渡してしまった部分もあったので、試合後半の集中力については、今後のリーグ戦に向けて修正していきたいと考えています。
ーー最後の早慶戦、どういうマインドで挑みましたか
個人としては3度目の早慶戦であり、「集大成」という思いで試合に臨みました。連勝を止めてはいけない、応援に来てくださる先輩方の前で負けるわけにはいかない、というプレッシャーもありましたが、それ以上に試合を楽しみながらプレーすることができました。
ーー2Q中盤から3Qにかけて守備の時間が長かったが、どういうことを意識してプレーしていたか
試合中は、とにかくチームの士気を落とさないことを意識していました。長いディフェンスの時間が続き、今年初めて早慶戦を経験する選手も多い中で、早稲田ムードになりかけた会場の雰囲気にチームが飲まれないよう、声をかけ続けていました。
ーー勝利の瞬間を振り返って
正直なところ、「もう終わったのか」という感覚でした。試合中に峰岸へ「今3Q?」と聞いたところ、「もう4Qだよ」と返されるほど、あっという間の試合でした。試合終了後、ベンチから飛び出してきたチームメイトたちを見て、ようやく勝利を実感し、安心しました。
ーー7月のリーグに向けての抱負
リーグ戦に向けては、今以上にディフェンス組織全体の練度を高めて臨みたいと考えています。早稲田とはリーグ戦でも同じブロックになるので、次も負けないよう、日々精進していきます。

MVPに選ばれたG・岩城敦大


