連覇を懸けた明大との第3戦。序盤からリードを許す苦しい展開となる中、應援指導部は応援席に笑顔を呼びかけ、懸命に声援を送り続けた。5点を追う9回には、坪井代表の熱い呼びかけに応援席が一体となり、この日一番の盛り上がりを見せた。試合は0-5で敗れたものの、最後まで途切れることのなかった声援。明大戦で味わった悔しさを力に変え、春秋連覇を懸けた慶早戦で、再び神宮に熱い声援を響かせる。
10月19日(月)慶應義塾大学⚫️0ー5◯明治大学
〜試合概要〜
1勝1敗で迎えた明大との第3戦。勝てば春秋連覇が決まる慶大は、中1日でエース・渡辺和を先発に起用した。しかし初回、暴投で先制を許すと、渡辺和が肩の違和感を訴え緊急降板。2回にも追加点を奪われ、4回には押し出しの四死球などで3点を失い、5点を追う苦しい展開となった。5回以降は3番手・鈴木佳が好投を見せ、明大打線を無得点に抑えるも、打線は相手投手陣の前に沈黙。5回に竹田がチーム初安打を放つも後続が倒れ、9回に迎えた好機も生かせず、0-5で完封負けを喫した。慶大はわずか1安打に封じられ、春秋連覇の行方は持ち越しとなった。
試合は初回から思わぬ展開となった。中1日で先発したエース・渡辺和大(商4・高松商)が2死一、三塁から暴投で先制点を献上。その後、わずか17球で緊急降板するアクシデントに見舞われた。急きょ水野敬太(経3・札幌南)がマウンドに上がり、応援席からは「頑張れ水野」の声援が鳴り響いた。しかし、2回にも追加点を許し、慶大は序盤から2点を追う展開となる。

それでも、應援指導部は応援席に笑顔を呼びかけた。3回には、勝負飯として「いくらのおにぎり」を紹介。「いくらはいくらあっても嬉しい。それと同じように慶應の得点もいくらあっても嬉しい」とユーモアを交えて大量得点を願い、「いくらみたいに大きく弾ける笑顔で」と応援席を盛り上げた。
しかし4回には、四死球が絡んで3点を失い、点差は5点に広がった。打線も明大投手陣の前に沈黙し、反撃の糸口をつかめない。それでも應援指導部は下を向かなかった。8回には応援企画責任者M.Eが「スコアボードを見てほしい。なんか様子がおかしいぞ。なんか笑顔が消えているぞ」と呼びかけ、「みんないい笑顔で気合い入れていくぞ」と応援席を奮い立たせた。
そして迎えた5点ビハインドの9回表。「今日出すしかないぞ。ここで応援席の役目が来たぞ」。坪井代表が声を張り上げた。「この9回盛り上げて盛り上げて勝つしかねえぞ」「今のうちに全部出せ」と応援席を鼓舞し、全員で『若き血』へ。

慶大は最終回、一死一、三塁の好機をつくる。『ダッシュケイオウ』で反撃への期待が高まる中、『孔明』が響き渡ると、応援席の熱気は一段と増していく。さらに『朱雀』へとつながり、この試合一番の盛り上がりを見せた。しかし、あと一本が出ず、反撃は実らないまま0-5で試合終了。最後まで勝利を信じて送り続けた声援も、白星には届かなかった。

試合後、坪井代表は最後まで応援を続けた観客に感謝を述べると、「最後の攻撃、このリーグ戦でも一番いい盛り上がりを見せられたと思います」と応援席の熱気を振り返った。
「本当に悔しいんですけれども、正直慶早戦が楽しみになりました」。悔しさをにじませながらも、その視線はすでに3週間後の大一番へ。「應援指導部、そして野球部も3週間後に必ずパワーアップして帰ってきます」と力強く宣言し、「必ず慶早戦に勝利して、六大学野球秋季リーグ戦優勝して、日本一まで全員で駆け抜けましょう」と呼びかけた。
エースの緊急降板、5点差を追う苦しい試合展開。それでも最後まで勝利を諦めず、声援を送り続けた應援指導部。明大戦で味わった悔しさを胸に、3週間後の慶早戦で再び応援席から選手たちの背中を押す。
〜試合後インタビュー〜
ーー今日の試合を振り返って
すごく劣勢の中でも諦めない応援席を体験できて、貴重な経験でしたし、この経験を慶早戦に絶対につなげたいなと思いました。
ーー点を追う展開だったが、意識していたこと
私はバンド席にいたんですけど、メイン台にいる人たちが応援席全体の方を向いて鼓舞している姿を見て、私自身も鼓舞されました。選手の方を向いている身として、音を届けようと一生懸命吹いておりました。
ーー慶早戦に向けて
慶早戦に向けて毎年総合練習があるんですけれども、優勝がかかったことで、総合練習がより実りのある、意味のあるものになるかなと思います。慶早戦に向けて準備しつつ、総合練習に向けても自分の技術を高めていきたいなと思います。
(取材、記事:小野寺叶翔 取材:塩田隆貴、根本佳奈、梅木陽咲)


