【野球】収穫あり課題あり!苦しみながらも白星発進 東大①

 

4月15日(土)東京六大学春季リーグ戦 東大1回戦

1年生らしくない力強い投球を見せた関根

 

6季ぶりの優勝を目指す慶大の春が来た。東京六大学野球春季リーグ初戦の相手は東大。1年生右腕関根智輝(環1・城東)やリーグ戦初スタメンとなった天野康大(環4・智辯和歌山)をはじめ、フレッシュな顔ぶれが躍動した。試合は初回から、岩見雅紀(総4・比叡山)の本塁打などで大量リードを奪う。しかし中盤からは投手陣が崩れ、点差を詰め寄られて苦しい場面も。それでも、随所に攻守が光り、序盤のリードを守り切って、全員野球で白星をもぎ取った。多くの収穫と課題を手にした一戦となった。 

 

東大

慶大

×

東大:●宮台、濱崎、川口、柴田、山下大―森田、三鍋

慶大:○関根、伊藤佑、内村、菊地―郡司

 

慶大:岩見1号2ラン(1回)、天野1号ソロ(5回)

 

◆慶大出場選手

 

先発

選手名(学部学年・出身高校)

[9]

天野康大(環4・智辯和歌山)

[5]

瀬尾翼(理4・早稲田佐賀)

[8]

柳町達(商4・慶應義塾)

[7]

岩見雅紀(総4・比叡山)

 

中村健人(総2・中京大中京)

[2]

郡司裕也(環2・仙台育英)

[3]

清水翔太(総4・桐蔭学園)

[4]

倉田直幸(法4・浜松西)

[6]

照屋塁(環4・沖縄尚学)

[1]

関根智輝(環1・城東)

 

小原和樹(環2・森岡三)

 

伊藤佑馬(商3・倉吉東)

 

内村僚佑(政4・慶應義塾)

 

明渡稜(政4・桐蔭)

 

菊地恭志郎(政2・慶應志木)

 

 

 オープン戦で結果を残した右腕関根が、慶大では90年ぶりとなる1年春開幕投手に大抜擢。初回はランナーを背負いながらも、落ち着いた投球で上々の立ち上がりを見せる。

 

リーグ戦初本塁打を放った天野

東大の先発は、エース宮台。慶大打線はいきなり、宮台を攻めたてる。初回、天野が四球を選ぶと、柳町達(商4・慶應義塾)がフェンス直撃の適時三塁打を放ち、幸先よく先制点を挙げる。続く岩見も高めの変化球を逃さず振り切ると、打球はレフトスタンド中段へ。リーグ戦通算10号となる特大アーチで、2点を加える。2回には宮台が制球を乱し、三者連続四球を与えて早々にマウンドを降りる。無死満塁のチャンスを迎えると、柳町が二番手・濱崎の打球をセンター前にはじき返し、きっちりとランナーを生還させる。続く郡司裕也(環2・仙台育英)からも適時打がうまれ、さらに3点を加えて序盤からリードを広げた。

 

一方の関根は、ツーシームを効果的に使い、ストライク先行で要所を締めるピッチング。瀬尾翼(理4・早稲田佐賀)や清水翔太(総4・桐蔭学園)の好守で、バックも盛り立て、5回1失点と上々の投球を見せた。慶大はその後も相手投手の乱れやエラーで追加点を奪うと、5回には天野にリーグ戦初本塁打が飛び出し、着実に点を重ねる。

フェンスに衝突しながら捕球した柳町

 

しかし6回、継投に出た慶大は、二番手・伊藤佑馬(商3・倉吉東)が赤門打線に捕まる。先頭打者に安打を許すと、四死球でピンチを広げ、暴投で一点を献上して無念の降板。続く内村僚佑(政4・慶應義塾)も、タイムリーを浴びこの回3失点を喫する。それでも、7回には柳町が左中間への大飛球をフェンスにぶつかりながら補球するなど守備にも助けられ、次の2イニングを無失点で切り抜けた。9回には、菊地恭志郎(政2・慶應志木)が一点を失うも、序盤のリードで逃げ切り、開幕戦を白星で飾った。

 

 今季の慶大は、4年間で26勝を挙げた加藤拓也(政卒・現広島カープ)の穴をどう埋めるかがカギとなるだろう。今日初勝利をつかんだ関根、同じく一年生ながらベンチ入りを果たした佐藤宏樹(環1・大舘鳳鳴)、オープン戦好調の石井雄也(商2・慶應志木)、課題を手にした伊藤佑、リーグ戦初登板で意地を見せた四年生内村など新しい顔ぶれが投手陣の軸となる。今季からエースナンバーの18を背負う菊地にも、大きな期待がかかる。投手陣の全体の底上げで、悲願の優勝を手繰り寄せてほしい。

 

This is YOUR day!! 堂々の投球で鮮烈デビュー 関根智輝

軽やかな表情で投球する関根

「勝てる確率が高い投手」と大久保監督、林助監督が満を持して先発に送り込んだ期待に、見事に応えてみせた。1年生開幕先発勝利は東京六大学史上4人目の偉業だ。抜群のコントロールで、凡打の山を築き、着実にアウトを重ねた。成長著しいスーパールーキーが、慶大投手陣の柱となる。

 

記事:反保 真優

 

 

◆打撃成績

 

 

[9]

天野

四球

四球

一失①

 

左本①

捕邪飛

 

 

[5]

瀬尾

逃三振

四球

死球

 

四球

 

空三振

 

[8]

柳町

中3①

中安①

二ゴロ

 

二ゴロ

 

遊ゴロ

 

[7]

岩見

左本➁

逃三振

 

四球

 

四球

逃三振

 

 

中村

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]

郡司

三失

中安①

 

投犠

 

投犠

 

三ゴロ

[3]

清水翔

二ゴロ

右直

 

左飛

 

右安①

 

一ゴロ

[4]

倉田

四球

 

死球

遊ゴロ

 

四球

 

右安

[6]

照屋

二ゴロ

 

投犠

 

二ゴロ

中飛

 

四球

[1]

関根

 

四球

一直

 

 

 

 

 

小原和

 

 

 

 

一邪飛

 

 

 

伊藤佑

 

 

 

 

 

 

 

 

内村

 

 

 

 

 

四球

 

 

明渡

 

 

 

 

 

 

 

右飛

菊地

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

打者

球数

失点

自責

関根

21

69

 

伊藤佑

2/3

19

 

内村

21/3

43

 

菊地

21

 

 

  • 監督・選手コメント

 

大久保秀昭監督

(今日の試合を振り返って)開幕で、いろんな緊張感があったと思いますが、内容は別として、勝てたことはよかったと思います。(関根投手起用の理由は)ずっと練習の時から安定感のある投球をしていたので。林助監督の推薦もありましたし、勝つ確率の高い投手ということで迷わず選びました。(関根投手の投球は)もっと球は速くなってくると思いますが、まだ成長途上だし、とにかく低めを丁寧に投げようという意識は随所に感じられたので、それを続けてほしいと思います。(6回以降の継投は)伊藤の状態は非常に良かったので期待して出したのですが、今日はうまく結果につながらなかったですね。(岩見選手、天野選手の本塁打もありましたが打撃面は)1、2番がしっかりと塁に出て中軸が返すという理想的な攻撃が初回からできたと思います。相手は宮台選手だったので、なかなか攻略が難しい中で、相手の四球に乗じてうまくいったなと思います。(明日に向けて)まだ明日も勝たないといけないので、今日の反省もしながら、選手たちもしっかりと準備してくれると思います。

 

関根智輝(環1)

(今の率直な気持ちは)開幕戦の先発は重大な役目なので、今はとりあえずほっとしています。(先発を告げられたのは)昨日の夜のミーティングで、林助監督からです。(その時の気持ちは)あまり実感がなくて、緊張はしていなかったのですが今日の朝になって「重要な役目なんだな」と実感して、緊張しました。(今日の投球を振り返って)立ち上がりは良くなくて、後半になるにつれて修正できました。リーグ戦を通して成長できればいいなと思います。(ストライク先行の投球でした)林助監督からストライクを投げろと指示があって、テンポ良くストライク先行でいくことを意識していました。(良かった球は)ツーシームですね。安定していて、三振もとれて、カウント球でも打ち取る球としても使えました。(4年間の目標は)加藤さん(現・広島)を目標にしています。勝利数を越せるようにしたいです。(次戦に向けて)今日は開幕戦ということで緊張もあったので、立ち上がりを意識しました。次の試合でも勝ちに貢献したいと思います。

 

内村僚佑(政4)

(今日の試合を振り返って一言)先発の関根が1年生ながら頑張ってくれて、野手も打ってくれたのでそのまま流れに乗っていけたのかなと思います。(リーグ戦初登板となりました、いかがでしたか)今までのマウンドとあまり変わることはなく、またピンチの前で投げるということはずっと想定していたので想定通りではあったのですが、やはり抑えたかったです。(投げる前はどのようなことを考えていましたか)試合前は緊張していましたが試合が始まってから緊張はなくなったので、いつも通り投げられるように準備していました。(ご自身の投球の持ち味は)バッターを見ながらコースを突いて投げることです。(チーム全体の調子はいかがですか)野手は悪くないと思うのであとは本当に投手がどれだけ踏ん張れるかだと思います。(4年生としてどのようにチームをまとめていこうと考えて練習されましたか)厳しいことを言わなければならないことがあると思いますが、そういう場面で自分が納得のいくような発言ができるような取り組みをしようと心がけています。常に全力で、最後まで全力で、ということを大事にしています。(今後に向けて意気込みをお願いします)投げたところではしっかり仕事をできるように頑張ります。

 

天野康大(環4)

(どのような気持ちで初戦に臨みましたか)初戦が取れないと波に乗れません。そのためにしっかり準備してきて、あとは試合に臨むだけでした。いい入りができたのではないかと思います。(今日の試合を振り返っていかがでしたか)結果勝ちましたが、要所要所にミスがあったので、そこを修正して、明日の試合に向かいたいと思います。(最初の二打席は四球でした。気にしていることはありますか)1番バッターなので、後ろに柳町、岩見、郡司という良いバッターがいて、僕が出塁することによって得点につながりやすいと思っています。やっぱり、塁に出ることを心がけています。(5回にはホームランを放っていました。感触はいかがでしたか)風が味方してくれましたが、これが次につながっていけばと思います。(今のチーム状態はいかがですか)まだリーグ戦が始まったばかりなので、だんだん、最終的に(チーム状態を)上げていければいいと思います。(今後副将として、チームの中でどのような役割を果たしていきたいですか)チームを元気づけるために声を出して、4年生として後輩を引っ張っていきたいと思っています。(今日見つかった課題はありますか)点は入ったのですが、攻撃面では残塁が多かったり、守備面では投手の四球が多かったりしたので、それを修正していい試合をしたいと思います。(明日の試合に向けて一言お願いします)今日勝っても明日しっかり勝たないと意味がないので、勝ちたいと思います。

 

岩見雅紀(総4)

(今日の試合振り返ってどうでしたか)勝てて良かったです。(一打席目にホームランを打ちましたが)狙ってはなかったです。(打った球はなんでしたか)チェンジアップだったと思います。(4番として開幕を迎えましたが四球が2つありました。警戒されていると感じましたか)それは少し思ってましたけど、警戒っていうよりもちゃんとボールを選べてよかったなという感じです。(選球眼が良くなったということですか?)よくなったかどうかは、シーズン終わった時に数字としてではないとわからないけど、とりあえず今日は選べてよかったです。(6回には好走塁で得点しましたが、あれは自分の判断ですか)いや、あれはちゃんと3塁コーチを見て判断をしてます。僕らは常に回るつもりで、セカンドからスタート切っているのであとはコーチャーが回すか回さないかです。それで結果的にセーフになりました。(最後に今季の意気込みを教えてください。)まだ始まったばかりで、今日勝ってよかったなっていう感じですけど、1つ終わってまた明日が始まるので帰ってすぐ準備して気を緩めずに1つ1つ全力を尽くして頑張っていきたいと思います。

清水翔太(総4) 


(今日の試合を振り返って)
全体的に苦しい試合だったが、何より勝ててよかった。宮台を早めに降ろせたことが、勝てた要因かなと思う。(オープン戦好調で開幕スタメンを掴み取ったが、今の調子は)いいとは思うが、今日は打ち気に入りすぎた。そこを修正して明日に臨みたい。(今日は1安打1打点だった)もっと打てたな、と。ただ謙虚に、明日こそはと頑張っていきたい。(今シーズンの抱負は)とにかく優勝。どんな勝ち方でも、しぶとく、粘り強くというのが今年の慶應だと思うので、一戦一戦頑張っていきたい。(明日に向けて)チームの勝ちに貢献できるプレーをしたい。

 

郡司裕也(環2)

(チームの初戦を振り返って)本当にまずは勝てて良かったです。ピッチャー陣に不安があるというのは誰もが思ってる中で、苦しい中でもなんとか粘ってくれたのが良かったです。(タイムリーを1本放ったが打撃の調子は)特別良いわけでもないし、悪いわけでもないです。ボールはしっかり見えていると思うので、もっと調子を上げられるように練習していきます。(先発は1年で初登板の関根投手だったがどんな話をして試合に臨んだか)どんどん打たれてもいいからストライクを投げろ、打たれたところで誰も責める人はいないから打たれろ、みたいな感じで言いました。(関根投手のピッチングを振り返って)5回3失点くらいかなと思ってたんですけど、しっかりと1点に抑えてくれて、もっと緊張してるかなと思ったら、堂々と投げてくれたので本当に頼もしいなと思いました。(4人の継投となりましたが、バッテリーの間で手応えは)結構苦しい試合になってしまって、もう少し失点は減らせると思うので、練習してきたことをもっと出せればいいなと思います。(5番という打順での出場だが、どんなことを意識していますか)僕の役割としては、岩見さんが返しそびれた時にランナーを返して打点を上げることだと思うので、勝負強い打撃が求められるし、チャンスに強いバッターになりたいと思います。(明日の試合に向けて)明日も苦しい展開にはなると思うので、なんとか1点でも失点を減らしていくというのと、なんとか1点でも多く得点するという意識をしてやっていきたいと思います。

 

柳町達(商2)

(開幕戦はどうでしたか)今の状態もいいですし、準備は結構うまくいったのかなと思います。(今年になって変えたことはありますか?)大きく変えた部分はそんなにはないです。とりあえずそれぞれの能力のレベルアップ、スイングスピードとか肩の強さとか守備力の向上とかそういう技術面のレベルアップはしてきました。(相手は宮台投手でしたが左投手相手に意識はありましたか)正直練習試合とかでも左投手は苦手だったんですけど、リーグ戦では苦手とか言ってられないです。宮台投手はまっすぐが強いのでそれに振り負けないようにということを意識して打席に立ちました。(第二打席はチャンスでセンター前に返しました。この場面で意識したことは)二打席目は1ストライク3ボールだったんですけど、ここで仕留めようと思ってきれいに打てて良かったと思います。全体的にバットも振れてきていい感じだったと思います。(全体的なバッティングの感想は)序盤は良かったんですけど、ちょっと後半になるにつれて結構低めのボール球に手を出してしまったので、そういうところを明日切り替えてやっていけたらなと思います。(守備の面ではフェンス際での捕球、前進しての捕球と2ついいプレイがありました)結構風が強くて、打球も伸びて、フェンス際でもまだ伸びてきて、それに手を伸ばしたらグラブに入っちゃったって感じだったんですけど、捕れたのでよかったです。前の打球はもうちょっと楽に捕れたんですけど、スタートが悪かったので、そこは反省点だったかなと思います。(開幕戦勝利という結果をどう考えますか)苦しい展開だったと思います。でも正直リーグ戦は勝てばいいので、とりあえず勝ちにこだわってやっていけたらなと思います。(明日の試合に向けて一言お願いします)今日は今日、明日は明日なので、明日勝って2連勝で勝ち点を上げたいと思います。

 

倉田直幸(法4)

(試合を振り返って)勝ててよかったです。(四死球が多かったが狙っていたか)試合前からフォアボールは多くなるかもしれない、と聞いていたので狙い球を絞っていこうと思ってました。(選球眼に自信はありますか)普段はけっこうボール球に手を出しちゃうんですけど、今日はフォアボール選べてよかったです。(初戦を勝ち抜いた感想は)ぼちぼちですね。課題だらけです。明日からはもう少しリラックスして臨みたいです。(試合前に大久保監督から声はかけられましたか)僕とか、照屋、岩見、柳町なんかは去年から試合に出ているので、そういうメンバーがちゃんと引っ張っていけるようにと言われました。(明日の第2戦に向けてひと言)絶対に勝てるように頑張ります。

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