【ソッカー(男子)】第13節 W渡辺弾で9試合ぶり勝ち点3! 劇的ゴールで降格圏脱出 法大戦

後期開幕戦はドロー発進となった慶大。今節は、総理大臣杯を制して波に乗る法大との一戦となった。試合は前半、渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)のゴールで先制したものの、36分に追いつかれて同点で折り返す。後半は押し込まれる時間が続く中、終了間際にカウンターから渡辺恭平(商4・新潟高)がゴール。劇的な展開で慶大がリーグ戦9試合ぶりの勝利を収め、勝ち点3をものにした。

 

第91回関東大学サッカーリーグ戦 第13節

 

2017/09/23(土)14:00KO@ Shonan BMWスタジアム平塚

 

【スコア】

慶應義塾大学 2-1 法政大学

 

【得点者】

1-0 15分 渡辺夏彦(慶應義塾大学)

1―1 36分 黒崎隼人(法政大学)

2―1 90分 渡辺恭平(慶應義塾大学)

 

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース)

DF手塚朋克(環4・静岡学園高)

DF野村京平(総2・国学院久我山高)

DF八田和己(総2・桐蔭学園高)

DF北城俊幸(総2・青森山田高)

MF渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)

MF落合祥也(商2・横浜FCユース)

MF近藤貫太(総4・愛媛FC)

MF竹渕竜斗(政4・高崎高)→72分 渡辺恭平(商4・新潟高)

FW田中健太(法4・横浜F・マリノスユース)→ 77分 松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)

FW池田豊史貴(総4・浅野高)→87分 ピーダーセン世穏(経2・FCトリプレッタ)

 

久々の勝利を目指す

前節、クリーンシートを達成したものの無得点で試合を終えた慶大。今節は、この夏に総理大臣杯を制し、前節は首位・筑波大を破るなど勢いに乗っている法大との一戦となった。1部残留を目指す慶大にとっては、勝って浮上のきっかけとしたいところ。また、この日は竹渕竜斗(政4・高崎高)が関東リーグ初出場初先発を飾った。

 

渡辺夏彦のゴールをチーム全員で喜び合う

試合は立ち上がりから一進一退の攻防が続く中、前線の池田豊史貴(総4・浅野高)を中心に徐々に慶大がペースをつかみ始める。すると15分、ペナルティーアーク付近でボールを持った池田が相手DFを巧みにかわし右サイドに浮き球のパスを出すと、そこへ走りこんでいた渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)がダイレクトボレー。「イメージ通りにいけた」と本人も語るシュートがゴール左隅に決まり、慶大が幸先よく先制に成功する。そのまま勢いに乗りたい慶大だったが、何度かミスからピンチを招くなどなかなか試合をコントロールできない。徐々に相手に流れが傾いてきた36分、一瞬の隙を突かれて失点。1-1で前半を折り返す。

 

決勝点をマークした渡辺恭平

後半も法大にボールを持たれる時間が続く。ほとんどの時間で自陣でのプレーを強いられる展開の中、センターバックの野村京平(総2・国学院久我山高)や八田和己(総2・桐蔭学園高)を中心に体を張ったプレーで相手に得点を与えない。苦しい時間が続く77分に松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)が交代出場すると、徐々に流れが慶大に傾き始める。79分、86分と松岡のプレーからチャンスが生まれ、相手陣内でのプレーも増えてくる。そして、ついにその時は来た。90分、相手陣内で近藤貫太(総4・愛媛FC)がボールを奪うと、そのまま右サイドをドリブルで駆け上がる。そこから中へ低い弾道のクロスを送ると、最後は大外に走りこんでいたこの日途中出場の渡辺恭平(商4・新潟高)が左足で押し込みゴール。「最後に一発決められてよかった」(渡辺恭)という劇的ゴールが決勝点となり、慶大がリーグ戦実に9試合ぶりの勝利を挙げた。

 

リーグ戦9試合ぶりとなる勝利を手にした

「勝って嬉しい」という手塚朋克(環4・静岡学園高)主将の言葉通り、待望の勝ち点3を手にした慶大。「我々150人のベクトルが今日は勝利に向いていた」と須田芳正監督も話すように、初出場の選手や交代で入った選手の活躍が光った試合となった。この勝利でひとまず降格圏を脱した慶大だが、まだまだ気は抜けない。「一戦一戦決勝戦のつもりで」と指揮官が口にした通り、これからがさらに重要な試合になっていくだろう。しかし、様々な選手が活躍したこと、また同点に追いつかれながらも最後に勝ち切れたということは前期から成長した部分である。苦しい時間を経て、着実に力をつけてきた慶大。荒鷲軍団の反撃は、これからだ。

 

(記事 岩見拓哉)

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試合後コメント

 

須田芳正監督

(試合を振り返って)この前の試合もそうだったけどそれ以上に今日はファイトして、粘り強く戦えて良いゲームだったと思います。(リーグ戦では9試合ぶりの勝利となったが)苦しい時間が過ぎていったので、ようやく1人ずつが勝利のベクトルに、我々150人のベクトルが今日は勝利に向いていたんじゃないかなと思います。(試合前の狙いは)我々は守備から入ろうと。基本的には守備なんだけど、相手の特に右サイドバックがストロングだと思ったので、徹底してそこの裏を狙おうということで、そこに行って押し上げてプレッシャーをかけようと話していました。(先制点について)あの少ないチャンスで取ろうと。あと、サイドに行ってそのあとしっかりと押し上げて、そのこぼれを拾ってからゴールを目指そうということで、すごく良い得点だったと思います。(先制しながらも追いつかれて前半を終えたが、ハーフタイムではどのような指示を出したか)相手のサイドバックがやっぱり上がってきていたので、その時の対応を確認して、攻撃のところは変わらずに相手の裏をついていこうということで送り出しました。(ディフェンスの選手の体を張ったプレーが多く見られたが)とにかく中を締めるというところをポイントにしてたので、シュートブロックもしっかり行けていたしボールには行けていたなと。かなり締まっていて良いディフェンスだったと思います。(交代選手が活躍した)ラスト15分が勝負だということは言っていたので、そこで新しいフレッシュな選手を入れて、まあ戦い方が分かりやすいというかみんな迷いなくできているので、最後はすごく良い得点だったと思いますし、あれがそれこそ、(渡辺)恭平が入れたんですけど、150人の得点じゃないかなと思います。(降格圏を脱したが)まあまだ9試合あるので、一戦一戦決勝戦のつもりで我々はやっているので、また次も決勝戦のつもりで頑張ります。(次節に向けて)これをベースに守備のところとか攻撃の質を上げていきたいなと思います。

 

手塚朋克(環4・静岡学園高)主将

(試合を振り返って)率直な感想は、勝って嬉しいです。やっぱりあれだけ我慢して勝てたというのは、すごく収穫だったと思います。(リーグ戦では9試合ぶりの勝利となったが)個人的にもチーム的にも、やっぱり勝ちがないとメンタル的にもすごく苦しいと思うし、この勝利というのは流れをつかむためにも重要な一戦になったと思うので、良かったと思います。それに相手は夏のチャンピオンなので、その今勢いに乗っているチームを倒せたというのはすごく自信になると思います。(今日は先制できたということが大きかったか)そうですね、前半は風下で、我慢してゼロで抑えようという中で、そこで先制点が取れたというのは失点はしてしまったけどチームを勢いづける良い1点だったんじゃないかなと思います。(今日は押し込まれる時間も長かったが、チームにどのような声掛けをしていたのか)やっぱり苦しい時に気持ちを前面に出してがむしゃらにやるのも良いんですけど、そこで冷静にならないと、細かい指示だったりラインを上げるとか跳ね返す位置とか、全然頭が混乱してしまうので、まずは落ち着こうと、冷静になろうということを意識して言いました。(後期は2試合で1失点、負けなしとなったが調子は上がってきているか)そうですね、トレーニングも集中してできていますし、後期は残留を目指してまずはやっているので、そういう意味では少しずつチームができているというふうに僕は感じています。(今日で降格圏も脱した)脱しましたけど、次の試合が一番重要なので、ここで突き放せれば精神的にもだいぶ違うので、今週のトレーニングからまた集中してやっていきたいです。(次節に向けて)まずは気を抜かないこと。今できていることを継続しつつ、継続しているだけじゃ絶対に強くなれないので、向上心を持って日々トレーニングに励んでいきたいと思います。

 

渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)

(試合を振り返って)本当に良いゲームだったというふうに思います。勢いある相手に対して、それ以上に勢いを持って集中して取り組めたのが勝因かなと思います。(この勝ち点3が持つ意味についてはどう捉えているか)まあ勝ち点3っていうのはもちろん多いですけど、さっきも言った通りこういうチームにこうやって勝てたことは僕らの自信にもなるし、これからの残り9節につながると思います。(ゴールシーンを振り返って)ジャンボ(池田)が頑張ってくれてふわーってなったところを、結構あれを止めることが多いんですけど、「これはいけるな」と思って。ああいう時に決めたいって思っちゃうと頭の中がそれだけになっちゃうので、じゃなくてあのタイミングで即冷静になって相手のGKのタイミングを外して1個タイミングを遅らせてバーンときれいに振り抜けたので、イメージ通りにいけたからインパクトした瞬間に「あっ入ったな」って思いましたね。(チームメイトのところに駆け寄っていく姿が印象的だった)やっぱりこうなかなか点が入っていなくて、点入って喜ぶというのがあまりないので、まあ早い時間でしたけどああやってこうチームの雰囲気をベンチや応援席も含めて盛り上げていくというのは意識していたというか。喜びを分かち合いたかったというのはありますね。(池田選手が最前線に入ることで渡辺選手にもたらさせるものは)先週とかジャンボと2トップをしている時で、先週とかは役割的に池田の裏に抜けなきゃっていう仕事だったので、本当は池田の後ろ側にいて、攻めている人の後ろ側で拾ってプレーする方がやりやすくて、裏にいくとあんまり良さが出なかったんですけど、逆に今日はジャンボがサイドに入って(田中)健太が抜けてくれて自分が後ろ側という方が、自分としてはプレーしやすいし良さも出やすいかなっていうので、本当にジャンボがあそこで収めてくれるんで、それはデカいですね。(今日はかなりやりやすさを感じながらのプレーだった)そうですね。今週から急にサイドってなりましたけど、全然ストレスはなく、守備も結構楽しかったし後半とかは。楽しくできたと思います。(7月の早慶戦で屈辱的な負け方をした中で、渡辺選手自身何を感じたのか)絶望感。弱いのは当たり前というか分かっているし。どう考えても弱いじゃないですか。だから今日くらい、まあ先週もそうですけど謙虚にというか、なかなか見ている人からしたら賛否両論ある戦い方だと思うし、言われるのは当然かと思うけどでもこれが僕らのやり方だし。こうやることであの早慶戦も経て戦い方を少しずつ確立していってやっぱり今日の勝利にもつながっていると思うし、ここから残りの戦いにもつながるきっかけにもなっていると思います。(あの敗戦を経て夏の期間に取り組んだことは)もう徹底的に守備ですね。やっぱり失点がとにかく多くて、早慶戦でも5失点したりというところで。前期とかは早慶戦まではできるだけ前からプレッシャーをかけてっていうところだったんですけど、なかなかやっぱりこう前からプレッシングをかけた後に何となく相手が苦し紛れに蹴ったボールをなかなか後ろが対処できない。まだ2年生でなかなかスピード感だったりとかで勝てないところがあって、その戦い方が厳しいなというのも感じたし、だからこそ守備のやり方も相当変わったし、前期や早慶戦と今では相当変わっていて。その練習をひたすらやったところですかね。あとは一対一のところとか、シンプルな一対一のところとか、対人のところは集中してやりました。(成果はこの2試合で確実に出ていると感じるか)出ていると思います。先週も守備のところで大きくやられたところはなかったですし、今日もまあ相手のクロスが良かったら危ないところもありましたけど、前期に比べたら安定はしていると思いますし、まあまだまだ改善点はあって伸びしろですけど、良くはなっていると思いますが。(降格圏を脱出したが今後への意気込みを)やっぱりこうじゃあ今降格圏を1回抜け出したからどうこうとか全然まだそんなことを考える段階ではなくて。まだ残りあと9節あって全然分からなくて。っていうよりはこういう試合をしっかりものにして、来週に向けてもう1回切り替えてこの1週間良いトレーニングをして、勢いに乗っていくっていうことが今大事だと思うし、まあ意識しないわけではないですけど、そんなにまだ意識してやることが良いとは思わないですね、僕は。

 

渡辺恭平(商4・新潟高)

(試合を振り返って)絶対に負けられない試合で、最後20分で「何とかしてこい」って感じで入ったんですけど。全然思ったより走れず、体力もなくて。守備とかもサイドバックの北城に任せるような感じだったんですけど、最後に一発決められてよかったなと思います。(投入されるまでベンチで感じていたことは)僕はまあ自分のことしか考えてなかったんですけど(笑)。あんまり体力に自信がないんで、僕と交代した竹渕ができるだけ頑張ってくれっていうことしか考えてなかったですね(笑)。(投入される際の指示としてはもう「やってこい」と)そうですね。もう「最後やってこい」って感じですね。(ゴールシーンを振り返って)近藤さんが右サイドでボールを持ったんで、絶対良いクロスが来るのは分かっていたんで、最後の力を振り絞ってファーに走り込んであとは当てるだけでした。(決めた瞬間の気持ちは)「やったぜ!」って感じですね(笑)。(4年間でなかなか試合に絡む機会がなかったが、どのような気持ちで日々取り組んできたのか)そんなに自分は関東リーグに出られるような人間じゃないと思っていたので、自分の所属していたCチームとかBチームとかでそれぞれのリーグ戦で勝つことだけを考えてやってきたんですけど。結果的に最後トップチームに上がれて関東リーグにも絡めてっていう感じですね。(ようやくつかんだ初ゴール、喜びはひとしおなのでは)そうですね、でもあんまりゴールというよりも今日の勝利が嬉しいなという感じです。(自身のゴールがチームに9試合ぶりの勝利をもたらしたが、この勝ち点3が持つ意味とは)この勝利をきっかけにまたチームが浮上できればいいなと思っています。(降格圏を脱出したがまだまだ厳しい試合が続いていく中で、今後への意気込みを)一戦一戦決勝のつもりで。一つも落とせないんで、全員で力を振り絞って頑張ります。

 

近藤貫太(総4・愛媛FC)

(試合を振り返って)本当にみんなの魂がこもったゲームだったと思います。(2点目のアシストシーンについて)さっきも言ったように、みんなで取ったゴールだと思うので、応援してくれるチームメイトや、他にも色々支えてくれる人の思いが乗った、そういう意味合いがあったゴールだったと思います。その中で、技術的なことを言えば、自分が結構最後の方は力尽きていたんですけど、どこか1つチャンスがあったら出ていこうと思っていて、そこでルーズボールがこぼれて行けそうだと思ったので、しっかり拾って中に(渡辺)恭平がいるのが見えたんでそこに合わすことを意識しました。(前半から攻守に渡りハードワークを続けていく姿勢について)ボランチをやっている以上は、相手の中心になる選手が真ん中にいると思うので、そこに対して強く行くっていう意識があります。そのことはチームとしてもやっていることですし、個人としてもやっていることかなと思います。(リーグ戦9試合ぶりの勝利、降格圏脱出にあたって今の気持ちは)まあただこれで一気に上位に行ったわけではないですし、まだ全然厳しい状態だと思いますし、まだ皆も満足してないですから、次の試合に向けて良い準備ができればと思います。(次節に向けて)ここで連勝できればチームに勢いがつくと思うので、頑張りたいと思います。

 

池田豊史貴(総4・浅野高)

(試合を振り返って)勝ててめっちゃ嬉しいです!(今日の攻撃の狙いは)そうですね。まずは攻撃っていうよりも良い守備から入ろうっていうところで、まずはゼロでいこうっていうのを意識しながらやっていました。(法大に対してどんな対策をしたか)完全にチャレンジャーの立場だったので、もう失うものは何もないっていう、後悔のないように全力で戦おうっていうので挑みました。(1点目のアシストについて)あれはたなけん(田中)が反らした球をファーストタッチで相手を抜かした時に、(渡辺)夏彦が見えたのでそこに適当に出したらシュートを決めてくれたんで、ありがたかったです。(次節に向けて)連勝することが1番大事だと思うので、次も勝てるように1週間引き締めて頑張っていきたいと思います。

 

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