7月15日(土)、等々力陸上競技場にて“第68回早慶サッカー定期戦~早慶クラシコ~”が開催される。己と己のプライドだけを懸けたこの一戦。ケイスポでは、6年ぶり定期戦勝利を目指す慶應義塾体育会ソッカー部の選手・スタッフたちに意気込みをうかがった。
第3弾の今回は、近藤貫太(総4・愛媛FC)、渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)、田中健太(法4・横浜F・マリノスユース)、松岡瑠夢(総1・FC東京U-18)によるFW対談をお届けする。定期戦勝利をたぐり寄せるゴールに期待が懸かるFW陣の意気込みを語っていただいたほか、プライベートな一面にも迫った。
[取材日:6月14日(水)]
――まずはケイスポではおなじみの他己紹介からいきましょう!
田中 出た(笑)。
渡辺 みんなですればいいか!みんなでしよう!じゃあたなけんのことから。
田中 これちゃんと編集ありますか?(笑)
近藤 編集なかったらやばいでしょ!「地獄です」とか言ったらやばいでしょ(笑)。
――普段の田中選手はどのような感じですか?
近藤 いやもうおちゃらけ者ですよ。ちゃらけてますね。
渡辺 何て言えばいいんだろうな…。
田中 一言で表せないっていう感じですね。
渡辺 まあ愛されキャラってことですよ、簡単に言うと。
田中 っていう一面もありますね。
近藤 お前喋るところじゃないから!黙って!(笑)
田中 あ、俺喋るところじゃない?(笑)
渡辺 瑠夢どう?
松岡 そんな感じっす。
一同 (爆笑)
渡辺 こいつ(松岡)はこういう感じ(笑)。
田中 気を利かせろよもうちょい(笑)。
――田中選手のプレースタイルについてはいかがですか?
渡辺 瑠夢説明して。
松岡 スピードがあって、足下のテクニックもあって、ゴールも奪えてっていう感じです(笑)。
一同 (爆笑)
渡辺 (松岡が)何考えてるのか全く分からないでしょ(笑)。
――謎めいていますよね(笑)。
渡辺 何考えてるのか本当分かんないですけど、たぶんほぼ何も考えてないです。
近藤 っていうのが最近分かりました。カレーとラッシーを交互に食べたら嘔吐する(笑)。
――では松岡選手の他己紹介に移りましょうか(笑)。
田中 こいつは、一言でいうと、小学校3年生のままここまで来ちゃったと。
近藤 マジでそうだね。
田中 止まっちゃってるんですよね。結構深刻なんですけど(笑)。
――松岡選手は自覚はないですか?
松岡 ないですね。
近藤 自覚あったらやばいでしょ(笑)。
田中 かわいいんですよね(笑)。
――愛されキャラ的な?
渡辺 いや、異質なんですよね、慶應の中だったら。
近藤 いないですね、あんまり。
田中 このまんまなんですよね。
――クールな雰囲気がありますよね?
渡辺 クールっていうか、何もないんだと思う、基本的に(笑)。
近藤 心がたぶんもうこの辺になくて、何千キロ先に心があって体だけ来てます(笑)。
渡辺 だから何かもう見た目はクールに見えるよね(笑)。
田中 で、サッカーめっちゃ好きですみたいな。
渡辺 サッカー大好きなんだよね。好き?
松岡 はい。
渡辺 好き?
松岡 はい。
近藤 今もこれ(心が)ないんで(笑)。体があるだけなんで(笑)。
田中 基本何も生まれないですね(笑)。
――松岡選手のプレースタイルはいかがですか?
近藤 テクニシャンじゃない?
渡辺 ザ・テクニシャン。
――あれだけユース時代に鳴らしてきたわけですが、松岡選手のプレーを初めて見たときはいかがでしたか?
近藤 上手な選手だと思いましたね。
渡辺 俺が最初に見たときは肩脱臼しただけだった(笑)。
近藤 他にはあまりいないタイプですよね。俺はあまり見たことないかな。こねてこねて取られないみたいな。そういう意味では時間も作れるし、良いと思いますね。
――須田芳正監督が松岡選手のデビュー戦の際に与えた指示が「感性でやれ」とのことでしたが、須田監督も同じように考えているのでしょうか?
近藤 そうだと思いますね。
渡辺 考えてるっけ?
近藤 考える前じゃないですか、もう。心はどっかに(笑)。
田中 考える前にここ(足)でもうボールを触ってるみたいな。
近藤 「いやいやいや」みたいなのもないでしょ(笑)。
渡辺 今話聞いてた?(笑)
田中 自分ではどう思う?
渡辺 自己紹介して、自己紹介。
松岡 プレースタイルの自己紹介ですか? 前向いて、ドリブルするみたいな感じです。
近藤・渡辺・田中 (爆笑)
田中 後ろにドリブルするやつはいないですよね。
――では、渡辺選手の他己紹介に移りましょう!
田中 くせが強い。
一同 (爆笑)
田中 くせが強くて、これエピソードあるんですけど、「くせが強い」というワードが最近流行っていて、まあいろんな人が「くせが強い」と言われると思うんですけど、まあ大体の人が。こいつはDNAからくせが強いです(笑)。
渡辺 (爆笑)
田中 でもこれはしょうがなくて。根っこからくせが強いからこれはもうしょうがないかなって思うんですけど、でもそのくせがたまらないと。
渡辺 良い意味でね。
――くせの強いエピソードなどはありますか?
近藤 なんぼでもありますよ。
田中 基本的に着てる服から…。
近藤 髪型でしょ。
田中 髪型、好きになる女の子、乗ってる車。普通なものがないっていうか。でもそういうのが楽しいですね。
――松岡選手から見ていかがですか?
松岡 いや、そんな感じっす。
渡辺 やばいでしょ!(笑)
近藤 こいつマジでやばい(笑)。
田中 何にも生まれないじゃんお前(笑)。
松岡 いや、でもそんな感じだと思います(笑)。
近藤 (松岡に)もう期待するのやめましょう(笑)。喋りたかったら喋って(笑)。基本的にはもう、いい(笑)。
――渡辺選手のプレースタイルは皆さんいかがですか?
近藤 必殺ターンじゃないですか…褒めるね~(笑)。必殺ターンでしょ。
田中 ボールのもらい方が上手いなと思う、めっちゃ。もちろんボールが入ってからも上手いですけど、もらう位置とかもらい方が上手いなと思います。
――今年は渡辺選手から「自分が攻撃を引っ張るんだ」という姿勢を感じるようになったと思いますが、周りから見ても変わりましたか?
近藤 変わりましたね、彼自身。積極的になったよね。シュートとか、ダイナミックさみたいなものが出てきたかなと思います。
――自分で点を取って勝たせるといった感じですか?
近藤 それもそうだし、守備とかも。ダイナミックな印象はありますね。
田中 一言でいうと、4年の責任感ですね。
渡辺 本当そこに尽きますね。
近藤 (田中を見て)こういう顔やめて(笑)。
田中 何が?(笑)
近藤 何でか分からんけどちょっとだけ笑うのやめてや(笑)。何で笑ってんの?(笑)俺は本当にそうやと思うよ。
田中 俺もそう思いますよ。
近藤 だからちょっと笑うんよ(笑)。やめてよそれ!(笑)
――では近藤選手の他己紹介に移りますか(笑)。
渡辺 かわいい。本当かわいい。全てがかわいい。
――溶け込んできましたか?
田中 溶け込んできましたよ、結構。結構良い感じに溶け込んでると思いますよ。彼なりに努力してるんだなっていう感じです(笑)。
近藤 だいぶ笑うのやめて!(笑)
田中 いやでもすごいと思うのは、やっぱり2つ上でプロ2年間行って戻ってきて、いろんな噂聞いてたんで。「やばいやつが来る」と。で来たんですけど、ぱって俺らの学年に入ったらもう本当に一員。同じ目線で話してくれて。その中で大人な対応とか考えの深さとかは見えるんですけど、うまく俺らに合わせてくれてるところとかその対応力は大人だなって感じますね。
渡辺 本当にすごいと思う。俺だったら絶対できないもん。
田中 夏とかはもう絶対無理なんですよ。2個下の学年とかに行っちゃったら本当に2,3人しか友達いないと思う(笑)。
――近藤選手のプレースタイルはいかがですか?
渡辺 もうスーパー。それだけでいい。
――天皇杯予選から始まったシーズンですが、今季ここまでを振り返っていただけますか?(取材時点では第9節まで終了)
近藤 ああ、そっから始まりましたねそういえば。
――近藤選手のスーパーゴールから始まったシーズンでした。
近藤 うんうんうんうん、そうでしたね。
渡辺 今年は俺はとにかくワクワク感がすごい。ここ2人(田中・松岡)はケガしてたからね、ずっと。俺は結構ずっとワクワク感があって。今年はメンバーもすごく入れ替わったし、選手の特徴も去年までの選手の特徴とちょっと変わったしというところで、目指すサッカーもちょっとずつ変わっていったりしていて、すごくワクワク感の中で天皇杯もやって、1試合1試合していけているなっていう印象をモチベーションとしながら。っていう中で結構やっていたんですけど、まあリーグ戦が始まるとなかなか難しくて。できていることがある中で、逆にすごく崩れちゃうというのもあって、「やっぱりサッカーって難しいな」っていう。それはそれで面白いんですけどね。
――チームとしてなかなかゴール数を伸ばせていない状況ですが、攻撃陣としてどのようなことを考えたり感じたりしていますか?
近藤 いや、焦ってますよ。焦ってるというか、それがないことにはチームも勝てないんで、そういう意味では危機感を感じていますね。
渡辺 チャンスが作れている中で決められてない試合っていうのは純粋に悔しいっていう思いが出てくるんですけど、例えば流経戦(0△0)とか。ここ(渡辺・近藤・田中)それこそ全員チャンスあって、決定的なのを外して、たぶんそれぞれめちゃくちゃ悔しくて、練習したりしてっていうのがすごく明確にあるからいいんですけど。逆にダメな試合っていうのはそういうチャンスすら作れてないっていう。俺らが「これ決めればよかった」みたいなのすら作れていないみたいなそういう試合が多いので、それは結構。「もっと上手いのを出せる」というか。っていうのは最近俺の中でありますね。
――田中選手は流経大戦で復帰しましたが、外で見ていて何か感じたりしていましたか?
田中 「自分が入ったらもっとこうできるな」とか「こうしたいな」っていうのは考えて見ていたんで、流経戦はトップチームに合流して結構早めに試合に出たんですけど、思っていたより違和感というかやりづらさはなくて、すんなり入れたかなっていう。感触としては悪くなかったんで、その分やっぱりこの前の明治戦(0●3)っていうのはチームとしてももったいなかったし個人としても悔しさが残るなって。やっぱり外から見ていても中でやっていても本当に波があるなっていう。常に一定のパフォーマンスを出せていないというのが問題なのかなって、それはたぶん原因はあると思うんですけど。
――田中選手と松岡選手は「早く1点取りたい」という気持ちもありますか?
田中 それはもうもちろん。「いっしょに点取ろう」と言っていたので、ケガしてる時に。ね?
松岡 はい。
――松岡選手は初めての関東リーグに慣れてきましたか?
松岡 はい。
渡辺 今ので「はい」で返ってくると思いました?(笑)
――予想外でした(笑)。
近藤 違う惑星にあるんで、気持ちが(笑)。
――これまでは「堅守速攻」が慶大の一つの形としてありましたが、今年は自分たちでパスをつないでいくサッカーを志向しています。前線の選手としては楽しいのではないでしょうか?
渡辺 つなぐ場面もあるんですけど、つなぐという発想よりも、どういうふうにやってるんだっけ瑠夢、説明して。
松岡 攻守が一体となって、自分たちの流れを作る。で、陥れるというのがうちのサッカーです。そのために回していってリズムを作ってっていう。やろうとしているサッカーはすごく面白いです。
近藤 あんまりでも前とか後ろとかないよね。
渡辺 そう。そう思います。前とか後ろというよりもシュートを最後決めるっていうのはFWの仕事ですけど、全員がどのポジションでも同じように守備をやるし攻撃も同じようにみんなでっていう中でやっていると思います。
――プレーしていて一番楽しかった試合はどことの対戦でしょうか?
近藤 どう?
渡辺 どうだろうな…。
近藤 やってて楽しかった試合か…。
渡辺 手応えがあった試合だと、筑波(0△0)かな。
近藤 筑波だね。
田中 へぇー。
渡辺 筑波と専修(2〇1)もまあぼちぼち。筑波戦は相当良かったと思う。
田中 法政とかはどうだったの?
渡辺 結構「何となく」だったかな。
近藤 初出場の選手も相当多かったしね、そういう意味では自分たちのサッカーをやれたからというより、それだけプレッシャーがかかる中でさ、開幕戦で初出場があれだけいた中で勝ち点3を取れたということ自体が良かったという感じなのかな。もちろん楽しいけど、全てを表現してつかみ取れたという感じではなかったよね、ラッキーな部分もあったしね。
――ありがとうございます。ではまた一旦サッカーの話から離れて、プライベートの話についてお伺いしたいと思います。皆さんは練習以外ではいっしょに過ごしたりしていますか?
渡辺 仲はめちゃくちゃ良くて、ただ別に毎日いっしょにいるとかではないけれど。
田中 昼食べるっていう感じですね。
渡辺 この後このまま行って昼食べて。学年とかはめっちゃ仲良くて、オフの日はそれこそたなけんの家に泊まりに行ったりとか。
田中 夏の家行ったり俺の家来たりとか。
渡辺 オフ3日間くらいあった時とかはずっといたよね。
近藤 3はいたね。
田中 4月頭。花見行って、みたいな。
渡辺 花見行ってたなけんの家泊まって。
近藤 たなけん家行って、朝ごはん食べに行って。
渡辺 そこからずっとみんな就活があったんだよね。みんな忙しくて。
近藤 あれはもう始まってたよね?
田中 一番忙しい時期じゃなかったんだよね。一番忙しい時期に向けて、力を蓄える時期で(笑)。これからみんな余裕出てきたり、夏休みになったらもっと楽しくなるんじゃないかなって。彼(松岡)はまだ1年なんで、遊ぶっていうのはないですけど。
――1年生同士でいることが多いですか?
松岡 そうですね。でもカテゴリーとかが違うとあんまり合わないんで、遊びに行ったりとかはあんまりないですね。
田中 誰と仲が良いの?
松岡 自分はSFCなんですけど、SFCはみんな仲良いです。
渡辺 オフ何するんだっけ? まず朝ゆっくり目に起きて、んで午後サッカーして終わりだよね?
――開幕前に取材させていただいたときも松岡選手は「趣味がない」とおっしゃっていましたね。
松岡 趣味ないですね。
渡辺 サッカーだよね。
近藤 サッカーがもう趣味ですよ。
田中 マジで遊んだりしないの? オフとか。
松岡 そんなにしないです。
渡辺 日々の生活で何してる時が一番楽しい?
近藤 もうやめてあげて(笑)。
――近藤選手と渡辺選手はよくいっしょにいるという話を耳にしましたが、いかがですか?
近藤 確かに。
渡辺 そうかな。
田中 一番いるんじゃない?
――いっしょにいる時の小ネタなどはありますか?
近藤 小ネタから大ネタまで全部ありますよ(笑)。じゃあこれやります? 不満に思ってること! もうね、本当に急げないこと(笑)。
――マイペースなんですか?
近藤 いや、瑠夢みたいな人をマイペースと言うと思うんですけど、彼は分かってて動かないです。一番たち悪いやつ。大っ嫌いなんですけど(笑)。
渡辺 (笑)
近藤 これ終わるでしょ、例えば11時30分に。「12時からご飯行こう」って言ったらそれから逆算して風呂入って髪乾かすのに20分だろ、じゃあ40分に…ってそうやって考えるじゃないですか人って。55分になって、「やばい」ってなるんですよ。分かってたやん(笑)。「本当にごめんね、本当にごめんね」って言って遅れて、ニコニコニコニコしてるんですよ。大っ嫌いです(笑)。
渡辺 だからもう待つのやめたんだよね(笑)。
近藤 そう(笑)。遅れるのが悪いんですけど、いつまでも気づかない俺も悪いと。待ってる俺が悪いんやと。もうやめました。一人で。だからもう最近いっしょにいないです。
一同 (爆笑)
――自覚はあるんですか?
近藤 あるんですよ。それがダメなんですよ。彼(松岡)ないでしょ、それは良いんですよ。それなら「ああ、そういう子なんやな」と思うんですけど。間に合うのをにおわせてくるんですよ。で、余裕で間に合わないんですよ。
渡辺 いやでも本当に病気みたいなところあるから。本当に間に合いたいんですけど、いつも。なかなか間に合わないですよね、やっぱり。何でだろうね? 難しいですね、時間って。まあでも自分の中ではイケると思ってるんですよ。自分の中ではイケると思ってやってるんですけど、何か気づいたらいつも5分前とかになっていて、まだあと10分くらいあると思ったのに。で、迷惑かけちゃうからいつも申し訳ないなと思って日々生活してます。
近藤 申し訳ないと思ったら次から直すでしょ。思ってないんですよだから、口で言うだけで(笑)。本当嫌いやわ~。
――逆に渡辺選手から近藤選手へは何かありますか?
渡辺 いや俺ないっすよ。俺はいつも不満とかないっす。人に不満とかあまり持たないです。
近藤 (笑)。
――他に皆さん不満などはありますか?
近藤 不満に思っているシリーズ? たなけんがね、飼ってる鳥が逃げたんですよ。インコがね。
田中 7年飼ってたんですよ。生後2週間から。
近藤 7年飼ってた言ってたら、鳥かごから出した瞬間7秒で飛んでいったらしいですよ(笑)。それのショックか知らないんですけど、「バーベキューをしよう」と、たなけんの家に屋上があってすごくおしゃれな家なんですけど、そこで「バーベキューをしよう」と言ってるのに全然企画してくれない。
渡辺 ああ確かに、それは俺も不満だわ。「やろうやろう! いいねいいね!」みたいに言いつつ。
近藤 っていう感じで、それは不満ですね。口だけっていう意味ではやっぱり。
田中 それはあれなんですよ、タイミングが大事じゃないですか、サッカーでも。オーバーラップのタイミングとか、シュート打つタイミングとか。タイミングが今じゃないっていう。
――引きずっていたんですか?
田中 鳥は引きずりましたよ。
渡辺 全然全然。こいつ、自分が飼いたいって言って。まずグリーンイグアナを飼いたいって言ってたんですけど、何かそれはやめたらしくて。
田中 1メートル80センチになっちゃうんで。家にいたらやばいじゃないですか、1メートル80センチのトカゲが。だからやめて。
渡辺 最初1年くらい? ちょっとはまあ好きだったらしいんですけど、その後は全く世話しなかったらしいですよ。こいつ、心があんまり人間っぽくないです。
近藤 かわいがってないエピソード行きましょうか、1個。それぞれペットって名前つけるじゃないですか。こいつの家のインコは「チェリー」っていう名前なんですよ。まあ「良い名前やなあ」って思ったんですけど、まあそれはよくて。「ああチェリーか」って思って。んで最初家行ったら「チェリー!」みたいな。チュンチュンチュンチュン言ってて。んで俺らが「じゃあリビングで寝よう」みたいな。チェリーはリビングにいるんですよ。さすがに俺らも寝るときにチュンチュンチュンチュン言われたら困ると。どっかに移動しようっていう話が出るのかなと思ったら案の定出たんですよ。その時に普通だったら「チェリーちゃんどうする?」みたいになるじゃないですか。なんと、「この鳥どうする?」と。「鳥言っちゃってるやん!」みたいな。お母さんが「この鳥どうする?」って言ったらこいつも「ああ、鳥ね~」って。「うーん、お姉ちゃんの部屋でいいんじゃない?」って。「ペットなのに、鳥って言う!?」みたいなね。全然かわいがってないじゃん!逃げて当たり前やと思うよそれ(笑)。
田中 裏切られた気がしますよね。こっちとしては。
近藤 いやいや(笑)。
田中 本当に7年間育ててきて、ちょっと家の窓が開いてたらスパーンって逃げていって、電柱に泊まってるんですよ。びっくりしちゃって。「チェリー!」って呼ぶと、こうダンスするんですよ。俺はその場にいなかったんですけどお母さんがパニクっちゃって、「チェリーおいで!」っていうとずっとこうやって踊ってるんですよ。
一同 (爆笑)
田中 その間にいきなりキャーッと飛んでいって、山の方に。「えっ!?」みたいな。「帰ってこないの!?」みたいな。まあだから気持ちが離れちゃってるかなっていう。
近藤 鳥、鳥言うてるからたぶん自分がチェリーだってことを分かってないんですよ(笑)。
――田中選手からは誰かに不満はありますか?
田中 こいつ(松岡)に不満があるんですけど。まあ普通に日吉で俺チャリ漕いでて、八田(和巳、総2・桐蔭学園高)がいて。八田の横にすごい具合悪そうなやつがいるんですよ。こんなんなってるんですよ、お店の前で。その瞬間ブワーッと吐いて、こいつスゲー失礼だなと思って。店の目の前で吐いてるやついるわと思ってパッと見たら瑠夢だったんですよ。
渡辺 何だっけ、原因は?
松岡 ラッシーっていうヨーグルトみたいな飲み物があるんですけど、急いで行かなきゃいけない授業があってカレーを早く食べなきゃいけなくて、いつもはカレーを食べた後にデザートでラッシーを飲むんですけど、カレーを飲み込むために交互にラッシーを飲んでて。そしたらヨーグルトとカレーって交互に食べるとマジでやばくなって。
一同 (爆笑)
松岡 それで外出た瞬間にやばくなって、1回戻しちゃって。やつくんも気を遣ってくれて見ていなくて、静かに戻していたんですけど、何か後ろからチャリで来て(笑)。大爆笑してたんですよ。1回戻してちょっとスッキリしてたんですけど、そっち見たら笑ってて俺も何か喋っちゃって、喋ったらまた気持ち悪くなって…みたいな。
田中 俺のせいなの!?(笑)
一同 (爆笑)
田中 こいつ、不満に思うというか良いなとも思うんですけど、とりあえず1年生と4年生じゃないですか。何なら(近藤とは)1,6じゃないですか。それなのにこういう感じで。俺が1年のころはもっとペコペコして敬語使って、みたいなって感じだったんですけど。俺と、中井建太(総4・青森山田高)がこいつにメシ誘ったんですよ。「メシ行くぞ」って。そしたら普通1年生と4年生だったら「マジすか、お願いします!」みたいな「どこでもいいんで行きます!」みたいな、そういう感じなんですよ。まあ杉本崇太朗(政1・名古屋グランパスU-18)とか。でもこいつ、「メシ行こう」って言った瞬間「ああいいね! 肉、肉! 焼肉、焼肉!」こんなやついます!?(笑)
一同 (爆笑)
田中 「あーじゃあ焼肉! 肉食いてえ、肉!」って。絶対連れていかないです(笑)。
――自分が1年生の時と違いますか?
田中 こんな感じじゃなかったよね?
渡辺 違う違う。なめきってるもん。なめてるっていうか何かもう、何だろうね?
松岡 なめてるわけではないんですけど、あんまり上手く敬語とか使えないです。
田中 なめてるとは思わないですけど、こういうやつなんだなと。
渡辺 まあそこが良いんだよな。な?
松岡 はい。
渡辺 「はい」は言えるんだな。
――松岡選手から4年生へは…
松岡 あーないっすないっす。
渡辺 早いな(笑)。
松岡 ないっす本当に。本当にないっす(笑)。
近藤 「本当にないっす」は問題でしょ、何か言えや(笑)。
――チームに入ってからここまでで松岡選手は何か変わりましたか?
近藤 小学校3年生から何も変わってないんで、引き続き変わってないです。
――松岡選手がこの先輩に驚かされたとか「この先輩怖っ!」みたいな人はいましたか?
松岡 いや、いないですね。
田中 ソッカー部入ってみてさ、「え、こんなところだったの?」みたいなのは?
近藤 それ聞きたいね。
松岡 厳しいっていうか、上下関係とかが結構あると思っていたんで…。
渡辺 あると思っててお前「焼肉!」って言ったの?(笑)
松岡 厳しいと思って入ったんですけど。他の大学の話とかも聞いていたんで。
近藤 意外となかったってことね。
松岡 明治とか、先輩見ててすごいやばくて、大学サッカー結構やばいのかなと思ってたんですけど、慶應は何かしっかりしてて、余裕があるというか。変に厳しくとかはあんまりなくて。すごい自分には合ってるなと思いました。
――結構皆さんよくそういうふうに言われますよね?
近藤 うん、上下関係はないね。
渡辺 でも、礼儀はあるんですよ絶対。礼儀はあるし、みんなそれは最低限ちゃんとできるから。
近藤 変に教育する必要がない。
渡辺 敬うところはちゃんと敬って。だから、別に敬語じゃなくて良かったり、っていう感じだよね。
――今年のチームも良い雰囲気でやれていますか?
渡辺 雰囲気自体は、どうよ?
松岡 はい、雰囲気は良いです。今はちょっと勝てていないのが。でもみんな前向きに、雰囲気は良い感じが出てます。
――では、話を早慶定期戦の方に移していきたいと思います。現在慶大は定期戦5連敗中ですが、まずこのことについてはいかがですか?
近藤 僕は慶應在学が6年目じゃないですか。だから僕が入ってから1回も勝ってないんですよね。まだ1回もその勝利した姿を見たことがないんで。で、僕自身も1回も出たことがなくて、定期戦に。
渡辺 えっ?
田中 そうなんだ。
――調べたら近藤選手は1度も出場されていないんですよね。
渡辺 そうなの!?
田中 へえー。
近藤 出て勝ちたいなっていう思いが強いです。
――渡辺選手は昨年の定期戦を振り返っていかがですか?
渡辺 たなけんといっしょにFWで出たんだよね。2年生と3年生の時に出てるんですけど、2年生の時はマジで緊張して。それこそ全国高校サッカー選手権大会とか出ててもっと全然観客が入ってる中でやったことがあってそういう時は緊張しないですけど、何かナイターで雰囲気があってマジで緊張して全然集中できなくて、そのまんま90分終わっちゃったみたいなイメージがあったんで、逆に3年生の時はもうちょっといいイメージの中でできて。ただ、早稲田って強いんですよね、慶應とやる時。俺らもすごい熱くなって、早慶戦前の練習もめっちゃ熱くなってやったんですけど、まあでもそれでも勝てなくて。何だろうな、あの試合に限ってはあんまり理屈じゃないみたいな気もするし、何でもいいから勝ちたいっていう感じですね。
――田中選手は昨年の定期戦はいかがでしたか?
田中 確かに観客はあんまり気にならなかったんですよね、1万人の前でやるとか。でも何かあの独特の雰囲気というか、ピッチに入るとガラッと空気が変わるというか、そういうところがあって、その中でやっぱりいつもと違うんで難しさはあったんですけど、まあ僕たちFWが点を取れれば勝てることなので。もう(自身の大学生活の中で)4年連続で負けるっていうのはさすがにないなと。絶対ですよね、今年は。絶対勝ちます。
渡辺 あれが嫌なんですよ。他と違って目の前で優勝カップを掲げるじゃないですか。あれがね、本当に嫌だから。俺たちがやりたい、本当に。
――松岡選手は早慶戦についてはいかがですか?
渡辺 見たことある?
松岡 ないです。
渡辺 興味はない?
松岡 ありますよ。
――ずっと慶應で育ってきた中で、早大に対する特別な意識などはありますか?
松岡 並々ならぬ思いがあります、早稲田には。
渡辺 あるの?
松岡 はい。
渡辺 何で?
松岡 何でですかね? 小学校とかは、「早稲田だけには負けちゃいけない」みたいなのがあったんで。そういう意識は根付いてます。
――小学校時代に何か早慶戦を経験したりはしているんですか?
松岡 いや、僕はしていないです。
一同 (爆笑)
近藤 よっぽど良い教育を受けたんでしょうね(笑)。実戦なしでそんなに気持ち上げられる!? 相当良い方に出会ったんだと思います、彼は(笑)。
田中 担任の先生にね(笑)。担任の先生に教えられたってことでしょ?
渡辺 でも戦ってはないんでしょ(笑)。
近藤 実戦なしですからね。で、並々ならぬ(笑)。
田中 並々ならぬ気持ちがあるんでしょ? 期待ですよね(笑)。
近藤 言葉間違えてない? 大丈夫?(笑)
――5連敗している中で慶大は1点も取れていないんですよね。
渡辺 あっ、そうなんだ。
近藤 えー。
渡辺 マジで決めたい、本当に。モチベ上がるね。
田中 ありがとうございます。
渡辺 あざっす。
近藤 まあでもチームの勝利が一番なんで。誰が取りたいとかじゃなくて、FWじゃなくてもチームとして点が取れれば勝てるのかなと思います…なに笑ってんの(笑)。
松岡 その通りだなと思います。
近藤 何やねんそれ。絶対思ってないじゃん(笑)。
――昨季まで長く主力を担っていた宮地元貴(総卒・現名古屋グランパス)選手の代が抜け、大きく顔ぶれが変わって早大に挑むことになりますが、今までとは違う定期戦になるのではないでしょうか?
近藤 今までと違うっていう一番は早稲田が2部で慶應が1部っていうところじゃないですか。それは違いますよね、リーグ戦で1回も戦ってないし。
渡辺 今までだったらリーグ戦で戦って、アミノバイタルカップでも戦って3試合目みたいなことも多かったですけど、今年は全くやってないし早稲田の試合すら見てない。
田中 そうだね、見てないね。
渡辺 どんなサッカーするのか。すごい勝ってるみたいだし、その中でやるから。それこそ1年に1回の戦いだし。
近藤 周りからの見る目も1部対2部っていうのもあるし、そういう意味ではチャンスもあるとともに期待されているプレッシャーとか、それは早慶戦でしかないプライドとプライドの戦いとかあんまり普段感じることのないプレッシャーなのかなと思います。
――1部チームとしても負けられないですよね。
近藤 そうですね。
渡辺 でも1部と2部にいますけど、早稲田は実際今年のメンバーを見ても2部のメンバーじゃないし、むしろ今年はめちゃくちゃ強いと思いますし。そういう意味で言ったら、はたから見たら1部対2部だけど僕らとしては1部の上位チームと戦うくらいのつもりで。
近藤 まあでも周りは分からないじゃないですか、1部対2部なんて。
――昨季のリーグ戦では早大に2連勝していますが、イメージ的には良いですか?
田中 どっこいですね。その分アミノと定期戦で勝てていないんで。だから別に苦手っていう意識もないですけど、だからと言って超得意っていう意識もない。力と力がぶつかるっていう感じです。
――今季初対戦ということでやりにくさはありますか?
渡辺 その分面白いかな。
田中 変にやりすぎちゃうとね。
渡辺 去年とか5回やってるんで、もう分かるんですよ。
田中 「またお前か」みたいな。今回は本当に一発勝負なんで、逆に言えばそこ勝っちゃえば「今年慶應は早稲田より強いぞ」というのを少なくとも1万数千人に示せる超チャンスですよね。
――では最後に今年の定期戦に向けて意気込みをお願いします!
松岡 初めての定期戦なんで、試合に出られるように日々頑張りたいと思います。
田中 何と言ってもラストの早慶戦で、もうこれは僕の人生の中でもラスト1回なので、一発勝負だと思って全力を尽くして、終わり良ければ総て良しじゃないですけど、ラストで勝利を手にして気持ちよく若き血を歌いたいと思います。
渡辺 たぶんリーグ戦の中の1試合で勝っても負けてもあんまり覚えてないと思うんですけど、この早慶戦の勝ち負けとか本当に一生、死に際にみんなで集まってもずっと喋れるくらい覚えてると思うんですね。そういうくらいの試合だと思っていて。そこで絶対早稲田に優勝カップを掲げさせたくないですし、絶対俺らが掲げて、若き血を歌う。とにかく本当にそれをしたい。マジで勝ちたいですね。
近藤 僕はさっきも言ったんですけど人生最初で最後の早慶戦で、まあこれまでいろいろあってその中でこうやってまた部活に戻ってくることができて、それは本当に周りの人の支えとか了承とかがなければ実現しなかったんで、そういう感謝の気持ちというのを示せる良い場所だと思うんで、そのために全力で戦いたいと思います。
――皆さんありがとうございました!
(取材 小林将平)