【ラグビー】圧巻119得点!快勝で大学選手権へ弾みをつける/関東大学対抗戦Aグループ⑦vs青学大

ラグビー

123(日) 関東大学対抗戦Aグループ⑦ vs青学大

@東京ガスG

合計19トライを奪う快勝を収めた

 関東大学対抗戦最終戦は青学大との対戦。前半4分にFL永末千加良(法4・慶應)のトライで先制すると、勢いに乗った慶大は前半だけで9トライを奪う。後半も青学大を圧倒。FWBKともにフィジカルの差を生かして、積極的な縦へのアタックを仕掛ける。NO8松村凜太郎(商4・慶應)やLO辻雄康(文3・慶應)などがトライを挙げ、後半でも計10トライ。終わってみれば19トライで大量119点を奪い、最終戦を快勝で飾った。目標である大学日本一へ、大きく弾みをつける勝利となった。

得点

慶大

 

青学大

前半

後半

 

前半

後半

9

10

T

1

0

4

8

G

0

0

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

53

66

小計

5

0

119

合計

5

T=細田2、安田、辻3、佐藤大、川合2、永末2、松村3、江嵜、小原、宮本瑛、金澤2

G=栗原12

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

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細田隼都(商4・慶應)

→後半0分 渡邊悠貴(経3・慶應)

2.HO

安田裕貴(政2・慶應)

 

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吉田雄大(総4・秋田)

→後半44分 大山祥平(経1・慶應)

4.LO

辻雄康(文3・慶應)

 

5.LO

佐藤大樹(総4・桐蔭学園)

 

6.FL

川合秀和(総2・國學院久我山)

 

7.FL

永末千加良(法4・慶應)

→後半44分 山中侃(商3・慶應)

8.No.8

松村凜太郎(商4・慶應)

 

9.SH

江嵜真悟(商3・小倉)

 

10.SO

古田京(医3・慶應)

 

11.WTB

小原錫満(総3・東海大仰星)

→後半27分 今成哲(経4・城北)

12.CTB

栗原由太(環2・桐蔭学園)

 

13.CTB

柏木明(経4・慶應)

→後半44分 今泉宏健(総4・清真学園)

14.WTB

宮本瑛介(経3・慶應)

 

15.FB

金澤徹(商4・慶應)

 

 

 4勝2敗で迎えた対抗戦最終戦の青学大戦。ここ2試合の帝京大戦、早大戦を接戦で落としているだけに、快勝を収め大学選手権へつなげたいところだ。

この日キッカーを務めた栗原由。アタックで存在感を見せつけた

 試合は慶大ボールでキックオフ。開始早々から主導権を握った慶大は、前半4分CTB栗原由太(環2・桐蔭学園)のランで大きく前進。そこから左へパスを繋ぎ、最後は大外で永末が受けてあっという間に先制トライを奪う。7分にはSO古田京(医3・慶應)のショートパントをキャッチしたWTB小原錫満(総3・東海大仰星)が独走トライ。8分にはまたもショートパントからWTB宮本瑛介(経3・慶應)が右サイドを独走し、連続トライで点差を大きく広げていく。22分にターンオーバーからゲインを許し右大外でトライを献上したが、それにも動じない。25分にはHO安田裕貴(政2・慶應)の力強いゲインから辻にボールが渡ると、そのまま辻が相手タックラーを巧みにかわしてトライ。前半終了間際の40分、42分には相手のミスにつけ込む。ディフェンスラインが整うのを待たずにゲインを重ね、LO佐藤大樹(総4・桐蔭学園)とFL川合秀和(総2・國學院久我山)のトライに結びつけた。力と技でトライを量産し、53-5と大差をつけて前半を折り返す。

3連続トライを決めた松村

 後半も勢いは止まらない。3分に永末がこの日2つ目のトライを奪うと、続けて9分には左サイドでのラインアウトからモールを形成し、そのまま押し込んで安田がトライ。BK陣もFB金澤徹(商4・慶應)が2つ目のトライを奪うなど、高い運動量で相手のギャップを抜け、得点を演出する。27分と31分には、松村がスクラムトライで得点を加えると、35分にはモールドライブから松村が3連続トライ。力で青学大のディフェンスを突き破る。試合終了間際には、辻の2連続トライに加え、古田のオフロードパスを受けた川合が飛び出しとどめのトライを決めた。一方で後半もディフェンスは安定。先週の早慶戦では多かったオフサイドを減らしながらも確実に相手にプレッシャーを与え、後半は無失点に封じ込めた。計19トライを奪い、119-5でノーサイド。対抗戦最終戦を完勝で飾った。

力強いボールキャリーでタックラーを薙ぎ倒した辻

 結果、内容ともに充実した試合だった。フィジカルの差を多分に見せつけ、ブレイクダウンやスクラムで青学大を圧倒。ボールを奪われても幾度となくターンオーバーで取り返し、相手に流れを渡さなかった。加えて目立ったのは、多彩な攻撃。ショートパントから両WTBの足を使ったトライやFW陣のスクラムトライなど、選手それぞれの良さがうまく噛み合い大量トライへと結びついた。「チーム全体として横よりも縦という意識があった」(栗原)ことも、その大きな要因だろう。ディフェンス面でも、1トライこそ許したものの冷静かつ素早くディフェンスラインを形成し、相手に決定的なビックゲインを許さず。攻守で地力の差を見せつける一戦となった。

 これで関東大学対抗戦の全日程が終了。慶大は5勝2敗で、早大、明大と並び2位で終えた。得失点差により、慶大は3位扱いでの大学選手権進出が決定。12月16日(土)、関西大学リーグ3位の立命館大と対戦する。昨年はベスト8で涙を飲んだ全国の舞台。「相手うんぬんじゃなくて、自分たちのラグビーがどこまでできるか」と佐藤大主将が語るように、積み上げてきたものをチーム全員で結集することが必要だ。厳しい戦いを重ねこれ以上ない「一体感」を得た今の慶大なら、昨年を超えるポテンシャルも持っているはず。悲願の「大学日本一」へ。タイガー軍団の勝負の冬が始まる。

(記事:重川航太朗 写真:江島健生、尾崎崚登)

関東大学対抗戦Aグループ 星取表 12/3現在

 帝京大明治大慶應義塾大早稲田大筑波大日本体育大青山学院大成蹊大勝敗

勝敗

帝京大 *41-14
6T4G1PG
31-28
4T4G1PG
40-21
6T5G
64-26
9T8G1PG
70-3
10T10G
89-5
13T12G
70-0
10T10G
7勝1位
明治大14-41
2T2G
 *26-28
4T3G
29-19
4T3G1PG
68-28
10T9G
101-7
15T13G
108-7
15T13G1PT
87-0
13T11G
5勝2敗2位
慶應義塾大28-31
4T4G
28-26
3T3G1PT
 *21-23
3T3G
43-26
7T4G
49-22
7T7G
119-5
19T12G
61-7
9T8G
5勝2敗

2位

早稲田大21-40
3T3G
19-29
2T1G1PT
23-21
2T2G2PG
 *33-10
5T4G
54-20
8T7G
94-24
14T12G
99-14
15T12G
5勝2敗2位
筑波大26-64
4T3G
28-68
4T4G
26-43
4T3G
10-33
2T0G
 *41-10
6T4G1PG
38-12
6T4G
57-5
9T6G
3勝4敗

5位

日本体育大3-70
1PG
7-101
1T1G
22-49
3T2G1PG
20-54
2T2G2PG
10-41
1T1G1PG
 *40-12
6T5G
41-10
7T3G
2勝5敗6位
青山学院大5-89
1T0G
7-108
1T1G
5-119
1T0G
24-94
4T2G
12-38
2T1G
12-40
2T1G
* 26-19
4T3G
1勝6敗7位
成蹊大0-700-877-61
1T1G
14-99
2T2G
5-57
1T0G
10-41
2T0G
19-26
3T2G
 *7敗8位

早稲田・明治・慶應義塾は総得失点差数により大学選手権出場枠は明治を2位、慶應義塾を3位、早稲田を4位の扱いとする

 

以下、コメント

LO佐藤大樹主将(総4・桐蔭学園)

――119-5と大差で勝利を収めました。結果について

100点を取れれば大学選手権3位進出が見えてくる、というのはみんなわかっていたことなんですけど、あまり点数を意識しすぎることはありませんでした。目標はここで100点を取ることではなく、この後の大学選手権につなげる試合にすることだったので、自分たちの課題や負けてしまった早慶戦の反省点を良くすることを意識して、今週は練習していました。100点差が見えたときは多少みんな意識したと思うんですけど、そんなところにあまりこだわることなく、どちらかと言えば自分たちが今週フォーカスした、オフサイドにならないようディフェンスラインを下げることやその後前に出てプレッシャーをかけること、あとは早慶戦で上手くできなかったボールポゼッションを高めることを意識していて、そこは達成できたのではないかと思いますし、結果100点を取れたことも良かったと思います。ただ、前半で青学大の時間といいますか、結構良いアタックをされてしまう場面が続いて。それは早慶戦でもあったというか、ワイドにアタックされて、そこであまりプレッシャーをかけられず前に出られてしまうというのは、前から課題だと思っていたところだったので……。後半はあまり無かったんですけど、あの時間帯は今日の試合の反省点になるのではないかと思います。

――大学選手権には3位扱いでの進出となりました。対抗戦を総括すると

筑波戦から始まって、大差で勝つことは無かったんですけど、試合を追うごとに徐々に良くなっていたというか、慶應らしいラグビーというものが徐々にステップアップしてできるようになってきたと思っていて。ただ、前回の早慶戦は僕たちの手応えとしては勝てると思っていたし、実際試合が終わった後ももっとやれるという思いがあったんですけど、負けてしまって。チームとしてどんどん良くなってきたものが落ちていってしまわないよう気にしていたんですけど、ちょっと入りは悪かったですが今後につながる試合になりました。そういう意味で対抗戦は大学選手権の目標である日本一につながる大会になったのではないかと思います。

――切り替えは上手くできたと

早慶戦を落としたのも悪くなかった、といったらあれですけど、プラスになっている部分もあると思っています。

――次の対戦相手は立命館大になりますが、何か印象は

夏合宿で一回見に行ったのですが、そのときはまだ完成されていないというか、仕上げる途中という感じだったので、あまり印象としては残っていないですね。

――いずれにせよ相手はあまり気にしすぎず、といったところでしょうか

そうですね。相手うんぬんじゃなくて、自分たちのラグビーがどこまでできるかというところだと思うので、この試合に限らずどんどん良くなっていけるようにしたいです。

 

FB金澤徹(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

あまり点数を気にせずにやりました。早稲田戦でやろうとしていたことにフォーカスしてやりましたが、できたところもあるのではないかと思います。

――早大戦でやろうとしていたこととは

ディフェンスはもちろんですが、ワンメーターファイトとか、僕らが掲げているブレイクダウンなど、細かいところをどれだけ突き詰められるかが今後の課題です。悪いところはもちろん直しますが、慶應のラグビースタイルをもっと向上させていくという意識でやりました。

――ご自身のプレーは

復帰明けの試合でした。もう少しできるかなと思うので、もう一回確認してこれからやっていきたいです。

――3位扱いでの大学選手権進出です

本当は早慶戦に勝っての2位が良かったですが、3位と4位では全然違うので。3位になったことによって少し戦いやすくなったのかなと思います。

――対抗戦を通して、ご自身のプレーについて

けがで大事な2試合に出られなかったことが悔しいです。明治には勝ちましたが、個人としては悔しいシーズンでした。

――大学選手権に向けて意識することは

新しいことをやるというより、これまでやってきたことをどこまで突き詰められるかが重要だと思うので、そこによりフォーカスしてやっていこうと思います。

――大学選手権への意気込みを

まず初戦に勝って、次の試合も勝ちます。今後の慶應に期待していただきたいです。

 

FL川合秀和(総2・國學院久我山)

――どのような意識で臨んだか

100点を取れば3位が近づくことはわかっていましたが、自分たちのディフェンスとスペースのあるところをアタックするという慶應のラグビーをしようということで、最初はあまり100点にこだわらずチームの戦術をより意識してプレーしました。

――ご自身の中では

いつもブースターで今日は久々に先発だったので、自分の強みであるアタックを見せられたらと思っていました。僕自身は100点を狙っていたのでトライを貪欲に取りに行く意識でやっていました。

――トライを振り返って

絶対に倒れないことを自分で決めているので、最後まで粘り強くトライを取りきろうという気持ちでした。最初はトライゾーンしか見ていなかったです。

――これからの試合、特に立命館大戦に向けて

慶應はどんな相手でも自分たちのアタックとディフェンスを目指すチームなので、相手が変わるからといってやることはそれほど変わりません。慶應のディフェンスとポゼッションアタックを意識して戦おうと思います。

――対抗戦を振り返って

自分自身はブースターという役目で、後半から出て流れを変えられた試合もありましたが、そうはいかなかった試合もあったので、大学選手権に行ったら本当のブースター、流れを変えられる選手になれるよう調整していきたいと思います。

――これからの試合に向けて一言

僕は自分の仕事をしてチームで決められている仕事をするだけなので、自分の期待されている強みを出せば、勝利に近づくのではないかと思います。

 

CTB栗原由太(環2・桐蔭学園)

――今日の試合をチームとして振り返って

順位の点で100点差というところを目指していて、その中で自分たちのラグビーができて、その上に内容もついてきたので良かったです。

――チームとしてどういった点にフォーカスしていましたか

ディフェンスをメインに考えていました。ディフェンスの場面は少なかったですが、少ない中でも前に出るプレーができていたと思います。

――119点という結果については

僕のキックが決まっていれば、もっと取れていたんですけど。でも目標としていた数字がついてきて、内容も伴っていたことが良かったと思います。

――ご自身のプレー含め、BK陣のボールキャリーなどはいかがでしたか

無駄に横に振るのではなくて、フィジカルで縦に勝負しに行こうという話をしていて、一人ひとりがしっかりと体を当てて、つなぐべきところはつなげられていました。チーム全体として横よりも縦という意識があって、フィジカルで抜けていたと思います。

――ご自身のキックを振り返って

そうですね、そこはまだ自分の未熟なところです。古田さんが蹴れなくなった場合を想定すると、まだまだ練習が必要だと感じます。

――キッカーを告げられたのはいつですか

今週の頭です。練習してきたんですけど、まだまだでした。この1週間も途中まで調子は良かったんですけど、いざ試合になるとやっぱり雰囲気もあってあまり決まらなかったです。ハーフタイムにチームメイトに少しいじられたりして、それでリラックスして後半は少し立て直せたという感じです。

――今日の試合で見つかった課題はありますか

僕はディフェンスが課題なのですが、今日も内に一本切られてしまう場面があったので、またこれから一つ一つそういった課題を減らしていきたいです。

――大学選手権に向けてどういった練習をしていきたいですか

慶應の売りはディフェンスなので、相手どうこうではなくそういった自分たちができることをしっかりとやって、日本一へ向けてステップアップしていきたいと思います。

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