【ラグビー】9トライ完勝も後半失速/関東大学対抗戦Aグループ② vs成蹊大

 前週、筑波大との対抗戦初戦に勝利した慶大。1週間後の第2戦は、成蹊大と対戦した。前半はブレイクダウンで相手を圧倒した慶大が主導権を握り、400で試合を折り返す。しかし後半は選手交代を機にアタックが停滞。格下相手に後半はわずか3トライに抑えられ、攻撃面での課題が浮かび上がった。

 

後半は成蹊の体を張ったディフェンスに手を焼いた

10/1(日)11:30K.O. 関東大学対抗戦 vs成蹊大

@秩父宮ラグビー場

得点

慶大

 

成蹊大

前半

後半

 

前半

後半

6

3

T

0

1

5

3

G

0

1

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

40

21

小計

0

7

61

合計

7

 

得点者(慶大のみ)

T=金澤2、川合、栗原、吉田、中村、宮本、今成、権正、

G=堀越7、豊田

慶大

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

1.PR

細田隼都(商4・慶應)

→前半40分 渡邊悠貴(経3・慶應)

2.HO

岡田遼大(経4・慶應志木)

→前半40分 安田裕貴(政2・慶應)

3.PR

吉田雄大(総4・秋田)

→前半40分 鋤柄仁志(総4・飯田)

4.LO

永末千加良(法4・慶應)

 

5.LO

佐藤大樹(総4・桐蔭学園)

後半24分 佐藤航大(理3・國學院久我山)

6.FL

川合秀和(総2・國學院久我山)

 

7.FL

中村京介(文4・明和)

 

8.No.8

松村凜太郎(商4・慶應)

後半35分 西松広夢(商4・慶應志木)

9.SH

小宮山大地(政4・慶應)

→後半35分 若林俊介(政1・慶應)

10.SO

堀越貴晴(総4・茗渓学園)

 

11.WTB

宮本瑛介(経3・慶應)

→後半14分 権正拓也(政4・慶應)

12.CTB

栗原由太(環2・桐蔭学園)

 

13.CTB

豊田康平(総3・國學院久我山)

 

14.WTB

金澤徹(商4・慶應)

 

15.FB

高木一成(商2・慶應)

→後半30分 今成哲(経4・

城北)

 

俊敏なステップを見せた川合

 前半は慶大の独壇場だった。 開始早々から敵陣に果敢に攻め込んでいく。3分相手のキャッチミスからボールを奪うと、FL川合秀和(総2・國學院久我山)が中央を突破し、先制のトライを決める。続く7分、CTB相手のキックミスからボールを奪うと、WTB宮本瑛介(経3・慶應)にワンツーパスで攻め上がり、そのままゴールイン。さらに11分、慶大は短くパスをつなぎ、中央から攻め上がる。最後にパスを受けたPR吉田雄大(総4・秋田)がインゴールを割った。その後も攻撃の手を緩めず、19分にはスクラムから右サイドに展開し、WTB金澤徹(商4・慶應)がトライ。畳みかけるように31分と39分にも追加点を挙げ、40-0で前半を折り返す。

持ち前の俊足を武器に何度もゲインを切った宮本

 だが、打って変わって後半は苦戦を強いられた。後半14分、右サイドでパスを受けたWTB金澤がセンターライン付近から快足を飛ばし、後半最初のトライを決めたが、「相手のディフェンスが自分たちのアタックに慣れてきた」とCTB堀越貴晴(総4・茗渓学園)。以降は相手のディフェンスに手を焼き、なかなかゴールに近づくことができない。30分には、ゴール前で攻撃を継続された末、初失点を許してしまう。このままでは終われない慶大が最後は意地を見せた。41分、センターライン付近でのターンオーバーから、FB今成哲(経4・城北)が疾走し鮮やかにトライを奪う。直後の43分にも、WTB金澤が軽快なステップで一気にゲインすると、外でボールを受けたWTB権正拓也(政4・慶應)がトライ。ここでノーサイド。61-7で対抗戦2連勝を飾った。

 

(記事:萬代理人 写真:森田悠資、川下侑美)

 

金沢篤HC

――まず今のお気持ちを

秋の公式戦は勝つことが一番重要なので。そういう意味では2戦2勝しているので、そこについてはひとまず結果を出したということで良かったと思います。ただ、今日はけがなど色々な事情で、少しメンバーが変わったんですけど、彼らが自身の持っている力をもう少し発揮できたら良い試合になったのかなと思いますけどね。

 

――その「彼ら」というのは、途中交代で出たきた選手のことでしょうか

そうですね。今日新しく経験した選手が実際に自分たちの持っている力を発揮できていなかったと感じていて。でも、それは当たり前なんですよね。緊張とか、秩父宮で公式戦という状況だと。彼らにはこれを糧にしてもらって、次チャンスが回ってきたときに、もっと良いパフォーマンスが出せるようにしてほしいと思います。

 

――今日の試合のテーマは

自分は帝京との試合を見据えていて。成蹊が低く前に出るディフェンスをしていたので、基本的に自分たちとしてはボールを後ろにパスで下げないように、ピックしていったんですけど、前半はそれが良かったのかなと思います。

 

――打って変わって後半は苦戦を強いられましたが、どこが良くなかった

自分たちのミスだと思います。基本的には自陣のハーフウェイラインから22mラインの中でプレーしているときにミスが起こって、そのことでずっと自陣で釘付けになったことがすべてだと思います。

 

――ハンドリングエラーも目立ちました

その通りだと思います。それは何かがあったわけじゃなくて、彼らが自分たちでスキルが無くそういうミスが起こったと思うので、それは日吉で練習するだけだと思っています。

 

――後半にすべての交代カードを切りましたが、どのような意図があったのでしょうか

点差も離れていましたので、これから何があるかわかりませんし、みんなに経験を積ませるという意味でカードを切りましたね。

 

――途中出場した選手の中には、戦は本試合が対抗戦初キャップという選手もいましたが、今回良かったと思う選手はいましたか

うーん…。どうですかね。この結果では良いとは思えないですよね。ただ、それをネガティブに捉えるというよりは、彼らがそこで経験したことが一番重要だと思いますので、次彼らがAで出るときはもっと良いパフォーマンスができると思いますし、すべての人が初めての経験のときに(結果を残すのは)難しいと思うので。これを糧にして(次は)良いプレーをしてほしいと思います。

――今回の結果を見ると、やはり主力選手と控え選手の実力差はあるように思いましたが、その点については 

そうですね。力以上に経験だと思います。彼らも持っているものはあると思うので、彼らが経験を積めたことが彼らにとって良いことだったと思います。

――再来週に日体大戦がありますが、それまでに修正したい箇所は

今日できなかったハンドリングのところもそうですし、あとは自分たちの柱であるディフェンスのところを整備したいとしっかり思います。

 

LO佐藤大樹主将(総4・桐蔭学園)

――今日の試合を振り返って

筑波戦で慶應らしいラグビーができなかったので、今日の試合は相手のベクトルというよりは自分たちのベクトルで慶應らしいラグビーをしようと思って試合に臨みました。前半は結構自分たちのやりたいようなことができて良い流れでしたが、後半に自分たちのミスやちょっとした所で相手に流れを持っていかれるシーンがあって、そのあとに自分たちとしては立て直すことができずにだらだらと相手のチームの流れが続いてしまったなという印象です。そこが今日一番の課題だと思いますし、次戦に向けて修正しなければならないなと思います。

――後半特にチームとしてミスが多かったが、前半後半との違いはあったのか

後半はミスの後に硬いプレーが多くなってしまって、4年からプレー選択で話をしたりとかをしていました。その中でチャレンジしたプレーとかがあったので、そこからミスが続いてしまったのかなと思います。

――パスなど細かいチームプレーでのミスもありましたが

そうですね。新しい選手が入ったりして、そういう部分もありました。そこよりも自分は舵取りじゃないですけど、チームをどう導いていけるかが、今日は甘かったのかなと思います。

――次戦に向けて

相手どうこうではなく、自分たちのラグビーの完成度を上げていきたいと思います。

 

堀越貴晴(総4・茗渓学園)

――今日の試合を振り返って

前半はいい動きができて点も取れていました。後半に入ると、1回流れが悪くなってなかなか自分たちのペースを取り戻すことが出来なかったです。今日の試合でいつも古田選手がやっている役割を自分が任されたのですが、なかなかうまく雰囲気や流れを変えることが出来ず、チームをうまくまとめることが出来なかったです。そこは自分の実力不足を感じました。

――後半が良くなかった要因

メンバーが変わったところで普段と違う部分がありました。また相手のディフェンスが自分たちのアタックに慣れてきました。それに対して自分たちも工夫をし、攻め方を変えればよかったですがなかなか変えることができなかったです。相手に対応されてしまったところがトライを取れなくて、粘りつかめなかった原因だと思います。

――後半にノックオンなどのミスが多かったことに関して

コンタクトの部分でボールを失わないようなことは練習でやっています。ミスに関しては個人個人のスキルだと思います。大事なのはミスをしたあとのスクラムやセットプレーでのディフェンスでミスをカバーすることです。そのことに関して一回ターンオーバーからゴール前まで行かれたことは反省点だと思います。他の部分ではミスをミスで終えないように切り替えができたのは良かったと思います。

――今日の試合の良かったところ

まず試合に勝てたことが大きかったです。また、いろいろなメンバーが対抗戦でデビューを飾りました。彼らにとって良い経験になったと思います。

――次の試合に向けて

後半のアタックの修正やゲームの流れの修正など今日できなかった部分を1週間、2週間で修正して、いい形で勝利できるように頑張っていきたいです。

 

栗原由太(環2・桐蔭学園)

――今日の試合を振り返って

前半では自分たちのやるべきことができましたが、後半では苦しい時間帯も続いて自分たちのラグビーができなくなってしまいました。そのまま巻き返せずに終わってしまった、というのが反省点です。

――ご自身は対抗戦初スタメンとなりましたが

試合に出たいという気持ちはずっとあったのですが、いざ出てみると少し緊張して動きが硬くなってしまいました。秩父宮のように大きなスタジアムでプレーするのは初めてだったので、とてもいい経験になったなと思います。

――トライのシーンを振り返って 

とにかく、自分にできることをしようと思っていました。サポートに入って瑛介さん(宮本瑛介(経3・慶應)からボールをもらって、トライをいただきました!。

――今日のご自身のプレーを振り返って

12番として10番とコミュニケーションをとりながらゲームコントロールをするというのが僕の課題なのですが、そこに関してはまだまだだと感じますし、今日は50点ぐらいだと思います。

――チーム全体としてもミスが目立ってしまいましたが

それも、僕たちのコントロールの具合もあるので、あのような時にどういう試合をするべきなのかなどをもっと考えて、上手くゲーム運びができるようにしたいと思います。

――今後に向けて

大学日本一を目指している中でこれからもたくさん試合が続くので、一つ一つの試合を通して自分としてもどんどん成長していきたいと思います。

 

小宮山大地(政4・慶應)

――対抗戦初先発となりましたが緊張はありましたか

先週の筑波戦の方が緊張はしていましたが、その時に自分が入ってからも相手に流れを渡さずにプレーできたことが自信にはなっていたので、今日はそこまで緊張せずにいつも通りできました。

――SHとしての出場でしたが、試合の組み立てはどのように考えていましたか

先週は筑波に先制を許してしまって、その原因がコミュニケーションの不足だったので、4年としてまたSHとして、アップからゲーム中までリードしていけるようにと臨みました。前半はコミュニケーションのミスなども無く、自分の役割は全うできたかなと思います。

――前後半でラックからの球出しが変わったように見受けられましたが

前半からブレイクダウンのところで圧力は受けていてやりづらさはあったのですが、特に後半になってさらに相手もブレイクダウンに絡んできて、それをこちらもはがすことができず、球出しのところでストレスはありました。

――後半、相手ボールの時間が多くなってしまった原因は

相手どうこうというよりは、自分たちのミスであったり、今までと少し違うメンバーでリズムを合わせられなかったりというところで、相手に流れがいってしまったと思います。

――具体的にブレイクダウンでの課題は

普段から練習している、タックルを受けた後にボールを遠くに置くなどのグラウンドワークのところが今日はあまり上手くできていなかったので、そこをもう一度見直して、改善していかなければならないと思います。

――今後に向けて

今日は先発で出させていただいたのですけど、正SHの江嵜や、下にも成長している若林がいて、メンバー入りさえ保証されていない分、小さいことの積み重ねをしっかりと継続していきたいと思います。

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