【バレーボール】勝負所でのミスが響き、3連勝ならず

 
クイックに跳ぶ山本とセッター野口

 前日、日体大に快勝し勢いにのる慶大。続く相手は昨秋関東リーグ戦2位、全日本インカレで3位になった中大と、強豪との連戦となった。岡田(商3)のサーブをきっかけに逆転するなど、前日の勢いそのままに第1セットを奪うものの、その後は勝負所でのミスが目立ち接戦をものにできず。3連勝という最高の形で首位・東海大に挑戦することは惜しくも叶わなかった。

4月22日(日)春季関東大学1部リーグ 慶大×中大 @東海大学湘南校舎総合体育館  

●慶大1-3中大○

慶大

セット

中大

23

25

20

25

25

27

22

25

 

 3日目を終えて2勝1敗で5チームが並ぶ大混戦の春季関東大学リーグ。ここから抜け出し、一つでも上の順位を狙うためには1試合も1セットも落とせない緊張感のある戦いが続く。この日の相手は同じく2勝1敗で並ぶ強豪・中大。明大、日体大と実力が拮抗している大学に対して連勝で勢いにのる慶大バレーがどこまで機能し、通用するか。

 第1セットはいきなり慶大の3連続ポイントで始まる。しかし負けられないのは中大も同じ。すぐさま持ち味の速い攻撃を生かして3-3の同点に追いつくとここから両チームのし烈な点の奪い合いに。慶大も開幕から絶好調の柳田(環2)、復調の気配を見せる岡田(商3)の活躍でポイントを重ねるが、取っては取られてのシーソーゲームとなった。

効果的であった岡田のサーブ

流れを変えたのはやはりこの男、柳田だ。サイドからの強烈なスパイクで連続得点を奪い、ポイント差を離しかけた中大に一気に迫ると、今度はもう一人のエースが意地を見せる。20-21から岡田のサーブをきっかけに3連続ポイントで逆転。サービスエースあり、相手のレシーブを完全に崩すサーブありと岡田の復活を予感させる活躍で見事な逆転劇を演じた慶大が第1セットをものにした。

 このままの勢いで順調に試合を運べるかと思われたが、第2セット以降も接戦が続きなかなか簡単に慶大ペースという展開にはならない。第2セットからは第1セットで途中出場してから好プレーを見せていた稲田(環2)をスターターとして起用し、ブロック陣の強化を図る。「自分の方が高さがあるので、ブロックで勝負する」(稲田)も結果的にこの試合奪ったブロックポイントはなし。「実力的には四分六分ぐらいで中大さんの方が上」(宗雲監督)という中で、ここ2試合は機能していたセンター線が鳴りをひそめてしまった。

 嫌な流れで第2セットを落とすと第3セット以降は慶大にミスが目立つようになってしまう。特にサーブミスが多く、僅差で同点、逆転が繰り返される中で流れを思うように引き寄せられない要因となった。「自分がサーブで仕留めたいっていう、サービスエースはそんなに取れるものじゃないのに少し感覚的に欲張りすぎているというかそういう部分があるかもしれない」(宗雲監督)。決められれば雰囲気を変えられる一方で、外すと相手に主導権を握られかねないというギリギリのところでの勝負が続くのがサーブであり、その差は本当に紙一重だといえるだろう。

奮闘した金親(左)と柳田(右)

エース・柳田の奮闘で第3セットもセットポイントに王手をかけたが、あと一本が決まらず。序盤でのミスも響き、第3セットを25-27で落とすと続く第4セットも一度失った流れを完全に引き戻すことは出来ず、万事休す。結局3セット連続で落とす結果になってしまい、惜しくも3連勝とはならなかった。

 次戦はついに王者・東海大との戦いが待っている。昨秋のインカレでは実力の差を見せつけられ悔しい思いをした因縁の相手だ。3連勝という最高の形で迎えることは出来なかったが、柳田の調子の良さは大きな武器だろう。この日もサービスエースやバックアタック、3枚ブロックを打ち抜く強烈なアタックなど様々な形で慶大の攻撃陣を牽引したエースがどれだけ通用するかがカギを握ると言っても過言ではないだろう。また東海大戦の舞台は慶大日吉記念館というホームで迎えることができる。多くの声援を力に変えて、「のびのびと」(宗雲監督)慶大バレーを貫いてほしい。

(文・並松 康弘)

 

宗雲監督

(惜しくも敗れてしまったが)ミスが多かったですね、今日は。点数だけ見るとわりと内容的に僅差のように感じるんですけど、実力的には四分六分ぐらいで中大さんの方が上でしたね。サーブもブロックも攻撃も、現時点ではうちよりも上だと思いますね。うちの一か八かのプレーがうまくいった時だけ1セット目の岡田のサーブみたいに勝てて、それ以外のプレーはサーブミスが多かったりと裏目に出るっていう感じですよね。(特に同点に追いついた後など勝負所でのサーブミスが多かった)おっしゃる通りでゲーム終わった後のミーティングでももっと守備を信用してサーブミスを減らそうと言ったんですけど。みんな決してサーブミスをしたくてしてるわけじゃなくて、ただ自分がサーブで仕留めたいっていう、サービスエースはそんなに取れるものじゃないのに少し感覚的に欲張りすぎているというかそういう部分があるかもしれないですね。(それでも粘り強く戦い、大差にはならなかったが)一戦目の筑波戦も今日の試合の3セット目に取ってもおかしくおかしくない状況だったですけど、去年に比べたらワンサイドゲームになっていない、紙一重に近いところなので力は本当に付いていると思います。(1セット目には稲田選手の活躍が光ったが)今シーズンはベンチ入りしていない村上(法4)も含めてセンター陣が充実しているので山本悠登のクイックはすごい速いし、幅があるので攻撃としてはいいんですけど、ブロックの時にサイズが小さくて大きい選手に上から打たれちゃうので稲田をその分入れてるんですね。(リーグ戦全体が僅差、混戦となっているが)うちも力はついているんだけど、最後の1点、2点というところを取りきれないのはまさに今がいっぱいいっぱいな状況で、これ以上余力がないという感じで戦っているから。もう少しでのラストスパートあと1,2点を取るためのことをやらないといい試合はしても勝てないと思います。(強豪4校相手に2勝2敗というスタートとなったが)どこも強いと思うんですよ。たまたまその3つ勝ってるところ、勝ってないところとありますけど、冷静に試合見てるとどこも力あるしまったく油断ができないと思いますね。(東海大戦に向けて)今、学生にも話ししたんですけど、もちろん勝ってやろうという気持ちは分かるんですけど、どこか負けられないっていう顔がこわばったりして、あんまりニコニコしてないんですよ。チャレンジャー精神ではなくなっていて、もともとうちはそんな強くないので相手の足もとすくってやろうという気持ちでのびのびとやってもらいたいなというのはありますね。自分たちの目標にがんじがらめになってるじゃないですかね、優勝しようということに対して。もっとのびのびやってほしいですね。頑張ります。

稲田

(今日の試合を振り返って)今日は優勝争いに食い込むためには勝ちたかったのですけど、自分たちのミスから負けてしまったので、そこは修正したいです。(最近の試合は途中出場が多いですが)(山本)悠登さんの方がスパイク決定率は高いのですけど、自分の方が高さがあるので、ブロックで勝負するようには言われています。(稲田選手が入ると試合の流れが変わるように思いますが)多分偶然だと思いますけど(笑)(今日の2セット目はスタートからの出場でしたが)自分的にはクイックを張っていたのですが、相手がそれを避けてきたので、それに対応できずにクイックばかり跳んでしまったので、もっと相手の動きを見て対応できるようにしたいです。(次は東海大戦ですが)優勝を目指すうえでもう負けられないし、東海は全勝なので絶対勝って少しでも優勝争いに食い込みたいです。(ホームでの開催ですね)そうですね。応援の方々が来てくれるとありがたいです。慶應でやるってなると多くのOBの方たちが見に来てくれると思うので、その人たちのためにも勝ちたいです。

 

出場選手

サイド

柳田将洋(環2)

セッター

野口剛志郎(環2)

センター

星谷健太朗(理3)

サイド

岡田拓巳(商3)

サイド

間宮秀太(政4)

センター

山本悠登(環4)

リベロ

前田優介(環4)

リベロ

野瀬将平(環1)

途中出場

川村昌平(環4)

金親大夢(政4)

棚橋真之(経3)

益田万太郎(政3)

丸谷将大(環2)

稲田聡典(環2)

 

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