【男子ラクロス】開幕特集第一弾・岡本遼也主将

 昨年の12月16日、駒澤陸上競技場でFALCONSに敗れてからおよそ3か月。男子ラクロスのシーズンがいよいよ始まった。今年度のスローガンは、”beyond”。今までの自分たちを、そして先輩たちが成しえなかった日本一という壁を超えていくという意味だ。

 シーズン開幕に当たって岡本遼也主将、中村大樹副将、安藤圭祐春期間主将、河村剛士の4人に取材を行った。その模様を4回に別けて掲載していく。

今季主将に就任した岡本遼也

今季主将に就任した岡本遼也

岡本遼也主将(経3)

―今のチーム状態はいかがですか。

「去年と比べると、どうしても戦力ダウンはしょうがないのかなと思うんですが、去年の代が残してくれたものも多くあるのかなと。戦力は確かにダウンしてしまったんですが、どう勝つかなど去年で得たものを生かしつつ、今の春期間を無駄にせず日本一に向けてやっていきたいです。」

―どういったことを今重点的に練習をしているのですか

「このスポーツは、戦術ありきではなく基本的なところができていれば勝てるスポーツであるということを再確認しています。ボールを受ける時の構えであったり、一つ一つのパススピードであったりとかですね。スポーツでは当たり前のことなんですけど、そういった基本的なところに重点を置いていますね。」

―去年と比べて特に劣っているポジションはありますか。

「全体的になんですけど、特にミッドフィルダーですかね。経験がものをいうスポーツの中、去年試合に出ていた選手が3,4人しかいないので、そういった所は戦力ダウンを感じる部分ですね。」

―経験不足を補う上でどういった所を1年間意識していきたいですか。

「ありきたりな答えになってしまうんですけど、日々の練習ですね。あとは、どれだけ毎日の生活の細かいところまでラクロスに対して本気になれるかというところですね。去年。一昨年と戦ったうえで、日本一という道のりがどれだけ険しい道のりなのか分かっていなかったのかなと。僕らが倒さなければいけない相手は、社会人をやりながらその後練習をして休日を返上してまでラクロスに打ち込んでいるような人たちなので、こちらとしてもそれ相応の覚悟を持って取り組んでいかなければいけないのかなと思います。」

―去年全日本選手権で社会人相手に2試合戦ってみていかがでしたか。

「貴重な経験ができたなと。敗れたFALCONSと一緒に練習をしたんですけど、やはり意識しているものは相当高いなと。対面したときに味わったもの以上の差があるのかなと。社会人相手に戦えたということは良い経験にはなったんですけど、それで満足して手はいけないなというのが強いですね。」

―去年チームを引っ張ってきた相川選手、田中選手がFALCONSに入りました。

「上手くなるためにはああいう環境に入るというのは自然な流れなので、文句とかは無いんですけど、強敵が増えたなと思いますね(笑)ただ、あの二人は一緒にやった時間も長いので、どういうプレーをしてくるのかも分かるつもりなので、臆することなく立ち向かうことが重要なんじゃないかなと思います。」

―今年から岡本選手は主将に就任されました。

「一番上に立つ人が全日本選手権優勝という目標に突き進んで、その結果として皆がついてきてくれるのが一番大事なんじゃないかなと思います。最近では、毎年のチームっていうのは戦術とか伝統というのがその年で終わっていて、長期で残せるものが中々無かったので、ラクロスに対する考え方などを残していければなと思います。先頭に立ちながら皆の手を引っ張っていけたらと思います。」

―主将になってから何かつらいことなどありましたか。

岡本は「(日本一になる)チャンスは今年しかない」と語る。

岡本は「(日本一になる)チャンスは今年しかない」と語る。

「一杯ありましたが、こういうのはあまり表に言うことではないと思うので。はい笑」

―春期間の主将になった安藤選手について。

「先ほども言った長期にわたる伝統を残していくという中で、この時期にチーム運営を任せるというのは非常に大事なのかなと。僕らは、あくまでサポート役に徹して、彼らがまだ甘いところを助けていこうかなと思っています。」

―春期間の大一番である早慶戦についてはいかがですか。

「早稲田というのはなんだかんだ言って一番のライバルなんですね。そこに関しては、感謝していかなければいけないですし、今後も切磋琢磨していきたいとは思います。ですが、早稲田を倒すということだけを掲げているとそこで終わってしまうので。今年は、あえて早慶戦勝利ということを目標には掲げていないんですよ。もちろん勝利にはこだわらないといけないんですけど、あくまでも「全日本選手権優勝」を目指してやっていますね。」

―全日本選手権優勝を果たす上で、今のチームに技術的な面以外での課題はありますか。

「そうですね。たくさんあるんですけど。どう勝つのか、勝つためには何をすればいいのかということをまだ分かっていない選手っていうのが多いので、そこのところですかね。これから練習していく上で、そこを指導していきたいです。」

―今年のスローガンについて。

「“Beyond”というスローガンを掲げました。自分を超える、先人たちを超えるという意味ですね。先ほども言ったように、倒さないといけない相手は相当な覚悟でラクロスに臨んでいるので、今までと同じ気持ちで臨んでいては覚悟の上で倒すことはできないですね。なので、今までの自分を変える、超えるということをスローガンとして掲げました。今まで15年もの先輩たちが超えることの出来なかった壁を超えるという意味もこもっています。」

―慶應は挑戦者であると同時に、学生王者として慶應に挑戦してくるチームが多くあると思います。

「チームが若いチームなので、チャンピオンとして迎え撃つという考え方はして欲しくないんですよね。それだと、自分たちが挑戦し続けることが難しくなってしまうと思うので。もちろん、挑戦してくるようなチームをたくさんあることは分かっているので、そこは意識していかなければいけないんですけど、そこは幹部だけが意識することにしようということですね。部員に対しては、全日本選手権優勝、社会人を超えるということですね。そこを常に意識しておいてもらいたいです。」

―岡本選手はU-22日本代表にも選手されています。代表についての活動はいかがですか。

「代表の活動ももちろん重要なんですが、慶應の試合、慶應の目標達成のために何ができるのかを考えています。今年は、6人もの慶應の選手たちが候補に選ばれているので、彼らをそういう場に参加させて、チームの底上げにつながればいいのかなと思います。」

―最後に今年一年間への意気込みをお願いします。

「チームとしては、全日本選手権優勝という目標を達成しなければいけない。達成するチャンスが今年にしかないと思っているので、後輩たちに、永続的に強い慶應とは何かを残していきたいです。個人としては、プレーヤーとしても主将としても一皮むけて、チームの目標に対して貢献できるような選手になりたいです。」

                                           (取材・石塚大樹)

 

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