【ソッカー男子】第2節 死力を尽くしたライバル対決は早大に軍配 早大戦

中大との開幕戦を落とした慶大。その開幕戦とはうってかわって穏やかな晴天の下、早くも今季最初の早慶戦を迎えた。両校のプライドを懸けた伝統の一戦は、共に開幕戦を落としていたこともあり、互いの意地と意地とがぶつかり合う激しい試合となった。早大が開始早々先制点を奪うも、慶大が岩田修平副将(総4・名古屋グランパスU-18)のゴールですぐさま同点に追いつく。その後一進一退の攻防が続いた中、早大に勝ち越しゴールを決められてしまい、惜しくも敗戦。2年ぶりの早慶戦勝利とはならず、開幕2連敗スタートとなってしまった。

2013/4/13(土)13:50KO @国立西が丘サッカー場

慶應義塾大学1―2早稲田大学

【得点者(アシスト者)】分 早大 片山瑛一 18分 慶大 岩田修平(平戸奨眞) 59分 早大 榎本大希(近藤貴司)

◆慶大スターティングメンバー

GK

峯達也(政3・桐光学園高)

DF

長尾賢太郎(総3・ヴィッセル神戸U-18)

DF

久保飛翔(環2・済美高)→HT望月大知(環1・静岡学園高)

DF

保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

DF

溝渕雄志(環1・流通経済大学付属柏校)

MF

松下純土(総4・國學院久我山高)

MF

増田湧介(環3・清水東高)

MF

近藤貫太(総2・愛媛FCユース)→88分 加藤慧太郎(政4・慶應義塾高)

MF

岩田修平(総4・名古屋グランパスU-18)→63分 磨見朋樹(文3・横浜FCユース)

FW

加藤慧太郎(政4・慶應義塾高)→70分 山浦新(総3・東京ヴェルディユース)

FW

平戸奨眞(法3・暁星高)

 

慶大イレブンとエスコートキッズたち

慶大イレブンとエスコートキッズたち

慶大は開幕戦での宮地元貴(総1・東京ヴェルディユース)と武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)の退場による出場停止に伴い、CBには久保飛翔(環2・済美高)が初のスタメン出場。また武藤の代わりに岩田を一列前に上げ、右SBには溝渕雄志(環1・流通経済大学付属柏高)が起用され、リーグ戦デビューを飾った。開始早々、慶大はCKのチャンスを迎えると、近藤貫太(総2・愛媛FCユース)のボールに岩田が頭で合わせるもこれはGKがキャッチ。その直後、早大・片山に右サイドを突破されると、そのまま持ち込まれてシュートを許し、早大に先制点を奪われてしまう。攻撃の中心である武藤を欠く中、慶大は普段のボールを回す攻め方ではなく平戸奨眞(法3・暁星高)と加藤慧太朗(政4・慶應義塾高)のツートップにロングボールを放り込み、「高さを生かして」(増田湧介副将(環3・清水東高))攻撃を見せる。14分にはロングボールのクリアに近藤がボレーで合わせるなど、徐々に早大ゴールに迫ると、18分、ついにこの作戦が功を奏す。右サイドから溝渕がファーにクロスを上げると、平戸が頭で折り返し、ゴール前に走り込んだ岩田がこれを冷静に流し込み、同点に追いつく。これが慶大にとっての今季初ゴールとなった。その後は、今季初勝利を狙う両校が球際で激しさを見せ、魂の込もった熱いプレーの応酬となる。前半はやや慶大が主導権を握ったものの、勝ち越すことはできずに同点で前半を終える。

同点ゴールを挙げた岩田副将

同点ゴールを挙げた岩田副将

後半、久保に代わり望月大知(環1・静岡学園高)が投入され、望月もリーグ戦デビューとなった。早く勝ち越したい慶大だったが、中々リズムがつかめないでいると、前半と替わって後半は早大ペースで進む。そして14分、近藤(貴)の右サイドからのグラウンダーのクロスを榎本に押し込まれ、早大に勝ち越しを許す。反撃に転じたい慶大は磨見朋樹(文3・横浜FCユース)、山浦新(総3・東京ヴェルディユース)と攻撃的な選手を次々投入。同点、逆転を狙うも早大の固い守備陣の前にチャンスが作れない。20分には近藤のCKから長尾賢太郎(総3・ヴィッセル神戸U-18)がヘディングシュート、30分・41分には近藤と磨見がそれぞれミドルシュートを放つも、得点には結びつかない。守備陣も峯達也(政3・桐光学園高)が好セーブを見せるなど、あと一歩のところで早大の攻撃を防ぐ。しかし、守備陣の奮闘もむなしく、最後まで後半の1失点が大きく響き、1-2で敗戦。宿敵早大相手に「非常に悔しい」(岩田)結果となり、リーグ戦2連敗スタートとなってしまった。

溝渕

1年生ながらスタメン出場を飾った溝渕

 中大、早大と昨季のインカレ出場校相手に、慶大は「自分達のやろうとしてきたサッカーは出来た」(松下純土主将(総4・國學院久我山高)。結果だけ見れば開幕2連敗スタートではあるが、まだシーズンは始まったばかりである。残り半年以上ある長いシーズンを見据えていく中で、今は自分達のやっているサッカーを続けていくことが大事であると言える。次節の相手は、目下関東大学リーグ2連覇中の王者・専大。今季ここまで2試合で9得点という強力な攻撃陣がチームを引っ張る。苦しい試合展開も予想されるが、逆に勝利を収めればチームの勢いが増すのは間違いない。次節、チャレンジャーの気持ちを胸に荒鷲達が下剋上に挑む。

(記事・飯田駿斗)

試合後の選手コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)やはり最後は気持ちだったり球際であったりちょっとしたことで勝負が決まってしまって、相手の方がその部分は勝っていたと思います。残念な結果です。(2失点を喫した守備陣について)ちょっと最初はディフェンスラインが深かったですね。それで後半から望月に代えたけれど、やはり前半はあまりにも深くて、9番・11番をフリーにしすぎた。それでなかなかリズムがつかめなかったです。(武藤選手を欠いた攻撃陣について)今日は割り切って、平戸と加藤の2トップで相手のディフェンスラインに高さがなかったので、ある程度1つ飛ばしてそこの頭でポイントを作ってこぼれ球を拾って、相手陣内でワイドを使ってボールを回そうという点を心掛けたけれども、平戸は本当によく空中戦では頑張って、ほとんど後半も頑張って勝っていて、そこの拾った後の質があまり今日は良くなかったと思います。(1年生含め新戦力の評価は)1年生は初めての早慶戦ということで、非常に固さもありました。能力のある選手達なのでこれから活躍出来ると思います。(開幕2連敗スタートとなってしまったが、今後に向けての改善点は)まず気持ちの面で切り替えなくてはいけないということで、下向いていてもリーグ戦なので来週また試合があるので、まず気持ちを切り替えるということ。次の専大戦に向けてまず切り替える。この一週間で何が出来るかという点で、足りない部分や修正点をトレーニングして次の試合に臨みたいと思います。もちろん気持ちだけじゃないけれど、気持ちの部分もそうだしサッカーの質の部分も、まだ2試合なのでその辺は徐々に高めて成長していければと思います。(次節の専大戦に向けての意気込み)開幕2連敗ということなんですけれども、相手は昨年の王者専大ということで、チャレンジャーの気持ちを持って立ち向かっていきたいと思います。

MF松下純土主将(総4・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)90分間を通して自分達のやろうとしてきたサッカーは出来たと思うので、もっと僕らが実力を付けていかなければいけないと感じた試合でした。(早慶戦を前に主将として他の選手達にどのような声をかけたのか)毎試合ですけど、早慶戦は多分皆は特別な思いとかを持っていると思いますけど、僕ももちろん持っていますが、一応リーグ戦22試合中の1試合ということで、特別気負うことなくやろうということは皆に声をかけました。(2失点した中で守備陣の手応えは)立ち上がり10分以内で先制されてしまうというのは試合を優位に運べなくなってしまうので、立ち上がりはしっかり入るという意味でも僕が声を出して堅く入らなくてはいけないと反省しています。その中でも良かったことは、立ち上がりに失点してしまった時にいつも慶大だったらその後2、3点入れられて、そこからエンジンがかかることが多くてそれでは遅いのですが、そこを上手く前半1点で守りきれたのは、全然だめですけどその中で唯一良かったことだと思います。(守備陣には新1年生も入っているが、彼らの出来は)開幕戦も宮地が出たり、今年の1年生は優秀な選手が多くて、中でもバックラインというのは経験やメンタルの部分が大きいと思うんですけど、その点宮地だったり望月だったり溝渕が出たりしている中で、思い切ってやってくれているのでこっちとしては全く心配していないですし、信頼しています。(ここまで結果がついていないことはもどかしいか)2連敗しているので、もどかしさより悔しさの気持ちが強いんですけど、ここで下向いても良くないので、常にポジティブに前向いてやっていきたいというのは皆にも投げかけていますし、そこで落ち込んでしまうことで3連敗4連敗と下の方にいってしまうので、次の試合で連敗を止めたいと思います。(次節の専大戦に向けて)やはりここで連敗は止めなくてはいけないので、死ぬ気で頑張ります。一週間良い準備をして専大戦を迎えたいと思います。

MF岩田修平副将(総4・名古屋グランパスU-18)

(今日の試合を振り返って)早慶戦という特別な試合で、集中応援日でいろんな人が応援に来てくれた中で、勝ちたかったですし、非常に悔しいです。(得点について)決まったとはいえ、1-1に追いついただけだったので、もう1点という気持ちでした。(対戦相手の早稲田大の印象)毎年そうなんですけど、球際だったりとかそういった部分も一生懸命やるし、運動量も多く、戦い方もはっきりしていてまとまりがある感じがしました。(今日の試合で良かった点)1点目のかたちもそうだったんですけど、今節は相手のセンターバックが低いということもあってロングボールのパスからのかたちを練習して来たので、そこが出た点が良かったと思います。悪かった点は2失点してしまったこと。今年は1試合1失点以内に抑えることを目標にやってきているので、そこを反省しないといけないです。(次節に向けて)2連敗というかたちになってしまったんですけど、もう試合は待ってくれないというか、次は王者ですけど、臆することなく、前を向いて気持ちを切り替えてやっていきたいです。

MF増田湧介副将(環3・清水東高)

(今日の試合を振り返って)2連敗ということで、相手も早稲田ですし、非常に悔しいです。(敗因は)平戸と加藤で高さを生かして、そこからセカンドを拾って、相手の陣地でボールを回しながら攻めていこうというのを狙いとしてきました。平戸と加藤は頑張ってすごく競り合ってくれたんですけど、そのセカンドボールを僕らが上手く拾えませんでした。そこでやっぱり拾わないとリズムを作れませんでしたし、そこが敗因だったと思います。(その中でも良かった点は)2失点はしましたけど、集中して守備できる場面もありました。全体的にはあまりないですね。(早大の印象は)やっぱり1プレー1プレー気持ちが込められていて、すごくひたむきに真面目に戦うチームでした。僕らが勝つにはもっともっと真面目にやらなきゃいけないですし、全力でやらなきゃいけないです。いくら上手くても、サッカーというのはそこで負けたら勝てないので、そこの部分をもっと追求していかなければいけないと感じました。(早慶戦ということで意識していたことはあるか)早稲田と戦うときは特別な気持ちになりますし、その中で気負わずにやろうというのは自分の中でいつも考えています。やっぱり特別なものはあります。(次節は昨季王者の専大との戦いになるが、意気込みを)次負けてしまうと3連敗なので、やっぱりそれは避けなければならないです。相手がどこであろうと自分たちのサッカーをやるだけです。そこであえてすごく強いチームとやれて気持ち的には本当にしっかり作って臨めるので、前向きに次はしっかり勝って頑張っていきたいと思います。

FW平戸奨眞(法3・暁星高)

(今日の試合を振り返って)今年は、日本一という目標を掲げていて連敗とかは許されない中で、開幕から2連敗してしまって、応援して下さっている皆さんに申し訳ないですね。(2トップで加藤選手と組んでいましたが、それについてはいかがでしたか)相手のセンターバックが背低いということで、そこを狙ってロングボール多用していこうということだったんですけど。結果的に、シュートで終わることも少なかったですし、自分ももう少し質の良いボールを落とすことが出来ればなと思いました。(早慶戦でしたが、試合前に心がけていたことはありますか)戦うということですね。絶対に負けられない相手ですしプライドをかけてやらなくてはいけなかったんですけど、そこは早稲田に負けてたのかなと思います。(次節の相手は、王者専修です)日本一を掲げている以上どこにも負けられないので、連敗の流れも断ち切りたいので、絶対勝ちたいと思います。

GK峯達也(政3・桐光学園高)

(今日の試合を振り返って)立ち上がりにすぐ失点してしまって、あのシーンなんですけど、キーパーと1対1になって。それで、自分の方から仕掛けてしまって、キーパーからあの状況で仕掛けるというのは間違ったことなので、そこはすごく責任を感じています。(開幕から連敗となってしまったが)22試合中のまだ2試合なので、そんなには気にしていないです。(早慶戦となったが、意識はしたか)去年、3連敗していて、もちろん今日勝たなくてはいけないと思っていたんですけど、それもリーグ戦の中の1試合なので。今日負けてしまったことは単純にリーグ戦の1試合として悔しいと思います。(今日の試合で良かった点)この1週間割りきってボールを放り込む練習をしていたんですけど、その形で1点取れたというのはチームとして収穫だと思います。(次節に向けて一言)来週はチャンピオンチーム相手で、どういう戦術をするか分からないんですけど、まだ勝ち点0なので1でも3でも早く積み上げられたらと思います。

DF保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

(今日の試合を振り返って)特別悪い内容ではないですが、相手は決めなきゃいけない人が決め、守りも体を張れてました。一方うちらはピンチの数は少なかったですが、キーマンに決められました。スコアは1-2の接戦でしたが、力の差を感じました。(早慶戦について)昨年早稲田に3連敗していて、勝ちたいという気持ちは強かったですが、プレーをみる限り勝ちたいという思いを出していたのは早稲田でした。(左サイドのカバーリングについて)カバーリングは自分の持ち味ですし、自分のやるべきことを一生懸命やった結果です。しかし、左サイドから崩されてしまいました。(自身のプレーを振り返って)榎本選手と片山選手に点をとられたので、要所を抑えられなかったです。全体としては悪くないですが、ディフェンダーには若い選手が多いので自分が声を出して統率しないといけないのに出来ていなかったので、改善点は多いです。(チーム全体のディフェンスについて)試合が始まって、結構ツートップが低い位置に下がるので、バックラインが余ってしまいました。なので、途中からCBのどちらかが高い位置に上がりケアをしました。試合途中で対策をたてられたのは良かったですが、結果に結び付かず残念です。(今後に向けて)2連敗していることは忘れて、目の前の試合を全力で戦うために日々の練習から上級生が引っ張っていきたいです。

DF久保飛翔(環2・済美高)

(今日の試合を振り返って)前半の早い時間に先制されてしまって、立ち上がりをもっと集中して入れれば良かったです。(早大の印象は)監督からは相手の11番の選手を抑えるように言われていたんですが、潰せない部分があったのでまだまだだなと思います。(前節で出た課題は今日試合ではどうだったか)個人としては緊張せずにできたことです。思い切ってプレーできたと思います。(今日新たに出た課題は)空中戦は早稲田相手にも通用したんですけど、1対1の対応であったりポゼッションの部分はまだまだだったと思います。(次節の専大戦に向けて)2連敗してしまって後がないので絶対に勝てるように頑張りたいです。

MF近藤貫太(総2・愛媛FCユース)

(今日の試合を振り返って)負けてしまったという結果が全てだと思います。(早稲田の印象は)前向いた時の迫力がありますし、警戒はしていたんですけど早稲田の形でやられてしまったという印象があります。(守備の課題と攻撃の課題を挙げるとすると)守備に関しては一対一のところでやられているのでそこは個人の選手の課題ですし、攻撃に関しても今日の得点は狙っていた形でしたけど、2試合で1得点というのは決して多い数ではないので、もっと得点を取らなきゃいけないなと思います。(開幕連敗となったが)連敗してしまったのは仕方ないので、次に向けてやるだけです。(次節王者専修戦に向けて)2連敗してしまっていて、次の相手どうこう言ってる場合ではないので1週間でしっかり良い準備して来週やるだけです。

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