「ノーヒットノーランをたまたまだと思われるようではだめ」（加嶋）
「まっすぐで押せるようになった」（加藤）
―昨秋はお二人にとってどのようなシーズンでしたか
加嶋 去年の４年生の最後のシーズンだったので、できるかぎり全力を尽くして優勝に貢献できればいいなと思ってリーグ戦に臨んでいました。
加藤 １年生で、自分のやれることというのがそんなに多くなかったので、そのできることをしっかりやるという面では、自分の中ではできたかなというシーズンでした。
―昨秋で印象に残った試合やシーンはありましたか
加嶋 僕はノーヒットノーランをやったので、その試合です。
加藤 僕は立教の二回戦に初めて先発させてもらった試合です。リーグ戦で初先発ということで、自分に役を与えてもらったという責任の大きさで印象に残っています。
―ノーヒットノーランを振り返って、どのような気持ちでしたか
加嶋 すごいことをやってしまったなという気持ちは感じます。そしてこれからは、ノーヒットノーランをやったピッチャーだと思われてリーグ戦を過ごすことになります。ノーヒットノーランを「たまたまだろ」と思われるようなピッチャーではだめだと思うので、また成長していかなければならないなと思っています。
―加藤投手は加嶋投手のノーヒットノーランを見ていてどうでしたか
加藤 投げている最中ずっと見ていて、「（ノーヒットノーランを）やっちゃうのかな？」という驚きが大きかったです。純粋にすごい、と思いましたね。
―昨秋の収穫は何でしょうか
加嶋 僕の中で一番大きいのは規定回数を投げられたことです。春は先発もしていたのですけれど、最終的に規定回数を投げられなくてあまりチームに貢献できていない感じがあったので。秋はあまり結果は良くなかったのですが、シーズン通してしっかり投げられたので良かったなと思います。
加藤 自分のまっすぐが高校や昨年春より強くなったので、まっすぐで押せるようになったのが一番の収穫でした。
―昨秋見つかった課題は何でしょうか
加嶋 僕は球の遅さです。僕の中では１４５キロを投げたいなと思っているのですが、全然まだまだです。
加藤 先発して一度も完投することがなかったので、スタミナというか、完投できるようなピッチングをすることと、あとはコントロールですね。ちょっと四球が多かったので。
―自身の持ち味はどこだとお考えですか
加嶋 僕は度胸とコントロールです。僕は結構打たれるのですが、ピンチになっても動じず、攻めの意識で投げられることが一番大きいかなと思います。
加藤 僕はまっすぐの強さですね。相手を圧倒できるようなまっすぐ、までは行ってないかもしれませんけれど、そこが持ち味だと思います。
―一番自信のある球は何ですか
加嶋 全部です。ストレートは若干自信を持ってないですけれど、それ以外の球種は自信を持って投げています。
加藤 まっすぐですね。特に目標とするスピードはないですが、初回から最後までずっと同じようなスピードで投げられるようにしたいなと思っています。
左のエースナンバー19を背負う加嶋
―お互いの長所はどこでしょうか
加嶋 加藤は球が速いので。僕が持っていないボールを持っているので、すごいなって思います。
加藤 加嶋さんは本当に度胸もすごいですけれど、コントロールが僕より数段いいので、四球などで崩れることもないですし、全ての球種でカウントが取れるので、その辺がピッチャーとして完成度が高いと思っています。
―学年は違いますが一緒に出かけることなどはありますか
加嶋 まあ、仲良くしていますよ（笑）ちょくちょくご飯に連れて行ったりとか。
加藤 連れて行ってもらって（笑）特に外出して遊ぶのはそんなに多くはないと思いますけれど、グラウンドや寮では結構絡ませていただいています。
―ライバルとしてお互いを意識することはありますか
加嶋 ライバルだとは思ってないですね。
加藤 お互いにタイプが違うので、僕が吸収できることを吸収していけたらいいなと思います。
「ピッチャー陣をまとめていかなければならない」（加嶋）
「投げた試合全部勝てるというのが理想」（加藤）
―この春加藤投手は２年生になり、加嶋投手は大学生活が残り半分になりますが、心境の変化はありますか
加嶋 僕は今年から引っ張っていかなければならない存在になるので、投手陣も下の学年も結構出てきますし、そうなると僕とか４年生を中心にピッチャー陣をまとめていかなければならないなと思います。
加藤 自分のやることをやるということしかまだ僕の中ではないんですけれど、去年１年生で注目された部分が多かったので、そこは１年生ではなくても注目されるように、とは思っています。
―春季キャンプで重点的に取り組んだことは何ですか
加嶋 体幹のトレーニングです。一番の目的は球速アップです。腹筋や背筋を鍛えて、上半身と下半身のつながりを意識して練習してきました。
加藤 投げ込みとウエイトトレーニングをして、完投できるスタミナをつけることをやっていました。キャンプのときはだいたい１日２００球を目安に投げ込みました。
―春季キャンプで新たに取り組んだ練習や変化球はありますか
加嶋 新たに取り組んだのは体幹のトレーニングぐらいで、新しく変化球は増やしてはないんですけれど、その精度を上げようと思って練習していました。ストレートに近いボールで、ちょっと動かすようなボールを特に練習しました。
加藤 一応一回フォームを変えようと思ったのですが、ちょっと失敗してしまって。新たに取り組んだことはないですね。変化球は覚えようとしていたのですが、全然上手くいかなくて。僕ちょっと不器用なので。リーグ戦に合わせることが一番大事だったので、この春はそんなに変えずにやっていこうかなと。
―オープン戦での手応えはいかがでしょう
加嶋 僕は結果は出ていますが、内容は全然満足していなくて。朝日大戦でも７回１失点だったのですが、ヒットを１０本打たれて。ヒットを打たれるぶんにはいいのですが、１イニング１本以上になると失点につながるケースも多くなってしまうので、最低でも１イニングヒット１本くらいには抑えたいなと思います。
加藤 まっすぐで空振りが取れるようになってきたことが収穫ですが、大事なところでヒットを打たれて失点する場面が多いので、そこを改善していけたらいいなと思います。
剛速球を投げ込む加藤
―いよいよ始まる春季リーグ戦。目標は何でしょうか
加嶋 優勝することです。個人的には、１カードに１度は先発することです。
加藤 具体的な目標はあまり決めていないのですが、自分の投げた試合は全部勝てるように頑張ろうと思っています。
―他大学で特に負けたくないバッターは誰ですか
加嶋 とりあえず同級生から下には打たれたくないです。いいバッターが多いので１人には絞れないです。
加藤 僕は同級生が結構出ているので、その選手たちには打たれないように頑張ります。早大の中澤選手は同級生(渡邉義・環２)の高校時代のチームメイトだったので、その同級生のためにも打たれないように。
―他大学で意識されているピッチャーはいますか
加嶋 明大の上原投手です。去年の六大学オールスターで仲良くなって、ご飯とかも一緒に行くようになって。そうして話したりしているとやっぱり負けたくないですね。
加藤 立大の澤田投手です。同じ右で同じ学年なので負けたくないです。
―今後どんな投手を目指していきたいですか
加嶋 僕は先輩である竹内大助さん（環卒）みたいな投手にずっと憧れているので、そういう投手に出来るだけ近づければいいなと思っています。
加藤 投げた試合全部勝てるというのが理想なので、具体的に人は挙げられないのですが、本当に勝てるピッチャーを目指してやっていきたいです。
―最後に、春季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします
加嶋 絶対優勝します。
加藤 全部勝ちます。
―お忙しい中、ありがとうございました！
（取材 角谷明香）
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