【野球】昨年王者とのつばぜり合い!勝利したのは… 明大①

4月26日(土) 明大1回戦

先制打を放った横尾。守備でもチームの危機を救う

先制打を放った横尾。守備でもチームの危機を救う

 

東大から大量得点で勝利し、勢いに乗る慶大。次なる相手は昨季2連敗を喫した明大だ。優勝のために何としても勝ち点が欲しい慶大と、王座を守りたい明大の熱い戦いは初回から白熱。1回表に慶大が2点先取するとその裏明大も2点を取り返し、2回表に慶大が1点を追加すると3回裏に明大も1点を追加する。手に汗握る接戦は8回表に1点をもぎ取った慶大がそのままリードを守りきり、慶大に軍配が上がった。

 

   
慶大
明大
 慶大:加嶋、○三宮―小笠原

 明大:山﨑、●今岡、上原、星―坂本

◆慶大出場選手

ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
梅野魁土(環3・福岡大大濠)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
[2] 小笠原知弘(環3・智弁和歌山)
[3] 山本瑛大(商2・South Torrance
近藤俊(環4・國學院久我山)
H3 齋藤大輝(商2・慶應)
[1] 加嶋宏毅(商3・慶應志木)
木村健人(政2・慶應)
原田直道(商3・慶應)
三宮舜(商3・慶應)
 

佐藤旭の粘りが先制を呼び込んだ

佐藤旭の粘りが先制を呼び込んだ

春の心地よい日差しの下、明治神宮球場では熱戦が繰り広げられた。今週の相手は昨季の王者で、慶大が2連敗を喫した宿敵・明大。気合十分で臨んだ試合は、初回から白熱する。

 

1回表、先頭打者・佐藤旭主将(商4)がドラフト上位候補と呼ばれる明大・山﨑から「初回から明治を潰しにいく気持ちで」9球粘った末安打を放つと、2番・山本泰(環3)も安打で続く。良い流れの中、4番・横尾(総3)が同じ高校の先輩から適時打を放ち、一気に2得点する。

このままリードを守りたいところだったが、そうはさせてくれないのがこの「慶明戦」。先発・加嶋(商3)が1回裏に3安打を許し、2失点。勝負は振り出しに戻る。

2回表、小笠原が本塁打かと思わせる長打で出塁すると、この日初スタメンの山本瑛(商2)が適時打を放ち、1点を追加。しかしこのリードも3回裏に明大に帳消しにされてしまう。5回からマウンドには好調の三宮(商3)が上がり、明大に点を与えない好投を見せ、7回まで両者一歩も譲らない状況に。「ずっと緊張しっぱなし」(佐藤旭主将)の雰囲気が球場全体に広がる。

 

リーグ戦初スタメンの山本瑛

リーグ戦初スタメンの山本瑛

試合を決めたのは8回表、慶大だった。先頭打者・山本泰(環3)が死球で出塁すると、続く谷田(商3)が四球を選ぶ。明大・投手は上原に代わり、打席に迎えるは誰よりも勝ちへの執念が強い藤本知(環4)。慶大の勝ちに対する思いに圧倒されたのか、藤本知は一邪飛に倒れるもその直後に明大の送球失策を誘い、1点を勝ち越す。この1点を三宮の好投で守りきり、手に汗握る慶明戦の初戦は慶大の勝利に終わった。

 

今季の慶大は、勝ちにこだわるプレースタイルが特徴的だ。今日はそれが色濃く出ていた。攻撃では、山本泰の2つの盗塁を筆頭に、攻めの走塁が多く見られ、打撃も、選手全体的に調子は上向き。そして守備では、何と言っても投手・三宮の5回7奪三振無失点の好投は江藤助監督に「最高」と言わせるほどの見事なものだった。今日はまさに、「みんなのいいところが出た試合」(佐藤旭主将)であり、これこそが慶大野球部が目指す野球の形であろう。

明日も接戦が予想される。しかしながら、今の慶大の勢いと粘り強さをもってすれば必ず勝てる。最後まで勝ちに貪欲に、昨季の雪辱を果たしてほしい。

 

【Keispo pick up】好調の頼れる左腕 三宮舜

ピンチを奪三振で切り抜けた三宮。好救援でリーグ戦初勝利だ

ピンチを奪三振で切り抜けた三宮。好救援でリーグ戦初勝利だ

今日、5回無失点の好投で、チームの勝利に大きく貢献した三宮。自身初勝利を果たしたものの、コメントは「疲れました(笑)」と、実にクール。しかしながら、1年の頃からけがに悩み、やっとの思いでつかんだ初勝利はきっと大きな自信になっていることだろう。「フォームを変えてからずっと調子がいい」と語る三宮のさらなる活躍を、期待せずにはいられない。

 

 

 

(記事 堀越ゆかり)

 

 

◆打撃成績
   
[7] 佐藤旭 右安 見三振     見三振   右飛    
[6] 山本泰 左安   右2   右飛     死球  
[9] 谷田 空三振   中飛   捕邪飛     四球  
[5] 横尾 中安②   左飛     右安   右飛  
[8] 藤本知 二ゴ   二ゴ     三ゴ   一邪飛  
8 梅野                  
[4] 竹内惇 捕邪飛     左飛   中安   二ゴ  
[2] 小笠原   左越2   二ゴ   遊直併     空三振
[3] 山本瑛   左安①   二ゴ          
3 近藤                  
H3 齋藤             二ゴ   空三振
[1] 加嶋   バ三振              
H 木村         内安        
R 原田                  
1 三宮             遊ゴ   見三振
◆投手成績
  投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
加嶋 19 66
三宮 22 89
◆監督、選手コメント

江藤 省三助監督

(今日の試合を振り返って)よく勝ったというとこかな。タフな試合だったけどね。(初回から点が入りましたが、打撃について)まあ、良いんじゃないですか。ドラフト1位(候補)を打ったんだからね。(投手陣について)うん、三宮最高じゃないですか、今日ね。ほんとに5回を0で抑えて。(明日に向けて)勝ちたいですね。

 

佐藤旭主将(商4)

(今日の試合を総括して)序盤はすごくいい形で入れてそのあとはすごい苦しい試合展開になったんですけど、みんなで粘り強く守って投げて走って打ってという感じで、みんなのいいところが出た試合だったなと思います。(昨秋悔しい負けを喫した明大相手だったが)去年の悔しさもありましたし、とにかく明治に思いっきりぶつかっていこうという風に言っていたので、初回から明治を潰しにいく気持ちで試合に臨みました。(第1打席について、9球粘ってから安打を放った)最近はあまり粘ることができなかったので、自分らしさが出てきた打席だったなと思います。(その次打者の左前安打で一気に三塁を陥れた走塁について)積極的に次に塁を狙おうと思っていて、イチかバチかではあったんですけどあの走塁がチームに勢いを与えられたかなと思います。(その後両軍の粘りはすごかった)ずっと緊張しっぱなしで。でも加嶋、三宮がしっかり投げてくれましたし守備も守り切れたので、相手に流れを渡さずにこっちのペースでできたかなと思います。(そして思わぬ形で決勝点が入った)あれもやっぱり粘り強く守ってきたというのもありますし、次の塁を狙っていくという谷田、泰寛の走塁が点に結びついてくれたと思います。(明日に向けて)明日も接戦になると思いますし苦しい試合になるかもしれないですけど、明日もう一回粘り強くやっていきたいです。

 

竹内惇(商4)

(今日を振り返って)今日はとにかく守る時にランナーが毎回溜まってて、本当に緊張しました。(3回の好守について)あれ抜けていたら2点入っていたと思うので、1個アウトが取れたことはホッとしました。(6回の安打について)あの場面、相手投手にあんまり警戒されてないと予想してて、ストレート来るのかなと思って初球からストレートに張って打ちました。(明日以降の意気込み)何が何でも勝つ、それだけです。勝ちたいです。

 

藤本知輝(環4)

(今日の試合を振り返って)苦しい試合でしたけど、チームが勝って本当によかったです。(チームとしての意気込みはどうだったか)チーム全体がもう「初回から」という気持ちだったので、それがうまく結果に繋がって、よかったと思います。(自身の打撃について)今日は全然駄目だったので、明日自分のバッティングをしようと思います。(明日に向けて)どんな形でもいいので、勝つだけなので、しっかり調整して明日も頑張ります。

 

小笠原知弘(環3)

(今日の試合を振り返って)粘り強く集中して取り組めた結果が、勝ちに繋がったと思います。(2回の二塁打について)打つことができて嬉しかったです。よかったと思います。(加嶋、三宮の両投手について)加嶋がよく投げてくれて、相手を3点までに抑えてくれたので、三宮も波に乗れたのかなと思います。(明日にむけて)明日も厳しい試合になると思いますが、しっかりやることをやって、なんとか勝ちにいきたいと思います。

 

加嶋宏毅(商3)

(今日の試合を振り返って)調子は悪くなかったんですけど、ストライクを集めすぎたのがちょっと悪かった点かなと思います。(どんな気持ちで昨季王者明治戦のマウンドに上がったか)いつもと変わらず、とりあえず打たせていこうと思って投げていたんですけど、その中で球が真ん中に集まってしまったことがだめだったかなと思います。(無失点に抑えた3、4回は立ち上がりと比べ変化があったのか)ストライクゾーンに球が集まりすぎていたので、ボール球も使っていこうとしました。それと監督からは5回3失点まではいいぞと言われたので、吹っ切れて投げることができました。(スクイズを見事に外したのは小笠原選手のサインか、加嶋投手の判断か)僕の判断でした。スライダーのサインが出ていたので、ストライクを投げようと思っていたらバントの構えをされたので反射的に外しました。小笠原がよく取ってくれたなという感じですね。(今シーズンは打線が頼もしいが)はい、先制点もよくとってくれるので、投げていて嬉しいです。(次回の登板に向けて)次はこのような不甲斐ないピッチングをしないように頑張ります。

 

三宮舜(商3)

(今日の試合を振り返って)疲れました(笑)(中継ぎからの登板だったがなにを意識したか)同点の場面だったので、先に点をやらないぞって気持ちでずっと投げてました。(ピンチではどのような気持ちで投げたか)自分でピンチを招いて自分で抑えたってことになるんですけど、先に点をやらないぞとずっと思ってたので、気持ちで投げました。(今日7奪三振、今期すでに10奪三振だが)特に狙ってないですけど、意外と取ってますね(笑)(好調の要因は)フォームを変えてからずっと調子がいいので、それを続けていければいいかなと思います。(リーグ戦初勝利だが)嬉しいです。(次の登板に向けて一言)自分が任されたところを全力で投げるだけです。

 

谷田成吾(商3)

(緊迫した試合だったが)はい、疲れました(明治の先発は好投手山崎、試合前の対策は)外中心だと思っていたので、甘いコースに来たボールをしっかり打とうと思っていました。感じは悪くなかったので次来ても打てると思います。(8回、粘って四球を選んだが)ボールが見えていてよかったので。あれは泰寛が盗塁してくれて一塁が空いたのでそれでフォアボールがもらえたと思う。泰寛に感謝したいです。(そのあとの得点シーンはサインだったか)サインは出てなかったけど、フライが上がった瞬間にとっさに思いついて、監督を見たら『行け』と。ああいうプレーがあるとは話していたのでうまく閃きました。(ああいった練習は普段からしているのか)いや全然。何回かしたことはあるんですけどけっこう昔だったので。(明日に向けて)今日打ってないので明日は打って勝利に貢献したいです。

 

山本泰寛(環3)

(今日の試合を振り返って)とにかく粘って勝てたので嬉しいです。(2安打の活躍だったが)東大戦でちょっと結果が出なかったので、結果を出すためには初球からどんどん振っていこうという意識で(打席に)立てたので、その結果が良かったのだと思います。(昨年悔しい敗戦を喫した明大に勝利したことについて)明治には惜しいところで負けているので、本当に今日勝てたことは自信になりますし、かなり嬉しいです。(死球で出塁し決勝のホームを踏んだが)先頭打者だったので、何でもいいから出塁するということだけを考えて打席に入りました。それで出塁できたので良かったです。(エラーという意外な形での得点となったが)流れはこちらに来ていたので。積極的な走塁というか、隙があれば行くという形でプレーしていたので、その結果流れが来たのかなと思います。(明日への抱負)明日も勝って、2連勝して、もう休みます。

 

横尾俊建(総3)

(試合を振り返って)勝てて嬉しいです。(高校の先輩でもある山﨑投手から先制適時打を打ったことについて)今まで打てていなかったので1本出て良かったです。(打撃の調子は)上向きで良い感じです。(明日に向けて)明日も厳しい戦いになると思うので全力で頑張ります。

 

木村健人(政2)

(初安打となった打席を振り返って)打席に入ったら思い切ってやると決めていたので、無我夢中で振りました。(安打か失策か微妙な当たりだったが、Hと出た時の心境は)塁上では気が付かなくてベンチに帰ってヒットだよと言われて、すごく嬉しかったです。(明日に向けて)出る場面が来たら一生懸命やってチームの勝利に貢献できたらなと思います。

 

山本瑛大(商2)

(初スタメンでしたが感想は)大事な試合だったので、緊張していたのですけれど、先輩方に声をかけて頂いて、自分なりのプレーはできたと思います。(相手先発に左腕が予想されていたか、スタメンは以前から決まっていたか)決まってはいなかったのですが、僕がファーストで唯一の右バッターなので、監督が「お前は絶対(打席に)立つぞ」と。スタメンとは言われていませんでしたが。(タイムリーヒットの感想は)嬉しいです。(左手にアイシングをされているようだが)これは大丈夫です。明日に影響は全然ないです。ちょっと入念に、という感じなので。(明日への抱負)今日いい勝ち方で一戦とれたので、もう一つ勝ち点を取るために、チームみんなで勝ちに行きたいです。

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