【バスケ】迎えた天王山、思いがけない敗戦。 vs専大戦

1年生ながら積極的なオフェンスと強烈なブロックでチームを鼓舞したサワ。

1年生ながら積極的なオフェンスと強烈なブロックでチームを鼓舞したサワ。

まさかの敗戦であった。慶大にとって前半の最終戦となった専修大戦。阪口HC曰く「天王山」のこの戦いは絶対に落とすことのできない大切な試合だった。トカチョフ サワが21得点、4ブロックの活躍を見せたものの、これまでチームをけん引してきた伊藤はわずか4得点と不調。チームとしてリバウンドに食らいつくこともできず、専大の攻撃を防ぐこともできない。2Qで離されてしまった点差をどうにか縮めようと奮闘する慶大。しかしその点差は見た目以上に大きな壁となっていた。専大相手に痛過ぎる敗戦を喫した慶大であった。

 

2014/9/27(土) @代々木第二体育館
第90回関東大学バスケットボールリーグ戦 第8日目 vs専大
1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 19 19 17 61
専大 10 21 17 19 67
◆スターティングメンバー
PG #4 伊藤良太(環4・洛南高)
SG #5 吉川治瑛(環4・世田谷学園高)
SF #9 中村滉平(理4・慶応高)
PF #6 権田隆人(政4・慶應高)
C #22 トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高)

ミスの少ない堅実なプレーを見せる西戸。オフェンスにも積極的に参加した。

ミスの少ない堅実なプレーを見せる西戸。オフェンスにも積極的に参加した。

今日のスタメンは4年生を中心とした布陣。いいスタートを切ろう、という阪口HCの意図が反映されての布陣であった。1Q序盤はいきなり吉川がファウルを取られてしまうと、それに続くようにファウルを連発してしまう慶大。しかしサワが強烈なブロックを見せ、ここから慶大は流れを掴む。ディフェンスも機能してくると一気に点差をつけにかかる慶大。残り4分半のところでは大元(環3・洛南高)、福元(環3・福大大濠高)、真木(環3・國學院久我山高)を投入。相手の攻撃に注意しつつ、点数を重ねる。19-10と慶大9点リードで1Qを終了。なかなかのスタートを見せた。

悪夢が訪れたのは2Qであった。序盤から専大はオールコートディフェンスで、慶大に襲いかかってくる。慶大は戦略を変えてきた専大に対応しきれない。入りの1分で5点をとられ、阪口HCはたまらずタイムアウトを要求。ここで悪い流れを断ち切りたい慶大であったが、ディフェンスもうまく機能せず、開始3分を過ぎた頃には19-19となり追いつかれてしまう。サワがブロックやリバウンドでどうにかオフェンスにつなげようとする場面がいくつも見られたが、得点にはなかなか結びつかない。その後も選手を入れ替えつつペースを整えようとするものの、一度乱れた歯車を再び噛み合わせることは難しかった。残り2分のところでは25-26とあと一点差のところまで迫ったが、ここから再び引き離され、25-31と6点リードを許し前半を折り返した。「やっぱり2ピリが痛かった」と試合後に阪口HCが振り返ったように、相手に21得点を許しながら、わずか6得点しか取ることのできなかった2Qは苦しい10分間となってしまった。

 

終盤に得点源として活躍した大元。

終盤に得点源として活躍した大元。

3Q序盤は互いに点を許さない展開に。しかし伊藤が2つ目のファウルを取られてしまい、開始2分を過ぎた頃には伊藤に代わり吉川が出場することとなった。毎回慶大をけん引してきた伊藤がここまで不調であると、チーム全体が流れに乗ることができない。試合後に伊藤は「チームとしてこうやりたいということにだんだんと自信がなくなってきてしまった」と振り返る。3Q中盤には大元の連続得点などがあり点数を徐々に重ねていったものの、専大の#24田代を止めることができず、ディフェンスそのものがうまく機能しない慶大は相手との点差を縮めることができない。特に今日の慶大はディフェンスリバウンドを取り切ることができなかった。終了1分前に西戸(総2・洛南高)の3Pシュート、終了間際にはサワがシュート決め、44-48と点差を若干縮めて3Qを終えた。

勝負の4Q。序盤、今日はなかなか調子の出ない伊藤が得点を決め、ここから少し流れを引き寄せることとなる。4Q初めから出場していた真木は堅いディフェンスで田代にうまく対応し、慶大はじりじりと専大に迫る。そして慶大は1回のタイムアウトを経て、開始4分のところでやっと53-53の同点に追いつく。一気に逆転をしたい場面で吉川と西戸を投入。しかしなかなか点数に結びつけることができない。再び点差をつけられるも残り2分20秒のところで伊藤のアシストからサワがシュートをしっかりと沈め、61-61とまたしても同点に追いつく。今度こそは逆転したい。だが慶大はシュートミスやターンオーバーを連発し、そのまま試合終了。逆転できる場面はいくつもあったにも関わらず、決め切ることができなかった。慶大がまたしても大きな課題を突きつけられた瞬間であった。

試合には敗れた。しかしサワは1年生ながら他を圧倒する活躍を見せた。「自信をもって迷わずにできた」とサワは試合後語った。そして今日でリーグ戦の1巡目を終えたこととなる。主将の伊藤は「もう一回チームとしてその初心、原点に帰って、今のそのかみ合っていない部分やディフェンスの部分を改善していければ、2週目はもっと勝率を挙げていける」と語る。終わったことを悔やんでも仕方がない。問題はこの経験を次にどう生かすかだ。慶大にはこれから迎えるリーグ戦2巡目にまた新たな気持ちで臨んでもらいたい。

(記事:河合佳祐)

阪口HC

つらい、本当につらかったね。(スタメンを変えたのは)専修戦は天王山なので、長さはどうであれ、スタートが悪いチームなので、4年に頑張ってやれということで、そんな意図でした。1ピリはよかったんだけどね、2ピリがあれじゃあね。(2Q得点が取れなかったのは)フルコートで当たられて引っかかっちゃったからね、そこで流れが悪くなってしまって。あれも練習はたくさんしてるんだけど、試合になるとなかなかうまくいかないですね。(拮抗していたが勝ち切れなかった要因は)もういいようがないよね。いいプレーもあったんだけど。相手も先週までとは違ったよね、しっかりとプレーしようとしていたし。でもやっぱり2ピリが痛かったですかね。(リーグ戦前半を振り返って)5勝はしてなきゃいけなかったね。まあもう後の祭りなんで明日頑張るしかないです。入れ替え戦に出ないようにしないとね。

[PG]伊藤良太(環4・洛南高)

今日の試合は最初の入りから40分間自分たちのやりたいバスケットができなくて、僕も含めて全員が不完全燃焼で終わってしまいました。力を発揮できないで負けたのも、勝てる相手に対して負けてしまったのもすごく悔しいです。一番の敗因はプレーの面ではディフェンスリバウンドをとれなかったというのがありますが、やはり気持ちの部分でチームが一つになっていないと思いますし、チームとしてこうやりたいということに対して最初勝っていたときは自信があったんですけど、だんだんと自信がなくなってきてしまったということが今日の敗因だったと思います。(チームの状況は)みんなで頑張ろうという思いは一つになっていると思いますが、僕が求められているプレーが確立していなくてチームに迷惑かけてしまっている面があります。主将としてもそうですしPGとしても今先生と僕がかみ合っていないというのがあって、そこの気持ちの部分をすっきり出来ればもっとチームにプラスになると思っています。チームとしてはみんながディフェンスを頑張っていて、特に3年生が福元や真木、大元を中心として頑張ってくれているので、あとは4年生がどれだけ必死になって1部残留のためにチームを引っ張っていけるかが今後大事になってくると思います。(1巡目を振り返って)最初2勝できて、チームとして今までやってきたことは間違ってなかったという自信があったんですけど、格上の相手に当たったときに全然通用しなかったことがあって。そういう時に僕自身が孤立してしまって、それでは勝っていけないよということになって、だんだんチームとしてやってきたことへの自信が薄れて来てしまい、そのまま前回の2敗を今日に引きずってしまったというのが1巡目の反省点です。去年勝った理由と言うのはディフェンスを頑張って速攻をだしてという慶應の伝統でもあり強みをしっかりやったことだと思うので、もう一回チームとしてその初心、原点に帰って、今のそのかみ合っていない部分やディフェンスの部分を改善していければ、2巡目はもっと勝率を挙げていけると思います。まずは一部残留に向けて頑張りたいです。(明治戦にむけて)今日の敗戦でまだまだ落ち込んでいる選手は多くいると思いますが、一人一人が切り替えるということがひとつと、明治も多分対策を練ってくるとは思いますがそれに適応することがひとつです。ディフェンスを全員で頑張ってリバウンドをとって自分たちのバスケットができれば勝てると思うので、まずはやはり僕が中心となってチームをひっぱっていって絶対に勝ちたいと思います。

[C]トカチョフ・サワ(環1・國學院久我山高)

アーリーオフェンスの速攻のシュートとか、決めなくてはいけないところで落としてしまって流れに乗れないというのが一つと、あとはディフェンスリバウンドを自分がちゃんと取れなかったというのが今日の敗因です。やはり流れに乗れるところで乗れないとこういう展開になって、最後シュート外してしまいましたけど、それまでの過程がだめだったので、負け試合でした。(自身の活躍について)今朝起きてから、今日いけそうだなという感じがあったので、自分の中で気持ちよくプレーができて、自信をもって迷わずにできたんですけど、たまたまだと思います。(リバウンドへの意識は)今日は藤田さんで僕より体が大きい選手でしたが、上半身で勝負してしまうと全然かなわないので、いかに足元に乗り込んでスクリーンアウトできるかというのが重要でした。それが今日はあまりできていなかった結果取られてしまったので、明日は改善できればいいと思います。(1巡目の戦いを振り返って)自分がどういうプレーをすればいいのかというのが、1巡を通してだんだんわかってきたかなと思います。最初は自分の役割というものをちゃんと理解できていなくて何を求められているのかというのが結構あいまいでしたが、2巡目ではもっとチームのために何かができると思います。(次戦に向けて)今日負けてしまったので、明日は絶対に勝たなければいけない試合で、一回勝っている相手ですし気を抜かずに、今日はディフェンスでかなりファウルを吹かれてしまったので、ディフェンスでしっかりと守っていいオフェンスにつなげられればと思います。

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