【ソッカー女子】関東リーグ第2節 成長と、課題と――好ゲームを披露も、結果が伴わず 浦和レッズレディースユース戦

DSC_0261前節、慶大は女王早大の前に良いところなく黒星を喫した。今節も苦戦が予想されたが、慶大はスピーディで魅力的な攻撃を披露し、相手ゴールを前半から脅かす。しかし最後の最後で決めきることができずにいると、逆に相手にミドルシュートを決められてしまう。その後もゴールを奪えず、2試合連続完封負けとなった慶大。多くのチャンスを作り出すなど成長が見られたが、同時に決定力に課題を残す結果となった。

 

22回関東女子サッカーリーグ 第2

 2016/4/23(土)16:05KO@レッズランド

慶應義塾大学0-1浦和レッズレディースユース

 

【得点者】

〔浦〕60 小嶋星良

 

◇慶大出場選手

 

GK野村智美(3・作陽高)

DF田中康子(4・常盤木学園高)

DF宮田あずさ(4・文京学院大学女子高)

DF井原美和(2・大和高)

DF高見澤るり(3・慶應義塾女子高)74分 鈴村萌花(2・村田女子高)

MF宮川渚(4・成城学園高)

MF栃木栞(4・十文字高)

MF庄司夏穂(1・聖和学園高)

MF松木里緒(1・常盤木学園高)

FW志鎌奈津美(2・常盤木学園高)

FW工藤真子(1・日テレ・メニーナ)

 

 

DSC_0271前節は永遠のライバル・早大相手に立ち上がりこそ攻めの姿勢を見せたが、失点後は終始押し込まれるなど完敗を喫した慶大。今節も「アクシデントで」(岩崎監督)急きょ大黒柱の堀井美月(環4・常盤木学園高)が欠場するなど苦しい台所事情が続くが、攻撃のかじ取り役を担う栃木栞(環4・十文字高)の復帰は朗報だ。

 

DSC_0392立ち上がりから慶大は細かくパスをつなぎ攻撃的な姿勢を見せる。まずは17分、宮川渚(理4・成城学園高)のスルーパスに松木里緒(環1・常盤木学園高)が反応するも相手GKの飛び出しでシュートは打てず。23分にも今度は庄司夏穂(総1・聖和学園高)の中央突破から左サイドに張っていた志鎌奈津美(環2・常盤木学園高)が最後はシュートを放つが、これはGKの正面。31分には中盤でボールを奪った志鎌がそのままドリブルで運び、ゴール前でFKを獲得する。これを宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)が直接狙うが、惜しくも落ち切らない。するとミスから相手に決定機を与えてしまう。34分、井原美和(薬2・大和高)のバックパスが相手にかっさわれてしまい、1対1のピンチ。ここは野村智美(総3・作陽高)のファインセーブで失点を免れた。これで再び流れは慶大に。41分、松木が後ろからの浮き球パスに反応。絶妙なトラップで抜け出すも、左足でのシュートは力なく相手GKがセーブ。その後、自陣でボールを奪われるなどのミスから相手の攻撃を受けるシーンもあったがこのまま両チーム無得点で前半を終えた。勇気をもって主体的な攻撃を見せた慶大。攻守の切り替えも速く、ペースを握って後半へ向かう。

 

DSC_0385後半も立ち上がりから慶大が浦和ゴールを脅かす。47分、工藤真子(総1・日テレ・メニーナ)が混戦からスルーパスに反応しGKと1対1を迎えるが、シュートはGKにキャッチされてしまう。50分には中盤でのボール奪取から最後は松木がミドルシュートを放つが、これもGKの正面を突く。さらに8分、12分と立て続けに松木がチャンスを演出するも得点は生まれない。慶大ペースで試合が進む中、スコアを動かしたのは浦和だった。「誰がボールに行くのかはっきりしていな」かったと工藤が振り返ったように、小嶋星良に簡単にミドルシュートを打たせてしまい、60分、ついに先制を許す。その直後の63分にも相手に中央を抜け出され1対1のピンチに。相手のシュートが野村の脇を抜けてボールはゴールに向かうも、ゴールラインぎりぎりで何とか慶大がクリア。2失点目を防ぐと、69分、慶大にこの試合最大のチャンスが訪れる。中盤で獲得したFKを宮田がゴール前に蹴り込むと、田中康子(総4・常盤木学園高)が打点の高いヘディングでシュートを放つがこれがポストを直撃。こぼれ球も押し込むことができず、慶大は同点のチャンスを逃してしまう。その後はお互いに攻めあうオープンな展開になるも、慶大はゴールを奪えず。開幕2連敗スタートとなった。

 

DSC_0503細かいパスで相手ゴールに迫るなど、前節から攻撃面での成長を感じさせたが、その一方で決定力という点では課題が残った。この試合、攻撃をけん引していたのは間違いなく庄司、松木、工藤といったルーキーたちであった。彼女たちが好機を演出していただけに、ワントップに入る志鎌や宮川など昨年からのメンバーたちに奮起を期待したい。強豪相手の厳しい試合が続くが、岩崎監督が「こういう時期にこの相手とやらせてもらって、去年のチームに感謝」と話す通り、TEAM2015が残してくれたものは間違いなく大きなものだ。この経験は必ずやTEAM2016の血となり肉となり、新たな部の歴史を作る原動力となるに違いない。

 

(記事 小林将平)

 

 

試合後コメント

 

岩崎陸監督

(勇気を持って攻めることができていたと思うが監督の目にはどう映ったか)昨日アクシデントで堀井を欠いてしまったので、そういう意味でちょっと攻撃的には厳しいかなと思いましたけど、十分相手を脅かすような場面もできたしシュート数も相手と同じくらいで、もちろん最後の決定力が相手の方が上でしたけど、次につながる負けだったのかなと。ただ負けは負けで勝ち点0なので、本当にこれを次につなげるしかないと思っています。(勝てる試合を落としたという印象の方が強いのか)今年は本当に勇気を持ってひとつ前に出ようと、そこでひとつ自分たちが成長しようということをやっているので、相手がユースチームだから本来であればカテゴリーが上の自分たちが負けてはいけない相手で、でもそれはもう同じ土俵に立って今戦っているので、後期勝てるように、そして次の日テレメニーナにも次節で勝てるように、準備していきたいと思います。(課題は決定力か)そうですね。まだ1点も取っていないので、まず誰が点を取るのかというところと、今日どういう形が点になりそうかと言うのは見えたので、その場面を多く作り出して最後自分たちが運をつかむために1週間死に物狂いで準備しないとあの(田中)康子のヘディングとかも入らないと思うので、来週また頑張ります。(成長と課題の両方が見えた試合だったか)本当にそうですね。そういう意味ではこういう時期にこの相手とやらせてもらって、去年のチームに感謝というか、その分だけ自分たちは成長しなければいけないと思っています。

 

田中康子主将(4・常盤木学園高)

(今日の試合を振り返って)関東1部という舞台に立てたからこそ初めてこのピッチに来てレッズレディースユースと戦えたことはすごく良い経験だと思っています。昨季の1位と2位の早大とレッズと戦ってみて、自分たちの課題が見つかったとともに、自分たちのできることも見つかったので、次は結果につなげていきたいと思います。(2試合連続で0-1だが、守備面ではどう考えているか)今年は守備よりも攻撃を重視しているので、守備の面ではもう少しできるところはあると思いますが、点を取るということが今の課題で、しっかりと点を取らなければ勝てないと感じています。(1年生との関係は)シーズンインの時から来ている選手もいるので、しっかりとチームになじめていると感じています。今のチームとしては、学年とか関係なく誰が出ても戦えるチームを目指しているので、昨季からの積み重ねがありつつも、新しい力もあるなと思います。(次節に向けて)次節は今季初のホームでの戦いなので、しっかりと結果を出したいと思います。

 

庄司夏穂(総1・聖和学園高校)

(今日の試合を終えて)勝てる試合ではあったと思いますが、一つ一つのミスが負けにつながってしまったのでそこは反省して次に生かしたいと思います。(チームとして意識していたことは)前節の早大戦ではシュートが相手より下回ってしまい、今日の目標は点を取るということだったんですけど、チャンスを決めきれなかったり、点に繋がるようなプレーがあまりできなかったです。(中盤でのプレーで良い場面もいくつかあったが)前節よりは中盤でボールを持ってサイドにスルーパスを出したりできたんですけど、そこから得点に繋がるプレーをしたり、パスを出した後でまた自分が受けてシュートを打ったりということもやっていきたいです。(次節に向けて)次は下田でホームなので、しっかりとゴールを決めて勝ちきりたいです。

 

工藤真子(1・日テレメニーナ)

(今日の試合を振り返って)負ける試合ではなくて全然チャンスはあったし、自分がフリーで決める所を決めていれば負けてなかったし、すごく悔しかったです。(大学に入って2戦目だったがどのように臨んだか)早大戦では負けてしまったので、そういった早大戦の反省を今日の試合に生かしていこうという感じで臨みました。(失点シーンを振り返って)ディフェンスラインで誰がボールに行くのかはっきりしていなくて簡単に相手にシュート打たれたので、そこは味方と連動して誰が最初のディフェンスに行くのかはっきりして、次は絶対勝てるようにしたいです。(個人として足りないと感じる所は)今日もシュートを打てる所で打たなかったり自分で取られたりするところが多かったので、次は点決めるという気持ちとボールを取られないというところを意識してやっていきたいと思います。(次節に向けて)来週は下田のホーム戦なので応援に来てくれる方もたくさんいると思うので、その期待に応えられるように頑張っていきたいと思います。

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