【バレーボール】劇的な逆転勝利で2位を死守!vs国際武道大

得点を決め両手を突き上げる黒田

 得点を決め両手を突き上げる黒田

第7戦の試合を終え、青学大に次ぐ2位に順位を上げた慶大。入れ替え戦出場に向け緊張感が高まるなか、第8戦は国際武道大との対戦となった。試合は相手のクイックなどに苦しめられ、いきなり2セットを連取されてしまう。それでもその後の宗雲監督の起用が当たり、修正を重ねた慶大は、後がない残りのセットを確実に取り、見事な逆転劇で貴重な白星を挙げ、2位という順位を死守した。

 

 

 

9月25日(日)秋季関東大学男子2部バレーボール第8戦 慶大×国際武道大@亜細亜大学体育館

 

  

得点

 

 

慶大

セット

国際武道大

21

25

21

25

25

22

25

23

15

 

 

慶大は前の試合と変わらないスタメンで臨んだ。

 

チームのために大きな仕事をした富澤

 チームのために大きな仕事をした富澤

第1セットは相手のクイックに苦しめられる。意表を突くツーで決められ、スパイクのミスも出ると連続ポイントで序盤からリードを許す。その後追いつきはするものの、相手の高いブロックにプレッシャーがかかり、スパイクをアウトにされるなどなかなか点差を広げられない。ピンチサーバーとして池田裕哉(環4)を投入しサーブで相手を崩すが、それでもクイック攻撃は止められず、タイミングをなかなか合わせられないままこのセットを21-25で終えてしまう。

 

なんとか流れを変えたい第2セットは主将の上野素希(文4)に代え、佐藤康平(環3)が起用される。序盤はサイドアウトの取り合いで一進一退の攻防を続けるが、サーブレシーブの乱れから5連続ポイントを与え16-10と引き離される苦しい展開。それでも後半黒田彪斗(環3)のクロスへのスパイクや増田拓人(環3)のサービスエース、必死につないだ長いラリー戦を制す尾木将(政3)のスパイクが決まり、2点差まで追い詰めるが、追撃もむなしくさらに得点を許してしまう。最後は黒田のスパイクのタイミングが合わず、21-25とこのセットも取ることができない。

 

後がない第3セット。このセットも序盤から相手にリードを許す展開となる。流れが変わったのは第1セットから苦しめられてきた相手のクイック攻撃に、佐藤と黒田がブロックポイントを奪ってから。これで4連続ポイントとなりようやく追いついた慶大は、その後マルキナシム(総1)の、3枚ブロックをものともしないスパイクとそして鮮やかなブロックポイントで逆転に成功。最後は黒田と上野で再びブロックを決め、25-22とこのセットを奪い第4セットにつなげる。

 

様々な攻撃を仕掛けたセッターの尾木

 様々な攻撃を仕掛けたセッターの尾木

第4セット。第3セット途中で交代した五味渕竜也(環1)が第4セットもそのままコートに入る。このセット、マルキのサービスエースなどで3連続ポイントを奪うと先に国際武道大がタイムアウトを要求。流れを徐々につかみ始めたところで、終盤再び富澤がコートに戻る。さらにピンチブロッカーとして池田も投入され、直後ネット際のボールをうまく相手コートに押し込むファインプレーを見せる。これで完全に流れを引き寄せた慶大。富澤のクロスへのスパイクから始まり、20-22と大事な場面で怒涛の4連続ポイント。このまま逃げ切り25-23とこの大事なセットをものにする。

 

迎えた最終セット。第3、4セットと取り切った慶大の勢いは止まらない。マルキ、富澤の1年生コンビで4連続ポイントを奪い主導権を握ると、後半は黒田のスパイクや尾木、佐藤のブロックが2本立て続けに決まるなど5連続ポイントで11-4と相手を完全に寄せ付けない。会場のボルテージが最高潮になるなか、「最後またちゃんと戻して仕事しっかりしてくれていたので、大したものだ」と宗雲監督が語るように富澤が序盤のミスを修正し調子を取り戻すと、最後はマルキが高さのあるスパイクで15-7と、このセットをものにし、見事な逆転劇でこの試合勝利をおさめた。

 

「選手たちよく頑張りました。」と宗雲監督も絶賛するほどの劇的な勝利。前日の亜細亜大との熱戦も最後の第3セットで逆転しストレートで勝ち切った。この結果が、選手たちのなかで大きな自信になったことは間違いないだろう。リーグ戦も残り3試合。現在2位と入れ替え戦進出の可能性を十分に残した位置にいる。最後の3試合が駒澤大、法政大、青学大戦と強敵だが、ここまで自信をつけてきた慶大なら必ず勝ち抜くことができるだろう。勢いそのまま慶大らしいバレーを見せてくれることに期待したい。

 

                      (記事・太田彩恵、写真・後藤理央)

 

 

 

宗雲健司監督

 

(今日の試合を振り返って)負けなくて良かったですね。選手たちよく頑張りました。

(交代が多く総力戦になったが)そうですね。ブロックがちょっとミスマッチしていたので少し考えなきゃいけなかったんですけど、途中から増田のところに上野を戻してそれで少し良くなったのと、ブロックのマークを少し変えたのでそれでワンタッチとれるようになって良かったですね。まあ代わりに出てくれた五味渕とか期待以上にしっかり動いてくれたので良かったです。

(五味渕選手は富澤選手との交代だったが)富澤決まってなかったんでね。ライン踏んだりアウトで、確かに向こうのブロックも大きかったので少し力が入っていた部分もあると思うんですけど、でも最後またちゃんと戻して仕事しっかりしてくれていたので、大したもんです。

(序盤は相手のクイックに苦しめられたが)そうですね。跳ぶタイミングと立ち位置が間違っていたので、2セット目の途中からかな、少し修正したらたぶんほとんどCクイックも打たれていないし、ワンタッチとれるようになって良かったです。

(黒田選手は今日も大活躍で好調ですね)黒田にはサーブレシーブをすごく今求めていて守備の軸になってほしいと言っているので、たくさんやらなきゃいけないことがあるんですよ。マルキもですけど。黒田の場合はサーブレシーブを重点的にやってもらう役割があるので、序盤のスパイクミスは痛かったんですけど、最後は良かったですね。本当に安心して見ていられましたね。

(最後勝ち切ることができたが勝因は)選手が頑張ったんでしょう。得点差もあったのでわりと楽にできました。

(あと3戦、駒澤、法政、青学と残っているが)これから本当の最後の山なんだけど、今日勝ったことでまた2週間モチベーション高く維持して練習ができるので本当によく勝ってくれました。頑張りました。

(青学は今季非常に調子がいいが)そうですね。見ていても強い。ミスしないしそう簡単には勝たせてくれないと思うんですけどまあ可能性がある限り、攻めさせたいと思います。

 

 

上野素希主将(文4)

 

(今日の試合を振り返って)ここで負けるとチームの1部昇格がほぼなくなってしまうので勝ててよかったです。いつもの慶應のパターンなのですが、第1セットがダメで、第2セットも挽回できず、選手だけではなくベンチもスタッフもチーム全体がバラバラになって、何をしたらいいかわからなくなるということが今日もあってしまったのでこれが強い相手と戦う時に出てしまうと、疲れて負けてしまうのでその部分を修正できればと思います。

(1.2セット目悪かった要因は)相手のスパイクに対してブロックがうまく対応できなかったからとレシーブのカバーもできなかったからです。

(流れを変えた部分は)第2セットからの戦術の変更です。第3セット以降徐々にその効果がありました。

(昨日に続いての鮮やかな逆転劇でした。逆転の慶應と呼んでよさそうですね)春は負けている時はだいたい僕が声を出して引っ張っていくという感じだったのですが、今日気付いたことがありました。3セット目や4セット目に僕ではなくてコートに出る下級生やベンチにいるメンバーみんなが声を出していて、すごい成長だと思いました。そういう積み重ねが逆転につながっているのかなと思います。

(強敵・駒大、法大との対戦が待っていますが)両チームとも強いですが、穴も大きいチームなので一丸となって戦えば勝てる相手なのでしっかり2戦とも勝って入れ替え戦に王手をかけたいと思います。

 

マルキナシム(総1)

 

(今日の試合を振り返って)勝ったのはよかったのですが、自分はいいところなしだったので1週間空いて、決戦があるのでそこに向けて練習して臨むことができたらと思います。

(試合後半調子を上げたように見えましたが)最後の5セット目はよかったかなと思います。結構まだ好不調の波があるので安定感出せていけたらと思います。

(今日はサーブが良かったですが)昨日はサーブがダメだったのでサーブ頑張ろうと思ってやったのですが、他がダメでしたね。

(要所では光るプレーが見られました)嬉しいです。ありがとうございます。

(決戦に向けての意気込み)夏の練習成果を全部出し切れば負ける相手ではないのでしっかり練習頑張ります。

 

 

 

サイド

マルキ ナシム(総1・川越東高)

セッター

尾木 将(政3・修道高)

センター

増田 拓人(環3・習志野高)

オポジット

富澤 太凱(経1・慶應高)

サイド

黒田 彪斗(環3・富山第一高)

センター

上野 素希(文4・甲陽学院高)

リベロ

長澤 翔吾(環3・盛岡第一高)

途中出場

佐藤    康平(環3・桐蔭学園高)

 

五味渕 竜也(環1・習志野高)

 

池田    裕哉(環4・北嵯峨高)

 

岩本 龍之介(商2・仙台第二高)

 

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