【バレーボール】ついに前回王者に挑むも、力及ばず・・・全国ベスト32で終える 全日本インカレ2回戦vs中大

この1年チームのためだけを考えた上野主将

この1年チームのために尽くした上野主将

前日の1回戦に勝利し、ついに石川祐希(政3)率いる前回王者の中大に挑んだ慶大。今年1年の集大成としてこの試合にかけてきただけあり、第1セット相手に圧倒されるも第2セットは攻めのプレーで中大を追い詰める場面も見せた。しかし、さすがは前回王者。本領を発揮しこれ以上付け入る隙を与えられず確実に第2セットを取られると、そのまま第3セットも押し切られストレート負け。2回戦で姿を消し、全国ベスト32という結果となった。

 

 

11月30日(水)第69回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会トーナメント戦2回戦 慶大×中大@稲永スポーツセンター

 

得点

慶大

セット

中大

15

25

23

25

16

25

 

前日の山形大戦では池田がセッターとしてスタメンで起用されたが、今回はケガから復帰した尾木将(政3)がスタメンでの起用となった。

 

石川に懸命なブロックを見せる富澤

石川に対し懸命なブロックを見せる富澤

中大のエース石川の登場に会場が沸くなか迎えた第1セット。序盤は相手のクイックには対応しきれないものの、富澤太凱(経1)のスパイクが決まり、まずまずの入りを見せる。しかし、上野素希(文4)のサーブミスや、富澤のスパイクミスなどから流れが完全に中大に。相手の強烈なサーブでレシーブが甘くなったところをつかれ、スパイクのミスを次々と誘われる。さらに中大は石川、大竹(商3)のフェイントやダイレクトスパイクなどで得点を重ね、2回のタイムアウトを挟むも気付けば9連続失点。6-16と大きく点差を広げられる。その後尾木のブロックや、上野のダイレクトスパイクなどで流れを引き寄せようとするも、相手の勢いは止められず4連続ポイントを許す。最後は大竹のスパイクで15-25とされ、このセットを落としてしまう。

 

第2セット。相手の強烈なサーブにより攻撃が苦しくなるなかで黒田が冷静にストレートやクロスにスパイクを打ち分けるなどし得点を奪うと、相手のミスにも助けられ、9-11となんとか引き離されず食らいつく。その後ミスなどにより、流れを渡してしまうかと思われたが、富澤や上野、ピンチブロッカー五味渕竜也(環1)のブロックポイントなどで連続得点を奪い19-21と中大に迫る。勢いの出てきた慶大は相手のスパイクミスで22-22の同点に追いつく。しかし、ここから中大はエースの石川にボールを集め始めると、その石川に最後の3点を決められ23-25に。惜しくもこのセットも落としてしまう。

 

エースとしてチームの流れを変えた黒田

エースとしてチームの流れを変えた黒田

第3セット。お互いにミスが目立ち始める。エースの石川には3枚ブロックでなんとか止めようとするもなかなか止め切れないなか、慶大のエース黒田がフェイントをブロックするなど良いプレーも見せる。ピンチサーバーとして布川智規(商4)を投入するなど攻撃の糸口を見つけ出そうとするも、ミスもあり試合が進むにつれ点差は確実に広げられていく。終盤は再び石川の強烈なスパイク、サービスエースにつかまり、16-25とこのセットを落とし、慶大はトーナメント戦2回戦敗退となった。

 

前回王者の中央大に果敢に挑み、要所要所で良いプレーも見せた慶大。この1年、リーグ戦での1部昇格という夢は叶わなかったが、最後まで上野主将のもと目標としていた「全員バレー」を貫いてきた。「今日負けて最後の最後に悔しい気持ちになって」、「今年は1年良い結果を残せなかったのですごい後輩たちには申し訳ない」という上野主将はじめ、4年生の思いを来季以降必ず後輩たちが受け継いでくれるだろう。来季はどんな慶大バレー部が見られるか楽しみだ。

 

                 (記事・太田彩恵、写真・岩井邦夫)

 

 

宗雲監督

 

(今日の試合を振り返って)選手にも話したんですけど、大横綱相手に戦ってくれましたけれども、1つ1つのプレーはさすがに中央さんのほうがはるかに上だったんですけどその中でも少しこうキラッと光るものを見せてくれたので、それは上野主将がずっと引っ張ってきたものがそこに出たんじゃないかなというふうに思います。

(2セット目は非常に良い攻撃だったが、何か1セット目から変えた点は)ブロックの位置とか守備の守り方が慣れてきたので学生が自分たちで判断して臨機応変に、今まではブロックの位置を決めるとそのルール通りにやろうとしていたのを今日は少し臨機応変に変わっていったのでそれで多少相手が戸惑ったんじゃないかなと思います。

(今日の戦略は)4年生の池野谷が戦略を立てているんですけど、基本的にはライトの大竹選手に対するディフェンスの仕方とか、たぶん石川選手は止まらないだろうということで、そんなに大きな戦略は立ててないんですけど、それでも要所のところは思いっきり打たれましたけれども、結構難攻もしっかり拾っていたので、まあ彼らが立てた戦略にはかなりはまったんじゃないかなと思いますね。

(2セット目はサーブも良かったですね)まあフローターも良かったし、裏を返せばコンスタントにあれくらいできなきゃいけないんだけれど、ちょっとリスキーなサーブを自分たちのサーブと過信してやってきたのでそこは反省点ですね。

(今年1年間を振り返って)やはり目標は選手はリーグ戦の1部ということだったんですけど私はそんなに甘くないと思っているので、まずは入れ替え戦出場だよということを言ってきてたんですけど、それが結局達成できなかったので、まあ去年と今年残念なシーズンでしたね。

(最後に4年生に伝えたことは)今年4年生が十分なチャンスも与えられなくて彼らも決して満足して引退するわけじゃないと思うんですね。だからそれに関しては、申し訳ないということと去年、今年と4年生がなかなか活躍できない状況で結果も残せないので、いろんなことを私が考えさせられて、特に今年は勉強になった1年だったのでそのお礼を言いました。

 

 

上野主将

 

(今日の試合を振り返って)秋リーグ終わってから中央大学と当たるということで、ずっと中大対策の練習をしてきて、中大に勝つためにずっとやってきたので、もう少し健闘したかったんですけど、結果あんまり良い結果で終われなくて残念です。

(それでも2セット目は良い試合を見せていたが)そうですね。2セット目は今までやってきたサーブで崩してブロックではめるということがすごくはまったのでうまくいってその点は良かったと思います。

(中央対策というのは)中央大学は攻撃がすごく強いので、入れていくだけのゆるいサーブでは良いレシーブが返って切り替えされてしまうので、多少ミスしてもいいから強いサーブを入れていこう、それで乱れた状態からしっかり相手にブロックを2枚3枚ついてコースを絞ろうという作戦でやっていました。

(今日で引退だが今の気持ちは)大学もそうですし中学から10年間やってきたんですけど、大学3年までの9年間は自分のためだけにバレーをやっていて、自分が努力すれば勝って結果はついてくるとうまくいっていたんですけど、最後の1年チームのために、他の人のためにということを考えるようになって、結局今まで自分ひとりのためにしかやってこなかった分、チームのこと考えるとうまくいかないことが多くて、結局今年は1年良い結果を残せなかったのですごい後輩たちには申し訳ないと思います。ただ最後の1年はうまくいかなかったですけど、バレーボールのプレーヤーとしてやってきた10年間に悔いはないです。

(最後のミーティングの後には涙も見られたが)この1年うまくいかないことも多くて途中で1回気持ちが切れてしまったこともあって自分が本当に勝ちたいとかうまくなりたいという気持ちが1回なくなってしまった時期があったんですよ。今日負けて最後の最後に悔しい気持ちになって自分の弱さというかこれまでの負けた試合とか思って本当に悔しい気持ちになりました。

 

 

 

サイド

マルキ ナシム(総1・川越東高)

センター

佐藤 康平(環3・桐蔭学園高)

セッター

尾木 将(政3・修道高)

サイド

黒田 彪斗(環3・富山第一高)

センター

上野 素希(文4・甲陽学院高)

オポジット

富澤 太凱(経1・慶應高)

リベロ

松岡 海(文3・慶應高)

 

長澤 翔吾(環3・盛岡第一高)

途中出場

池田 裕哉(環4・北嵯峨高)

 

布川 智規(商4・桐朋高)

 

岩本龍之介(商2・仙台第二高)

 

五味渕 竜也(環1・習志野高)

 

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