【ラグビー】竹本組 初陣勝利も課題は山積み

 春の日差しが照りつける中、三ツ沢球技場でリーグ戦強豪、関東学院大学との試合が行われた。竹本組の初陣となったこの試合、24-5と幸先良く勝利したものの、最初の試合ということもあってか内容は両チームともミスが目立つ課題の残るものだった。

 

4月25日 オープン戦 対関東学院大 @三ツ沢公園球技場

 

得点
慶大   関東学院大
前半 後半   前半 後半
PG
DG
17
24 合計
 【得点】慶大のみ
T
=金本2、柴田、立石
G
=和田2 
慶大選手
ポジション 名前(学部学年) 交代選手
1.PR 半田 恭平(経4)  
2.HO 金子 大介(総4)  
3.PR 高橋 浩平(経3)  
4.LO 伊藤 悠(商3) →18.熊倉 悠太(政3)
5.LO 村田 毅(環4)  
6.FL 柴田 翼(環4)  
7.FL 高橋 立寛(環4)  
8.NO8 立石 真也(総4)
 →19.宮内 涼佑(総3)
9.SH 古岡 承勲(経4) →20.小斉平 聖人(商4)
10.SO 竹本 竜太郎(環4)  
11.WTB 三木 貴史(経4)  
12.CTB 仲宗根 健太(環3)  
13.CTB 岩淵 功太郎(法3)  
14.WTB 金本 智弘(理4)  
15.FB 和田 拓(政4)  
 

前半、「あえて最初に風下を取った」(柴田)慶大であったが、3分相手のキックをWTB三木(経4)がカットしてSH古岡(経4)、SH竹本(環4)とつなぎ最後はWTB金本(総4)がトライを決め、慶大が先制。しかしその後、風下の慶大はキックに距離が出ず劣勢を強いられる。そんな中、14分ラインアウトからパスをつながれトライを決められ同点にされてしまう。

その後、風上によりキックで優位に立つ関東学院大に対し慶大はパスの乱れに加え、タックルでもところどころミスが出てしまい攻め手を欠く展開が続く。しかし29分、ラインアウトでLO村田(環4)が落としたボールをFL柴田(環4)が受けそのまま抜け出しトライ。そしてその後のコンバージョンもFB和田(政4)がしっかり決め、流れを引き寄せる。この流れに乗りたい慶大は前半終了間際にもラックからNO8立石(総4)がトライ。立ち上がりは自陣での戦いを強いられた慶大であったが、徐々にリズムをつかみ、17-5とリードを奪って前半を折り返した。

 

後半スクラムが安定し始めた慶大は、さらに強くなった風も味方につけキックで陣地をかせぎ、試合を優位に進める。すると11分、竹本がラインを突破し、パスを受けたWTB金本がトライを決め関東学院大を突き放す。このまま慶大ペースで試合が進むかと思われたが、「Fwdにちょっと疲れが見えてきた」(柴田)慶大はミスが目立ち試合を完全に支配しきることができない。しかし一方の関東学院大も慶大の「低いタックル」(林監督)のプレッシャーもあったのか、パスの精度、アタックのスピード共に低く、ミスや反則が目立ちチャンスをものにできない。

互いに攻撃面でミスの多い締まらない印象を受ける内容ではあったが、その中でも慶大は「今まで体力をつけてきたのでその成果」(三木)が見られ、タックルにおいては試合後半になっても集中を切らさず関東学院大に対して決定的なプレーをさせることはほとんどなかった。そんな膠着状態が続く中時計の針は進み、結局慶大の1トライのみで後半終了。24-5でノーサイドを迎えた

 

強豪相手にきっちり勝利し、1トライに抑えたという収穫があった一方で、「ミスが多くて自分たちのペースでできなかった」(和田)という課題も残った慶大。だが内容はどうあれ、まず竹本組としての初戦に勝利することができたというのは気持ちの面でも大きいだろう。次戦、昨季の大学選手権で涙を飲まされた東海大。悲願の大学選手権優勝へ、絶対に避けては通れない相手だ。「体が小さくても勝てるということを証明」(竹本主将)し、昨季のリベンジを果たしてほしい。

                                                                                                                                                    BY Daiki  Yamamoto

以下選手コメント

林監督

今日の試合は春なので勝ち負けよりも内容だと思っていて、一番大事なのは熱の部分で負けないということで、それは勝ったかどうかはわからないけれど負けてはいなかったと思う。勝ちたいと思う気持ちですね。スキルのところでは、今日のフォーカスは低いタックルと、持ち込んだボールのコントロールと、フェイズでセットするということだったんですが、タックルはなかなかよかったと思いますが、最後走られてしまったり甘いところがあったとは思います。ボールキャリアーがボール持ち込むのはまだまだかなと。ラインでしっかり形をもったりするというのもまだ十分ではないですね。新たな課題としてはスクラムがあれだけ大きい相手に対して、あちらも色々やってきましたがこちらももっと詰めていかなければと思いますし、ラインアウトもいつもより勝負どころで取れなかったりしましたね。一番課題はキックオフのディフェンスが大変良くなかったので、去年からですがそこも詰めていかないとという感じですね。(春の初試合でしたが)竹本のキャプテンとしての初試合で勝ててよかったと思います。去年からメンバーが沢山残っているので理想を高く持って、初勝利を素直に喜ぶとともに、内容でよくないところをこれから改善していかなければいけないですね。

竹本主将

(今日の試合を振り返って)攻撃の回数がすごく少なかったりして、課題がすごいありますけど・・・・課題しかないですね。(チームの状態は)全員できてないというのはわかってますし、4年生が引っ張っていけているのでチームの状態としては悪くないと思います。(今日の試合で一番フォーカスしていたのは)タックルです。良い押し返すようなタックルもあったりしたのですが、最後走られたりしてしまったので、そこは譲れないものとして、しっかりやっていきたいです。(自身のSOは)ひどかったですね。自分が辛口に見てもはたから見ても出来てないと思うので、しっかり合わせるところは合わせて、自分が問題ならしっかり精度を上げる練習していかなければいけないですね。(課題は)ラックができたときに絡まれてすぐボールが出なかったりしたので、ブレイクダウンで一対一の勝負で相手に勝てるようにしないといけない。(主将として初試合初勝利でしたが)うれしいですがもうやるしかないので、日吉に帰って積み上げていくしかないですね。(東海大戦について)負けた相手ですし、今の大学で一番レベルに体が大きいチームなので、体が小さくても勝てるということを証明したいと思います。

金子

(試合を振り返って)スクラムとセットプレーがラインアウト含めて良くなかった部分が多くて、特にスクラムにおいてはオーバーという屈辱的なことをBKsにさせなきゃいけなかったところを含めると良くなかったと思います。(良くなかった要因は)自分たちのリズムでスクラムを組めなかったのと、ラインアウトは僕自身のスローだと思っているので日吉に帰って練習しようと思っています。(学生チーム初戦でしたがチームの状態は)今日見たら悪いと思われるかもしれないんですけど、3番の浩平とか1番の半田とかを見れば僕自身まだまだ成長する部分が多くてもっと春の後半には良いチームになるだろうなと思います。(試合でフォーカスした点は)マイボールを100%出すということなんですけど、ちょっと不安定な部分が多かったですね。(春の目標は)チームとしては関東学院みたいな大きな相手に負けないスクラムを組むことで、僕個人としてはセットプレーだけでなくフィールドでもっと活躍することです。

柴田

(試合を振り返って)でかい相手にいかに慶大がディフェンスできるかを考えていたが、いいタックルも何本かあったが相手が強いのでうまく出来ない部分もあった。(フル出場だったが体力的には)今年からKFCという新しい練習も取り入れているのですけど、その効果もあって80分動き続けることは出来るようになっている。(立ち上がりほとんど自陣での戦いを強いられたが)うまく前を見て陣地をコントロール出来なかったことが原因だと思う。(風が強かったが影響は)今日はあえて最初に風下を取ったので、そこから後半は逆に風上で攻めようということになったのでその点は問題なかった。(前半29分にトライを決めたがあのシーンは)ちょうど自分の目の前が空いていたので、自分のトライというよりはFWd全員で取ったトライだと思う。(一方、後半は両チームともミスや反則が目立ったが)後半FWdにちょっと疲れが見えてきたのもあってディフェンスばかりだったがそのディフェンスで相手にトライを取られなかったことは収穫です。(タックルについては)この前の試合ではあまりよくなかったので、よくなったかなとは思うが、外されることも多かったのでこれからもっと精度を高めていきたい。(次戦に向けて)まだ出られるかどうかわからないが、出られたら自分の仕事をしっかりしてチームの勝利に貢献したい。

三木

結果的には勝てたんですけど、やはりフィジカルの部分が相手の方が勝っていた。うちとしては速いテンポで試合を進めようと思ったんですけど、一回ごとにフィジカルの部分で止まってしまって思うようにゲームをすすめられなかった、というのが率直な感想です。(前半と後半でそれぞれ試合展開が違いましたが)1つが風向き、もう1つが今まで体力をつけてきたのでその成果が(後半に)出て若干慶應に有利に働いたのかな、と思います。(個人的な課題は)慶應の唯一の失点が自分のタックルミスから生まれたものなので、そのへんですね。(慶大初の試合でしたが)去年の残っているメンバーが多く残っているので、1から作り直すというよりは去年の続きという感じでやりやすかったです。

金本

トライは取れたが自分の力で決めたわけではなく、最後に自分がトライラインを越えただけ。結果よりも課題の方が多く見つかった試合だった(課題とは)僕自身の課題はディフェンスだと思っているので、その面でもやらなければならない点が見つかりました(フォーカスしていた点)僕自身、チームともに低いタックルとボールキャリアにフォーカスしていた。チームとしては出来ていたとは思うが、僕自身はまだまだだったのでこれから修正していこうと思う(今後の目標)僕は一本目を狙っていかなければならない立場。一つ一つの試合にしっかり取り組んで上のチームで戦っていくことを目指します

和田

前半風下であれだけ点数が取れたんで後半もっといきたかったんですけど、ミスが多くて自分たちのペースでできなかったかな、と思います。でもポジティブに考えると良い面も悪い面も出たかな、と思うのでそう収穫のない試合ではなかったです。(自身のエリアマネージメントは)チームとして、というかバックスとしてもっとしっかり取っていかなければいけない部分はある。精度とかタイミングとか色々な要素があるんですけど、もっとチームで浸透させていきたいです。(今日は自身がゲインをしたりと積極的に攻撃していたが)ボールを持ったら前に出ようというのをいつも思っているので。今年はフルバックでのスタートなんですけど、そこでも少しずつアピールしていければいいと思います。(慶大初の試合でしたが連携などは)やりたいこととかそういうイメージは共有できているんですけど、あとは細かいところですね。一つ一つの動きがイマイチというか、そこを突き詰めていけば。

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