金田翼(政4・慶應)新主将が新チームを提げて迎えた春季リーグ初戦。対するは昨年春秋のリーグ戦では慶大が勝利した駿河台大だ。第1Qから慶大は果敢に敵陣へ攻め上がり、好調であるように見えた。しかし幾度となく獲得したPCでチャンスを作るも得点に繋げることができず、結果は無得点引き分けに終わった。「課題が明確になったゲーム」(金田)——法大、山学大など強豪校との試合を控える慶大としては苦しい滑りだしとなった。
平成30年関東学生ホッケー春季リーグ Bプール vs駿河台大
4月14日(土) 13:00試合開始 @慶大日吉ホッケー場
| 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
駿河台大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
スタメン
GK 小川修平(政4・慶應)
DF 河本倫太郎(法4・慶應)、竹内佑太(政3・慶應)、望月慎之介(経2・慶應)、片岡賢治朗(経2・慶應)
MF 金田翼(政4・慶應)、吉川大地(政3・慶應)、中山正楎(経1・慶應)
FW 大久保遼(政4・慶應)、大橋俊介(政4・慶應)、永野裕太(政4・慶應)
春のさわやかな快晴の下行われた、2018年シーズン初戦。4年ぶりの王座決定戦出場を決め、上位校にも食らいつく戦いぶりを見せた17チームの思いを引き継ぎ、「勝利以上の勝利」を実現したい1戦であった。
第1Qから慶大は攻めの姿勢を見せた。6分で早速PCを獲得し、FW永野裕太(政4・慶應)がシュートを決めたと思われたが惜しくも審判の判定で仕切り直し。しかしストップミスでシュートまでに至らなかった。MF金田が積極的にカウンターで駆け上がり、敵陣でのプレーが目立った慶大が終始流れをつかむ。しかし初戦の硬さからか両者得点を挙げられず、0−0で第2Qへ続いた。
勢いそのままに迎えた第2Q。開始早々、相手が自陣に迫り、失点の危機を迎えた慶大であったが、DF片岡賢治朗(経2・慶應)が華麗なスティック回しでボールを奪い敵陣へパス、難を逃れた。続く5分、相手がカウンターで攻め上げシュートを放つが、枠外へとはみ出した。緊張感が走った場面だ。8分、14分とPCを獲得したものの決めることができなかった慶大。この第2Qも再び無得点ドローで前半を折り返す。
なんとか得点をあげたい第3Q。DF望月慎之介(経2・慶應)が積極的に自陣サークルからボールを遠ざけ、MF金田は依然としてシュートチャンスを狙う。5分、7分にPCを奪いついにシュートを放つも、相手GKによりセーブされてしまった。パス回しで慶大ボールを保つも試合は足踏みし、大きな動きのないまま勝負の行方は最終Qへ持ち越された。
迎えた最終第4Q。慶大は早々に相手に詰め寄られシュートを許し、GK小川修平(政4・慶應)がなんとか食い止めるという局面からこのQはスタートした。さらに2分にPCを手にしたと思いきや決まらず。再び相手に攻撃のターンが巡りシュートが枠外へ飛び出すなど危ない展開が続いた。後半は互いにシュートの外し合いが繰り返される。吉川大地(政3・慶應)や新入生の中山正楎(経1・慶應)が積極的に攻撃を仕掛けるも0点を抜け出せず、結果は0−0で引き分け。リーグ優勝に向けた好スタートを切ることはできなかった。
山﨑HCの「点が取れなかったことに尽きると思いますよ」という言葉が今回の試合の総括だ。多くのPCを獲得したにも関わらず、それを得点につなげることができなかった。「勝ちきりたかった試合だったので反省は残ります」(吉川)と選手たちは悔しさをあらわにしつつ、それぞれ課題を見つけることができただろう。次戦の相手校は昨年の春リーグ、インカレを制した強敵山学大。新チーム独特の緊張感を拭うことができなかった今日の試合の反省を胸に、次戦こそ慶大らしいホッケーで初勝利を収めたい。
(記事:津田侑奈/写真:新池航平、髙橋春乃)
次戦 4月21日(土) VS山学大
13:00 試合開始 @駒沢オリンピック公園第一球技場
◎関東学生ホッケー春季リーグ Bプール 星取表・日程表(4月14日時点)
| 慶大 | 法大 | 山学大 | 駿河台大 | 勝ち点 | 得失点差 |
慶大 | × | 4/29 | 4/21 | △0−0 | 1 | 0 |
法大 | 4/29 | × | ●1−2 | 4/21 | 0 | −1 |
山学大 | 4/21 | ◯2−1 | × | 4/28 | 3 | 1 |
駿河台大 | △0−0 | 4/21 | 4/28 | × | 1 | 0 |
以下、コメント
山﨑智雄ヘッドコーチ
——今日の試合を振り返って
点が取れなかったところに尽きると思いますよ。選手たちはよく我々がやっていた意図的な攻撃の形ができていたと思うんですけど、PCを何度も取って0点というのは想像できなかったですね。
——今日の守備の手応えは
よくマークがついていてフリーにする選手がそんなにいなかったので、一人一人しっかり集中力を持ってマークできていたと思います。
——反対に、攻撃の手応えは
意図的にこういう攻撃をしようとみんなで考えることはできていたと思います。ただやっぱり点が入っていないのがすべてですね。
——後半から危ない場面が多かったですが
極端に駿河台大が左側をあけて右側を固めるディフェンスをしていました。それについては逆を言うと左側が空くので、左側を積極的に攻めるようにという話をしましたね。そこを取ったらあとはカウンターでどんどん攻めてこられたので。カウンターについては完全に攻撃の段階から予測しなさい、と指示は出しました。そうすれば結果的にやられることはなかったんじゃないかなと思います。
——来週の山学戦に向けて
別に何か今までやってきたことを変えることはなくて、今までのような慶應のホッケーができれば、ちゃんと通用すると思います。あとは一人一人の集中力と精度を上げないと。特にPCは点取らなきゃダメですね。
金田翼主将(政4・慶應)
——今日の試合を振り返って
課題が明確になったゲームかなと思います。
——主将としての初公式戦でしたが、去年まで部員として出ていた試合との違いはありましたか
どちらかというと、試合中より試合外の方が違うなと感じましたね。試合前のモチベーションアップだったり、試合後のモチベーションキープだったり。主将になってから試合に対する捉え方が変わったなと思いました。試合自体は一人のプレーヤーとして出る以上そこまで違いはありませんでした。監督やコーチなど、幹部陣が順番に話す時間があるので、どうやってみんなのモチベーションを上げていくか、また試合が終わった後に次の試合にどうやってモチベーションを続けていくかなどは個人と主将で変わったところかなと思いました。
——カウンターで攻める場面が目立ちましたが、手応えは
自分のプレースタイルが割とカウンター気味というのもあって、自分の強みかなと思ったのですが、点が入らないというのは別で捉えなければいけないのかなと思いました。
——PCで決めきれない場面が多かったのですが、これまでのPC練習はどのような取り組みをしていましたか
PCには今年も時間をかけてやっていたのですが、初めての公式戦ということで緊張はしていました。普段と違う部分が出てしまったと感じました。
——今後どうPC練習に取り組んでいきたいですか
今日公式戦でやってみて、どこで合わなかったとかミスをしたというのが出たと思うので、今後も意識して練習していきたいなと思います。
——来週の山学戦に向けて
何よりも結果が大事だと思うので、もちろん内容も大事なんですけど、とりあえず勝ちを目指してチーム一丸となりたいなと思います。
吉川大地(政3・慶應)
ーー今日の試合を振り返って
チーム全体としては、勝ちきりたかった試合だったので反省は残ります。ただ、全てが悪かったわけではなくて例えばチームとしてやろうとしていた事をできている部分もあったので、そこは成長したところではあると思いますし、これからも来週再来週と試合が続いていくので、崩さずにやって行きたいなと思います。
ーーシュートをなかなか決め切れなかった場面が多かった
試合なので力も入るのですが、今日の試合では少しみんな力を入れすぎてゴールに詰めすぎていたので、そこはワンフェイントとか相手の裏をかくようなプレーができると点数が入っていくと思うので、そういうところを次の試合からやっていければと思います。
ーー最終クオーターは攻められる場面が続きましたが
まず、相手の陣形が変わったというのがありました。分かっていた事ではありますが、前半の間は相手がハーフプレス、半分より前には攻めて来なかったのですが、最後のクオーターになると相手も攻めたくなる、そうして相手がラインを上げてきたところにこっちが合わせてしまった、そこで打開しきれなかったところがありました。そのほかにも、体力面とかこちらの焦りもありました。全員が今日勝てると思っていて最後の10分5分となった時に点数が入っていないと焦ってしまうので、そこは直さないといけないところだなと思います。
ーーやはり焦りの部分が大きかった
そうですね。もう少し点数を入れられる自信があったりとか、余裕を持って試合を運んで行かなくてはいけないところを、それが出来ていないという原因は自分たちにあると思うので、そこは修正しないといけないところだと思います。
ーー普段のPC練習での取り組みは
PCの練習は毎日やっています。PCは一番点の入りやすいセットプレーなので、そこは集中して取り組んでいるところではありますが、今日はそれが上手くいかなかったことが点数の入らなかった、上手く試合を運んでいけなかった原因だと思うので、もう少し詰めていかなくてはいけないなと思います。
ーー来週の山学戦に向けて
もちろん今までやってきたことを集中して取り組み続けること、相手が今日よりも強くて焦ったり力が入ったりというのもあると思うのですが、その中で自分たちのやるべきことをやりきって、点数を1点でも多く取って勝ち点を取りきれるように頑張りたいと思います。