【バレーボール】まさかの大逆転負け 明大に惜敗す 全早慶明定期戦

まさかの敗戦に呆然とする選手たち

 取りこぼした1点は大きかった。伝統の第64回全早慶明定期戦。全早大に3-0のストレートで勝利し27年ぶりの単独優勝を懸けて臨んだ全明大戦は最後の最後に大どんでん返しが待っていた。試合はフルセットの激闘に。慶大は先にマッチポイントを奪うも明大の驚異的な粘りにはねかえされ大逆転負け。勝利が見えてからの敗戦なだけに、ショックの残る試合となってしまった。

5月29日(日) 第64回 全早慶明定期戦 全慶大―全早大 全慶大―全明大  @日吉記念館 

得点
全慶大 セット 全早大
25 23
25 18
25 20
得点
全慶大 セット 全明大
25 21
19 25
25 19
24 26
14 16
 

流れをもたらした野口のサーブ

 震災による春季リーグの中止を受け、選手のモチベーション維持を目的に今回の全早慶明定期戦は例年より開催時期が早められ、各大学とも現役選手中心のメンバー構成で臨むこととなった。早大も明大も先日の六大学交流戦で圧勝している相手なだけに、本定期戦でも同様の展開が期待された。

第1試合となった全早大戦。これまで好調を維持してきた柳田(環1)にややブレーキがみられたものの、六大学交流戦MVPの岡田(商2)がこれをカバーし得点を量産。セットカウント3-0で危なげなく勝利を収める。

 続く明大戦。第1セット慶大は安定したレセプション、ディグから相手に流れを作らせず、前半につくったわずかな点差を守りながら20点台に突入。ここから野口(環1)、柳田のサービスエースでダメ押しし、25-20。このセットを奪い幸先の良いスタートを切る。 しかし第2セット。連戦の疲れからか岡田のスパイクが徐々にブロックに1タッチをかけられるようになり、決めきれない場面が多くなる。同時に明大にディグで粘られスパイカーがこれに我慢しきれない。スパイクミスや、このセットだけで3本のブロックポイントを献上し19-25。セットを取り返される。

岡田はスパイクだけで明大戦31得点

 岡田はここからもう一度まきかえし復調。しかし明大も譲らず第3、4セットをお互いに取り合いセットカウント2-2でファイナルセットへ。慶大はこのセット、ローテーションをひとつ回し岡田がフロントレフトからスタート。エースにチームの命運を懸ける。その起用通りセッターの野口も序盤は岡田にトスを集め、岡田もこれに応える。柳田も前衛に回るとこれに続き、序盤はサイド中心の攻撃でサイドアウトを奪っていく。明大の半歩リードで迎えた7-7。柳田のディグから岡田がこれを切り返し逆転。慶大リードでコートチェンジを迎える。このプレーが流れを引き寄せ続く野口がこの試合2本目のサービスエース。4連続得点で10-7と明大を突き放す。その後ミスから連続失点を許し点差をつめられるも苦しい場面で岡田が2段トスを打ち切り14点目を奪い取りマッチポイント。しかしここから思わぬ展開が待っていた。試合を決めるべく打ち込んだ柳田の渾身のクロススパイクが完璧に拾われるとこれを切り返されデュースに。このプレーが明大に勢いを与えた。その後タイムアウトを挟んで野口は2本続けて山本のクイックを選択するもブロックにかけられサイドアウトを奪えず。明大にブレイクされまさかの4連続失点。14-16となりこのセットを落とし、慶大の敗北が決まった。

 マッチポイントを奪ってからの4連続失点での敗戦に選手もショックを隠しきれなかった。六大学王者として臨んだ定期戦であったが、慶大に王者としてのおごりは決して無かった。エースの岡田も50本以上の打数が有りながらも6割を超える決定率をあげるなど、この日も結果を残した。しかしそれでも敗北を喫した要因はセットを重ねるごとに粘りを増す明大のレシーブに対し、同じく慶大のレシーブがそれを上回れなかったこと。そして勝利を確信し、マッチポイントを奪った後の詰めの甘さを露呈してしまった。この日の敗戦はそれを確認できただけでも良い教訓になったはずだ。この悔しさをバネにして、慶大はまたひとつ成長する。

By Hideki Tsubonuma

全早大戦出場選手

レフト 柳田将洋(環1)
セッター 野口剛志郎(環1)
センター 星谷健太朗(理2)
レフト 岡田拓巳(商2)
ライト 間宮秀太(政3)
センター 山本悠登(環3)
リベロ 前田優介(環3)
途中出場 中出祥平(環3)
小林隆佑(文3)
金親大夢(政3)
益田万太郎(政2)
 全明大戦出場選手
レフト 柳田将洋(環1)
セッター 野口剛志郎(環1)
センター 星谷健太朗(理2)
レフト 岡田拓巳(商2)
ライト 間宮秀太(政3)
センター 山本悠登(環3)
リベロ 前田優介(環3)
途中出場 中出祥平(環3)
小林隆佑(文3)
金親大夢(政3)
前田滉介(環2)

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