【ソッカー男子】第5節 主力を欠き完敗 順大戦

 

けがから復帰の河井

1年間を通してチームに波があるとするならば、今は耐える時期なのかもしれない。梅雨入りが発表された5月末。降り注ぐ雨の中、ソッカー部が試練の時を迎えている。惜しくも破れた大臣杯予選から中1日。順天堂大に0対2の完敗を喫してしまった。

 

 

試合終了後、敗戦に肩を落とす選手たち

第85回関東サッカーリーグ戦【前期】1部リーグ 第5節

2011/5/29(土)11:30 KO@平塚競技場

慶応義塾大学0—2順天堂大学

 

「あれはひどかった」。先制された場面を須田監督はこう振り返る。慶大守備陣の軽いプレーが、相手のエースに最大の見せ場を献上した。前37分、スピードに乗った順大、原田はワンフェイントで相手を抜き去り独走すると、キーパーとの1対1を冷静にゴール右へと流し込んだ。試合を優位に進めていた慶大にとって悔やまれるプレーだった。前半終了間際の45分にも自陣右サイドを崩され失点。前半から2点のリードを許す苦しい試合展開となった。

この日キャプテンマークを巻いた田中奏

この日は出場停止のために笠松主将(総4)、怪我のために黄(環4)を欠く苦しい布陣。苦戦は必至かと思われた。しかし開幕戦以来の先発出場となった風間(商4)のポストプレーを起点に、試合のペースを握った慶大。右サイドで抜け出した風間の折り返しから増田(環1)が放ったファーストシュートを皮切りに、4分には武藤(経1)、21分には風間が決定的なシュートを放つ。いずれも相手キーパーのビッグセーブに防がれたものの、得点の匂いを漂わせた。しかし、この日キレのある動きを見せていた風間が負傷。相手キーパーとの接触によりわずか36分で無念の途中交代となる。不運は続く、2失点を許した慶大は風間に代わりピッチに入った大塚(総4)もわずか9分間のプレーで負傷。FW登録の選手を欠いた状態で後半を迎える事となってしまった。

後半は最前線に日髙(総4)を置く「ゼロトップ」(須田監督)の布陣。大塚に代わって出場した山浦新(総1)が右サイドで起点を作ると、「自分が上がろうと思っていた」と語る藤田(政3)の前線への飛び出しでチャンスを作る。しかし、「相手の危険なゾーンに入りこんでいくことや、枚数を増やしていかないと、ゴールが決まる予感がしない」(河井・政4)との言葉通り、順大ゴールをこじ開けるにはいたらない。自分たちのペースで試合を進めながらも、「決めるところで決めること。最後、体を張って守ること。そういった部分で差がでた」(日髙)結果、順大に完敗。リーグ戦2連勝とはならなかった。

今季CBの一角を任されている松岡

相手を上回る数のシュートを打ちながらも決め切れなかった攻撃陣、相手に隙を見せ脆さを見せた守備陣。メンバーが揃っていなかったとはいえ結果的に完敗である。しかし、慶大の目的はこの試合の勝利ではない。インカレに出場し、全国で優勝するチームを作る為に。この日の戦いは決して無駄にはならないはずだ。「いかに修正出来るかが大切」(須田監督)であるならこの負けを糧にすれば良い。守備の要・笠松が欠場したことでコンビを組んだ松岡(商3)と松下(総2)の両センターバック。完璧な守備だったとは決して言えないが、光るプレーも随所にみられた。この敗戦で得た経験を次に生かしたい。

「課題は多いが勝てるように1週間準備していきたい」(田中副将・環4)。出場停止明けの笠松が戻ってくる次節は中大戦。強敵相手に勝利を収め、連敗を避けられるか。上昇気流に乗るきっかけを掴む試合を期待したい。

By Yutaka Okumura

コメント 

 須田監督

(1点目をあっさり奪われてしまった)あの失点は悔しいですよね。もったいなかった。(危惧していたところだったか)そうだね。あそこは心配していたんだけどね。でも今さら言っても仕方ないから、修正するしかないよね。でも笠松が出られない時は、あの2人(松岡と松下)が出ると決めていたし、練習もしていた。ただ失点シーンはDF、特に1対1の対応が軽すぎたよね。(小柄でスピードがある相手。余計に噛み合わなかったか)そうだね。まぁでも飛び込んじゃったら駄目だよ。足出して飛び込んじゃってるから。あれはひどかった。(風間選手、大塚選手の両FWが怪我で、途中交代でした)本当に痛かったんだけど仕方ないよね。もう選手がいないよ。(日高選手をトップに起用せざるを得なかったが)そうだね、こうなってしまったら。ゼロトップみたいな感じだよね。まぁでもBチームにも選手はいるから、そういったところも含めて(選手起用を)考えなくてはいけない。(後半はボールは持てていても得点には繋がらなかったが)ポジションの問題にもなってくるけど、ある程度サイドで崩しても中がいない展開でしたね。ただ(怪我人がでて)急遽あのような形になってしまったから仕方がないところでもあります。(山浦新選手が良いプレーを続けています)そうだね。前回30分の出場で、今日は半分出た。1年生だし、あまりプレッシャーがかからないようにしながらも、徐々に使っていければ良いです。楽しみな選手ですよ。(場合によっては先発もあるか)もちろん。十分できると思っているよ。(大臣杯予選から続き2連敗となってしまったが、どう流れを断ちきるか)カップ戦はカップ戦で別に考えているけど、まずはゆっくり休むことかな。今日は相手の方がしっかりと体をはれていて、うちが負けていたところだと思う。ただそういったチームからも得点できるようにしていかなくてはいけないよね。次の試合まで1週間あるから、修正点を見つけて練習で改善していかないと。リーグ戦で勝ったり負けたりがあるなか、いかに修正出来るかが大切だと思うよ。(今日の一番の修正点はどこにあるか)まずはポジショニングのところ。これは全体で考えていかないといけない。それと、もちろんDFのところも改善しないと。1対1の対応や間合いのつめかたといった部分は修正しないといけないでしょう。

田中副将

(0‐2という結果について)悔しいですね。自分たちでボールを回しているのに、点を失っているので。特に2失点目なんかは俺のところでもっと良い対応ができたんじゃないかと思います。(ディフェンス陣の出来は)まだラインがばらばらというか、こないだの法政戦もそうだったんですけど、もうちょっとラインを揃えつつ距離感をバランスとってやらないといけませんね。ボール回しの面とかでは後半とかは良かったと思うんですけど、改善しないとやられるシーンは増えてしまうと思います。(裏を狙ってくる相手のオフェンスについては)それは分かっていて、特に相手のCBなんかはつなぐ意志が全くなかったので、セカンドボールなんかはしっかりと対応するように言われたので意識していました。ロングボールとかはそこまで怖くはありませんでしたね。(オフェンスでは無得点に終わったが)最後の質ですね。今日もシュート数だったら俺らの方が多いんですけど、結果的にああなってるので、もっと練習で精度を挙げていかないときついですね。(FWの選手が2度負傷交代したが攻め方は)逆に中盤の選手が増えて、後半はボールをキープできたんだと思います。ワントップからゼロトップの形にしたので。ああやってつなげたのは良かったんですけど最後に枚数が足りない。ゼロトップではよくある話しなんですけど。ああやって形になったときに迫力をもってゴール前に入っていくこと。怪我をして攻め方どうこうよりも、そっちの方が大事ですね。(課題は)失点が多過ぎることですね。僕を含めたディフェンスラインの守備、最後に体を張ったりだとか最後の気持ち部分もディフェンスでは大きいので。気持ちで片づけてはいけないんですけど、ディフェンスラインの課題は多いと思います。(中大戦に向けて)いつか流れを止めなければいけないと思うので、勝てるように1週間準備していきたいと思います。

河井

(今日の試合を振り返って)出られない選手がいた中で、決して負けちゃいけない試合だったんですけど、先取点を取られてちょっと苦しい展開になってしまって。それで結構相手が守りに入ったので、そこからちょっと崩せなかったな、という試合でした。(笠松主将や黄選手の不在など、いつもと状況が違ったことが影響したか)そうですね、その影響を出してはいけない試合だったんですけど、結果的にそう言われても仕方ない試合になってしまったので、切り替えて次に向かってやるしかないと思います。(自身の怪我の調子は)コンディション的にはぎりぎり間に合ったな、という感じでした。今日もそんなに動けなかったわけでもなく。もうちょっと体力的に、後半も運動量を増やさなきゃいけないな、と思うんですよね。それは怪我の影響でもなく。自分の課題かな、と思います。(ボールを支配するも決めきれないシーンが目立ったが)ボール回しはだいぶできるようになったので、そこから相手の危険なゾーンに入りこんでいくことや、選手の枚数を増やしていかないと、ゴールが決まる予感がしないというか。点を取らないことには勝てないので、来週からもっと意識していきたいと思います。(次戦への意気込み)リーグ戦を戦っていく中では連敗はしたくないと思うので、それだけはしないように、勝ち点をしっかり取れるようにしたいです。戦い方とかもしっかりみんなで意識統一してやっていきたいと思います。

日髙

(今日の試合を振り返って)法政戦負けて、 気持ちを切り替えて勝ちにいったなか、前半からいこうって話していて、サッカー的には悪くなかったんですけど、ゴール前のところだったり、決めるところで決めるとか、最後体を張って守るとか、そういうところの差がでた試合だったと思います。(笠松選手、黄選手がいなかったが)長い目でみたら、今日笠松とかがいないなかでやるっていうのはいつか必要だったと思うし、後期だったり来年とかにつながるっていう意味では、今日出ていた(松下)純土だったりが引っ張っていく気持ちをもう少しみせても良かったかなと思います。(後半は終始ゲームを支配していたが)後半は自分と(河井)陽介が前に入ってほぼ自分達の自由を与えてもらって、自分が引いたりとか、陽介もゲームを作ったりしてて、流動的にやれた部分もあった。まあ個々の能力は高いんで、自分達でボールを繋げばゲーム支配できるのはわかっているので、そういう試合展開を後半はできたかなと思います。(後半前線で使われていたが、練習で試していたか)いや、一回流経戦で後半最後にやったくらいで、一つオプションとしてはあるんですけど、基本的にはそんなにやらないです。(大塚)尚毅が怪我でいなくなったので、自分が前に入って陽介と前でやるって感じでした。(開幕5試合を振り返って)1試合1試合、勝った試合でも、例えば専修戦でも4点とった後3点とられたり、今日だったらゴール前のところを気持ち入れて守ったり決めたりっていうのを、まあ1試合1試合学ぶことがあるんで、そういう意味ではこの試合も無駄にならなかった試合だと思う。この後の試合に繋げていければと思います。(次節にむけて意気込みを)連敗だけは本当にできないんで、自分達は総理大臣杯負けてインカレしかないので、リーグ戦の1試合1試合の重みっていうのが大事になってくる。本当に勝ちにいきたいと思います。

中川

前半リードを奪われて、後半はボールを結構保持していたしチャンスも多く作ったんですけど、相手が最後詰めの所でしっかり体を張って守っていたので得点できませんでした。そういう部分は相手を見習いたいですね。(CBは笠松主将が不在でしたが)1失点目なんですけど、うちのバックがとれないボールに飛び込んで相手に簡単に抜かれてキーパーと1対1の場面を作られてしまったので、飛び込みすぎないでステイすべき時はちゃんとステイして、自分の間合いで勝負しろとアドバイスしました。(2失点目については)ああいう風に完璧にサイドを崩されて、ゴール前でフリーでシュートを打たれたらキーパーとして仕方ない部分もあるので、例えボールに触れられなくても少しでも寄せてシュートコースを小さくするっていうのを味方にしてほしいですね。(試合後のミーティングでの反省点は)やはり最後の詰めの部分です。監督、コーチ、スタッフ全員から同じことを言われたんですけど、攻めだったらしっかりシュートを決めるとか、守りだったら1歩でも相手を寄せてブロックするとかそういう1つ1つのプレーに気迫が足りないというのが反省点です。(次戦に向けて)とにかく連敗は避けたいし勝ち点3を手に入れたいです。開幕戦の時のようにモチベーションを高めて練習から盛り上げていきたいですね。僕個人としてはここ最近失点が続いているので無失点に抑えることを目標にします。

藤田

(今日の試合を振り返って)内容は悪くなかっただけに悔しいです。(先制点を取られて苦しくなった)毎年慶應は先制点を取られると追い付けないので、悪い形になってしまったかなと思います。(笠松主将の欠場は大きかったか)やっぱりこのチームの要の選手なので、痛かったです。(その穴を埋めるために意識したことは)自分としてはまずゲームを作ることを意識していました。あと順天はカウンターが速いので、それにしっかりついていくことを意識していました。(終盤は積極的に攻め上がっていたが)FWがいなくなって、慶太君も河井君もFWっていう感じの選手じゃないので、彼らが降りてきたら自分が上がろうかなと思っていました。(今季は攻め上がる機会が昨年ほど多くないように見えるが)そうですね。今までビルドアップをずっと強化してきたので、そこで勝負したいです。河井君も慶太君もバイタルエリアで仕事をする選手なので、自分がというよりも彼らを生かしたいというのはあります。チームとしてボールを回せるようにポジショニングを取れればいいと思っているので、それがたまたまバイタルエリアでないだけだと思ってます。(中大戦に向けて)総理大臣杯に負けて、全国に行けるチャンスがインカレしかなくなってしまったので、連敗だけは避けるように頑張りたいと思います。

松岡

(今日の試合を振り返って)総理大臣杯に負けて、悪い流れを断ち切ろうとしたんだけど、前半2失点という失点の時間帯がすごく良くなかったので、守備陣としては責任を感じている。試合展開としてはそんなに悪くはなかったので勝ちきりたかった。(相手の印象は)DFラインとかはシンプルにクリアしてきて、攻めてるときとかは、DFライン準備してろと言われていた。慶應が結構ボールをつなげていたので相手は守備に徹していた。球際とかは非常に強かった。(失点については)カウンターで左サイドの部分で準備不足だった。2失点目は守備が後手後手になってクロスの対応も後手になってしまったということがあった。それはつめなくてはならない課題だと思う。(怪我でメンバーの変動が多いですが)怪我人が多く出ているということでチームの底力が試される試合だった。そこで勝てなかったのが今のチームの力なのかな。でも今日も怪我人出たし、できる選手でベストを尽くすしかない(笠松主将も欠場でしたが、DF面で影響は)いつも笠松君が声出して引っ張ってくれているので今日はDF全員で声出してやっていこうと思っていたが、結果として2失点してしまったので、力不足だった。もっと一人一人つめていかなくてはいけないと思った。(次節中央大戦に向けて)2勝2敗という一応イーブンなので次ほんとに負けられないと思う。

山浦公

(今日の試合を振り返って)今季は最初からチームのために貢献出来なかったんですけど、今日は個人的にはやっと出られてよかったなという感じです。(ベンチやスタンドから見ていて、どのようなプレーをしようと思っていたか)自分は守備というよりは前で攻撃を組み立てたり、ゴールを決めるプレーを特徴だと思うので、試合に出て早く自分もチームのために力になりたいなという気持ちで見てました。(他のボランチの選手とどう違いを見せるか)息吹も増田もビルドアップはある程度出来ていると思うんですけど、自分が入ったらもっとロングボールやサイドチェンジをより増やしていけたらと思います。(今季は上級生としてのチームを引っ張るという気持ちも強いのでは).今2本目でジュニアリーグもあって、そういう1年生が多い中で来年も見据えてチームを引っ張っていくというか、そういう上級生としての自覚がみんなまだまだ足りないです。自分達3年生は4年生を支えると共に、下級生を引っ張っていけたらと思ってるので、自分もそういった役目をしっかりとこなしていきたいと思います。(中大戦に向けて)公式戦2連敗してしまって、チームもいい雰囲気ではないですけど、この1週間は中大戦だけに集中出来ると思うので、全員でまとまってやっていきたいと思います。

武藤

(試合を振り返って)自分たちの流れで出来ていたのですが、前半に2失点してしまったことが大きく後に響いてしまったのではないかと思います。(後半は良い形でパスが回っていたが)そうですね。後半は自分たちのパス回しが出来ていたんですけど、相手の守りも固くて、結局ゴールを奪う事は出来ませんでした。とても悔しいです。(ご自身のプレーに関しては)チャンスもいくつかあったのですが、そこでしっかりと決め切る事が出来なかったです。そこで自分が決めていれば同点、逆転へと追い上げる事が出来たのではないかと思っています。(一昨日の法政大戦に続き、うまく得点を奪えなかった)相手の方がしっかりと体を張って守っているからではないかと思います。(次の試合の意気込み)次は勝つしかないと思っているので、絶対に勝ちます。

慶大出場選手
GK 中川翔太
DF 赤木努
DF 松岡淳
DF 松下純土
DF 田中奏一
MF 増田湧介 78分→山浦公裕
MF 藤田息吹
MF 河井陽介
MF 日髙慶太
MF 武藤嘉紀
FW 風間荘志 36分→大塚尚毅 45分→山浦新

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