【ソッカー男子】第5節 右肩上がりのドロー!法大戦

集合

日差しが照りつける平塚競技場にて

 風が強く吹いていた。晴天の下で迎えた関東大学サッカーリーグ第5節、法大戦。勝負を分けた一因は、吹き続けた春の風。だが、それだけではない。押し込まれた前半から一転、法大ゴールを何度も脅かした後半。フォーメーションを修正して挑んだ慶大と、同じポジション同士の交代のみで戦いを終えた法大。結果は痛み分けだが、勝負の手ごたえは違うはずだ。これで、連敗は2でストップ。次節以降の慶大の巻き返しに期待がかかる。

 

第84回関東サッカーリーグ戦【前期】1部リーグ 第5節

2010/5/3(月)11:30 KO@平塚競技場

慶應義塾大学1-1法政大学

{得点者}前半5分 深町(法大)、後半23分 森田達見

ファン

今季からプレースキックにも挑戦している黄

 またか。開始早々の失点に、先制点を許し連敗を喫した前2節の記憶がよみがえる。前半5分。法大・高橋のFKがファーに流れたところを岡直樹が頭で触る。ふわりと浮き上がったボールを叩きつけたのは法大の1年生FW、深町健太だった。3トップとトップ下、それにサイドバックの攻め上がりを織り交ぜた法大の攻撃に手が出ない。縦のワンツーから飛び出してくる高橋、深町兄弟、深山。それに好調の岡直樹の突破とクロスが合わさり、慶大ゴールへと襲い掛かる。対する慶大は、30分、山浦(商2)が落としたボールを金房(商4)がアーリークロス気味に放り込み、風間(商3)がとびこむシーンもあったが、シュートまで持ち込めず。前半はシュート0本と、悪夢のような展開が続く。特に、3ボランチのポジショニングが定まらず、大塚(総3)1人が中央に残され、空いた両脇を高橋につかれる場面が目立った。

河井

ドリブルで仕掛ける河井

 前半の劣勢をどう跳ね返すのか。迎えた後半、慶大はフォーメーションを慣れ親しんだ4-5-1に変更。藤田(政2)と松下(総1)を中盤の底に据え、右に深澤(理4)、左に山浦を配置。1トップの風間からプレスを徹底し、サイドの2枚でボールを奪いきる。この変更で、本来の持ち味を発揮し始めたのが藤田(政2)。球を散らし、ドリブルでチャレンジする。それに河井(政3)やサイドバックの攻め上がりが組み合わさると、良いリズムが慶大に流れ出す。待望の同点ゴールは後半23分。うまくドリブルで中盤からサイドへと抜けた笠松(総3)が深澤へ縦のパスを送る。これを受けた深澤が右サイドをえぐり中央へクロス。とびこんだ河井のボレーは法大GKに触られるも、その跳ね返りを狙っていたのが途中出場の森田(商2)。俊足FWらしく、瞬く間にゴールへとこぼれ球を蹴りこみ同点へと追いつく。この後も慶大の攻勢は続き、後半40分には川久保(理2)のシュートがポストを叩くなど、終始法大ゴールを脅かした。しかし、あと一歩決めきることができず、結果は悔しいドロー。

深澤

相手DFを置き去りにする深澤

 終始、風の影響が出た今節。終わってみれば、常に風上のチームが試合を優位に進めていたことになる。しかし、前後半のそれぞれの出来は風だけで決まったわけではない。「全部負け(李監督)」ていた前半から、「次に繋がった(笠松)」後半へ。布陣変更に伴い意識を徹底させた慶大と、分厚くなった中盤に前半と同じ攻撃を繰り返した法大。どちらも修正点が残る引き分けとなった。慶大イレブンいわく、勝負を決め切れなかった原因は「ラストパスとかの精度(笠松)」。手ごたえこそ感じたものの、細かい部分の修正がさらに必要だと口を揃えた。前節、笠松が語った「何のために短いパスを繋いでいるのか」という問い。ゴールのためだ、という意識は今節で取り戻すことができた。残るフィニッシュの部分は、次節で証明してくれるはずだ。

kazama

果敢にボールへアタックする風間

By Yuri Takeo

コメント

李監督

(ふりかえって)風の影響もあったかもしれないけれど、前半はちょっとひどかったですね。後半は立ち上がりからこれではいけないということで、ちょっとポジションを修正したり、フォーメーションも修正したりと、後半に関しては最低限こういう試合をやろうというところに持っていけた。まぁチャンスはもうちょっと作れたと思うので、最後のラストパスとか、まだちょっと甘い。パスの質とか動きのもらい方とかそういうのをもうちょっとトレーニングしていかないといけないかなと。(前半は後手に回ってしまったかなというかんじもありますが)そうですね、後半に関してはこぼれ球もとれたし、サイドに持ち込んで、相手のポジションを限定させてセカンド、サードの選手がボールを取ろうとすることも(できた)。前半はそれができなかった。(FWの)どっちかがサイドに追い込まないといけなかった。(フォーメーションの変更で動きやすくなったようにも見えたが)そうですね。ただ、1・2戦は違ったし、たまたまかな。これからも相手を見てやらなくてはいけないかなとも思うけれど、今年は3ボランチで行こうと思っている。結局はサイドバックが上がれないと3ボランチの意味がない。ボランチがハーフになってしまう。だから、サイドバックがどんどん上がって、そのあいたところを(ボランチが)カバーするようにしないというやり方でね。今日は全然そういうのがなかったから、結局は彼らが上がらないといけなかった。(前半の出来の悪さの原因は)セットプレーからの失点もあったし、まぁ思ったより風が強かったのもあったし。基本的に、前半は全部負け。こぼれ球にしろ、相手のほうが何倍も拾えていたし、動き出しも遅かったし、もらおうとしなかったし、だからそこで何もできなかった。(ハーフタイムの指示は)フォーメーションとか、シュート数とかの話もしたんだけれど、まぁこんなに動かないようでは勝てないと。もっと相手より走って、戦って、とね。(次節に向けて)最低限今日の後半みたいな試合を。みんなで勝ちたいんだという気持ちを示してもらえれば。拓大も力のあるチームなので絶対油断はできない。

三上主将

(振り返って)前半に関しては運動量も少なくて前の試合の悪い流れをそのまま引きずってしまったかなという印象。後半に入ってどんどん前からプレスがかかるようになった。それによって後ろも押し上げられるようになってセカンドボールも拾えるようになって、だんだん自分たちのペースになった。今日の後半のような戦い方を忘れずに次もやりたい。(後半から良くなった要因は)前半に関しては、FWからあまりプレスに行けなくて、それでロングボールも蹴られて裏も使われてっていう形。ロングボールを蹴られると思うと後ろも上げられないので、そういうなかでなかなかコンパクトができずに悪い流れになってしまった。後半に入ってからはそこの意識を統一したのでFWからどんどん行けるようになったところでリズムも良くなった。(後半の選手交替の影響は)松下が頭から入ったが、セカンドボールを拾おうっていう意識があったのでそこは非常によく頑張ってくれたかなと。(4-3-1-2よりも後半から変更した4-5-1の方がやりやすそうに見えたが)確かに後半は少しやりやすいっていうのはあったが、フォーメーションの問題以前に意識の問題だと思う。4-3-1-2でやっているときも上手くいっているときは上手くいってたんで。フォーメーションが全てではなくて意識の問題。(前回の試合から修正できたところは)後半に関しては、まだ細かいミスはあって詰めなくてはいけないところも多いですけど。気持ちの部分、相手よりも絶対に走るんだって気持ちとか戦う気持ちとか、そういう面に関しては少し取り戻せたかなと思う。(次節で勝ち点3取るためにも更に修正していく点は)一つは後半のような戦い方を立ち上がりからちゃんとやれるようにすることと、あとは細かいところ。どっちの足にパスを出すかとか、あと一歩右とか左とかのポジショニング、そういうところも詰めなくてはいけないと思う。そういうところをやっていけば次はもっといい試合になる。

笠松副将

(振り返って)前半が、全然相手にプレスがかからなくて。立ち上がりの3、4分でセットプレーを決められてしまったところが本当に良くないところで、ただ後半プレスもかかるようになって。ある程度自分たちでボールを保持できるようになったので、そこで1点返して引き分けで終われたことは次に繋がったかなと思います。(2節ぶりの得点もありましたが、手ごたえは)前半は全然駄目だったんですけれど、後半に関しては自分たちがセカンドボールを拾えて、リズムを作って、サイドで起点になって決められたという部分ではひとつの手ごたえを感じています。(後半からの4-5-1は)自分たちのやることが明確になって、プレスのかけ方が、うまくかけられるようになったので。そういった面ではやりやすかった部分はありました。(というと)相手がワイドに使ってきたところで、数的不利にならずに、サイドに2枚おけるので。SBにSHがプレスをかけられるという面ではやりやすかったのかなと思います。(後半と前半、何を変えたことが違いにつながった)監督にも言われたんですが、球際のところでほとんど負けてしまっていて、ほとんど後手になってしまった。あとセカンドボールを拾えなかった。そこを、ボランチが2枚にすることで、誰が行くのかというところを明確にできた。それがあって運動量が上がったと思うので。後半は相手を押し込むことができたのかなと思います。(次節にむけて)後半は、自分たちが最低限やらないといけないことを体現することはできて、そこでもう1回、次に繋がったと思うので。拓殖大戦ではそれを勝ちにつなげられるように、チーム内でもう1度話し合っていきたいと思います。(これを最低限とすると、さらに上げなきゃいけないのはどの部分)パスの質であったり、ラストパスの精度であったり、あとDFとしては、最後シュートまでいかれてしまう部分があったので、そこの、ひとつひとつ甘さがあると思うので、全然まだまだやれる部分はあると思っています。

深澤

(引き分けという結果について)連敗していたので勝利が欲しかった試合でしたが、連敗を止めたとプラスに考えて次に繋げないといけないと考えています。(精力的に動けていたが自身のプレーは)後半は特に自分だけじゃなくチーム全員に前へという意識があった。自分もその流れでボールを持ったときは前を向いて仕掛けることはできたと思う。(後半、ポジションがサイドに変わってどうだったか)前半は相手の4バックに対して、うちは前2枚で守っていた。その結果、サイドバックへの守備が曖昧になり攻撃の起点を作られていた。後半、前を3枚にしてしっかり守備にいけたので相手にやられなかったし、自分たちの攻撃が良い形で出せたと思う。(前節欠場していたが、怪我の影響は)それはもう大丈夫です!(次節に向けて)次は点を取れるように頑張ります。

河井

(試合を振り返って)セットプレーから早い時間に失点してしまって、前半ちょっと流れが良くないまま終わってしまったんですけど、後半はフォーメーションが変わってみんなも気持ちを切り替えてしっかり戦えて同点に戻すことが出来たので、それは収穫ではないかと思います。(後半、フォーメーションが変わってプレーしやすくなりましたか)後半のフォーメーションだと、サイドを起点に出来るんで、それでみんな動きやすくなって、サッカーも良くなったんじゃないかと思います。(勝ちきれなかった理由は何だと思いますか)やっぱり、みんな本気になるのが遅かった。点を取られてから取り返しに行くとなると、やっぱりちょっと厳しいものがあるんで、先制点を大事に、もっと突き詰めてやっていかなきゃならないんじゃないかと思います。(相手の印象は)去年よりも中盤に人数が多くて、ワンタッチ、ツータッチで良いパスを回してくるので、守備の部分でもうちょっと修正しないと後期はやられるんじゃないかと。(次回、対拓殖大学戦への意気込みは)拓殖も連敗してるんですけど、全然悪いチームではない、というのは聞いているので、しっかり自分たちのサッカーが出来るように1週間しっかり準備していきたいと思います。

中川

(試合を振り返って)絶対に負けられない試合だと思ってみんな入って、チームの状況は悪くはないんですけど立ち上がりにああいう失点をしてしまったのは残念です。でも、今までと違う所はそこで崩れなかったことで、自分たちのやりたいサッカーというのができたので、そういう面では収穫のあった試合だったと思います。(3試合ぶりに勝ち点を得たが、引き分けという結果については)正直勝ち点3が欲しかったんですけど、3連敗しなかったのは大きなことで、しかも内容としても次につながる前向きな1点だったかなと思います。(法大の印象は)前半は風の影響もあったんですけど、押し込まれてウチのバイタルエリアをけっこう使われて後手後手になってしまいました。特に前半に関しては相手の足元の技術が高かったなというのがありました。(ハーフタイム中に話し合ったことは)1点負けてたのでここは点を取りにいくしかないということで気持ちを前向きにという意志統一ができました。あと、フォーメーションを少し変えたことが守備のやりやすさだったりにつながって、慶應は守備が良くないといけないチームなので後半のように息吹だったりああいう選手が前線で頑張ってボールを奪ってくれるから後半ああいう風にチャンスを多く作れたんだと思います。(今日のディフェンス陣については)最初のセットプレーでの失点は避けなければいけないのでそこは修正しなきゃいけないんですけど、それ以外の部分は90分間みんな集中して危ないシュートは打たせなかったしギリギリで体張って守ってくれたので今日に関しては良かったと思います。(次戦への意気込み)勝ち点1を取って、復活というかこれから上に上がって行かなければいけないので、勝ち点3を積み重ねていかなければ上にはいけないので勝利という形を何よりも求めてこれから準備していきたいなと思います。

森田

(今日の試合を振り返って)勝ちきれなかったので、そこはやっぱり悔しいなあっていうのが正直な感想です。まあ1点とれたのはよかったんですけど、最後のパスがずれてしまって、自分のせいで点が入らなかったので、次に切り替えたいと思います。(サイドで途中出場だったが)相手が疲れているということもあったので、自分の特徴であるスピードだったりドリブルだったりっていうのを出せればいいと思っていました。(貴重な同点ゴールでしたが)そうですね、これからも続けていきたいと思います。(今季は出場機会が増えているが、成長を感じるところはあるか)学年も1つ上がったので、これからももっと出れるように頑張っていきたいと思います。(次節に向けて)勝ち点3がなかなか取れない中で、次の試合というのはとても重要になってくると思うので、絶対に勝ちたいと思います。

松下

(途中出場で意識した事)前半は相手の中盤にボールを回されていたので、潰し役となってリズムを止めるように監督から指示されていたので、そこを意識しました。(指示通り良い動きができていたが)守備に関しては、自分でもそこそこできたとは思っている。ただ攻撃面でパスミスが目立ってしまったので、そこが自分の課題。成長できたらと思う。(今後の意気込み)チームは2勝2負1分ということで良い成績とは言えないので、自分が出場したときには勝利に貢献できたらと思う。

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