【ラグビー】敵地・熊谷で新戦力が躍動! 攻守で相手を圧倒し春季大会3連勝/第15回関東大学ラグビー春季交流大会Bグループ 第7節 vs立正大学

ラグビー

穏やかな晴天の下、立正大学グラウンドで行われた春季交流戦第7節。慶大は前半から相手を翻弄するアタックを見せ、SH尾関、WTB草薙、FB小野澤がそれぞれトライを挙げ、リードを広げる。しかし、そこから前後半にまたがり、立正大に連続トライを奪われ点差を詰められる。それでも慶大は強固なディフェンスと鋭いアタックで立て直し、CTB脇のトライを機に、後半だけで33点と得点を量産。54-10で快勝を収めた。春季大会も残すところあと2試合となり、次週の法政大戦にも期待が高まる。

 

2026年6月6日(土)第15回関東大学ラグビー春季交流大会Bグループ vs立正大学 @立正大熊谷キャンパスラグビー場

 

〇慶大 54{21-5, 33-5}10 立正大●

第15回関東大学春季交流大会Bグループ 第7節

慶應義塾大学

2026/06/06(土)
12:00 K.O.
@立正大熊谷キャンパスラグビー場

立正大学

前半

後半

 

前半

後半

トライ(T)

コンバージョン(G)

ペナルティゴール(PG)

ドロップゴール(DG)

21

33

54

合計

10

前半7分 尾関(T)

前半8分 小野澤(G)

前半20分 草薙(T)

前半21分 小野澤(G)

前半30分 小野澤(T)

前半31分 小野澤(G)

 

 

 

 

後半8分 脇(T)

後半9分 小野澤(G)

後半13分 横山(T)

後半14分 小野澤(G)

後半30分 森(T)

後半39分 小林(T)

後半40分 小林(G)

後半42分 草薙(T)

後半43分 小林(G)

得点者

前半34分 吉田(T)

後半5分 宮下(T)

 

慶應義塾大学

先発

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

山北 響己

178/108

経2

慶應志木

2

藤森 貴大

173/102

経4

慶應

3

浦城 尚生

176/105

商3

慶應

4

本田 李成

180/93

政2

慶應

5

山﨑 太雅

189/107

商2

県立浦和

6

茅 万希司

179/84

環2

慶應

7

申 驥世

175/97

文2

桐蔭学園

8

恩田 優一郎

177/100

政4

慶應

9

尾関 航輔

166/70

政2

慶應

10

田村 優太郎

174/80

総3

茗溪学園

11

草薙 拓海

176/88

政2

桐蔭学園

12

脇 龍之介

171/83

商3

慶應

13

諸田 章彦

172/82

環3

桐蔭学園

14

金谷 悠世

170/76

法2

慶應

15

小野澤 謙真

180/88

環3

静岡聖光学院

リザーブ

16

井吹 勇吾

175/101

環3

桐蔭学園

17

鈴木 将智世

173/97

法4

慶應

18

中谷 太星

180/115

環3

東福岡

19

髙橋 優太朗

181/97

商2

慶應

20

トーマス ニコラス パパス

199/106

総2

Anglican Church Grammar School

21

小川 和真

176/88

政2

茗溪学園

22

森 航希

170/75

環4

桐蔭学園

23

小林 祐貴

168/78

政2

慶應

24

横山 卓哉

177/85

総2

報徳学園

25

笠原 悠真

178/83

経4

慶應

26

大澤 蒼生

178/80

理1

慶應志木

 

立正大学

先発

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

原口 凌河

172/97

データ4

大分東明

2

毛内 孝樹

173/97

データ4

青森山田

3

横山 翔

181/110

データ2

熊谷工業高校

4

佐藤 陽翔

175/89

データ3

熊谷工業高校

5

シオシウア ・ヴェア

198/116

データ2

Dilworth school

6

ブレンダン ・ゴース

187/103

データ1

Outeniqua High School

7

宮下 隆誠

181/85

データ2

東福岡高校

8

ヴィリケサ ・リモリモ

190/98

データ4

Queen Victoria

9

加藤 真矢

166/74

データ4

御所実業

10

浅場 悠斗

170/78

データ4

朝明

11

畠山 凛星

169/70

データ2

黒沢尻工業

12

西濱 綾生

180/86

データ3

倉敷

13

橋本 大尊

174/84

データ3

東海大仰星

14

高橋 遼成

168/73

データ4

日大高

15

吉田 碧那

175/73

データ3

湘南工科大附

リザーブ

16

澤田 晃希

172/90

データ2

本庄第一

17

阿部 耕作

170/99

データ4

三好

18

杉田 脩

172/89

データ2

本庄第一

19

テビタ ・バティウェティ

200/122

データ3

Lelean Memorial School

20

田中 夢都

182/101

データ4

中部大春日丘

21

下井田 雄斗

160/69

データ2

國學院栃木

22

魚住 将汰

174/77

データ4

大阪桐蔭

23

武曽 博利

173/80

データ2

天理

24

若林 慶

175/72

データ2

大阪桐蔭

25

岩重 拓海

174/89

データ4

大分東明

26

麻木 悠嗣

178/112

データ3

男鹿工業

 

戦評

慶大のキックから始まった春季交流戦第7節、開始早々ペナルティを取られて自陣深くまで攻め込まれるも、冷静なディフェンスでボールを再獲得する。キック攻防を制し、敵陣ラインアウトからのモールでアドバンテージを獲得し、前半6分に再び、敵陣深くでのラインアウトを獲得する。そこからモールを形成して押し込み、最後はSH尾関がパスダミーを駆使し、相手をかわしてトライを決める。そしてFB小野澤がコンバージョンキックを決め、7点を先制する。

先制トライを決めた尾関

その後、相手のキックから攻撃を展開されるも、慶大の粘り強いディフェンスで相手のペナルティーを誘発し、敵陣深くのラインアウトから、CTBが大きくゲインし、尾関からの素早いパスを受けたSO田村がサイドに切り込み、トライライン際に迫る。トライにはつながらなかったものの、その後も慶大はチャンスを作り、多彩なアタックを展開する。

本職のFBではなくSOで起用された田村

19分には、センターライン付近での慶大ボールのスクラムからSH尾関がボールを持ち出す。そこから尾関が相手のディフェンスをかわし、フォローに来ていたWTB草薙がパスを受け、そのまま左サイドから相手を振り切って走り切り、トライ。その後のコンバージョンキックも決まり、14-0となる。

その後、自陣22メートルライン付近での立正大ボールのラインアウトから仕掛けられたアタックに対して、慶大は献身的なディフェンスを見せ、こぼれたボールに素早く反応し危機を脱するも、再び相手のキックパスから一気に自陣深くに攻め込まれ、チャンスを与えてしまう。しかし、慶大は粘り強いディフェンスを発揮し、スクラムを獲得する。そこから今度はCTBが相手ディフェンスの隙をついたキックを繰り出すと、そのボールをCTB諸田が再びキックでつなぎ、このボールを拾ったSH尾関からパスを受けたFB小野澤が、持ち味のランでハーフラインからトライゾーンまで走り切り、トライを決めた。小野澤はその後のコンバージョンキックも見事に成功させ、21-0とさらに点差を広げる。

相手を振り切る小野澤

しかし前半33分、立正大にディフェンスのわずかな隙を突いたキックを繰り出され、今試合初トライを許す。その後、キックからのアタックやNO8恩田が相手のディフェンスを引きずりながら果敢にアタックし、慶大は敵陣深くで攻めの姿勢を見せるもトライにはつながらず、我慢の時間が続く。

力強いゲインを見せる恩田

両校ともペナルティが続き、そこから立正大にアタックを展開され、トライラインまで攻め込まれるも、懸命なディフェンスで守りきり、21-5と点差を維持したままハーフタイムを迎えた。

 

リードを保ったまま試合を折り返すこととなった慶大は、後半頭からPR山北に替えて鈴木、HO藤森に替えて井吹、PR浦城に替えて中谷をピッチへ送り、フロントローを総入れ替え。さらにFLに替えて小川和も投入した。

後半最初の得点を挙げ、試合を優位に運びたかった慶大だが、キックオフ直後からギアを上げた立正大の猛攻を受け、自陣から抜け出せない時間が続く。すると45分、自陣5mライン付近で犯した反則を起点とした速攻を食い止められずにトライを与え、2トライ1ゴールで逆転という点差に縮められてしまう。

悪い流れを断ち切りたい慶大は47分、蹴り合いの中でCTBが背後のスペースへ絶妙なキックを流し込むと、気まぐれな楕円球は立正大の選手に当たって軌道を変え、タッチを割る。敵陣深くでマイボールラインアウトを得た慶大は、まずモールで立正大ディフェンスラインの横幅を狭めると、BKへの展開から再びボールを受けたが強いヒットでタックラーを突き飛ばしてインゴールを陥れる。キックにもランにも磨きがかかるのトライで、慶大は一気に勢いを取り戻す。

ランを仕掛ける脇

脇(左から4番目)を称える慶大の選手たち

得点直後、試合再開のキックオフで、この日キックで慶大を揺さぶり続けていた立正大が仕掛ける。10mラインをわずかに超える高い弾道のキックで再獲得を狙った。それでも、前半10分からスクランブル出場という形で春季大会デビューを飾ったWTB大澤が空中で一回転しながらボールを確保。1年生らしからぬ大胆かつ冷静なプレーでチームに落ち着きをもたらした。

春季大会デビューを飾った大澤

50分、取り戻した主導権を手放さないよう、慶大はさらなる交代を決断。LO山﨑に替えてパパス、SH尾関に替えて、CTB諸田に替えて横山を投入し、ピッチにエネルギーを再注入する。

すると53分、PR中谷からのフラットなパスを受けたPR鈴木がBK顔負けの鋭いステップでオレンジの防壁に風穴を開け、一気に敵陣22mラインまで侵入。DFラインの再構築が間に合わないうちに、SHの素早い配球からFL、FB小野澤、WTB大澤とボールが繋がり、気付けばインゴールまでの距離は残り5mとなる。FW陣の後方に立って相手との距離を取ったSO田村優小野澤へロングパスを供給すると、パスダミーを駆使しながら切り込んだ小野澤が投入直後の横山にオフロードパスを繋いで追加点。

タックルを受けながらインゴールに飛び込む横山

公式戦デビューを飾った4年生・鈴木が作ったチャンスを全員で繋ぎ、華麗なパスワークからトライを奪うと、小野澤がこの日5本目のコンバージョンも沈め、スコアは30-10となる。

コンバージョンキックを蹴る小野澤

今季初出場ながら1トライ5ゴールとブランクを感じさせないパフォーマンスを見せた小野澤はここで交代。こちらも今季初出場となった小林がピッチへ送られる。小林はSOに入り、田村優がFBに回った。58分にはLO本田に替えて髙橋も投入するなど、積極的に交代カードを切っていく。

勢いに乗る慶大はディフェンスも冴えわたった。58分に主将・NO8恩田の低く鋭い〝魂のタックル〟でノックフォワードを誘発すると、61分には相手のペナルティキックを大澤がジャンピングキャッチしてタッチを割らせない。立正大が大外から突破を試みても、64分のシーンでは大澤横山が素早く連動してランコースを消し、66分のシーンでは小林が快速を飛ばしてボールホルダーに追いついて、どちらの場面でもきっちりと相手をタッチの外へ押し出した。アタック側に与えられる全ての選択肢に対して、規律を保った集中力の高いディフェンスを継続し、徹底的にピンチの芽を摘み取った。

守備で作った流れを攻撃に繋げたい慶大は69分、自陣でのマイボールスクラムからのアタックで、CTBと立ち位置を入れ替えて助走を長く取ったSO小林がトップスピードに乗ってランを仕掛け、立正大を受け身に回らせる。小林からパスを受けたFB田村優が背後のスペースにキックを蹴ると、WTB草薙が全速力でチェイスし、鋭いタックルを突き刺す。更に後方から加勢したFLがラックに絡んでターンオーバーし、理想的な形でエリアとボールポゼッションを獲得する。

続く70分、SHがパスダミーを駆使してラックサイドを突破すると、サポートに入ったPR鈴木が再びビッグゲインを見せる。鈴木のサポートに入ったCTBはタックルを受けたが、再びラックからが持ち出してトライ。点差を30点に広げる。

ビッグゲインを見せた鈴木

トライを決める森

直後、慶大はCTBに替え、負傷を乗り越えピッチに帰ってきた副将・笠原を投入する。

最後まで攻撃の手を緩めない慶大は79分、素早いパスワークで相手のペナルティを誘うと、敵陣深くでのマイボールラインアウトから逆サイドへ展開し、最後はディフェンスラインのギャップを突いたSO小林がゴールポスト真裏へグラウンディングした。

復帰戦でトライを挙げた小林

続く81分、FW陣がスクラムで相手のコラプシングを誘発し、小林のアドバンテージを活かしたチャレンジングなロングパスを供給すると、これがWTB草薙に繋がりタッチライン際を独走。圧倒的なスピードで3人のタックルをいなしてダメ押しのトライを挙げ、最終スコア54-10としてノーサイドを迎えた。

ダメ押しのトライを挙げた草薙

一時は点差を詰められたものの、落ち着いた試合運びで再びリードを拡大し、攻守両面で立正大を上回った慶大。5月中旬から下旬にかけて行われた招待試合、練習試合、定期戦で得た収穫を活かし、また見つかった課題を修正して、春季大会再開初戦のゲームを完勝で飾った。4月から始まった春季大会も残り2試合を残すのみとなり、ここからは2勝1敗でBグループ3位につけている法政大、全勝かつ全試合で60得点以上を記録している首位・帝京大という強敵との連戦が待ち構えている。日本一達成に向けたマイルストーンである春季大会優勝を達成すべく、誇り高き黒黄の戦士たちは「ALL IN」を貫き続ける。

 

選手インタビュー

◇尾関航輔(政2・慶應)

ーー今日の試合を振り返って

今回の試合はセットスピードと取り切りというところにフォーカスしてきました。バックスとしてはプレーの精度にこだわって練習してきたんですけど、ところどころ良いところは見えた一方で、まだまだ改善していかないと、日本一のアタックと日本一のディフェンスには及ばないかなというのが率直な感想です。

ーー公式戦で初めて9番でスタメン出場となったが、心境は

もちろん黒黄の9番は昔から憧れではあったんですけど、日本一という目標を掲げている以上、そこに甘んじることなく、9番に満足しないで日本一のスクラムハーフを目指していかなければいけないかなと思っています。

ーーSHながらランで仕掛けるシーンも多かった ご自身のプレーを振り返って

自分の持ち味は、積極的に仕掛けることができるところだと思っています。9番になったからといって守りに入ることなく、しっかり自分のランや積極的なところを出していくというのが個人的なテーマでもあった試合なので、そこをしっかり出せたのは良かったかなと思います。

ーーSHとして、ゲームメイクで意識したこと

フォワードに放るパスの精度というのを、個人的には追求したいなと思っていたんですけど、そこはまだまだ改善の余地があると思っています。あとは、キックを使ってしっかり押し込んでいくことでゲームメイクをしていこうって話をしていました。そこのゲームメイクの部分は、10番の田村選手を筆頭に、12番の脇さんだったり、上の学年の選手がしっかりフォローして助けてくれたので、ゲームメイクのところはしっかりできたかなと思います。

ーー次戦・法政大戦に向けて

とにかく自分たちにフォーカスして、相手がどういうチームだとか、どういうアタック、ディフェンスをしてくるかに関係なく、日本一のアタックと日本一のディフェンスをしなければいけないと思っています。準備期間は1週間あるので、自分たちにベクトルを向けて、1個1個のプレーの精度だったり、セットプレーだったり、そういうところにこだわって頑張りたいと思います。

 

◇小野澤謙真(環3・静岡聖光学院)

ーー久々のA戦復帰。どのような気持ちで臨んだか

まずはチームとしてやることをしっかりやることを目標にしていて、チームとしてのフォーカスがあったので、そこに向かってっていうのは意識していたのですが、それ以上にゲームのプレッシャーとかで上手くいかない部分があって、修正できずにダラダラしちゃった部分があったので、そこは課題かなと思います。

ーー試合を振り返って

まずは怪我なくできたのが良かったのと、試合に勝つことができて良かったです。ただ、自分のミスから前半トライ取られたりとか、全体的にバックスのミスからの失点がまだ多くて。
もうちょっとやることを事前に決めて、前半10分から修正みたいなことができなかったので、そこは課題かなと思います。

ーーコンバージョンキックを1本も外さなかったが、プレッシャーはなかったか

真ん中寄りだったので決めれる角度が多かったっていうのが1つと、チームメイトがしっかり内側まで行ってくれた相手が結構広く守ってた時に内側のスペースに向かってしっかりゲインしてトライしていたのが良かったかなと思います。

ーー次節の意気込み

次節はまずスタメンで出れるように、来週1週間頑張るのと、出た時はもっとバックスのミスを減らして、バックスからチームを勝たせるような試合をしたいです。


 

(取材/記事:小野寺叶翔、塩田隆貴、月井遥香 記事:髙木謙)

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