【バレーボール】フルセットを勝ち切り、全日本インカレに向けて気合十分!/第76回慶関バレーボール定期戦

バレー戦評

伝統ある慶関戦が3年ぶりに開催された。定期戦とは言っても、全日本インカレ(全カレ)を目前に控えた中での大事な対外試合。慶大はリーグ戦とはスタメンを変えて臨み、現在のチーム力を再確認できる貴重な機会となった。最終セットにおいてもビハインドから追いつき、フルセットを勝ち切れたことはチームにとって大きな収穫となった。この勢いそのままに全カレの舞台でも躍動を誓う。

 

2022年11月26日(土)

第76回慶関バレーボール定期戦

慶大×関学大

 

得点

慶大

セット

関学大

25

13

25

17

23

25

22

25

15

12

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   
   

OH

島田航希(経3・慶應)

MB

芳賀祐介(環2・札幌北)

OP

渡邊大昭(商2・慶應)

OH

11

入来晃徳(環1・佐世保南)

MB

降小雨(商4・慶應)

S

高倉真古都(商4・慶應)

L

12

内田克弥(環2・松江高専)

途中出場

 

 

S

10

大槻晟己(総3・清風)

R

17

平山一之心(商1・甲南)

MB

27

下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)

 

今試合、島田のサーブで幕が開けた

島田航希(経3・慶應)の力強いサーブで始まった第1セット。芳賀祐介(環2・札幌北)のブロックポイントで先制すると、直後のポイントも入来晃徳(環1・佐世保南)がブロックを決め、その後もスパイクを触り続け相手にプレッシャーを与える。攻撃の起点となったのは渡邊大昭(商2・慶應)だ。渡邊のスパイクが決まり5-0とすると、たまらず関学大はタイムアウト。タイムアウト後、芳賀の「集中していこう」という声掛けのもと、慶大は気を緩めることなくその後もリードを着実に広げ、13-8でこのセットを折り返す。渡邊のスパイクでブロックアウトを取り14-9とすると、狙い通りの点の取り方にチームは盛り上がりを見せる。渡邊はその後もサーブ、スパイクでチームに大いに貢献。勢いそのままに19-13として関学大のタイムアウトを挟むと、その後は1点も譲ることなく、最後は芳賀のクイックで25-13とし、大差をつけて第1セットを取った。

 

エースポジションとして躍動する渡邊

続く第2セット。2-3の場面、相手の乱れたボールを降小雨(商4・慶應)が冷静に打ち込み得点するとチームは勢いづき、渡邉の好サーブもあり慶大はその後5連続得点し8-4と差を広げる。渡邊のスパイクが拾われる場面が第1セットに比べ増えるも慶大は要所をキープし、3点リードでセットを折り返す。渡邊のスパイクで16-12、降の時間差攻撃で17-13とすると、ここで入来に代わり大槻晟己(総3・清風)がコートインし好サーブを繰り出す。5点リードをつけられた関学大はタイムアウトをとり、慶大に傾いた流れをセットしたい。しかし、最後に魅せたのは島田。島田は1枚でスパイクを止め、チームは大いに盛り上がりを見せた。このセットを25-17で終え、勝利に王手をかけた。

 

粘り強くワンタッチを取る

ここで取り切りたい第3セットだが、序盤から慶大のスパイクが拾われる場面が目立つ。入来のスパイクが拾われ、その後渡邊が再び攻撃を仕掛けるもこれは相手ブロックに阻まれ1-3となる。スパイクが決まらない中でも芳賀がブロックを決め、今度はネット付近で浮いたボールを相手コートに押し込み8-10で相手にタイムアウトを取らせる。タイムアウト明け、入来のスパイクで10-10と並び、ここでリードを広げたい慶大だが、セット後半は拮抗(きっこう)した展開に。両者譲らずサイドアウトの応酬が続いたが、先にこれを打破したのは関学大だった。入来が連続で攻撃を仕掛けるも相手の固い守備に阻止され、18-20と後半初めて2点差をつけられたタイミングで慶大はタイムアウトを要求。その後は渡邊のスパイク、降・入来の2枚ブロックで得点し、両者21点と並ぶも終盤は相手のスパイクが調子よく決まり、惜しくも23-25でこのセットを落とした。

 

入来のスパイク

第4セット、相手は緩急をつけた攻撃で応戦する。慶大が先に2点を奪うも、コートの空きを狙った正確な軟打で1点を取られ、その後も強烈な鋭いスパイクを決められ3-2と迫られる。しかし渡邊が大きく飛躍して放ったスパイク、高倉真古都(商4・慶應)の好サーブで8-5とする。この直後のポイント、両者の譲らぬ姿勢が長いラリー戦をもたらした。高倉が両サイドの渡邊・島田とボールを託すがそのスパイクは拾われ続けてなかなか決まらない。そんな中、高倉のワンハンドトスから芳賀がスパイクを放ち、チームに弾みをつける大きな1点を得る。このまま勢いに乗りたい慶大だったが関学大も譲らず、スパイクで連続得点を奪い10-10と並ぶ。さらに渡邊の攻撃をブロックで封じて11-13とし、この試合で初めて関学大のリードでセット前半を終える。後半の冒頭、サーブミスで1点を失ったものの入来のスパイク、降のクイックで得点すると、高倉・降の主将・副将コンビが要所をブロックで押さえて14-14とする。その後島田のスパイクが決まるも相手は固い守備を崩さず、17点で再び並ぶ展開となりここで関学大のタイムアウトを挟む。ピンチサーバーとして下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)が入るもこのサーブは惜しくもネットにかかり19-20に。その後も相手の固い守備を前にブレイクできず、最後は相手の力強いスパイクが決まり22-25。第1・2セットともに大差で勝ち取ったこの試合だったが、フルセットへもつれ込むこととなった。

 

得点し、喜び合う選手たち

1点の重みがより大きくなる15点マッチの最終セット。両者ともに力いっぱいのスパイクで得点を奪いにいく。相手がペースの速い攻撃を繰り出すと慶大も直後に速攻を決めて2-2とする。また、高倉・降のブロックがこのセットでも決まり4-4と並ぶと、ここで関学大がタイムアウト。関学大の1点リードを慶大が追いかけて並ぶという展開が続くも、セット中盤のコートチェンジ後にその均衡が破られ、頭ひとつ抜き出たのは関学大。サーブレシーブ後のパスがつながらず7-9とされるとこちらのサーブミスや相手のスパイクも決まり8-11とさらに点差を広げられ、すかさずタイムアウトのカードを切る。しかし、ここから慶大の反撃が始まった。ブロックで相手スパイクのアウトを誘うと、続いて渡邊が力強いスパイクで2連続得点。あっという間に11-11と同点とする。関学大のタイムアウトを挟むも、難しいボールを入来が正確なスパイクで得点につなげるなど、勢いを維持。しぶとくボールをつないでマッチポイントを握ると、最後は降・入来のブロックが成功し15-12で見事慶大が勝ち切り、定期戦連覇を果たした。

 

(記事・写真:五関優太、田中瑠莉佳)

 

以下、コメント

 

高倉真古都主将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

フルセットの試合を勝ち切れたことはすごく良かったですが、3・4セットの内容は良くなかったなと思います。

――内容が良くなかった原因というのは?

2セット取り切ってそのままいけるだろうみたいな雰囲気はチーム内にあったのかなと思います。

――技術的な面ではなにかありますか?

ミスが多かったかなと思います。そのミスというのも点に直結する最終的なスパイクのミスもそうですし、それに至るまでのプレーでのミスもありました。ここ直近で練習していること、もちろんはまっているところはあるんですけど、いまいちはまっていないのかなと感じました。

――メンバーを入れ替えた試合でした

はい。今までやってきたメンバーとは違うというところで、セッターとしては合わせるのは大変なんですけど、意図があってそうしているので、試合経験として5セットやり切れたことは大きいかなと思います。

――そういう難しい状況下でのチームの調子はいかがですか

今日負けていたら(調子は)落ちてしまっていたかなと思うんですけど、少なくとも結果はついているので、5セット目もビハインドから取り返していますし、そこを自信を持ってやって欲しいと思います。

――全カレへの意気込み

決勝まで行っても、あとできて6試合というところで、学生バレーボールの集大成を求められると思うんですけど、気負うとあんまりよくないので、いい意味でいつも通りいけたらなと思っています。僕らは「最後」という言葉がつきますけど、後輩の皆は来年以降もあります、その先に向けてのモチベーションが高まる試合ができるようにチームを作っていけたらなと思います。

 

渡邊大昭選手(商2・慶應)

――今日の試合を振り返って

1・2セット目は自分たちの形でできていたと思うのですが、3・4セット目は相手の守備が固まってきて、自分たちのバレーが「これができない、あれができない」となって焦ってバタバタして取られたという形です。ただ、やっぱり5セット目取り切れたのは大きかったと思います。

――スパイクが決まらないことへの焦りはありましたか?

「決まらないなあ」と思いつつやっていたのですが、最終的にボールが集まってくるポジションだと思うので、控えに喜輝さん(松本喜輝、環3・九州産業)がいるので、やっぱりそこは考えずに思い切り打てば良かったのかなと思います。

――苦しい展開の中で4年生の頼もしさは感じましたか?

降さんや高倉さんがしっかりとコートの中で引っ張ってくれていたので、4年生にプレーで応えないといけないと思いました。また、やっぱり練習から楽しくバレーするだけでなく厳しいところもしっかりとやっていかないといけないのかなと思いました。

――全カレへの意気込み

今の4年生には本当にお世話になりましたし、高校の頃からお世話になっている先輩もたくさんいます。そういう方々にしっかりと感謝の気持ちを自分のプレーで出せるようにしていきたいと思うのと、こういう試合をしてしまったので、しっかりエースとしての自覚を持って臨みたいと思います。

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