【野球】小原が吠えた! 慶大打線粘りの猛攻で土壇場同点に追いつく 期待のルーキー・加藤が鮮やかなリーグ戦デビュー/東京六大学野球秋季リーグ戦法大1回戦 @明治神宮野球場

野球戦評

2025年9月13日(土) 東京六大学野球秋季リーグ戦 法大1回戦 @明治神宮野球場

今春5位に終わり、リベンジを果たすべく開幕した秋季リーグ戦。5回までに7点を先行される苦しい展開となった慶大は7回、2死満塁から代打の1年・加藤右悟(環1・慶應)がリーグ戦デビューで走者一掃の二塁打を放ち、反撃を開始。8回には林純司(環2・報徳学園)、小原大和(環3・花巻東)の安打などで1死満塁を作り、ここから2点を加えて2点差に迫る。そして9回に2死二、三塁から小原の適時打で、最大7点差を同点に追いついた。その裏8回から登板した5番手・水野敬太(経2・札幌南)が好投し、試合はプロ併用日のため9回打ち切り、7ー7の引き分けに終わった。

 123456789
慶大0000003227
法大0050200007

慶大バッテリー:渡辺和、小川琳、田上、坂中、水野ー吉開

法大バッテリー:山床、野崎ー井上和

慶大本塁打:なし

法大本塁打:中村騎1号3ラン(3回)、松下1号2ラン(5回)

◆慶大野手成績

位置選手1回2回3回4回5回6回7回8回9回
[3]43今津慶介(総3・旭川東)遊ゴロ二ゴロ二ゴロ死球空三振
[8]一宮智樹(経1・八千代松陰)二ゴロ左飛中安左安左安②
R4竹田一遥(環1・聖光学院)
[5]渡辺憩(商2・慶應)空三振空三振左安三安①二飛
[7]常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)二ゴロ空三振左安四球①
[9]中塚遥翔(環2・智辯和歌山)見三振遊ゴロ
H今泉将(商4・慶應)一邪飛
9一宮智樹(経1・八千代松陰)空三振
[4]吉野太陽(法3・慶應)二ゴロ遊ゴロ
H3加藤右悟(環1・慶應)左2③右飛
1水野敬太(経2・札幌南)
[2]吉開鉄朗(商3・慶應)三振中飛中飛左安
[6]林純司(環2・報徳学園)三直遊ゴロ中安左安
R8丸田湊斗(法2・慶應)
[1]渡辺和大(商3・高松商業)中飛
1小川琳太郎(経4・小松)
H森村輝(総4・小山台)二ゴロ
1田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)
1坂中大貴(商4・高松商業)
H4上田太陽(商3・國學院久我山)空三振
H村岡龍(商3・慶應)投犠打
6八木陽(法3・慶應)

◆慶大投手成績

 選手投球回打者投球数被安打被本塁打与四死球三振失点自責点
先発渡辺和大(商3・高松商業)4 0/322811020177
2小川琳太郎(経4・小松)1315000100
3田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)1 1/3514001100
4坂中大貴(商4・高松商業)2/327000000
5水野敬太(経2・札幌南)2725100000


慶大の開幕マウンドを託されたのは渡辺和大(商3・高松商業)。2回裏には一塁手・今津慶介(総3・旭川東)のファインプレーもあり、試合は3回表まで両者無得点に終わる。

試合が動いたのは、3回裏。この日先発した山床志郎(文2・高鍋)に左前安打を浴びると、境亮陽(営1・大阪桐蔭)も続き、渡辺和はこの試合初めての連打を浴びる。切り替えたい渡辺和だったが、続く中村騎士(営2・東邦)に左翼席へ3点本塁打を打たれ先制を許すと、その後も法大打線を止められず。法大主将・松下歩叶(営4・桐蔭学園)、片山悠真(文3・八王子学園八王子)に連打で再び無死一、二塁を招くと、今泉秀悟(キャリア2・石見智翠館)の2点適時二塁打、井上和輝(法1・駿台甲府)の犠飛でこの回一挙5失点。さらに5回裏には松下の一発もあって0-7と突き放され、一方打線は相手先発・山床の前に6回まで完全投球を許す厳しい展開となった。

今秋の開幕投手に抜擢された渡辺和

それでも7回表、小原が中前安打でチーム初出塁を果たすと、渡辺憩(商2・慶應)、常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)も続き1死満塁の好機をつくる。ここで中塚遥翔(環2・智辯和歌山)の代打として送られた副将・今泉将(商4・慶應)は一邪飛に倒れたものの、続く吉野太陽(法3・慶應)代打として起用されたルーキー・加藤がリーグ戦デビューで走者一掃の強烈な二塁打を放ち、一気に3点を返す。

追撃の適時二塁打を放った代打・加藤

その裏、1死で坂中大貴(商4・高松商業)が4年生でリーグ戦初登板を果たすと、強打者の松下と片山をわずか7球で抑え、完璧な投球を披露。

ラストシーズンでリーグ戦初登板を果たした坂中

すると続く8回の攻撃も林純の中前安打、今津の死球、小原の左前安打で再び満塁の好機を作り、渡辺憩の内野安打と常松の押し出し四球で2点を追加。法大に5ー7と2点差と迫る。

ヘッドスライディングで適時内野安打をもぎ取った渡辺憩

4番・常松が押し出し四球を選び2点差に

そして迎えた最終9回も慶大打線の勢いは止まらない。吉開鉄朗(商3・慶應)、林純の連打で無死一、二塁とすると、代打・村岡龍(商3・慶應)がきっちりと犠打を決め1死二、三塁。ここで同点の走者・林純に代走・丸田湊斗(法2・慶應)を起用すると、今津は空振り三振に倒れ2死も、小原が左前に2点適時打を放ってついに7対7の同点に追いついた。その裏は8回から登板していた水野が1番からの上位打線を三者凡退に抑え、両者譲らず引き分けとなった。

9回2死から値千金の同点適時打を放った小原

最大7点差にまで引き離された慶大であったが、下級生の活躍と上級生の意地で同点に追いついた。最後まで諦めない戦いぶりはまさに慶大野球の真骨頂であり、大量失点を跳ね返した攻撃力は次戦へ向けて大きな自信となるだろう。課題は序盤の失点。投手陣がいかに立ち上がりを修正できるかが勝敗のカギを握る。

 

(記事:佐藤凜汰朗、水野翔馬、写真:河合亜采子、加藤由衣)

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