【競走】未来を担う3年生コンビが立川に挑む!/稲生健人×芦野清志郎(前編)箱根駅伝予選会直前特集⑧

競走

箱根駅伝予選会まであと2日!慶スポでは本番を直前に控えた選手方・スタッフにインタビューを行いました。特集8日目の本日は、次の長距離ブロックを担う3年生コンビ!稲生選手はロードで、芦野選手はトラックで飛躍の1年を迎えた今季。前編では、陸上を始めたきっかけや、2人が走りで大切にするキーワードなどをお聞きしています。これを読んで是非当日も声援を送りましょう!

プロフィール

(写真左)稲生健人(経3・慶應)

(写真右)芦野清志郎(理3・高田)

 

——お二人が陸上をはじめたきっかけは?

稲生中学校の時の駅伝大会がきっかけです。もともとはバレーボール部に所属していたのですが、顧問の先生に中学生の区対抗駅伝大会に誘っていただき、それがきっかけで陸上に興味を持ち始めました。バレーボール部を引退した後に少しの期間陸上部に所属させてもらい、結果もどんどん出たので「いけるんじゃないか」と思って高校も陸上をやることに決めました。

芦野:最初(のきっかけ)で言うと、小学校のマラソン大会です。小4くらいまでは30人ほどしか出ないような小さいマラソン大会だったんですけど、そのマラソン大会でもビリを取っていたくらい足が遅くて運動神経も悪かったので、そこがコンプレックスでした。なんですけど、4年生でビリを取ったタイミングで親にかなり怒られて。そこから「1日2キロくらい走るか」ってことで朝2キロ走り始めたら、次のマラソン大会では入賞して、その次も優勝争いに絡んで、という感じで、すごいスピードで成長していきました。そこで「自分ってもしかしたら長距離に向いているかもしれないな」ってことを自覚したので、それが初めての成功体験でありきっかけでした。

「自分ってもしかしたら長距離に向いているかもしれないな」って(芦野)

——芦野選手は新潟出身ですが、なぜ慶大の競走部へ?

芦野:僕は大学受験の勉強を途中で嫌になって投げ出してしまって、そこで投げ出したら(今後も)諦めるようになっちゃうよ、と(高校の)先生にも言われながら(結局は)投げ出してしまい、慶應義塾大学に来ました。その中で、じゃあ自分が続けていけるものは何だろう、投げ出さないでいけるものは何だろうって考えた時に、陸上まで投げ出したら本当に全部なくなっちゃうなって思って。陸上は中学校から頑張ってきたことだし、続けていったら何か良いことあるかな、という感じで(入部を決めた)。陸上は”最後の砦”のような存在であってくれたかな、と思います。

——稲生選手は、「心技体」というフレーズを大切にされているとのことですが、3つの中で今最も充実しているのはどれですか?

稲生:自分はどれも連動していると思っていて。例えば、メンタルが安定していない時は他の2つも安定しないし、体の状態がいいときは他2つも連動していくと思います。そのため、どれが最も充実しているものとかはないです。ただ、今は直前なので、メンタルを一番大事にしています。イメージトレーニングだったり、「自分は速い」と言い聞かせたりしています。

「『自分は速い』と言い聞かせたり」(稲生)

——芦野選手は、ご自身のブログにて「何も考えずに走る」と書かれていましたが、その考えに至った経緯は?

芦野:自分は今年の3月あたりに一度(競走部を)辞めようと思ったことがありました。それは、自分の調子の上がらなさだったり、3年生まで何も成長していなかったりというところで、これから2年間やっても伸び幅は高が知れているんだろうな、という感じで自分の未来に諦めをつけてたんですね。 そのときは本当に将来のこととか未来のことをめちゃくちゃ真剣に考えていたつもりでしたし、実際かなりの時間をかけて悩んで出した結論でした。でも、そのときに梅澤(周平=経4・慶應志木)先輩が言ってくれたのが、「やっぱり考えすぎなんじゃないか」という言葉でした。

”何も考えずに走る”(芦野)

——同期(現3年生)の中で一番仲がいいのは?

稲生:みんな仲はいいと思いますが、長く時間を過ごしているのは芦野瑞(佐藤瑞=政3・慶應)だと思います。瑞は塾高からの長い付き合いでよくご飯に行きますし、芦野とはよくカラオケとかご飯に行きます。

芦野:一番長くいるのは稲生かなって思っています。ご飯に行くときも遊びに行くときも稲生が隣にいることが多いです。彼は塾高のつながりもあって仲間も競走部に沢山いたんでしょうけど、それでも仲良くしてくれたから、その関係が今でも続いている、って感じですかね。

——慶應駅伝チーム(長距離ブロック)の4年生はどんな存在ですか?

稲生“伴走”してくれるような存在です。寮の生活やミーティング、チームの運営に至るまで、チームを支えてくれる存在です。チームにとって、いなくてはならない存在です。

芦野:僕が2年生の時の4年生の先輩と比較すると、一番は(後輩たちの)引っ張り方が違うと思っています。上の代の先輩は圧倒的な実力で背中を見せてくれて、そこに僕たちは食らいついていくような、背中を見せてくれる引っ張り方だったんですけど、(今の4年生は)自分たちの背中を押しながら引っ張っていってくれる存在です。今の4年生方は実力面もそうですけど、自分たちに寄り添って引っ張ってくれますし、先輩ではあるけど良い意味で甘えられるような存在です。

——お二人の“理想の選手像”はありますか?

稲生:今まで身近に見てきた中で、予選会で結果を残してきた先輩方である木村(有希=令和7年卒)さん田島(公太郎=令和7年卒)さんが理想の存在です。特に木村さんは練習だけでなく、練習のための準備を誰よりも入念にされる方で、そういった陸上に対する姿勢を教えてくださった方です。今はまだまだですが、少しでも近づけるような選手になりたいと思っています。

「木村さんに少しでも近づけるように」(稲生)

芦野:自分の理想で言うと、大迫傑選手。全然タイムも違いますし、選手としての格が違うんですけど、 大迫選手かなと思っています。YouTubeやWeb記事といったメディアへの露出も多いですし、(卒業後は)実業団に入って陸上を続けていく稼ぎ方が一般的な中で、大迫選手はプロランナーという形で長距離界に新たな道を示してくださっているな、と感じています。キャリアとしても理想の選手だと思います。

 

(取材:竹腰環、編集:鈴木拓己)

後編では、今シーズンの振り返り、現在のチームについて、更には予選会への意気込みについて迫ります!

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