11月6日(木)東京六大学野球秋季フレッシュトーナメント明大戦 @明治神宮野球場
Aブロックを1位で通過した慶大は、明大との優勝決定戦に臨む。1点を先制し迎えた4回、先発の鈴木佳門(経1・慶應)がソロ本塁打を許し追いつかれると、代わった入江祥太(環1・石橋)も一挙3点を失い逆転を許す。しかし5回、渡邉千之亮(政2・慶應)のソロ本塁打で1点を返し、6回には3-3の同点に追いつく。7回に松井喜一(経2・慶應)が勝ち越しを許し、万事休すと思われたが、9回に服部翔(政2・星稜)の同点適時打、八木陽(法2・慶應)の走者一掃となる適時三塁打などで一挙6得点。最後は熊ノ郷翔斗(環1・桐蔭学園)が無失点に抑え、見事フレッシュトーナメント5連覇を達成した。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 慶大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 6 | 9 |
| 明大 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 |
慶大バッテリー:鈴木佳、入江、勝倉、松井、熊ノ郷ー加藤
明大バッテリー:湯田、浦久、渡邉聡、大泉ー佐中
慶大本塁打:渡邉千1号ソロ(5回)
明大本塁打:中野2号ソロ(4回)
◆慶大出場選手
| 打順 | 守備位置 | 選手名 |
|---|---|---|
| 1 | [8] | 丸田湊斗(法2・慶應) |
| 2 | [6] | 八木陽(法2・慶應) |
| 3 | [7] | 一宮知樹(経1・八千代松陰) |
| 4 | [2] | 加藤右悟(環1・慶應) |
| 5 | [3] | 延末藍太(商2・慶應) |
| 6 | [4] | 清原勝児(商1・慶應) |
| R4 | 井上雄貴(文2・岐阜) | |
| H | 安達英輝(商2・慶應) | |
| R | 北川昂政(総2・広島新庄) | |
| H | 廣瀬央裕(商1・慶應) | |
| 4 | 斎藤開地(商2・県立前橋) | |
| 7 | [D] | 渡邉千之亮(政2・慶應) |
| 8 | [9] | 貞包健勝(環2・城北) |
| H | 市橋慶祐(商2・小野) | |
| 9 | 林李峰(法1・中京) | |
| 9 | [5] | 服部翔(政2・星稜) |
法大戦では1ー2で惜敗を喫するも、早大戦では6ー1と完勝。ブロック内の他大学も1勝1敗となったため、総失点での順位決定方式により優勝決定戦に進んだ慶大。対する明大は、慶大がリーグ戦で5季連続勝利がない難敵。フレッシュでも23年春の決勝で明大に敗れ、優勝を逃している。投打共に豊富な戦力を誇る強敵を打ち破り、フレッシュ5連覇を達成することはできるか。
初回、明大先発・湯田統真(政経2・仙台育英)に対し、先頭の丸田湊斗(法2・慶應)が打席に入る。丸田は2023年夏の甲子園決勝で湯田から先頭打者本塁打を放っており、公式戦では25春フレッシュ以来2度目の対戦となった。甘く入った直球を左中間へ運び、快足を飛ばして二塁に到達。続く八木は左飛となったが、丸田はタッチアップを敢行し三塁を陥れる。さらに次打者の遊ゴロで一気に本塁生還。圧倒的な走力でチームに先制点をもたらした。

この日3安打の丸田
慶大先発・鈴木佳は力感のない投球フォームから繰り出す直球と、鋭く落ちる変化球を巧みに操り、明大打線を寄せ付けない。3回まで許した走者はわずか1人、無失点に抑え上々の立ち上がりを見せる。

先発・鈴木佳
しかし4回、1死から明大・中野竣介(法2・桐蔭学園)に甘く入った直球を弾丸ライナーで左翼席に運ばれ、1ー1と追いつかれる。次打者にも死球を与えたところで入江にスイッチ。安打と四球で満塁とされ、延末藍太(商2・慶應)の好守備で2死とするが、吉田翔輝(文1・大阪桐蔭)に2点適時二塁打を浴び、この回逆転を許す。
続く5回、渡邉千が湯田の甘く浮いた球を完璧に捉え、左翼席へ運ぶソロ本塁打を放ち1点差。6回には丸田がこの日3安打目となる右安、さらに二盗を決めチャンスを作ると、相手の悪送球の間に生還し、3ー3の同点に追いつく。

ソロ本塁打を放った渡邉千
入江に代わって5回から登板した3番手・勝倉拓海(文2・東京都市大付)は、走者を出しながらも力強い真っ直ぐを軸に、2イニングを無失点に抑える。その後を継いだ松井は、連打で無死一、三塁のピンチを招き、河田凌太郎(文2・愛工大名電)の中犠飛で3ー4と勝ち越しを許してしまう。

フレッシュ3試合全て登板した勝倉
一方打線は、明大2番手・浦久響(国日2・日本航空石川)の前に沈黙。四球で辛うじて走者を出すものの、ノビのある直球と縦に大きく曲がる変化球に対し狙い球を絞れず、7回、8回と無得点に終わる。
優勝に向け後がなくなった9回。慶大は先頭打者に代打・安達英輝(商2・慶應)を起用。明大3番手・渡邉聡之介(政経2・浦和学院)から左安を放ち、同点の走者を一塁に置く。代走・北川昂政(総2・広島新庄)は捕逸で二塁へ進塁、続く渡邉千は投手強襲の内野安打で無死一、三塁と絶好の好機を演出。すると1死から今大会主将を務める服部が右前適時打を放ち、土壇場で4ー4と試合を振り出しに戻す。

同点適時打を放った服部
さらに満塁とすると、打席にはここまで無安打だった八木が入る。追い込まれながらも直球を捉え、これが右中間を真っ二つに破る走者一掃の適時三塁打となり勝ち越しに成功。その後も一宮知樹(経1・八千代松陰)の適時二塁打、延末の適時打で追加点を奪い、試合をひっくり返した。5点のリードで9回裏に臨む。

走者一掃の三塁打を放った八木
その裏は今秋リーグ戦デビューを果たした熊ノ郷が登板。先頭打者に中安を許すも、この日最速150km/hをマークした自慢の直球で押し切り、最後は代打・藤平愛也(政経2・八千代松陰)を空振り三振に仕留め9ー4で勝利。これで慶大は、23年秋季からフレッシュトーナメント5連覇を達成した。

加藤と抱き付く熊ノ郷
今季のフレッシュではリーグ戦での経験が豊富な選手、全く出場がない選手ともに活躍が光った。特にこの日の最終戦では土壇場で試合をひっくり返す団結力を見せ、慶大野球の真骨頂を体現していた。この貴重な経験をリーグ戦に還元し、23年秋以来の首位奪還に向けて長い冬の練習を乗り越えてほしい。

優勝後記念撮影をするフレッシュチーム
(記事:林佑真/写真:河合亜采子、神戸佑貴、塩田隆貴)
◆選手コメント
フレッシュチーム主将・服部翔(政2・星稜)
先輩方の思いを受け継ぎ、5連覇という結果で示せたことがとても嬉しいです。
来年からはリーグ戦に出場して日本一が取れるよう頑張ります。

5連覇に導いた主将・服部
フレッシュチーム副将・山本海(経2・慶應)
フレッシュ5連覇を達成することができて良かったです。次はリーグ戦優勝、日本一を目標に頑張ります。引き続き、熱い応援の程よろしくお願いします。

優勝盾を受け取る副将・山本海
渡邉千之亮(政2・慶應)
チームを勢いづけるバッティングができて良かったです。次はリーグ戦で優勝できるよう頑張ります。応援ありがとうございました。

鋭い当たりで存在感を示した渡邉千

