【ソッカー男子】第10節 真価問われる一戦で痛い敗北 中大戦

集合

二週連続の中大戦となったイレブン

第84回関東大学サッカー1部リーグ第10節が12日、西が丘サッカー場にて行われ、慶應義塾大は前週に総理大臣杯関東代表決定戦にて勝利した中央大に1-2で敗れ、中大にリベンジを許す形となった。

2010/6/12(日)13:50KO @西が丘競技場

慶應義塾大学1-2中央大学

{得点者}前17分 深澤良(慶大)、前28分 安柄俊(中大)、後1分 林容平(中大) 

深澤

シュートを放った直後の深澤

慶大は序盤、中大にボールを支配されるも、主将の三上(政4)を中心とした集中したディフェンスから徐々に流れを引き寄せる。オフェンスにおいてはスタメンに復帰した深澤(理4)が随所で上手さを見せ、田中(環3)、河井(政3)のコンビで右サイドを崩していく。すると前半17分、右サイドの加美(環4)から、見事な動き直しでフリーとなった深澤に浮き玉のパスが通り、左足のボレーシュート。これがニアサイドに見事に決まり、慶大が先制する。このスーパーゴールで勢いに乗るかと思われた慶大だが、次第に運動量が落ち、中大の後方の選手の飛び出しを捕まえられなくなっていく。すると28分、PA内、飛び出してきた中大MF永木に対し、田中が果敢にスライディングを試みるもファウルの判定でPKを与えてしまう。これを中大FW安がゴール右隅に決め1-1の同点。その後もFW林のポストプレーやMF六平を中心としたパスワークで何度かチャンスを作られるも、同点のまま前半を折り返す。

ゴール後

深澤の得点を祝福する選手たち

迎えた後半、「立ち上がりがもったいなかった。」(李監督)という言葉通り、開始早々の1分に、後方のフィードから裏に抜け出した林にボレーシュートを決められ勝ち越しを許す。慶大は川久保(理2)や日高(総3)など、攻撃的な選手を次々に投入し同点を狙うも、「攻撃全体の意思がばらばら」(加美)で、連動性を欠いた単調な攻撃に終始。逆にカウンターから何度もピンチを迎えるも、中川(環3)が好セーブを見せ追加点は許さない。終盤両チーム共に疲れが見え、中盤に大きなスペースが生まれる大味な展開の中で、30分の深澤のミドルシュートなど何度かチャンスを作るも、中大GK畑の好セーブに阻まれ、1-2のまま試合終了。

「本当の実力が問われる試合」(三上)に敗れた慶大。球際や競り合い、攻守の切り替えなど「基本的なところが出来ていなかった。」(李監督)とチームはまだまだ発展途上。そんな中次節は、「負けると下も見えてくる」(三上)、勝負の国士館戦。藤田が代表遠征のため欠場となるが、キレのある動きを見せた深澤を中心にいい形で勝利し、早慶戦、総理大臣杯に繋げていきたいところだ。

By Yosuke Okada

コメント

李監督

相手も力があるし、2回連続で負けたくないということもあったと思う。先制点をいい時間帯でとったんですけど、後半立ち上がりにやられてしまってもったいなかった。(今の課題は)切り替えやこぼれ球への意識ですね。そういう所は相手に比べてまだまだ弱かった。(敗因は)向こうの方が勝ちたいという気持ちが強くかったと思う。例えば10センチでも20センチでも足を出そうとか、競り負けないとか、切り替えを早くしようとか、そういった基本的な所が相手の方が上だった。後半立ち上がり回されて、そこで裏を取られて失点してしまった。1分2分も経ってなかったので、それが1番もったいなかった。(後半チャンスが少なかったが、それは中大の守備が良かったのか、慶大のサッカーが出来なかったのか)うちが回されたんです。後半に入って中盤のマークが甘くなった。(相手の2トップのポストプレーに苦しんだが)そうですね、相手のFWは選抜にも選ばれているトップレベルの選手で、抑えられればうちが勝つし、出来なかったらああいう風に失点してしまう。(前の試合との違い)この前はこぼれ球も拾えていたし、切り替えもうちの方が早かった。まあそういったところだと思います。1-1で折り返しての後半の立ち上がり。これが一番大きかったと思います。パーンと相手の方に流れが行ってしまったので。(次節への意気込み)次負けてしまうと、下も見えてくるので。いくら総理大臣杯に出ることが決まっていても落ちてしまっては意味がない。早慶戦もあるし7月にも試合があるので、来週の試合は大事になってくると思います。

三上主将

(振り返って)この1週間は、先週ああいう形で中央に勝てて、そのあとの試合ということで自分たちの本当の実力が問われる試合だよ、ということをずっと言ってきて、それでまあ結果こういう試合になってしまったので、まだまだ実力が足りないな、というのを実感しました。(敗因は)色々あると思うんですけど、まあある程度先週は出来ていたセカンドボールの部分だったり、球際しっかりいくことだったり、というのが少しずつ甘くなってしまって、五分五分のボールを相手ボールにされてしまうことが多かったことが苦しくなった原因かなと思います。(運動量が落ち、相手FWのポストプレーに苦しんだ)DFラインが上げたいときにプレスが掛からなかったり、プレスにいけないからDFラインが下がってしまったりと、そういう悪循環があったと思うので、DFラインを上げたい時はしっかりボールにいかせるというのを徹底するのと、あと中央は2列目から飛び出してくる選手が多かったので、それを全然捕まえられなかったなと思います。(攻撃の形を作れなかったが)いい時は出したら動くというのが徹底出来ていて、ボールを持った人に対してパスコースがたくさん作れる時がいい攻撃が出来ている時だと思うんですけど、今日は全体的に足が止まっていたかなという感じです。(一旦悪いリズムになるとそれを引きずってしまう所があるが)一人ひとりが点を取られた時とかに落ち込まないで、今までやってきたことを続けられるかにかかっていると思う。自分は後ろからよく見えている立場だと思うので、全体にそういうことを言っていけたらいいなとは思うんですけど。最終的には一人ひとりの部分だと思うので、そこは練習からやっていければいいなと思います。(次節は早慶戦前最後のリーグ戦だが)早慶戦もあるんですけど、それは全く考えずに、本当に次負けてしまったら4勝6敗という形になってしまうし、非常にリーグ戦も苦しくなってきて、下も見えてしまうので、先のことは考えずに次勝つことだけを考えてやりたいと思います。

加美副将

(ふりかえって)そうですね、やっぱり気持ちで負けていたというのが一番大きいかなと思います。先制点を取って、受け身になってしまったというか、そこで出だしとかセカンドボールとかをやりきれなかった部分があって。そこはやっぱり、反省点かなと思います。(リードされると弱いという今年のクセみたいなものについては)本当に時間、2点目をとられてから時間があったので、そこで本当にうまいことやれればよかったんですけれど、全然前に前に行ってしまった部分もあるし、攻撃全体の意思がばらばらというところもあったと思いますし。(どういう二つのベクトルでばらばらなのか)そうですね、やっぱり前半はロングボールが多くて、で終盤になったら足元ばかりになってしまったというところがあって。交代した選手とはじめからいた選手で共通の意識を持つことができればよかった。(ではそのために何をしていくべきだと)今日に関してはセカンドボールを拾われたというところが大きかったと思うし、前にロングボールを蹴らせてしまった部分もあったし、そういうつなぎの部分をまず直していくというところと、あとはその攻撃の組み立てで、途中から入った選手を含め、自分たちのスタイルを変えないというか。そこを改善していく。(ちなみに、今目指しているスタイルはどちらか)やっぱり今は、しっかり足元つないで、崩していくスタイルですね。(次節にむけて)本当に前期ラストの試合ということで、ここで勝つか負けるかというところで本当に大きな違いが出ると思うので、本当に全力でチーム一丸となって勝てるように戦いたいと思います。

笠松副将

(ふりかえって)この前、総理大臣杯の予選でも戦って、今週も戦う。そういう意味では今日こそ本当の実力を問われる試合だったと思うんですけれど、今日の結果に現れてしまったように、まだ自分たちの力が足りなかったし、本当に準備の段階からゆるくなっていた部分があると思うので、もう一回引き締めないと。目標の4位以内という結果に入れないですし、このままじゃ全国でも戦えないというイメージです。(気持ちのほうが問題なんでしょうか)そうですね、この間勝てたときは、基本的にセカンドボールでうちが優勢に立っていたんですが、今回はほとんど相手に拾われてしまったり、という風に試合で負けていた部分を考えると、技術もですがそういう部分が大きいかなと思います。(セカンドボールを拾えなかった理由は)やっぱりセカンドボールを拾えるというのは、気持ち、そして予測できるか、その上で気持ちが前に出るか、1、2メートルの距離で足がだせるか、そういう相手に勝ちたいという気持ちが半分くらいを占めると思うので、そこで劣っていたかなというのはあります。(また今日は注意しなくてはといっていた頭の時間の失点もあった)そこは本当に集中すべき部分で、後半の立ち上がりでプレスかからない時間帯にラインを上げてしまったところを、2列目から飛び出してくる相手にやられてしまったというのが個人としてもあるので。今、そうした2列目から飛び出してくる選手をどうするかという部分でハーフとバックの関係があまり良くないというのもあるので、そこをちゃんと修正していきたいです。(次節に向けて)次勝つか勝たないかで、天皇杯なり後期のインカレ出場という目標なりに繋がっているからこそ、負けると降格争いにも繋がってしまう大事な試合として、気持ちをしっかりもって、いい準備をして挑みたいと思います。

深澤

(振り返って)中大とは連戦で、今日は全国に出るチームだということを証明したかった。そういう意味でも悔しかったです。(自身の先制点があったが)自分は怪我をしていて、今日は復帰戦で、プレーが崩れてしまっているんではないかという不安があった。なのでゴールは嬉しかったです。ただ、他にもチャンスあったしそういうところを決められるようにしていきたい。(FWとして出場だったが)元々FWの方が得意。自分はスピードで裏を狙っていくのが持ち味なので。(次節国士大戦に向けて)連敗は避けたい。今節、次節とインカレ出場には重要な試合なので絶対勝ちたいです。

慶大出場選手

GK 中川翔太(環3)

DF 黄大城(総3)

DF 笠松亮太(総3)

DF 三上佳貴(政4)

DF 田中奏一(環3)

MF 藤田息吹(政2)

MF 大塚尚毅(総3)

後半6分 大塚尚毅→松下純土(総1)

MF 山浦公裕(商2)

後半26分 山浦公裕→川久保理(理2)

MF 加美義人(環4)

後半13分 加美義人→日高慶太(総3)

MF 河井陽介(政3)

FW 深澤良(理4)

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