【フィギュアスケート】全日本選手権出場!主将の恩返し、新星の成長 東日本選手権②

大観衆に見守られながら、演技をした近藤

 

群馬県総合スポーツセンターアイスアリーナにて行われていた、第39回東日本フィギュアスケート選手権大会。大会3日目の11月4日、シニア男子の近藤琢哉(商4)と小曽根孝浩(環1)がフリースケーティングに臨んだ。ショートプログラムで5位につけた近藤は、全日本選手権への出場枠争い(上位5名)を制することができるかに注目が集まる。一方、ショートプログラム13位の小曽根は、得意のフリースケーティングでどこまで順位をのばせるかに期待がかかった。

 

シニア男子 フリースケーティング

・近藤琢哉(商4) 

11月2日:ショートプログラム 59.88点 5位

11月4日:フリースケーティング 116.81点 4位

総合 176.69点 4位

ジャッジにアピールする小曽根

ジャッジにアピールする小曽根

・小曽根孝浩(環1)

11月2日:ショートプログラム 40.77点 13位

11月4日:フリースケーティング 87.81点 9位

総合 128.58点 11位

 

 

 

 

小曽根の気迫のステップは、高評価を受けた

小曽根の気迫のステップは、高評価を受けた

まずは第1グループ3番滑走の、小曽根が演技を披露。自信のあったサルコウで冒頭の3回転を見事に着氷。しかし2発目の3回転サルコウでは回転が足りなくなってしまう。ここで臨機応変にミスに対応した小曽根は、ダブルアクセルを3回転サルコウ‐2回転トーループに変更。3連続ジャンプも決まり、きちんと得点につなげる。終盤にはロックのリズミカルなステップをジャッジに見せつけ、歓声が上がった。フリーの結果は9位となり、総合11位。やはり点に伸び悩むショートがもったいないという印象がある。これから先が期待の小曽根は、大会での経験を重ね、成長してくれるだろう。

 

 

 

 

試合を重ねるにつれて磨き上げた、近藤のジャンプ

試合を重ねるにつれて磨き上げた、近藤のジャンプ

近藤主将は、全国レベルの選手が集まる最終グループの3番滑走で『ドラゴン』を披露した。冒頭のコンビネーションジャンプを決めると、その後のジャンプも安定の着氷。ショート、フリーを通して大きなミスなく全て着氷できたのは誇れる練習の成果と言えよう。スピンやステップでは手足を大きく使い、まさに「龍」のようにのびのびと舞う。近藤の気持ちのこもった演技に拍手と歓声が湧いた。結果、フリーで順位を一つ上げ、総合4位に。見事に全日本選手権への切符を手にした。昨年は惜しくも逃した大舞台への一年越しのリベンジとなる。ただ、主将として、スケーターとして第一に考えていたのは「観ている人を感動させる演技」をすること。自ずとついてきた結果に対して、部員に「恩返し」ができたと語ってくれた。近藤にとっては最後となる全日本選手権は12月に行われる。感動の演技を再びクリスマスの大舞台で魅せてくれることに期待が高まる。

 

(文:須佐奈月、写真:脇田直樹)

 

 

近藤はショート、フリー両方ともスタンディングオーベーションを浴びた数少ない一人だ

近藤はショート、フリー両方ともスタンディングオーベーションを浴びた数少ない一人だ

近藤琢哉(商4)

(全日本選手権出場を決められて、今のお気持ちは)すごく緊張していたので、今はぼんやりしているというか、真っ白っていう感じなのですが、でも去年行けなかったのが本当に悔しくて、1年間ずっとその悔しい思いがあったので、今日やっとそこから解放されたなという感じです。(ショートプログラムの結果をふまえ今日のフリースケーティングはどのような意気込みだったか)ショートは5位という順位で、結果だけ見れば全日本に行ける枠のギリギリだったのですが、でもあまりそういうことは気にせず、とにかくショートのときに、観ている人を感動させるような演技をしようと思っていたので、フリーでもそのことを第一に考えていました。(今日の演技を振り返って)多少ミスはあったのですが、今までの練習のことを考えたときに、人と比べても恥ずかしくないくらい量もしてきたし、内容も濃かったと思っていたので、そういうのを全部出そうと思って、練習通りにできたのが一番嬉しかったです。(交流戦出場のため直接は応援に来られなかった他の部員の方たちへ、どのように報告をしたいか)試合前にも「頑張って」というようなメッセージをもらっていたのでまずは「行けた」ということを。あとは、僕は主将としてはいつも自分勝手で、自分のスケートばかりやっていて迷惑をかけたので、結果が出せて、ちょっとその恩返しができたかなというふうに思います。本当に「ありがとうございます」と言いたいです。(全日本選手権に向けて)僕はこれが最後の全日本選手権なので、今までやってきたスケートの集大成だと思って、全部出し切れたらなと思っています。

 

大舞台を経験した小曽根は、晴れ晴れとした表情を見せた

大舞台を経験した小曽根は、晴れ晴れとした表情を見せた

小曽根孝浩(環1)

(今日の演技を振り返って)ジャンプが抜けてしまったのが3つもあったので、それがちょっと悔しかったのですが、最低でもサルコウとトーを2発ずつ降りるというのが目標でした。それが達成できたのは自分の中でも、こういう舞台で一つ進歩できたのかなと思います。(ショートプログラムの結果を受けて、どのような意気込みでフリースケーティングに臨んだか)結果がひどすぎて、目標がなくなってしまって。1日空いて最初の練習はあまり良くなかったのですが、自分のベストを尽くすと最初から決めていたので、フリーはパーソナルベストを更新できるようにという目標で頑張りました。(中盤はジャンプで持ち直したが)2発目のサルコウですっぽ抜けてしまって1回転半だったので、トリプル認定じゃなくなり、もう一度3回転ができるということでした。それで、急きょトーループの後、ダブルアクセルのところをトリプルサルコウに変更しました。自分の中でもサルコウは絶対行ける、と自信があったので。その後の3連続も久しぶりに決まったので、気持ちは集中できたかなと思います。(演技後、すごくいい笑顔が見られたが)あまり良くなかったのですが、サルコウとトーが決まったのは嬉しかったので、素直に気持ちを表した方がジャッジにもアピールできるのかなと思って。ちょっとオーバーなリアクションをとっていますけど。(大会全体を振り返って)ショートプログラムが昔から苦手だったのですが、ショートプログラムの重要性がすごく分かった2日間ですね。次はジャンプを確実にして、難易度の高いジャンプも跳ばなければいけないという焦りも今回分かったので、2日間本当に勉強になったと思います。悔しいなあ、と。(今後の目標は)12月に新人戦があって、それは楽しく滑ろうと思います。ルッツを入れようかと思います。あとインカレは、近藤主将と団体表彰されるように、自分が足を引っ張らないように固めて、優勝を目指すぐらい頑張ります。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました