【野球】あと一歩届かず今季初黒星 連勝は6でストップ 立大①

5月17日(土)立大1回戦

今季初黒星を喫したが、選手たちは明日の勝利を見据える

今季初黒星を喫したが、選手たちは明日の勝利を見据える

ここまで開幕から負けなしと破竹の勢いで勝ち進んできた慶大。だが、その連勝もついに6で止まった。初回、先発・加嶋(商3)が1死満塁から犠飛で先制点を許すも、すぐさま2回表に藤本知(環4)と竹内惇(商4)の連続二塁打で追いつく。しかし3回裏、三塁打などで2点を失い再び追いかける展開に。直後4回表に谷田(商3)の本塁打で1点を返すも反撃はここまで。今季初となる苦い敗戦を喫した。また今日の結果により優勝は慶大と早大に絞られ、最終週の早慶戦で決着がつくことが決まった。

   
慶大
立大 ×
 慶大:●加嶋、瀧本、三宮―小笠原

 立大:○澤田圭―鈴木

◆慶大出場選手

ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
[3] 齋藤大輝(商2・慶應)
[2] 小笠原知弘(環3・智弁和歌山)
[1] 加嶋宏毅(商3・慶應志木)
  瀧本健太朗(商4・慶應)
  三宮舜(商3・慶應)
 

先発・加嶋は試合を作れなかった

先発・加嶋は試合を作れなかった

優勝へ向けて突き進む。そう言わんとばかりに勝ち続けてきた慶大。暖かな初夏の日差しを受けながら、今日も慶大ナインは神宮球場での戦いに臨んだ。その相手・立大先発は昨秋白星を献上した澤田圭。

 

慶大は初回の攻撃を3人で終えると、その裏から試合は動いた。先頭・佐藤拓が安打で出塁すると、立大はすぐさまランナーを動かし好機を広げる。初回からの足を絡めた攻撃に加嶋は動揺したのか、死球も絡み1死満塁のピンチに追い込まれ我如古の犠飛で先制点を奪われる。

しかし今季の慶大は強い。ここまで一度も負けることなく連勝してきた勢いに乗せて2回表、藤本知は右中間に鋭い二塁打を放ち1死二塁と同点の好機を作る。続く竹内惇は「待っていた」という澤田圭の直球を左中間に弾き返し二塁走者が生還。絶好調の上級生コンビの長打2つであっさりと慶大は試合を振り出しに戻す。

再び立大にリードを許すことになったのは3回裏、先頭打者はバントヒットで出塁。その処理の際一塁ベースカバーに入った竹内惇が打者走者と交錯し、試合は落ち着かない雰囲気に。その隙を突くかのごとく続く大城は初球を勝ち越しの適時三塁打とする。すると続く岡部に犠飛を浴び瞬く間に点差は2点に広がった。

 

特大な本塁打を放つ谷田

特大な本塁打を放つ谷田

直後、神宮球場に快音が響きわたる。4回表、先頭の谷田がライトスタンド中段に本塁打を叩きこむ。再び追いかける展開にはなったがまだ試合は終わっていない。そう宣言するかのような当たりだった。これで1点差としたがその裏加嶋は「全然ダメだった」と語るように四球と安打を与えるなど落ち着かず、今季最短となる4回途中での降板となってしまった。

その後は自身初登板の瀧本(商4)、今季リリーフエースとして活躍する三宮(商3)の見事な救援で慶大に流れを引き寄せるかと思われたが、澤田圭の前に打線は沈黙。9回表、藤本知に右方向へ大飛球が飛び出すが立大守備陣の好返球もあって三塁でタッチアウトとなりここで命運は尽きた。慶大1点ビハインドのまま試合は終了し、2-3で今季初黒星を喫した。

 

最終回、藤本知は果敢に三塁を狙うも及ばず

最終回、藤本知は果敢に三塁を狙うも及ばず

今季初めて相手に白星を譲ったこの試合。慶大はほんの少しの小さな穴を立大に突かれたように見える。失点には結びつかなかったが初回、我如古の犠飛の捕球後内野への返球がわずかに遅れ、その間に二塁を陥れられた。また3失点目となる3回裏の岡部の犠飛は浅いものだったが、外野手からの返球を内野手がカットしたためか本塁への到達が遅れ結果セーフとなった。これまではキャンプで強化した打撃に加え、積極的に次の塁を狙う姿勢で相手を飲みこんでいった。だが今日の慶大は「打撃陣が投手の粘りに応えられなかった」(谷田)という感想を選手が抱くほど湿った攻撃が目立ってしまい、それに加えて立大に細かな穴を突かれたせいで徐々に慶大のリズムが失われていった。

少しずつリズムを失いつつあった慶大だが、試合が終わってみると「慶大の流れで試合ができなかった」(佐藤旭主将・商4)、「慶大らしい試合ができなかった」(小笠原・環3)という言葉にあるように、常に相手ペースで試合が運ばれたようにみえる。しかしそれには相手の好守に阻まれた攻撃もあれば、こちらの守備にも良いプレーが飛び出した場面もあったことなどから、紙一重の差しかなかったといえよう。今まで連勝してきた慶大の勢いが消えたということではないはずだ。必ず優勝を手にするために、また明日から慶大ナインは力強い戦いを見せてくれることだろう。

 

【Keispo pick up】相手の流れをせき止めた初マウンド 瀧本健太朗

リーグ戦初登板の瀧本。最上級生の意地を見せた

リーグ戦初登板の瀧本。最上級生の意地を見せた

4回裏、1死一,二塁のピンチでマウンドに上がった。4年生ながらも今日がリーグ戦初登板。「緊張はしなかった」というその言葉通り、ピシャリと抑えそのピンチを切り抜けた。5回にも無失点の投球を披露し、試合を落ち着かせる救援投手の役目を果たした。 今季の慶大の救援陣は、三宮の孤軍奮闘と言っても過言ではないほどだ。長い腕をしなやかに使った投球が魅力の瀧本は、その救援陣に頼もしい仲間がもう一人いることを証明するデビューを飾った。優勝へ向け負けられない試合が続く中、瀧本の存在は慶大にとって大きなものとなるだろう。

(記事 山田万里子)

 

◆打撃成績

   
[7] 佐藤旭 三ゴ   二ゴ   空三振     三ゴ  
[6] 山本泰 左飛   中飛     中飛   空三振  
[9] 谷田 一ゴ     右本①   遊ゴ   一ゴ  
[5] 横尾   二ゴ   空三振   右飛     遊ゴ
[8] 藤本知   右中2   空三振     中飛   右越2
[4] 竹内惇   左中2①   二ゴ     四球   右飛
[3] 齋藤   中飛     左安   中飛    
[2] 小笠原   右飛     右飛   四球    
[1] 加嶋     空三振            
1 瀧本         捕犠打        
1 三宮             三直    
◆投手成績       
  投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
加嶋 3 1/3 20 62
瀧本 1 2/3 25
三宮 30
◆選手コメント

佐藤旭主将(商4)

(今季初黒星となってしまったが)作ったチャンスであと一本が出なかったですしなかなかチャンス自体を作れなかったので、慶應の流れで試合ができなかったかなという風に思います。(1回裏、先制を許し連係ミスもあったが試合の入りはどうだったか)点を取られたことは仕方ないですし入り自体はそんなに悪くはなかったですけど、点を取られてしまったので明日はそこから修正していかないといけないですね。(8回裏の藤本知選手の好守から9回表の攻撃全体を振り返って)本当に紙一重だなという風に感じましたし、藤本の当たりが三塁打にならなかったことも紙一重だったなと思います。その流れを持っていけなかったということが今日の敗因かなと思います。(佐藤選手自身フル出場だったが足の状態は万全か)そうですね。出ている以上はベストを尽くすだけですね。(明日以降に向けて)今日ギリギリのところで負けましたけど今日は今日なので、明日はしっかり切り替えて明日明後日と勝って勝ち点を取れるように頑張っていきます。

 

瀧本健太朗(商4)

(今日の試合を振り返って)今日は初登板だったので、開き直って投げました。(初登板の感想は)ピンチの場面だったので、ストライク先行でフォアボールを出さないように意識して投げました。(どういう気持ちでマウンドに上がったか)あんまり緊張とかはしなかったですけど、とにかく開き直って、相手のバッターとしっかり勝負できるように頑張りました。(次に向けて)今1敗してしまったんですけど、明日明後日しっかり勝って、勝ち点を取って早慶戦に臨めるように頑張りたいと思います。

 

竹内惇(商4)

(今日の試合を振り返って)ピッチャーが頑張って3点以内に抑えてくれたんですけど、バッターがなかなかつなげられずに点を取れなかったということで、明日は打ち勝ちたいと思います。(第1打席の同点二塁打について)澤田はストレートで押してくると思ったので、ストレートに張っていたところに甘いボールが来たので打ちました。(その澤田投手は谷田選手の本塁打以降、ギアを上げてきたように見えたが)そうですね、最後の打席ではスリーボールワンストライクからの真っ直ぐを打ったんですけど、1打席目のストレートとは全然違って、球威に押されて打ち取られてしまいました。(初黒星となったが、打撃陣や守備を見る限りチーム状態は悪くないのでは)今日はちょっと不運な正面の打球も多くて、それが抜けていれば慶應にも勝機はあったと思います。(明日の一戦に向けて)明日は運もこちらに引き込んで勝ちたいと思います。

 

藤本知輝(環4)

(今日の試合を振り返って)負けてしまったんで、今日は今日で、明日に備えて準備するだけです。(2回の二塁打について)ゾーンを上げて、低いボールには手を出さないという意識で待ってたんで、いい結果が出てよかったです。(今日も長打を2本打ったがバッティングの調子は)バッティングの調子は試合を経るにつれあがっていってるんで、これからももっと打てると思います。(8回のファインプレーのときはどんな気持ちで打球を追っていたか)ピッチャーも一生懸命投げてるんで、あれはもう当たり前のプレーと言えば当たり前のプレーです。(明日に向けて)今日負けてしまったんですけど、切り替えて明日に向けて、明日はもう勝つだけなんで、勝つことを意識して頑張りたいと思います。

 

小笠原知弘(環3)

(今日の試合を振り返って)結果的には2対3だったんですけど、慶應らしい試合ができなかったかなと思います。(先発加嶋投手について)結果論的に言うとあまりよくなかったと思いますけど、それでもなんとかリズムよく投げて、打線に繋げたかったんですけど、なかなか思うようにいかなかったです。(受けていて先週と違いは感じたか)調子なので日に日に変わるものですけど、そのなかで僕が、悪いなりにもリードできたらよかったかなと思います。(初登板の瀧本投手について)コントロールのいいピッチャーなので、不安はなかったんですけど、強い気持ちで投げてくれたので抑えられたかなと思います。(立大の印象)どこのチームも強いですし、なかなか簡単には勝てないので、1回負けて、またもう1回気を引き締めて、連勝していかないと優勝できないので、やるしかないです。(明日に向けて)勝たないと話にならないので、一生懸命頑張って、ベスト尽くして、最終的に勝てたらいいなと思います。

 

加嶋宏毅(商3)

(今日を振り返って)もう全然ダメでした。(前回登板との感触の違いは)特にはありません。(明日以降の意気込み)優勝するためには3回戦まで行って、勝ち点を取らなければいけないので、切り替えていこうと思います。

 

三宮舜(商3)

(慶大は今季初黒星となったが)負けてしまったんですけど、負けるのは仕方ないので明日に切り替えるしかないですね。(1点ビハインドの6回からリリーフ)相手に追加点をやらないように投げました。(3イニングを完璧に抑えたが)今日は調子が良かったので、ランナーが出なくて良かったです。自分の投球で流れを持ってこようと思ったのでそういう結果になって良かったです。(7回表、チャンスで惜しい当たり)本当は代打が出されると言われていたんですけど、行けと言われて。初球から打とうと思って打った結果があの当たりだったということで。惜しかったですね。(明日の試合に向けて)明日、勝ちます。

 

谷田成吾(商3)

(試合を振り返って)安打数が少なく打撃陣が投手の粘りに応えられなかったので申し訳ないです。(澤田投手の投球について)良い投手だというのはわかっていたんですけど、低めに制球していて打ち損じが多かったので気を付けたいです。(本塁打が出たが)その打席だけは球をしっかり狙って打てたので良かったです。打った瞬間わかる当たりでした。(明日の試合に向けて)明日勝たないことには始まらないので、それだけ考えてしっかり準備します。

 

山本泰寛(環3)

(今日の試合を振り返って)ピッチャーは3点に粘ってくれたんですけど、打線がつなげられなかったですね。それが敗因だと思います。(澤田投手を攻略するイメージは)コーナーにしっかり投げ分けてくるので、甘い球を打ち損じないでしっかり打っていくということを意識しました。(今季初の黒星、チームの雰囲気は)1敗したことによってそこまでくよくよする訳ではなく、普通にまた明日も一からやろうっていう気持ちでやっているんで、雰囲気自体はいいと思います。(早慶戦での勝者が優勝ですね)その方が盛り上がるから、いいんじゃないかなと思います

 

齋藤大輝(商2)

(今日の試合を振り返って)チャンスはいっぱいあったんですけど、一本が出なかったというか。勝ちきれなかったという感じの試合でした。(5回の打席で安打を放ったが、打席ではどういった心境だったか)今日はしっかり、いいスイングができていたので、自分のスイングができればと思って打席に立ちました。(出塁してからはけん制が多かったが)試合の前日から、けん制は多いだろうという話をしていたので、そのことは頭に入っていたんですけど、想像以上に多かったので気をつけていました。(今季初の黒星について)負けるときは負けると思うので、しっかり切り替えて、また次は勝てばいいという気持ちで頑張ります。(明日に向けて)今日の試合で、負けなしの重圧やプレッシャーから解放されたと思うので、明日はいかに自分たちの野球をするかを考えて、連勝したいと思います。

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