慶應スポーツ新聞会

【野球】リーグ史上初3者連続本塁打などで先勝 東大①

10月3日(土)東京六大学野球秋季リーグ戦 東大1回戦

8回表1死一塁、三塁線を破る先制の適時三塁打を放つ山本泰

8回表1死一塁、三塁線を破る先制の適時三塁打を放つ山本泰。均衡を破った

1点を先制した8回、2死三塁から3番横尾俊建(総4)の2ラン、4番谷田成吾(商4)、5番山口翔大(環3)のソロと3者連続本塁打で加点し、5得点。横尾は左翼越え、谷田、山口は右翼ポール際にそれぞれ放ち、3者連続本塁打は東京六大学野球リーグ史上初となった。これで今季のチーム本塁打は14となり、最多記録である平成16年秋・法大の20まで残り5試合以上で6。試合は加藤拓也(政3)が7回無失点に抑えるなど5-1で勝利した。

 

慶大

東大

東大:宮台、●柴田(3敗)、川口―喜入

慶大:○加藤拓(4勝1敗)、三宮―小笠原

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[6]

山本泰寛(環4・慶應義塾)

[8]

梅野魁土(環4・福岡大大濠)

[5]

横尾俊建(総4・日大三)

[9]

谷田成吾(商4・慶應義塾)

[7]

山口翔大(環3・桐光学園)

[3]

山本瑛大(商3・South Torrance)

 

清水翔太(総2・桐蔭学園)

[2]

小笠原知弘(環4・智辯和歌山)

 

須藤隆成(環3・創志学園)

[4]

川崎晃佑(環3・智弁和歌山)

 

岩見雅紀(総2・比叡山)

 

倉田直幸(法2・浜松西)

[1]

加藤拓也(政3・慶應義塾)

 

樋口慈(文4・東葛飾)

 

三宮舜(商4・慶應義塾)

プロ野球・ヤクルトスワローズが前夜に優勝を決め、ビールかけの興奮も冷めやらぬ神宮球場での第2試合。

「先に点を取られて勢いをつけられたくなかった」という大久保監督の思いに応え、今季初先発で7回零封した加藤拓

「先に点を取られて勢いを与えたくなかった」という大久保監督の思いに応え、今季初先発で7回零封した加藤拓

今季初先発の加藤拓は直球を中心に東大打線を抑えていく。初回を左翼フライ、空振り三振、左翼ファウルフライの三者凡退に終える。2回は2死から四球を、3回は1死から安打を許すも後続を断つ。4回は先頭の飯田に二遊間への強烈な打球を放たれるも、ショート・山本泰寛(環4)がダイビングし内野ゴロに。守りに盛り立てられ、この回を三者凡退で終える。

打線は初回、東大先発・宮台に対して先頭の山本泰は空振り三振、梅野魁土(環4)はバントを試みるも三塁ゴロに倒れる。2死から横尾が11球見て四球を選ぶものの、続く谷田は空振り三振。2回、2死2ストライクから小笠原知弘(環4)が左翼前へのヒットで出塁するが、続く川崎晃佑(環3)はセンターフライに倒れまたも無得点。結局、宮台に対して5回まで三塁を踏むことすらできなかった。両チーム無得点でグラウンド整備に入る。

6回から登板した東大の2番手・柴田から、慶大打線は四球で走者を出すものの、6回は横尾が併殺打に倒れ、7回も返すことができない。

8回表無死一塁、樋口(写真後ろ)への守備妨害の判定を受けて主審に抗議する大久保監督。この直後、慶大打線が爆発した

8回表無死一塁、樋口(写真後ろ)への守備妨害の判定を受けて主審に抗議する大久保監督。この直後、慶大打線が爆発した

今季最長の7イニング目に入った加藤拓は、先頭・楠田に四球を出す。この試合初めて先頭打者を出塁させる。続く田中の打球はホームベース付近でバウンドし高く跳ねてサード横尾の頭上を越えた。ヒットエンドランがかかっており、代走・岩熊はスタートを切っていたもののフライと勘違いしたのか一塁へ戻ってしまった。バックアップに入ったショート山本泰が落ち着いてセカンドに送球し1死。相手の走塁ミスに冷静な対応でピンチの芽を摘む。その後も四球などで2死二、三塁となったものの代打・森田を抑え、加藤拓は7回を無失点で降板した。

直後の8回、先頭・川崎晃が四球で出塁すると、加藤拓の代打・樋口慈(文4)に送りバントのサインが出る。2ボールからの3球目、外角の球を空振りすると、キャッチャー・喜入が一塁けん制の構え。すると審判は空振りの体勢を保ったままだった樋口に守備妨害を宣告し、1死となる。この判定に対し大久保秀昭監督が抗議。判定は覆らなかったものの、続く山本泰が初球打ちで左翼線を破り、タイムリー三塁打で先制に成功。両チームともにつかみ損ねていた流れをようやくつかむことができた。

一本目。8回表二死三塁、3番横尾がレフトへの本塁打を放つ

一本目。8回表二死三塁、3番横尾がレフトへの本塁打を放つ

二本目。右越えの本塁打を放った谷田は、敬礼のポーズでホームイン

二本目。右越えの本塁打を放った谷田は、敬礼のポーズでホームイン

三本目。本塁打を放ちベンチに戻ってきた山口(背番号9)を、大久保監督(写真右)はじめとするベンチも笑顔で迎える

三本目。本塁打を放ちベンチに戻ってきた山口(背番号9)を、大久保監督(写真右)はじめとするベンチも笑顔で迎える

さらに2死から横尾が左翼へ自身最多となる4号2ランで加点。ゲームを優位に進めるリードとなった。柴田はここで降板し、続く3番手・川口の投じた1球目。谷田の打球は右翼ポール際への自身最多タイ4号ソロに。高木大成(H8総卒)を抜き慶大単独3位となる通算14本目の本塁打で4点目を挙げる。続く山口も8球目を右翼ポール際へ2号ソロ。今年90周年の節目を迎える東京六大学野球リーグ史上初の3者連続本塁打を達成した。なお、この3選手による1イニング3本塁打は昨年11月24日関西学院創立125周年記念野球試合「関西学院―慶應義塾」でも達成されており、それ以来の快挙となった。さらに今季リーグ戦でのチーム本塁打も14。シーズン記録である20まで5試合以上を残し6と迫った。

8回からは三宮が2回を投げ切り5-1で試合終了。前半につかみそこなった流れを8回につかみ切り、東大に先勝した。

 

【Today’s Legends】リーグ史上初の快挙を果たしたクリーンナップ 横尾俊建・谷田成吾・山口翔大

写真左から3番・横尾、4番・谷田、5番・山口。手に握られているのはホームランボールだ

写真左から3番・横尾、4番・谷田、5番・山口。手に握られているのはホームランボール

高校時代、全国制覇を果たし、大学でも通算12本塁打の横尾。「完璧」と語った左翼への一発でリードを広げると、続く谷田は初球を右翼ポール際へ。開幕カード以来の4号で慶大史上単独3位となる通算14号本塁打を放つ。春は1本のみと不調に終わったが、現役最多の本塁打数を誇るスラッガーは最後のシーズンに本領発揮。さらに山口の打球も同じような弾道を描きスタンドへ。先週の法大3回戦から2試合連続の2号はリーグ史上初の3者連続本塁打となるアーチに。歴史に残る3連発は7戦14発と好調の打線を象徴する出来事となった。

                                                            記事: 石井博己

◆打撃成績

 

 

[6]

山本泰

空三振

 

左飛

 

 

左飛

 

左3①

 

[8]

梅野

三ゴロ

 

二ゴロ

 

 

四球

 

二直

 

[5]

横尾

四球

 

 

三ゴロ

 

二併打

 

左本②

 

[9]

谷田

空三振

 

 

四球

 

 

四球

右本①

 

[7]

山口

 

一飛

 

二ゴロ

 

 

捕犠打

右本①

 

[3]

山本瑛

 

見三振

 

三ゴロ

 

 

 

 

 

清水翔

 

 

 

 

 

 

二ゴロ

左飛

 

[2]

小笠原

 

左安

 

 

右飛

 

右邪飛

 

右飛

須藤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[4]

川崎晃

 

中飛

 

 

投ゴロ

 

 

四球

 

岩見

 

 

 

 

 

 

 

 

三飛

倉田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[1]

加藤拓

 

 

見三振

 

左飛

 

 

 

 

樋口

 

 

 

 

 

 

 

守妨害

 

三宮

 

 

 

 

 

 

 

 

三ゴロ

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

被安打

三振

四死球

失点

自責

○加藤拓

26

107

三宮

27

 ◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

(今日の展開について)秋の東大は失点が少ないとは聞いていましたし、夏のオープン戦でもいい試合をしていたので、先に点数取られて相手に勢いをつけられたら嫌だな、というのがあって、加藤拓を先発にしました。思った以上に動かなかったですね。(宮台投手の前に三塁を踏めなかった)いつも打てるわけではないですから。一回対戦してどうか、という感じですね。(柴田投手も打ちあぐねました)若干ボールが動いているというか。簡単には打てませんよ。(加藤拓投手について)何も言うことは無いです。途中四死球で苦しんだところもありましたが、守りがしっかりしていましたから。山本泰をはじめとして。(7回裏は先頭を四球で出してピンチでした)あの場面はエンドランで、たぶん当たったところが見えていなくてフライと思ったのでしょうね。(8回表には樋口選手のプレーに関して抗議しました)審判が妨害と言ったら妨害なのだから、仕方ないところはあるのだけれど、一生懸命やっているプレーに対して覆ることはないかもしれないけど可能性があるのなら、というところですね。(8回にようやく打線が投手にあってきました)あそこで山本泰の三塁打もそうですけど、横尾も谷田も、下級生からやっている選手にはやってもらわないとこ困るというところでした。(小笠原選手はチーム初ヒット、守備でも奮闘しました)キャッチャーは職業柄、名誉の勲章というか、体を張って守るというか。キャッチャーはチームの中心というか、ぼくはずっと小笠原はチームの中心だと言っているけれども、夏以降彼が社会人で続けるというところから変わってきて、締まり感がチームに伝わっているかなという感じですね。(明日に向けてお願いします)明日もスキのない野球をやっていくだけです。

横尾俊建主将(総4)

(今日の試合を振り返って)勝てて良かったです。(終盤までもつれる展開となったが予想はしていたか)はい。(宮台投手の印象は)良いピッチャーでした。丁寧にコントロール良く投げていたので、打つのは難しかったです。(8回には貴重な追加点となる本塁打がありました)完璧でした。(三者連続本塁打は史上初の記録だそうです)みんながちゃんとやった結果がそういった記録に繋がったと思うので、良かったです。(以前、東大の投手は少し打ちにくいと振り返っていましたが、その意識は払拭出来たのでは)はい。でもこれから明日もあるので、頑張っていきたいです。(明日に向けて)明日も勝ちたいと思います。

山本泰寛副将(環4)

(今日の試合を振り返って)打てなかったので苦しい試合でしたが、しっかり加藤が0点で抑えてくれたので守備から流れがきたかなと思います。(4回にはファインプレーがありました)守備が持ち味なので。打ちとった当たりを取るのが自分の役割なのでそれがしっかりできて良かったです。(8回のタイムリースリーベースを振り返って)あそこは気持ちで、何も考えずに打ちました。(最近長打がよく出ていますね)しっかり芯に当ててミートするということを意識している結果が長打につながっているのかなと思います。(明日の試合に向けて)しっかり一点一点とって、守備からリズムを作っていきたいなと思います。

樋口慈(文4)

(ブログ面白かったです)読んでいただきありがとうございます。ちょっと笑いを取りに行きました。4人で。(本日の試合を振り返って)とにかく勝てて良かったです。それだけです。(打席に立った想いは)前の試合でミス(立大3回戦、一塁代走時に二直で戻れず)をしていて、今日はミスできないという気持ちでした。(犠打の体勢を崩し守備妨害の判定)そうなってしまったのかという思いと、もうちょっと野球の神様は僕に優しくしてくれてもいいんじゃないかなとは思いました。(その後のバッターが得点を入れてくれました)そうなんです。この前僕がミスした時も、同点でそこから谷田がホームラン打って勝ち越すんですよ。で、今日も僕がミスした後に勝ち越したじゃないですか。僕がミスすると…、ポジティブに考えないでくださいね、僕がミスしても点取ってくれるようないいチームです。変な言い方をすると、野球は辛いですけど、スポーツはやってて良かったなと思える瞬間が2回もあって良かったです。(次に向けて)次があるかわからないですけど、僕の野球人生最後の打席を守備妨害で終わらせたくないので、打席じゃなくてもいいので、いい形で野球を終えられたらいいなと思います。

谷田成吾(商4)

(今日の試合を振り返って)苦しい展開になるのは予想していましたが、その通りになりました。ですが、終盤打線が繋がって点が取れたので、良かったと思います。(終盤まで無得点でしたが、ベンチの雰囲気などは?)今までの東大なら、焦ってしまっていたかもしれませんが、今年の東大が強いことは重々承知していたので、いい試合になったなとむしろ落ち着いていました。その中で、チャンスが来たらいこうと思っていたところに、監督の抗議もありチームが奮起したというところもありました。(それはご自身の中でも?)そうですね。あと、1打席目にボール球を降って三振してしまったので、それからは我慢して我慢してということも意識した結果、最後良い結果につながったので、それは良かったと思います。(法大戦から東大戦に向けて修正した点は?)とらえたと思った当たりがファウルになったり、バットの出方が良くなかったりしたので、そこを修正しました。(結果ホームランが出ましたが、打席を振り返って)打ったのはまっすぐで、ホームランは狙っていませんでした。センターを意識していたのですが、少し早く身体がひらいてしまいました。ちょっと先っぽだったのてすが、入ると思いました。(横尾選手とホームラン争いをしていますが、そのことについて)意識していないと言ったら嘘になりますが、狙って打てるタイプではないので、毎打席芯に当てることを意識してます。(警戒されている中での打席に向かう気持ちは?)打ちたいという気持ちが先行しすぎると、1打席目みたいになってしまうので、そのことを意識しすぎないで、打てる球を打とうと思っています。(明日の試合に向けて一言)連勝して勝ち点が取れるように、明日も一戦必勝で頑張っていきたいと思います。

加藤拓也(政3)

(今日のゲームを振り返って)しんどかったですけど、勝ててよかったです。(久しぶりの先発だったが)そうですね、久々だったのでけっこう緊張していました。なんとか先に点を取られないようということだけ意識して投げました。(先発と抑えではどちらが好きか)いや、特にどっちも変わらないです。どっちが好きとかはないです。(今季強いと言われている東大と対戦してみて)そうですね。相手ピッチャーもすごくよかったですし、打撃陣もすごく粘り強かったです。(防御率がリーグ1位だが、手応えはあるのか)今日もそんな調子はよくなかったので、なんとか0に抑えられているなと。防御率などの意識はせずにチームが勝てるように頑張ります。(終盤苦しい展開だったが)そうですね。自分たちのチームが点取るまでは投げようと思っていたので、苦しかったですけど丁寧に投げることを考えていました。(今日の自分のピッチングについて)0点に抑えられたのはよかったですけど、ちょっとフォアボールが多かったのでそこが反省かなと思います。(最後に明日の第2戦に向けて一言)ピッチャーが抑えてバッターが打ってくれれば勝てると思うので、そこをしっかりやってくれることを信じて、僕は僕で準備しておこうと思います。

山口翔大(環3)

(今日の試合を振り返って)ミーティングで、東大の宮台投手がいいという話をしていた中で、途中で交代してから点を取れたのがよかったです。(7回まで1安打と抑えられていたがベンチではどういった声かけをしていたか)特に押されている雰囲気ではなかったので、「このままいけば勝てる」といった言葉をかけていました。(第4打席はどのような気持ちで打席に入ったか)二者連続本塁打が出たときに、自分も狙うしかないなと思っていました。横尾さんがホームランを打った時に谷田さんと「美味しいところ取られちゃいましたね」って話していたら、谷田さんもホームランを打ったので、僕も打つしかないなと。(打った感触は)打った瞬間に入ったなと思いました。(3者連続本塁打は六大学リーグ史上初)美味しいですね(笑)。横尾さんと谷田さんのお陰で記録をつくることができてありがたいです。(最近の好調の要因について)試合に慣れてきたこともあって、自分の持ち味が出せるようになったかなと思います。(明日に向けて一言)明日もしっかりみんなで打って守って勝ちたいと思います。

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